やあ。もうきみを寂しくはさせないよ。
この魔女キルケーを呼び招いたのだからね。ふふ。
プロフィール
真名 | キルケー |
---|---|
クラス | キャスター |
性別 | 女性 |
身長 | 147cm |
体重 | 39kg |
出典 | ギリシャ神話 |
地域 | 欧州 |
属性 | 混沌・中庸・天 |
好きなもの | キュケオーン |
嫌いなもの | 愚かで、傲慢で、嘘吐きで、つける薬もない男 |
設定担当 | 星空めてお |
ILLUST | 左(FGO)、渡れい(SR) |
CV | 茜屋日海夏 |
概要
『Fate/Grand Order』に登場するキャスタークラスのサーヴァント。レアリティは☆4。
メインシナリオでは、第1.5部亜種特異点Ⅳ『禁忌降臨庭園 セイレム』にてオケアノスのキャスターの仮称で登場。カルデア陣営の一人として協力関係になる。
鷹のような翼を持ち、相手を豚に変える魔術を扱う、神話に名高き、誘惑と堕落の魔女。
真名
ホメロスの叙事詩『オデュッセイア』に登場するアイアイエー島の魔女、『キルケー』。
元々は女神であったらしいのだが、現状Fate世界にそのような設定は見られない。
さまざまな効能や変異をもたらす魔法薬の調合を得意とするリケジョ(理系女子の略)。
島を訪れた人間の男をご馳走でもてなし歓待するが、飽きてしまうと獅子や狼、豚といった動物に変えてしまう。兄はアイエーテス(メディアの父・コルキス王)。妹はパーシパエー(アステリオスの母・クレタ王ミーノースの妻)。
海神グラウコスから恋愛相談を持ち掛けられた際には、グラウコスに横恋慕をして拒絶され、嫉妬が高じて、相手の乙女スキュラを怪物へと変えてしまった。このスキュラは後にオデュッセウスの六人の部下を食らっている。
英雄オデュッセウスは、故郷への帰還の途中にアイアイエー島に立ち寄り、キルケーの毒入りの麦粥を勧められるが、ヘルメスの加護をもってその魔法を破ったため、特に彼女から気に入られる結果となった。オデュッセウスが立ち去る際には、旅の苦難を避ける有益な助言を彼に与えている。
名は鷹を意味する為、背中に鷹の翼を生やしている。ちなみに原典の神話では少女の姿であるFateとは異なり、見るからにセクシーな女神として登場している。
人物
一人称は「私(わたし)」。
惚れっぽくて嫉妬深い、永遠の乙女。
いじらしく甘やかす、その愛玩の手練手管はまさに禁断の蜜の味。
自らを大魔女と称し、魔女であることに絶対の誇りを持っている。
普段は狡猾に残忍に尊大に魔女らしく振る舞うのだが、根が真面目でそそっかしく寂しがり屋なため、イマイチキメることのできないポンコツ感を漂わせている。
ボケかツッコミかで言えばツッコミ役。
「惚れっぽくて嫉妬深い」とされているが、惚れた相手には弱く、誠実。
ただし人前では自身の魔女としての誇りが邪魔するため、素直に接することができないツンデレさんでもある。そして相手に依存するヤンデレ気質もあるため注意。
好きな者や嫌いな者を豚に変えたがるところがあり、好きな豚は手元に、嫌いな豚は料理してしまうなど魔女らしい。
ちなみに今の姿が少女の姿であることにコンプレックスを抱いており、「ロリ」だの「子供」だの言おうものなら一服盛られかねない。古代ギリシャの女性美の基準が「清純でうら若い少女」であることに寄った結果ではあるのだが、ここまで子供扱いされるとは当人も思わなんだろう。
なお彼女の身長はメディア・リリィ(150cm)やアビゲイル(152cm)よりも低く、茨木童子と同じであると見れば、相当小柄である事が窺える。
一方で「おばさん」呼びされるのも嫌う。
ちなみに伯母・叔母は親の姉か妹かで漢字が異なるので、キルケーはメディアにとっては叔母(父の妹)だが、アステリオスにとっては伯母(母の姉)である。
彼女の言う「おばさん」には伯母も叔母も、さらには「ロリババア」まで含む多義のものであるようだ(もっとも、ロリババアは前述のロリの方でも引っ掛かるので二重の地雷なのだが……)。
そんな訳なのでカルデアではメディア・リリィには自分を先輩と呼ぶよう注意するが、言葉通り解釈したリリィによって『キルケー叔母様先輩』と言うあだ名を戴く事になった。
能力
さまざまな効能や変異をもたらす魔法薬の調合を得意とする。
また、手に持つ杖は弟子のメディアと似たもの。これは同じヘカテ神を信仰するが故か。
モーション中では、ピグレット達を突撃させる、杖から魔力砲や雷撃を放つ、翼から羽根型のエネルギーを散弾のように発射する、敵の周囲を旋回して竜巻を起こすなどの攻撃を見せる。
エクストラアタックでは、手に持った杯から流れる泥で毒の沼を発生させ、そこからスキュラの頭部4つを召喚して喰らいつかせる(恋敵を攻撃手段とするという中々ヒドイ絵面)。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
---|---|---|---|---|---|---|
藤丸立香 | E | B | D | A+ | A | C |
保有スキル
陣地作成(B) | 魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。豊穣の饗宴は女神ヘカテを讃える"祭壇"となる。 |
---|---|
道具作成(A) | 魔力を帯びた器具を作成できる。生死を司る女神ヘカテ直伝の薬術は使用者に驚くべき変異をもたらす。 |
高速神言(B) | 呪文・魔術回路との接続をせずとも魔術を発動させられる。神代の力持つ言葉は、現代人には発音できない。 |
毒の食饌(A) | 食饌とは食卓に揃えられた食べ物のこと。船乗りたちを豚へと変えてしまった御馳走こそがキュケオーン。 |
出航の助言(A) | 魔女の智慧を畏れ、そして女神の愛を知る者の旅立ちには、苦難を乗り越えるためのの有益な助言を授ける。 |
宝具
禁断なる狂宴(メタボ・ピグレッツ)
- ランク:C→C+
- 種別:対人宝具
- レンジ:1
- 最大捕捉:1人
「あまーい時を過ごそうじゃないか……」
「待たせたねぇ!私の愛しいピグレット達!宴を張ろう、饗宴を開き、客人を饗そう!さあ暴れ飲み、貪食せよ!『禁断なる狂宴(メタボ・ピグレッツ)』!!ふふ……ふふっ、あははははっ!」
召喚の固有結界。
豪勢な酒宴空間に招かれた無粋な輩は、魔女キルケーの愛豚“ピグレット”に蹂躙される。
愉快で騒がしく、はち切れるほど満腹になる恐るべき魔術の宴。
法悦の味を覚えた者は、みずから進んで愛豚に堕ちるを望む。
詳細は該当記事を参照。
他作品での活躍
Fate/Requiem
聖杯トーナメントの実況者として登場。
更に、あるクラスの名付け親にもなった。
Fate/Samurai Remnant
逸れのキャスターとして登場。
関連人物
生前
航海をする最中にアイアイエー島へ流れ着いた、トロイア戦争を生き抜き勝利した大英雄。
先述にもあるが、キルケーはオデュッセウスを気に入り一年近くを共に過ごしたが、オデュッセウスは故国イタケーへの思いが蘇り、再び旅立つ決意をした。
キルケーは悲しんだが、強い思いを持つ彼を送り出すことにし、今後の苦難への助言を与えた。
サーヴァントとなってからは彼を「愚かで、傲慢で、嘘吐きで、つける薬もない男」とボロクソに言っているが、要は慕情の裏返しで、内心では「自分でさえ人理を護るサーヴァントとして召喚されてしまった以上、英雄の中の英雄であるあいつが呼ばれない筈がない。再会なんて時間の問題だ」等と、いっそ厚かまsもとい、清々しいほどの確信と共に互いの縁を意識しまくっている。聖杯への願いも「彼に再会して、告白すること」とされている。
そして予感通り2020年ホワイトデーイベント『アイアイエーの春風』にて本実装となり、イベントシナリオで記憶を失った彼と特異点で大変気まずい再会を果たし、共に特異点となったアイアイエー島の修正を果たすことになる……が、すべては姪が仕組んだ傍迷惑なお節介だったため、姪に厳重に灸を据えたうえ、お節介のせいで溜まりに溜まった最初の出会いから今日までの激情を、記憶を取り戻したオデュッセウスに叩きつけ、心に燻ぶっていた篝火に決着をつけた。
以降、カルデアに彼が召喚されても積極的に絡みに行くことは無いが、出会えばかつての日々のように自然に語り合える仲に落ち着いている。
オデュセウスの妻。
マテリアル本では彼女に対して言葉にならないコメントを発している。
キルケーによって怪物へ変えられた被害者。
理由も彼女の恋人であるグラウコスに勝手に横恋慕した挙句嫉妬したからという無茶苦茶な物。
エイプリルフール版『Fake/states night』ではプレイヤーの召喚出来る十数種のサーヴァントの一体。クラスは恐らくバーサーカー。EXアタックでは彼女を呼び出して攻撃する。
アイエーテス
兄にしてメディアの父親。
アルゴノーツの逸話から察するに褒められた性格では無かったが、身内への愛情はあった模様。
パーシパエー
妹にしてアステリオスの母親。
自由奔放かつ怠惰な性格だったようで、魔術の才能を磨かなかったことを非難している。
姪兼妹弟子。口を酸っぱくして魔女としての心得を説いたつもりだったが、それに従わずに不幸になったことを嘆くと同時に、その(一応)恋愛結婚した姿を羨ましいとも思っている。
ちなみに教示していたころは初っ端から宝具をぶっ刺されそうになったのを始め、そのマイペースさに振り回されっぱなしだった。曰く、「ストレスで羽根が抜けそうになる」そうだとか……
カルデアで再開した後はメディアに対しては「敗北拳なんて教えてない」とコメントし、リリィに対しては「魔改造って魔神柱を改造する意味だっけ……?」と戦慄している。
2020年ホワイトデーイベントではリリィの少女漫画思考に振り回された揚げ句、自身の深層に押し込めた核地雷を無遠慮なお節介で踏み抜いたため、かなりキツめにお灸を据えている……が、本気で反省“出来ているか”怪しいのが何とも……
甥。お互いに顔を合わせることも無いまま命を落としてしまったため、特にこれと言った感慨はない。あの妹からこんな素直な子が……とは思ってるようだが。
ただし「伯母さん」と呼ばれたときには酷い衝撃を受けたようだが…
アルゴノーツがキルケーの島に寄った際に意気投合した。
ただし趣味は合わなかったらしく、その点では口論が絶えなかったらしい。
カルデアでも暇な時にマスターのベッドで一緒にゴロゴロする仲。
マシュ曰く、女子高生の友達みたいな間柄であるらしい。
船乗りに偏見のない彼女だが彼だけは別のようだ。
見ていると英雄の真の強さとは何か深く考えさせてくれるとか、英雄の欠点の博覧会の様な男だとか散々にこき下ろしている。
Fate/Grand Order
契約したマスター。
なにげに「自分を頼りにしてくれる、未熟な若者」というキルケーにとっては性癖ドンピシャな人物であり、豚にしたいくらい愛しているらしい(幸い、一応未遂だが)。
2020年ホワイトデーイベント『アイアイエーの春風』では「自分は大勢のサーヴァントの内の一人でしかないかもしれないけど、君がマスターで良かったと思っている」と語っている。
彼女は海の荒くれ者たる海賊に対してはかなり好意的だ。
だが彼は彼女の前で「ロリBBA」だの「合法ロリ」だのと地雷を踏みまくってしまったために豚に変えられて出荷されてしまったらしい。 (´・ω・`) そんなー。
『Requiem』でも共演しているので「ちょっと静かにしてて」感覚だったのかもしれない。
事実両者ともクラス内でも最大のネタキャラポジションである辺り相性は良いと思われる。
第1.5部亜種特異点Ⅳで共演。
作中でのやり取りは淡白なものだったが、メディア曰く「彼女の好み」らしい。
彼女の幕間にて、キュケオーンを馬鹿にされたことで大激怒。そのまま戦闘になった。
なお、メイヴは宝具再現のための蜂蜜目当てだった。
Fate/Requiem
マスター
『キュケストック・アイアイエー』の共同経営者を務める調理師の女性。
Fate/Samurai Remnant
彼にキュケオーンを食べさせ豚の姿に変えてしまう。
その他
マテリアルにおいて、シャルルマーニュ伝説に登場する十二勇士を散々苦しめた逸話のある共通点の多い魔女、アルチーナとの関連を疑われて、全力で否定している。
ちなみにカール大帝は史実と伝説が混じった物が英霊の座に登録されているのだが、あえて伝説に登場した方の側面であるシャルルマーニュ名義にした理由は不明。再び何らかの方法で召喚されたのだろうか……?あるいは『Requiem』世界で何かしらあった可能性もある。
余談
- キルケーの翼
鷹の翼は衣裳だが、魔術回路の行き届く身体の一部でもある。
キルケーとは古典ギリシア語で『鷹』の意。衣装の意匠にしっかり反映されている。
- 『FGO』以外での活躍
本格的な登場をする以前に『魔法少女紀行~プリズマ・コーズ~』においてメディア・リリィより言及がされており、泥棒に対してキルケーは「事情があるにしても、それは刑罰をやりきった後に聞けばいい」と言っていたとのこと。メディアの絆礼装で存在が触れられているほか、メディアのスキルにも「キルケーの教え」というものがある。
小説『Fate/Requiem』でも登場。そちらでは聖杯トーナメントで実況の仕事をしていた。
当然ながらサーヴァントなのでマスターがいる。チェーンの飲食店『キュケストック・アイアイエー』の共同経営者。冬木市にメディアが召喚された事を気にかけていた。何気に(便宜上の仮かもしれないが)新たなクラスの名付け親になった数少ないサーヴァントとなっている。
- 出オチ担当「怪文書のキャスター」
また、キルケー関係のテキストは何故かやたらと長文である事が定番になっている。
絆礼装がそもそもそれなりに長文なのだが、特にバレンタインのチョコ礼装のフレーバーテキストが他を全く寄せ付けない規格外の長文であった事が話題になった。大抵の礼装フレーバーテキストはさらっとキャッチコピーが付く程度であるが、該当の礼装に関しては軽く小説の域に入っており、一回り小さい文字サイズで詰め込まれて実装された。
2018年エイプリルフールである『FGOGOA』でも、若干ではあるが明らかに他のキャラよりも長い説明文が付いている。長文が定番になっているのを意識しての事だろう。
システム上キャラ実装と同時実装になる絆礼装が長文であることから、最初から長文キャラであった事が窺えるが、『キルケー怪文書』なる二次創作が人気を博した事を元ネタに、一連の公式長文もしばしば『怪文書』または『公式怪文書』と呼ばれる事がある。
なお公式による一連の長文を二次創作の逆輸入とされる場合もあるが、実装当初からある絆礼装が長文であるという時系列上これは誤りである。
余談だが、チョコ礼装にある『日本産の豚の交配種』は実在し、『TOKYO-X』という商標で知られている。ちなみに個人的感想だが味は中々に美味い。興味があればぜひご賞味あれ。
「浪漫だね!●ックスだぞ!」
- 大魔女の本気
こんな感じに『FGO』切ってのネタキャラ女王の座を(当人には甚だ遺憾だろうが)恣にしてしまったが、2020年ホワイトデーイベント『アイアイエーの春風』では、シナリオのメインヒロインに抜擢され、さらにこれまでにないほど堂々たる知性派ヒロインぶりを発揮し、キルケーを「出落ち担当」と侮っていた多くのマスターが彼女の人評を改めるに至った。
普段こそ、知性ガン振りで我がままかつポンコツな美魔女だが、本質は一途で純真ながら思慮深く自立した才媛であることを、この物語で再認識させてくれる。
- セイレムとキルケー
史実のセイレム魔女裁判は、少女たちが麦角中毒による幻覚を見た所為で勃発したと言われる。
そしてキルケーの得意とするキュケオーンには麦角の成分が含まれていたという説が一部で唱えられている。魔女以外の接点が不明だった両者には麦角症という不思議な共通点がある。
……これが意図的なのか偶然なのかは不明だが。