概要
ロックマンシリーズの8作目である。
正式名称は『ロックマン8 メタルヒーローズ』
元々ファミリーコンピュータ・スーパーファミコン用ソフトとして展開された無印ロックマンシリーズ(1~7)であるが、今作の『8』はシリーズで初めてのPS・SSのマルチタイトルであり、CD-ROMのメディア化に併用しキャラクターが声を発したり、セーブ機能が搭載されるようになった。
その他にも作中のムービーアニメーションシーンや、オープニング曲・エンディング曲も初導入された。
主題歌はGANASIAが担当し、作中のムービーアニメーションは、後にXシリーズやエグゼシリーズのアニメを手掛ける事になるXEBECが担当している。
そのような意欲的作品でもあるが、反面
本作品においても、『ロックマン2』からの伝統であるボスキャラクター8体のデザイン一般公募が行われたのだが、従来とは異なる方式によって公募が行われたことで、ファンからは批判の的になっていたりする。
既に制作者側で2体のボス(テングマン・アストロマン)が用意されていたため募集枠が6つしかなく、残り6体についても内3体は細かい特徴の指定が用意されており、募集要項にあるテンプレ素体を元にデザインするように条件が設定されていた。つまり完全なオリジナルデザイン募集は、8体中3体だけという事になる。
うち1体に関しては、「身体が上下に分かれている・片腕が剣」という非常に特徴的な部分が既に決まっていたため、投稿者もこれ以上オリジナリティを出しようがなかった。採用された「エインシェントマン」もソードマンに名前が変わり、投稿作品にはなかった炎属性が付与されていたりと、あらかじめ開発側で敵の設定がほぼ決まっていたのに、話題性の為にボスイラスト応募企画をやっただけではないかと批判された。
これらの要因としては、『ロックマン7』からハードをPlayStationやセガサターンに急ピッチに乗り換えるにあたって、あらかじめゲームの内容を詰めこみすぎたためといえる。一概に責めることはできないが、ハードの変更やイベントの失態、度重なる発売延期により一部のファンとの株を落とすことになってしまったが、そのぶんゲームの完成度は高いため作品の評価そのものは高い。今日に至るまでファンの評価が大きく分かれる作品の1つでもある。しかも長らくは日本国内では任天堂のゲーム機では登場した事がない唯一のナンバリング作品だった。
後日、内容補完やファンへのお詫び含めて、『ロックマン8』の一部内容を含む後日談作品『ロックマン&フォルテ』がスーパーファミコン用ソフトとして開発・発売された。
また『7』以降の頭身の高いロックマンが登場する作品だったが(番外作品のロックマン&フォルテは除く)、これ以降はまたファミコン版を意識した頭身に戻るも『ロックマン11』で再び頭身が高めのロックマンにまた戻っている。
『ロックマン8』が収録されている『ロックマンクラシックスコレクション2』が2018年にNintendoSwitchでもリリースされた。つまり、任天堂のゲーム機では一つだけ出ていなかった『ロックマン8』が加わり全てのナンバリングが揃った事となる(正確には海外ではゲームキューブの時点で既に『ロックマン8』はオムニバス収録によって出ている)。
『クラシックスコレクション2』に収録された『8』はPlayStation版である。また、これまで海外版のロゴデザインは「奥の方が狭く、手前が横長」のロゴにローマ数字を合わせたものだったが、今作から海外版である『MEGAMAN8』以降はタイトルロゴデザインが日本版と同じタイプに変更された。この件については、ローマ数字のままだと後に発売された『ロックマン10』がこのタイトルに間違えられる事もあったのかもしれない。
E缶といったストック回復アイテムが廃止されているため、ボス戦をゴリ押しで切り抜けることが難しくなっている、一方でリトライの度に武器エネルギーが全回復する仕様なので、弱点武器を用意できるかが勝負のカギとなる。
ワイリーステージ1が特にシリーズでも難易度が高く、前半の強制スクロール地帯が多くのプレイヤーが苦戦した。
また前述の通り今作からセーブ機能が搭載されたため、7まで続いたパスワードは廃止された。
ストーリー
宇宙から落下した謎の隕石を調査に向かったロックマン。しかし、そこにはワイリーがやって来ていた。
巨大な力を秘めた悪のエネルギーを軸に、宇宙から落ちてきた謎のロボットのデューオと
ワイリーの野望をめぐる戦いが繰り広げられる。
登場キャラクター
主要キャラクター
- ロックマン (CV:折笠愛)
- Dr.ライト (CV:飯塚昭三)
- Dr.ワイリー (CV:青野武)
- ロールちゃん (CV:小西寛子)
- ブルース (CV:置鮎龍太郎)
- ラッシュ (CV:置鮎龍太郎)
- エディー (CV:小西寛子)
- ビート
- ライトット (CV:二又一成)
- フォルテ (CV:檜山修之)
- ゴスペル
- デューオ (CV:小杉十郎太)
ボスキャラクター
前半のステージのボス達
後半のステージのボス達
セガサターン版のみ登場するボス
スペシャルボス
オープニングステージのボス。普通に戦うと堅いが、実はロックボールが弱点。
ワイリーステージ1のボス。ロックマン&フォルテにはプロトタイプが登場。
ワイリーステージ2のボス。シューティングステージとなるが、ライトット・ラッシュ・エディ・ビートも登場し、演出が熱い。
ワイリーステージ3のボス。お馴染み、デビルシリーズ。スライムのような身体を床に潜り込ませてくる。『ロックマン&フォルテ』には劣化版が登場。
OPのみ登場
- ガッツマン
- クイックマン
- スネークマン&ビッグスネーキー
- ファラオマン
- チャージマン
- シェードマン
- イエローデビル
- メカドラゴン
- ワイリーマシン4号
- ウッドマン
- ケンタウロスマン
- スパークマン
- スカルマン
- ジャイロマン
- フリーズマン
主題歌
- ELECTRICAL COMMUNICATION(OPテーマ)
作詞・作曲:尾澤拓実/編曲:高橋圭一、尾澤拓実/歌:GANASIA
- BRANDNEW WAY(EDテーマ)
作詞・作曲:尾澤拓実/編曲:高橋圭一、尾澤拓実/歌:GANASIA
余談
また前作『7』と違い、8ボスの弱点のサイクルは一周しない。
これは『3』以来のことで、前半4体と後半4体のボス達はそれぞれ弱点のサイクルが分かれている。
前作の8ボスのステージで『ある特殊武器を使うと色んな効果がある』要素は健在で、後半のソードマンのステージは前半の特殊武器を使って先に進むことになる。それ以外に前半のステージでも、後半の特殊武器を使わないとネジが手に入らない仕掛けがある。
個数でアイテムと交換できるネジは今作では決まった数しか無く、場合によっては取り返しのつかない事になる場合もあるので注意。
この作品だけロックマンが水中を泳ぐ事ができる。この仕様は続編以降には引き継がれ無かった。
また、PlayStation版とセガサターン版では様々な要素が異なっており、テングマンステージの曲がそれぞれ異なったり、セガサターン版では隠しボスが出現する。
ロックマンクラシックスコレクション2収録版は読み込み時間が無くなったのかローディング画面がステージ中盤部分を除いて無くなっている。また、ラッシュチャージャーのアイコンから赤十字マークが削除されている(赤十字マークは厳格な使用基準がある為だと思われる)
関連タグ
ロックマンクラシックスコレクション2 : 本作のPlayStation版を収録。