エンペラーフォーム
えんぺらーふぉーむ
概要
『仮面ライダーキバ』の主役ライダーである仮面ライダーキバの最強フォーム。
キバが魔皇竜タツロットの力を借りて全身に仕込まれた「封印の鎖(カテナ)」を解き放ち、「キバの鎧」本来の力を完全に開放したキバ本来の姿。
原型となった仮面ライダーダークキバは制御が非常に難しく、能力がいつ暴発してもおかしくない危険な代物であり、過去にレジェンドルガ族を全滅させた際にはファンガイアの同胞を巻き込んで大勢の犠牲者を出したため、安全に運用できる鎧の作成が求められたことで作られたのがキバの鎧である。
王室技巧匠の「ポーン」「ナイト」によって作成され、全身から装着者のライフエナジーを吸い上げて力に変換する事でダークキバと同等の性能(但しキングが装着者である関係上実際にはダークキバが上)を保ちつつ、諸々の調整を施して力の暴発を抑えることに成功して誕生したのがこのエンペラーフォームである(同時にダークキバの方にも同じように下方処置をした模様)。
更に黄金のキバにはもう一段階封印を施しており、その形態がキバフォームとなる。
このため厳密には「強化」や「パワーアップ」ではなく、「回帰」「リミッター解除」に近いという異色の強化形態である。
安全性は保たれており、ダークキバ程の危険性はないがそれでも素質の無い者が変身すると死に至り、それ相応の資格は必要。
元々がコピー版であるためダークキバと同じ姿であり、違いはそのカラーリングとタツロット、頭部の形状ぐらいである。
この姿に変身するにはタツロットがカテナを解放する必要があり、キバ単体でこの姿になることができない。
そのため、中盤から終盤にかけてはキバットバットⅢ世とタツロットが同時に駆け付ける事で一気にこの姿に変身することが多かった。
因みに設定では、変身者の素質次第で国を滅ぼすことも可能らしい。
スペック
身長 | 210㎝ |
---|---|
体重 | 100㎏ |
パンチ力 | 18t |
キック力 | 32t |
ジャンプ力 | ひと跳び180m |
走力 | 100mを3秒 |
キバフォームとは比較にならない力を発揮し、普通のキックでさえダークネスムーンブレイクに匹敵する破壊力を生むため、上級ファンガイアすら蹴りだけで怯ませることが出来る。
タツロットの力によりフィーバー状態となることでガルル・バッシャー・ドッガの各必殺技を強化状態で放つことが可能になる。
踵のルシファーズナイフが一振りで鋼鉄を容易く切り裂いてしまえる辺り踵落としの威力は高そうであるが、残念ながら踵落としに相当する必殺技は未使用。ゴルディショルダーも体当たりで敵に致命傷を負わせられるという凄まじい設定だが、これまでの肩が尖っているライダーの例に漏れずこちらも未使用の能力である。
劇中ではそれまで最強を誇っていたチェックメイトフォーのライオンファンガイアと互角以上の戦いを繰り広げ、スワローテイルファンガイアさえも圧倒。
戦う意思がそれほどなかったクイーンを除けば、キングと同等の性能を持つ仮面ライダーサガや仮面ライダーダークキバ等、立ち向かえる者はごく少数。
防御力も極めて高く、キバフォームの5倍の硬さを持つルシファーメタルによって核爆発にすら無傷で耐える程堅牢な装甲を持つ。更に仮面部分のエンペラー・ペルソナを見たファンガイアは最悪戦意を喪失してしまう事もあるようだが、劇中ではそのような描写はなかった。
キバフォームが連続拳打を使用していたのに対し、こちらは連続蹴りを使用する傾向にある。
ツール
- エンペラームーンブレイク
ダークネスムーンブレイクのフィーバー技。
両足に赤いキバの紋章を模したエネルギーを纏いライダーキックを行う。両足蹴り・跳び蹴り・空中連続蹴り・ドリルキック・回し蹴り・跳び回し蹴りなど蹴りパターンが非常に多く、破壊力は150tとダークネスムーンブレイクの5倍もの威力を誇る。クライマックスヒーローズでは足に生えた紋章で敵を連続で刺突するバージョンが採用されている、
ちなみにこの数値はライダーキックとしては歴代トップクラスの数値を誇り、核兵器より高い破壊力を持つ。
- エンペラーハウリングスラッシュ
ガルル・ハウリングスラッシュのフィーバー技。ガルルセイバーの柄尻に接続したタツロットの放出する炎の勢いで上昇した後上空から敵を一刀両断するパターン、刃・柄部分から炎を放出して敵を一刀両断するパターンがある。
- エンペラーアクアトルネード
バッシャー・アクアトルネードのフィーバー技。バッシャーマグナムのマズルに接続したタツロットから通常のアクアトルネードの3倍の威力の弾丸を放つ……が、劇中未使用(一説には玩具での安全面に問題があったためとも言われている)。
未使用武器や技自体は珍しくない事だが、劇中におけるバッシャーの扱いや後の『クライマックスヒーローシリーズ』『バトライド・ウォー』などのゲーム作品において、他のライダーの未使用技が再現される中何故かバッシャーフィーバーだけがハブられるためよくネタにされていたが、『バトライド・ウォーⅡ』にて遂に再現される事になった。
本来は時間制限のあるエンペラーフォームを条件付きでほぼ永久に維持することが出来る。というのも、本作の究極形態への変身はゲージが尽きると解除されてしまうが、ジャンプ中・アクション中は解除されない。当然、着地・アクション終了の瞬間に解除されてしまうが、この技だけはノーモーションでの発射・攻撃と同時にジャンプ・空中でアクションが終了する・通常攻撃を挟むことで再使用可という仕様が噛み合い、エンドレスでエンペラーフォームのまま撃ち続けられるのである。究極形態は時間が限定される代わりにステータスが高いので、1つの技しか使えなくなるとはいえ相手が死ぬまで撃ち続けられるという一種のハメに近い。
- エンペラーサンダースラップ
ドッガ・サンダースラップのフィーバー技。元の技とは大きく異なりドッガハンマーの柄尻に接続したタツロットから放出した紫色のエネルギー弾をドッガハンマーで野球のように打ち、命中した敵をドッガハンマーで叩き付けて粉砕する。
- ファイナルザンバット・斬
ザンバットの牙で研いだ赤く輝く刀身で敵を一刀両断する、または赤い斬撃を放つ必殺技。複数の敵を連続で斬ったりマザーサガークやサバトをも切断できる等、汎用性と破壊力は随一。キバットが「ウェイクアップ!」のコールと共にザンバットのウェイクアップフエッスルを吹く事で発動する。
斬った後は刃に付いた血を拭う様に一度ザンバットで刃を研いで元に戻し、それを合図に斬り伏せた敵は砕け散る。
初使用の際はザンバットバットが斬った数をカウントしていた。
- ジャイアントムーンブレイク
劇場版で使用。飛翔態状態でキャッスルドランと一体化し、巨大なエンペラーフォームの姿となって跳び蹴りを叩き込む。
この時大気圏を突破し、直接月に仮面ライダーアークを蹴り込んで倒すというとんでもない威力を見せている(その威力は、月に巨大なキバの紋章が刻まれる程)。
テーマ曲
「Supernova」
エンペラーフォームの変身シーンで使用された挿入歌(エンディングテーマ)。
「CSMキバットベルト」にも収録されている。
「キバ空中戦」
エンペラーフォームの必殺技シーンで使用された劇伴。
「CSMキバットベルト」にも収録されている。
その強さの性質
劇中では同等の性能を持ち、後に兄である太牙が変身している事が発覚し戦う事に戸惑いがあったサガや変身者の素質上圧倒的な強さを誇る過去編のダークキバなど、自身より性能が上の相手と戦う事が多いため押されることもあった。
これには訳があり、太牙からファンガイアとして生きる事を勧められて迷いが生じ、兄であるサガを相手に本気を出せなかった、深央の死など渡自身に心のダメージがあった時期な為、エンペラーの力を充分に発揮出来なかった事から渡自身の心の弱さがキバの弱さに直結する事が分かる。
渡の精神面で強さが大幅に上昇することも多く、最終決戦では圧倒的な力を見せるなど、設定・劇中の活躍を含め、変身者の精神状態が戦力に大きく影響したフォームともいえる。
解放されし秘められたパワー!皇帝の鎧を纏うキバ エンペラーフォーム!
「DXキバエンペラーフォームライドウォッチ」として一般販売。
必殺技は「フィーバー」。
余談
本編の話数が少ない『仮面ライダーディケイド』を例外とすれば、初登場回は第24話と、主役ライダーの最強フォームとしては、歴代で一番早い登場となった。
さらに最強フォームの出番が少ないシャイニングフォームやブラスターフォームなどとは対照的に初登場から最終回に至るまでの出番がほぼ皆勤賞で実際に最終回まで全て変身している。だが、第35話では登場してはいるけど飛翔態に変身する一瞬のみであり、戦闘シーンは無し。
そのため平成ライダーの中で劇中で最も変身した回数が多かった最強フォームでもある。この記録は10年以上経過している現在でも未だに塗り替えられていない。
まごうこと無きキバの最強フォームなのだが、飛翔態への変身とザンバットソードの入手と最強フォームとしては2回も強化イベントがあり、ここまで強化される最強フォームは中々無い。それ故に一部のファンからは「ザンバットソード入手後が本当の最強フォーム」と称される事がある。実際にザンバットソードを使用して、尚且つ渡が本気で戦った場合は無敗と圧倒的な強さを見せている。
基本フォームに比べてゴツくなる印象が強い最強フォームの中ではより動きやすいプロポーションになったため、キバフォームの時よりも戦闘シーンが派手になっている。
関連タグ
ナイトサバイブ:コウモリがモチーフの仮面ライダーの最強形態。剣型武器を使用し、マントと飛行能力を持つ。初登場の時期もほぼ同じ。
ブラスターフォーム:脚本家が同じ作品の主役ライダーの最強形態、「専用武器を使用する」「強化アイテムを操作して複数の必殺技を発動する」「それまで敵わなかった幹部怪人を圧倒するほどの強さを持つ」「初期装備を使用する事もできる」「怪人でも素質のない者が変身すると死に至る危険性・可能性がある」「最終決戦で仲間と共に怪人の王と激闘を繰り広げる」「ライダーキックで怪人の王を撃破する」など共通点が多い。ただし、こちらは平成ライダーの中でトップクラスに出番が少ない最強形態である。
キングフォーム:主役ライダーの最強形態、黄金の鎧を身に纏う、王の名を持つ、ブレスレット型のアイテムで変身する、一度だけ暴走した事があるという点が共通。
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