「ストオオオクッ!!」
基礎データ
概要
『ポケモンSV』から登場した、嫌らしい目つきをしたシュバシコウ(コウノトリの仲間)のような鳥ポケモン。
野生下ではパルデア西海岸の断崖の近くや荒地で飛んでいる姿を見かけるが、チャンプルタウンの近くのエリアでは草原を走っている個体もいる。
腹から垂れ下がるエプロンのような長い体毛に、抜け落ちた自らの羽を編み込み袋を作る。それを常に口に咥え、おくるみのようにしているのが特徴。
袋はもちろんエサを運ぶのにも使うが、主な使い道はいろいろな物体を詰めて高いところから遊び半分で落とすという危ないもの。特に大きな音がするものを落とすのが好きらしい。
シュバシコウなのだから、きっと赤ちゃんやタマゴを運んでくるんだろう…と思った結果がこれだよ!赤ちゃんやタマゴでなくてよかった…と言いたい所だが、結局危険なことには変わりない。
加えて、こちらを煽るような愉悦に満ちたしたり顔、あくタイプカウントも納得というものである。
ちなみに岩を落とすだけでなく、道具も落とせちゃいます。
糞も上から落としてくるかもしれない。
幸せを運んでくるシュバシコウがモチーフであるが、どちらかというとアフリカハゲコウに近い。
ヨーロッパではシュバシコウが子供のいない夫婦のもとに赤ちゃんを授ける伝承が幾つかあり、そこから「赤ちゃんはシュバシコウが運んできて親の元に届けられる」と言われるようになったが、ポケモンの世界では「オトシドリが赤ちゃんを運んでくるんだよ」とでも言うのだろうか。
因みに色違いはクチバシと足が灰色、目元の模様が赤色に変わり、シュバシコウではなくコウノトリによく似た姿となる。
ネーミング
日本語名は読んで字のごとく「落とし鳥」。
中にはコウノトリというモチーフと真逆な生態から、本当は「堕とし鳥」なのではないか?という邪な考察もある。
他国版はというと、英名は「Bombirdier」、ドイツ語では「Adebom」と爆撃機に由来したネーミングとなっている事が多い。
前者はbombardier(爆撃機)+bird、後者はAdebar(コウノトリ)+Bomber(爆撃機)となっており、どちらも「種族」と「爆撃機」を表す単語の組み合わせ。
ここまでネーミングは凶悪なものが揃っているが、フランス語名の「Lestombaile」はlaisse tomber et d'aileの短縮形だと思われる。
直訳すると「落として飛び去る」=オトシドリだが、Leisse tomberで「あきらめる、やめておく」という熟語になる。
「あっ荷物おとしちゃった。まあいいか」とでもいいたいのだろうか。
ゲーム上の特徴
性能
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
70 | 103 | 85 | 60 | 85 | 82 | 485 |
岩を落とすというだけあっていわタイプの物理技を多く習得でき、隠れ特性のいわはこびとも噛み合っている。
弱点が多い一方で攻撃で優秀ないわタイプでないにもかかわらずいわ技をタイプ一致に等しい威力が出る等、いわタイプのいいとこ取りしたような印象で弱点は4つとやや多いが、半減3つと無効が2つといわタイプの耐性と比べれば悪くない耐性である。
こうげきが突出して伸び、防御と特防が同値でそれなりに高く、3番目に素早さが高いというバランス型だが、入手の速さや攻撃/素早さ/HP/とくこうのステータスではカラミンゴが優っている。
勿論、差別化できる要素はある。あくタイプであるがゆえか、搦め手を使いながら攻撃できるという点である。
いわなだれ、ふいうち、イカサマ、がんせきふうじ、すてゼリフ、フェザーダンス(タマゴわざ)、ステルスロック、ちょうはつ、こわいかお、おきみやげ、ふきとばし、はたきおとすとこれでもかというほど嫌がらせのできる技が揃っている。
より大きいのは起点作り技として優秀ながんせきふうじ、はたきおとすに火力補正を乗せることができる点であろう。
単に搦め手を使うだけが能ではなく、ブレイブバード、ドリルライナー、ストーンエッジといった高威力の技を覚えるので素で殴るのも、おいかぜでサポートするのも全然アリ。
素の特殊火力はイマイチだが、こごえるかぜ、ねっぷう、ぼうふうといった技を習得でき、わるだくみで補正が可能なので特殊型にする事もできるといえばできる。
大空のヌシ
ペパー:「岩落とすあぶねぇヤツには しょっぱい敗北めしあがれ だ!」
レジェンドルートでは「大空のヌシ」の異名でにがスパイスの番人たる巨大個体が出現。
どうやって詰めたのか、主人公の倍はあろうかという大岩を次々と落として転がしてくるので、これをミラコラで躱しながら近づいていくというマリオカートじみた体験ができる。これが本当のいわなだれか…。ぶつかっても怯むだけでゲームオーバーにはならないので安心されたし。
ちなみに、ペパーのアドバイスを無視してミラコラに乗らずに徒歩で突破することもできる。そしてこの場合も、岩にあたってもスタート地点に強制送還されるだけで済んでしまう……。
バトルではロックブラストを覚えて耐久も高いガケガニ(テラスタイプ:いわ)を使うのがおすすめ。空中で悦に浸っているヤツを岩で撃ち落としてやろう。
ガケガニにはヌシだった個体がいるのでそいつを捕まえておくと赤子の手を捻るレベルでアッサリと倒してしまう。
2戦目ではペパーの繰り出すコジオもうちおとすで援護してくれるので、彼の言う通りしょっぱい敗北をお見舞いしてやるのもたやすいであろう。ヌシ戦の中では唯一1戦目から間髪入れずの2連戦になるが、ペパー任せでも勝てる程度には弱い。
なお、レジェンドルートのヌシは倒した後に近くに通常サイズの固定シンボルとして(何故かその場でとどまりながら低空飛行しているシュールな状態で)出現し、話しかけることで再戦できる。倒したら復活しないので注意。
このヌシは「ヌシのあかしを持つ」「個体値が6U固定」「体が大きい」といった特徴を持つのだが、オトシドリの場合は特性も隠れ特性のいわはこびになっている。更に性格も物理型に向いた「ようき」で固定。
旅パなら十分な種族値と高個体値、それに噛み合った性格に加えて実質3タイプをタイプ一致で扱えるため、戦った時とはほぼ別ポケモンレベルで活躍してくれるだろう。手持ちのひこうタイプやあくタイプに不安があるなら、大空のヌシ撃破後すぐに捕獲に向かうのも手。
余談
没ポケモンにコウノトリモチーフのポケモンがおり、原型になったと思われる。
パルデア地方のモデルになったスペインはシュバシコウの飛来地として有名であり、春先になると町中で繁殖の為に巣作りや子育ての様子を見る事が出来る。今作でシュバシコウがモチーフとして選ばれたのもそれが理由だろう。
なお実際のシュバシコウやコウノトリは、エサの確保が難しくなると育ちが悪いヒナに見切りをつけて巣から落としてしまう。こういった「間引き」は猛禽類やサギの仲間にも見られる行動でありコウノトリに限った話ではない。
また、タカ目の鳥には獲物を高所から落下させて殺したり、骨を高所から投げ落として割り中の骨髄を食べるものもおり、生態はここから着想を得たものであるかもしれない。
関連タグ
ペリッパー:小さなポケモンを運んでくるという設定から、コウノトリの要素も入っていたと思われる(そちらのモチーフはあくまでもペリカンである)。
同タイプ