DATA
概要
『ウルトラマンブレーザー』第4話「エミ、かく戦えり」に登場した怪獣。
くすんだ白と黄色の半透明な体表に、眼球の無い花弁のような頭部と、先端に粘菌のような無数の球体が付いた、軟体動物のようなグニャグニャとした脚部が特徴。また、頭部の内側や後頭部の触角などは毒々しいまでの赤色になっている。
頭部はクリオネのバッカルコーン(=口円錐)のように展開し、内側には真っ赤な球状の器官と、ゼットンのようなパターンで発光する器官が見受けられる。
まるで植物型のスペースビーストを連想させる、異形かつ奇怪なクリーチャーじみた容姿をしている。
鳴き声は、人間の女性の笑い声を彷彿とさせる不気味なものとなっている。
どこか貧弱そうな体型故か、普段は四つん這い姿勢で、基本的にナックルウォークで歩行する(一応、後肢による起立も可能な模様)。
攻撃を受けても瞬く間に元に戻る高い再生能力を持っており、自らの身体を自由自在に液状化(公式サイトの説明によればアメーバ化)させて地中や河川へ移動、さらに再復元も可能で、この能力を応用して思わぬ方向から現れる奇襲戦法を仕掛けて相手を翻弄する。
さらには長い前肢を振り回して攻撃を行う他、頭部の口で敵に噛み付いたり、口の中央から金色の怪光線を放射することも可能。
大手化学企業「ノヴァイオ」が開発した新型殺菌剤「FK1」が無ければ撃破不可能とされる。
エミはノヴァイオに潜入するが、そのノヴァイオにも何か裏があるようで……。
活躍
3ヶ月前(映像によれば2023年3月16日付け)から出現しており、初現出の際にFK1の入ったコンテナを破壊した際に液状化して逃走した経緯から、その効果と有用性が判明したため、GGFはノヴァイオに対してFK1を注文するようになった。しかし、現出の度に使用量が増えていく事態から、レヴィーラは徐々にFK1への耐性を身に付けており、FK1を使用しても完全撃破には至っていなかった。
その後、アースガロンと交戦するも、予想通りFK1への耐性が強くなっており、新型アンプル弾の連射での直接体内注入もアースガロン接敵ギリギリまで耐えてしまい、再び液状化。液状化した際に地面へと染み込み、そのままどこかの地下へ逃げていた。
その後、内偵調査を行っていたエミの潜入がノヴァイオ社長のソネザキ・ヒロシにバレてしまい、彼の口からその正体が語られた。
……その正体は、2001年に飛来した隕石に付着していた地球外の新種不定形生物の細胞を、ノヴァイオの孫会社が生み出した害魚を駆除する「人工クリオネ」に合成して、攻撃力を高めた上でFK1を嫌うよう遺伝子操作を施したキメラ生命体。液状化して地中に逃げたレヴィーラは帰巣本能でノヴァイオ本社ビルの地下に戻っており、地下には別個体の小型レヴィーラが大量に培養・保管されていた。
ソネザキは20年前のGGF時代に組織のデジタル化移行に伴い、古い資料の大量廃棄のどさくさで手に入れた機密書類と細胞サンプルから生み出したレヴィーラを「私の子供」と呼び、レヴィーラを暴れさせてFK1を提供・販売し、自らを救世主としてリスペクトさせる計画を行っていたのである(18年前までGGF科学部に所属していたが、この野望のために辞め、ご丁寧に自分に関する経歴まで消去していた模様)。
しかもFK1の耐性が付く事態も想定済みで、いずれは大量のレヴィーラ達と共に日本を離れ、事態を知らない世界へとビジネスを広げる事を目論んでいた(その目的からエミに「自分好き過ぎでしょ」とツッコまれていた)。
ソネザキはそのまま秘密を知ったエミを護衛のSPに命じて「ほとぼりが冷めるまで200年眠ってもらう」として冷凍装置に連れていこうとするが、実はエミの潜入がバレたのは以上の真相に関する決定的な証拠を入手するための芝居であり、エミが隠し持っていたカメラで上述の会話をしっかり傍受されてしまっていた。
エミの合図を待たずに駆け付けたヒルマ・ゲントとの戦いによりSPもろとも撃退され、さらに曽根崎がエミに放った銃弾が誤って研究所の配電盤を壊してしまい、レヴィーラが目覚めて暴走。
その後、ゲントが変身したウルトラマンブレーザーと交戦。液状化と口から放つ光線でブレーザーを翻弄し苦戦させるものの、エミの機転でノヴァイオ内のコンテナに保管されていた液体窒素をアースガロンによって浴びせられて全身が凍結。その隙にブレーザーのスパイラルバレードにより身体を貫かれて内部から全身を貫かれ圧縮爆発された。
なお、本社地下に保管されていた別個体がどうなったのかは不明であるが、曽根崎の悪事が露見したためGGFが処分をしたものと思われる。
余談
- その異様かつ奇怪ながらもどこか愛嬌のあるデザインから、情報公開直後の一部のファンからは「プリズ魔のような絶望しか与えない強敵」「ホオリンガみたいにハートフルな展開になる」などの両極端な意見が出ていた。
- 実態は上記の通り強敵ではあったが、それ以上に人間の醜い欲望と科学から産み出されてしまった末に、望まぬ加害者になってしまった被害者であった。
- さらにそのデザインと明かされた誕生経緯から、「某有名ホラーゲームに登場してもおかしくない」という意見まで露見された。
- pixivに投稿されたイラストでは、プレミア発表会で隣り合っていた縁からか、不思議とガヴァドン(A)と一緒に描かれたイラストが散見される。パッと見の質感が似ているのもあるのだろうか?
- ソフビは「ウルトラ怪獣500」規格で発売。クリア素材でその体を表現している。
- レヴィーラ暴走のシーンをよく見てみると、まだFK1が残留しているにもかかわらず暴れ出しているため、ゲントの早期介入による流れ弾がなくても遅かれ早かれ暴走する可能性があったと考えられる。エミの合図とレヴィーラ暴走のタイミング次第では、エミが冷凍室に閉じ込められたまま崩落に巻き込まれていた危険性も考えられるため、ゲントの独断行動は間違っていたとは言えない。
- レヴィーラの元になった宇宙生物の名称は不明だが、レヴィーラによく似た姿をしていることが資料から判明している。ただし、あちらは顔の部分が完全に口になっており、鋭い牙が無数に生え、よりクリーチャーらしい見た目をしているという違いがある。
関連タグ
- ペジネラ:レヴィーラと同じく、大企業の内部で増殖していたエイリアン。ウルトラ怪獣の中でも生々しく奇怪なデザインである点、登場回が第4話である点、企業が売る商品と深い繋がりがある点、ウルトラ戦士との戦いが夜戦だった点、無数の小型個体が登場した点など、共通点が非常に多い。こちらは自ら企業内部に潜入し、社長や社員達を操って計画を実行していた。
- ラフレイア:花弁のような頭部を持つ外見的特徴が酷似。上述の通り、レヴィーラは一見スペースビーストでもおかしくないようなデザインをしている。
- コスモリキッド:体を液状化することができ、凍結された所を攻撃されて倒された怪獣。OPでのゲントの履歴書にこの怪獣の撃退に関する記述がある。
- ネオメガス、スフィアジオモス:前作における人の手によって作り出された怪獣。この内ネオメガスとは創造者が元防衛隊関係者の点や、デモンストレーションを目的として作られた点も共通しているが、前者は曲がりなりにも人類の平和を目的としており、また後者も利用していた地球外生命体の生命力を甘く見ていたが故の事故であったため、脅威ではあったもののその背景や思想に曾根崎ほどの身勝手さは絡んでいなかったと言える。
- グルジオボーン、ブラックキング、ガーゴルゴン、レッドキング、グエバッサー、メカゴモラ、アリブンタ、ホロボロス、ベゼルブ、グビラ:5年前の作品にて、大企業の社長が自作自演のために出現させた、レヴィーラと似たような経緯の怪獣達。ただしあちらの社長の悪事に関しては本人の意志ではなく、元からソネザキ・ヒロシのように歪んだ人物だった訳ではない。