概要
企業が不祥事を起こした際や、その企業が製造した製品によって死亡事故を含む重大な事故が発生した際に、テレビの視聴者に向けて謝罪する目的で放送されるCMのこと。
リコール系のCMの場合は「その製品の使用の中止のお願い」と「回収・修理・交換のお知らせ」も兼ねている。
それぞれのお詫びCMには以下のような共通点がある。
- 通常のCMに比べて、話している人の声のトーンが低い。
- 文字中心の非常に簡素な作り。
- BGMは無いことが多かったが怖いとクレームがくるためか増加傾向。ただしあったとしても静かな短調のピアノ伴奏であることが多い。
- 例えばナショナルFF式石油暖房機は初期バージョンではBGMが無かったが、2006年春からBGMが付与された(2021年、2022年を除く)。
- リコール系のCMの場合はその企業の電話番号も記載される。(こちらにご連絡ください)
主なお詫びCM
製品リコール系
- 松下電器産業(現・Panasonic)の「ナショナルFF式石油暖房機」
最も有名なお詫びCM。未点検のまま使用し続けると一酸化炭素が室内に漏れ出し、大変危険。
日本初のお詫びCMと言われている。ナショナルFF式石油暖房機と同じ理由で回収対象となった。
経年劣化による火災事故の恐れあり。
1980年(昭和55年)から1989年(平成元年)に製造された。安全装置が正常に作動せず、一酸化炭素中毒事故に至る恐れあり。
- リンナイの開放式小型湯沸器
一酸化炭素中毒事故が発生したため。無償点検及び無償交換を実施中。
また、「ご使用の際は必ず換気をお願いいたします」との案内もあった。
(特に子供が)指を切断する恐れあり
火災事故の恐れあり
- 日立ハウステックの小型キッチンユニット用電気コンロ(つまみが飛び出しているタイプ)
身体や物が触れると意図せずともスイッチが入ってしまい、火災事故が起こる恐れあり。
- 日立アプライアンスの小型キッチンユニット用電気コンロ
上記のハウステックとは別の会社だが、リコール対象となった理由はハウステックとほぼ同じ。
- サンウエーブ工業の小形キッチンユニット用一口電気コンロ
火災事故が発生する恐れあり。
リコール対象の自動車の無償修理の案内。大規模なリコール隠しを受けて放送された。
交通事故などで開いた際に異常破裂する恐れがあるため。自動車メーカー9社が合同でお詫びCMを作ることとなった。
基準値を大幅に超えるアスベストが検出されたため。
食品リコール系
殺虫剤の成分であるメタミドホスが混入されており、食べると中毒の恐れあり。
子供や高齢者が食べると窒息死の恐れがあるとして注意喚起を行った。また、一時期製造を中止していた(現在は再開済み)。
10年間保存できるとして販売された商品だが、後に10年間保存できないことが判明したため自主回収の対象となった。
その他
2007年に年金記録の一部が消失していたことが発覚し、国民に謝罪する目的で放送された。
北海道胆振東部地震による電力不足に関するお詫びを兼ねる。
計画停電のお願いも兼ねていた。
被災地のライフライン維持(暖房用燃料など)や復旧支援(緊急車両や重機の燃料など)のために石油製品を供給しなければならなくなったため、ガソリンスタンドの営業時間の短縮や給油量の制限を行う可能性があることについて告知していた。
東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が発生し、被災地に緊急で食料を供給しなければならなくなったため2011年は中止となった。
カタログやホームページに事実と異なる記載をしており、景品表示法に違反していたため。
- セブンイレブンの残業代未払い問題
店員(アルバイト含む)の残業代の一部が支払われていなかったことを謝罪。