CV:福山潤
概要
アニメ『ポケットモンスター ベストウイッシュ』(以下BW編)第77話「炎のメモリー!ポカブVSエンブオー!!」にて登場するポケモントレーナー(だが、第4話から既にモブとして出ていた)。
「ファイアーウォーリアーズ」と称したチームを持ち、ダブルバトルを得意としている。
「相手の攻撃を受けた後に倍の力で押し返す」というカウンターのような戦法が得意らしい。
クイタランの「ほのおのうず」とエンブオーの「フレアドライブ」を組み合わせた大技(デント曰く「超フレアドライブ」)も操る。
そして、かつてサトシのポカブを所持していたトレーナーでもある。
以下、本編のネタバレ注意
典型的悪質かつ救いようのないトレーナーで、ポカブを捨てた理由は「バトルの素質(才能)が無いと判断したから」。
サトシたちに注意された時にも「弱いから捨てただけ。トレーナーが強いポケモンを求めるのは当たり前だし自分のやったことは悪いことではない」、「なんとでも言え。力こそ正義だ」と言い張り、反省の色を全く見せなかった。
それだけではなく、一般トレーナーに無理やり勝負を挑んだ挙句、負けたトレーナーからポケモンを奪おうとする(及びそれ目的のバトルをする)という、最早やっていることがポケモン泥棒や悪の組織やポケモンハンターと変わらない犯罪まがいの行為もしていた。
窃盗をサトシ達に止められるが「関係のないヤツが出てくるなよ」と愚痴を溢すが、その場にドン・ジョージが現れるとバトルクラブ追放を恐れたのかすぐに逃げた。
また、ポカブを逃がす際には別れを惜しむような表情や言い方をしていた。それが原因でポカブはスワマと戦うことをためらっていたが、これも実はただのポカブに自分について行くのを諦めさせる為の演技。そしてそれでも自分の元を離れないポカブに対してとったのは(「強引に引き離す為に杭で縄を固定して放置した」という非情な行動である。
その後ポカブの目の届かない場所に移動した後はニヤリと笑い、「あ〜清々した。あんな弱っちいポカブなんかいらねぇよ。さてと、とっとと強いポカブでも探しに行くか、ハッハッハ」と言いながら去っていった。
……ただ、人目につきやすいバトルクラブの真ん前に捨てていった辺り、「他のトレーナーが保護してくれるかもしれない」などと一応は考えていたのかもしれない(実際、この後そのバトルクラブを管理しているドン・ジョージがポカブを発見し捨てられたと言う事情を察して保護しようとしていた)。しかし、結果としてその後ポカブはスワマを探す為に自力で縄を解いだ拍子に口元に縄が絡まり食事が出来なくなりサトシたちと出会うまで誰にも保護されず餓死寸前にまで弱ってしまっていたため、その行動の浅はかさは否めない。
また「大概のポケモンは(この手の演技で)騙せば諦めてくれる」といっており、何度もポケモンを奪ったり捨てたりしている可能性も0ではない。
信じていたスワマの言葉が全て演技であったことを知り、ポカブは戦意喪失。まともに戦えないほど心が折れてしまった。
だが、ツタージャたちの激励を受けて復活したポカブがチャオブーに進化し、一気に形勢逆転。「ほのおのちかい」と「ニトロチャージ」で手持ちの2体を倒されてしまう。
試合後、チャオブーに対して掌を返したように自分の元へ戻ってくるよう誘うが、サトシを「冴えないトレーナー」と侮辱する発言があったことや、チャオブーにも本性を悟られ全く信用されていなかったこともあり、決別及び懲罰の意味を込めた「かえんほうしゃ」を浴びせられて黒コゲにされる(ちなみにこの時のチャオブーの鳴き声は「チャオ!」。別れとかけた上手い鳴き方である)。まさに因果応報といってもいいだろう。
そして「覚えてろ!」と捨て台詞を吐き、改心も反省もせず逆恨みしながら逃げていった。
余談
- その清々しいほどの外道っぷりや担当声優の演技もあってか、この手の悪役を好む一部のユーザーには人気がある模様。
- 「炎御三家を騙して捨てる」「最終的に戻って来いと掌返しをするもそのポケモン自身の手で制裁される」などの描写は、無印編のヒトカゲの元トレーナー・ダイスケと通じるものがあり、往年のアニポケファンの間では「第2のダイスケ」「BW編のダイスケ枠」などとして名前を挙げられることが多く、スワマの前にシンジがダイスケやスワマと同じく弱いという理由でヒコザルを捨てている。
- また第6世代までの炎御三家は下記のよう捨てられた個体をサトシがゲットするかヒロインの最初のポケモンであるかのどちらかでヒノアラシのみがどちらにも該当しない。ただヒノアラシはユウジというクズトレーナーに捕獲されそうになった事がある。キツい性格でサトシ達に高圧的な態度で接し見下していた他、連れているサンドパンに妨害を指示や人が捕まえたポケモンをカツアゲする等の陰湿な嫌がらせを執拗に行い、人間には完全に嫌われていると冷酷かつ苛烈。
- 当然ながらこいつに天罰が下らない訳がなく、再びサトシが捕まえたヒノアラシを奪った瞬間に返り討ちにされて逃げていったが、ポケモンを盗み(ただし人が捕まえたばかりのポケモン)、このときにサトシを頑なに認めず煽ったり、逃亡中に改心も反省もしないどころか挙げ句逆恨みをする末路はまさにスワマそのものである。
- スワマとの相違点としてポケモンを酷使した事はなく、社会的常識が欠落していない(残酷であれど前科は犯罪ではない)点である。実際にこいつはポケモンを捨てたことは(少なくとも作中で見た限りでは)全く無く、敗因をポケモンのせいにもしないので改心前のシンジの方がポケモンに非情なくらいである。
- 彼が登場し、上記のBW編第77話は、ゴールデンウィークの連休初日ということもあってか、2.2%というアニポケ過去最低視聴率を記録した(それまでの最低視聴率は2006年8月10日放送のAG編第187話「ハルカVSシュウ!ライバルよ永遠に」の4.0%である。)。決してこいつに不快感を覚えた視聴者(およびその親)がチャンネルを替えた為ではない。
- また、続くBW編第78話「ハチク登場!ウルガモスの聖なる山!!」にてハチクはリンゾーというポケモンハンターに向かって「許さんぞ、人間のクズめ!」と発言しているが、まさにスワマとダイスケ、ユウジ、彼を含めたポケモンハンター、下記のみずポケモン達とゲンガーを棄てたトレーナーの面々にも当てはまる言葉であろう(ゲーチスとJとゼッド博士以外のトレーナーの面々は微妙なところだが)。
- BWDa!編第7話「デコロラ諸島の海賊王!」で登場した海賊ポケモン(アリゲイツ・マリルリ・オクタン・コアルヒー)たちのみずポケモンは、4匹とも過去にスワマのような「弱い」や「進化前の方が良かった」等の身勝手で心ない理由で捨てられた過去を持つ(捨ててはならない理由になってはいないが、マリルリはもう少し待っていればフェアリータイプが追加されるというのに……)。アニポケで度々このようなトレーナーが登場するのには一体どんな意味が込められているのだろうか。
- その後、SM編にて福山氏はハウを演じることとなった。ハウは当然ながらポケモンを捨てたことはなく、全体的に明るくハキハキとした無邪気な少年である(福山氏はBW以前にトモノというまっとうなキャラクターを演じている。ちなみにダイスケの担当声優もコームという無神経なところはあるとはいえまっとうなトレーナーを演じている)。
- 第8世代ではポケモン図鑑での説明文にて非常に性質に問題があるをがゆえにカジリガメがダイスケのような陰湿なトレーナーたちに捨てられていることがわかり(スワマと違って犯罪に等しい悪事は犯してない上に逆にポケモンの方が凶暴とはいえ)トレーナーでなくこちらもみずタイプである。こいつらもクズ行為を働いたにもかかわらず報いを受けていないため、余計にタチが悪い。
- 更に後年の新無印編第16話「呪われたサトシ...!」にて、サトシのゲンガーの元トレーナーである金髪男が登場。
- 彼は本編の3年前、ゲンガーの呪いのせいでゲットやバトルが不調と見なし、ゲンガーを「お前はここで待て! ここから離れるんじゃないぞ!」とダイスケと同じ手口で騙してとある屋敷(後のサクラギ研究所)に捨てた。そして3年間ゲンガーあを放置した挙句「ゲンガーなんてゲットするんじゃなかったぜ」などと愚痴った結果、サトシ一行を通じて真実を知ったゲンガーの怒りを買い、そのまま逃亡してしまう。
- ゲンガーに対し掌返しはしなかった一方、ダイスケやスワマが(利己的な動機でかつ態度はともかく)多少なりとも捨てたポケモンを認めていたにもかかわらず「お前がいたら嫌な事ばっかり起こるんだ!もういらないんだよ!」などと詫びるどころか逆ギレして八つ当たりするという最低な態度を取っている上にトレーナーという世界から逃げたので見方によっては彼ら以上にトレーナーであると言える。
所持ポケモン
なお、エンブオーの性別はサトシのツタージャの「メロメロ」が効いたことから♂である。