名探偵コナン
めいたんていこなん
たった一つの真実見抜く!見た目は子供、頭脳は大人。その名は、名探偵コナン!
概要
青山剛昌原作の推理漫画作品『名探偵コナン』は、少年サンデーで1994年より連載中。また、1996年1月より日本テレビ系列にてテレビアニメが放映中である。略称は『コナン』。
現在、原作漫画は1000話記念、テレビアニメは25周年記念を達成、国民的人気作品となっている。
全国各地で開催されているコナンカフェなどの特別イベントも大盛況であり、キャラクターグッズなどの関連商品も数多く販売されている。
物語は主人公たる江戸川コナン(工藤新一)の名推理とヒロインたる毛利蘭のラブストーリーを中心に展開され、自分の体を小さくした宿敵たる黒ずくめの組織との対決を軸に、日常で発生する難事件を天才的な推理力で解決していく構成となっている。
事件は、原作では3話から4話構成、アニメでは1話完結と前後編で解決する2部構成が中心で、稀に大規模な事件が発生する長編も存在する。特に、組織編は第1話から続く最も大きな大長編として展開されており、黒の組織との直接対決は勿論、容疑者の一人に変装した組織のメンバー、または、重要人物は誰なのかを推理するのが恒例である。
名探偵が大活躍する推理漫画と合わせて、恋愛漫画としての側面もあるのが大きな特徴の一つであり、主人公とヒロインのラブロマンスを中心に描かれながら、周りの登場人物の関係まで同時に進展していくため、ラブコメ好きな女性ファンも数多い。また、冒険活劇や登場人物間の会話内での天然ボケとツッコミ、個性のぶつかり合い等ユーモラスなコメディタッチを備えた側面もあるため、子供層にまで大人気である。上記のような、様々な要素を大胆に取り入れられているため、従来の推理漫画の枠で収まらない、エンターテイメントの集大成に相応しい超大作に仕上がっている。
単に「コナン(Conan)」と言った場合、海外では「英雄コナン」を指すため、権利関係もあって北米版ではタイトルが「事件解決」「一件落着」という意味の『Case Closed』となっている。
年に1回開催されている『青山剛昌先生と話そうDAY』というファンイベントでは、クイズ大会などで優勝したファンに対して原作に名前が登場できる権利が与えられる。
なお、このイベントは毎年開催されており、優勝したファンの名前から取られた事件関係者が毎年ひとり原作に登場しているが、その場合は100%犯人や被害者にならない為、メタ的に言えば該当事件では犯人候補が最初からひとり減る形になる(ただし、『まじっく快斗』ではその人物が犯人となった事はある)。
2022年5月1日にはソーシャルゲーム『モンスターストライク』とまさかのコラボを果たした。基本バトル作品とのコラボが多いモンストでは数少ない「非」バトル作品とのコラボである。
一部登場人物の戦力が立派にバトル作品に見えるのはこの際気にしてはならない。
単行本
2024年4月現在、第105巻までが刊行中。単行本第40巻時点で累計発行部数が1億冊を突破し、2023年2月時点での発行部数は全世界で2億7000万部を達成している。また、世界各国でも大人気であるため多くの国で翻訳されている。
裏表紙に付いている左袖カバーは「青山剛昌の名探偵図鑑」と称されており、原作者の青山剛昌が描いた世界各国の有名な、名探偵・名刑事がイラスト解説付きで掲載されている。掲載するのは日本の人気作品も多く、テレビ局や出版社の枠を超えて、テレビドラマ・映画・漫画・小説まで幅広く紹介している。
また、映画のコミカライズだけでなく、アニメオリジナルのようにコナンが事件解決に挑む姿が原作者の青山剛昌以外の筆によって描かれた「特別編」も存在する。アニメ放送された「誘拐現場特定事件」と「白い砂浜殺人事件」はこの「特別編」を原作とするエピソードである。
テレビアニメ
最高23%以上の高視聴率を記録しており、超豪華キャストで現在も絶賛放映中。⇒アニコナ
劇場版も毎年のゴールデンウィークを中心に公開されており、興行収入や集客力でも圧倒的な人気を誇っている。⇒劇場版名探偵コナン
なお、テレビアニメと同系列にて土曜日の夜に放送されていた『世界一受けたい授業』では、江戸川コナンの着ぐるみが、授業のお手伝いとして不定期に出演。アニメ同様に着ぐるみの動作に合わせて高山みなみが声を当てており、様々な年齢層も視聴している事にも配慮してか終始「無邪気な少年」キャラを演じている(そのせいか司会のくりぃむしちゅーの上田晋也からツッコミの対象とされている)。ただ場面によっては本来の性格でもある工藤新一の口調にて演じる事もある。また春・秋の改変期の番組対抗特番が当番組をベースにしていた時代には、江戸川コナン、毛利蘭、毛利小五郎の着ぐるみが『名探偵コナン』チームを組んで出演していた。
ストーリー
天才高校生として有名な名探偵の工藤新一は幼馴染の毛利蘭と共にトロピカルランドへ遊びに行った帰りに、黒の組織の怪しげな取引現場を目撃してしまい、APTX4869という謎の薬を飲まされる。しかし、組織も気が付かなかった薬の作用により、彼の体は幼児化してしまっていた。自らの正体が組織にばれてしまうと身近な知り合いにまで危害が及ぶ可能性がある。小さくなった事実を隠すため、周囲の人達には阿笠博士の遠い親戚である小学生・江戸川コナンと名乗り、父親が探偵である蘭の家に居候。日常で発生する数々の難事件を天才的な推理力で解決しながら、謎に包まれた宿敵の黒の組織を追っていく。
長期連載に伴い、作中の時間の経過がおかしいことになっていることはネットなどでもネタにされている。連載初期には記録媒体にフロッピーディスクが使用されていた時期もあった。灰原哀が初登場したエピソードで使われていた千円札に描かれている肖像は夏目漱石である。またスマホの普及など技術進歩に伴い、博士の開発したイヤリング型携帯電話など一部の発明品がお役御免となっている。
主なエピソード
- 序章
- ベルモット編
- キール編
- バーボン編
- ラム編
作風
コナンを泣かせない
原作者の青山氏のポリシーとして、主人公であるコナン(新一)を泣かせることは決してない。これはアニオリや劇場版でも徹底されている。
ただし、寝起きや痛みを感じた際に生理的に涙を流す場合はある。
犯人を推理後に自殺させない
これはコナン(新一)の信条でもあるが、この信条は元々持っていたものではなく、ある事件に登場した犯人を自身の推理によって自殺させてしまい、これがきっかけで犯人が推理後に自殺しようとする場合は全力で阻止するようになっている。
その為、『コナン』では他の推理作品と比較すると事件の結末が「推理後に犯人が自殺」になる事は、約30年の連載で数多くの事件を扱った中でも組織関係のエピソードを除くとその事件だけしかない。
それ以前は自己正義に陶酔しながら自殺しようとする犯人に向かって「死にたきゃ勝手に死ね」と憤りながら吐き捨てたこともある。(ただし、結果的にこの発言によって犯人は自殺の手を止めた)
ただし、あくまでも「推理後に犯人が自殺」を扱っていないだけであり、エピソードによっては推理とは無関係に自殺したり第三者に殺害される事はある(特に前者は新一がコナンになってから2回目の事件で扱っている)。
それ以外にも、阿笠博士の発明品がなかったり、身体能力の高いキャラクターがいなければ犯人の自殺を阻止できなかったケースがあるなど、コナンにとっては都合のいい展開に救われる事もしばしばある。
犯人が自殺するという展開を扱っていないのは、原作者の青山氏のポリシーとして、犯人にちゃんと罪を償ってほしい(犯人に法の裁きを受けさせる)というものがあり、話数の多いアニオリや特別編でも徹底的に守られている。
その結果、「推理後に犯人が自殺」という展開を他の推理作品(ドラマ)でこの結末を扱った場合はほぼ確実に『コナン』と比較される事が多く、ファンの中にはこの事件でのコナンの発言を引用して他作品を揶揄する事も少なくない(これは、『コナン』という作品が長寿作でかつ大人気漫画でありながら他の作品と比較しても極端と言っていいほど扱わなかった事も大きいと言える。特に同時間帯にアニメを放送していた作品は比較されがち)。
ただし、あくまでもコナンの目の前で犯人が自殺しないだけである為、コナンの推理とは関係なしにすでに自殺していたり、推理で突き止められた後に警察への嫌がらせの為にその眼前で自殺した犯人はいる。
あまり扱われない題材
- 少年犯罪
他のミステリー作品とは違ってほとんど扱っておらず、原作に登場した19歳以下の犯人と被害者も数えるほどしか登場していない。そのため、それに該当するゲストキャラやその家族が登場した場合は実質犯人候補が減る形になる事がほとんどである。
2022年4月には民法改正で成人年齢が18歳に引き下がり、アニオリでは犯人や被害者が19歳以下の人物が登場するエピソードも扱うようになった。
また、改正以前の特別編では被害者が19歳以下の事件もあり、被害者と容疑者の全員が実質19歳以下の未成年という殺人事件もあった。
- 性犯罪
コナン(新一)の年齢・ファン層・少年誌かつサンデー連載作品の傾向などもあり、こちらもアニオリ回を含めほとんどない。発生しても犯行の動機止まりか未遂で終わっている。
動機
原作者の青山氏は、トリックよりも殺人の動機を考える事にも気を遣っており、掲載されている雑誌の関係もあって、「殺したいから殺したといった愉快犯」などは扱っていない。他の推理作品で扱っている「話のメインに集中できないような凄惨な事件」も同様である。
- 被害者が殺意を抱かれたり、復讐されるだけの理由が十分にある鬼畜だった
- 家族や知人など第三者のため(危害が加えられると分かり守る、手術代や入院費などの獲得、財産と家督を相続させる、復讐代行など)
…といったケースが『コナン』にも少なからずある。
どんな動機であっても、基本的に犯人には同情しないスタンスではあるが、被害者の中には過去に殺人などの悪事を犯していた、鬼畜な人物も度々登場している。特にメディア関係者・御曹司・令嬢などはこの手の被害者となりやすい。
一方で、身勝手な犯行動機が描かれる事が多いのもまた事実である。アニオリでは身勝手さや残忍さに拍車がかかっているケースも散見される。例えば、とあるエピソードでは犯人とは無関係の人物が「人間凶器」にされて危うく殺害されかけた。
作中では、コナン(新一)達の推理後に自身の犯行を軽視・正当化したり、更正しない犯人も明らかに存在し、劇場版には至っては誰がどう見ても死刑確定の犯人がゴロゴロいる。
そのため、事件後の犯人や関係者の動向が描かれることは滅多になく、後味の悪さをギャグなどで無理矢理明るく終わらせる傾向が強い。
ゲストキャラの苗字・名前
ゲストキャラの苗字と名前は基本的に事件の舞台やテーマに合わせているが、それによってメジャーな苗字を当て字にしたりはせず、基本的に実在する苗字を使用している。話によってはかなり珍しい苗字もたまに登場しており、その苗字が事件解決のヒントになった事がある(極稀に実在しない苗字を使用する場合もある)。
ただし、近年は普遍的な苗字より珍しい苗字を使用する事が多く、詐欺師なのにレアな苗字を名乗り、本名がそれ以上にレアな苗字だった例もある。
下の名前に関しては一般的に人気のある名前はほとんど使用せず、コナンという名前自体が変な名前と言われるためかキラキラネーム・DQNネームなどにする事も非常に少なく、近年のエピソードでは年齢の割には古風な名前が登場しやすい。
なお、この組み合わせが偶然か意図的か名は体を表すようなキャラが登場したエピソードもある。