「大丈夫… 銃口の向きと引き金の指の動きに集中していれば、弾はよけられます…」
プロフィール
※『消えた黒帯の謎』のみ
概要
杯戸高校の男子空手部主将で、鈴木園子の彼氏。
「日本国内にはもう自分より強い人はいない」ということで、現在は外国で武者修行中の身である。しかし園子の身に何かあると、試合を放り出してでも帰国してくる(たとえそれが遠い場所からでも…)。
初登場はTV第153・154話『園子のアブない夏物語』(原作第22巻File.8「それゆけ園子」~File.10「蹴撃の貴公子」)。
劇場版では第23作『紺青の拳』にてデビューを果たす(第21作『から紅の恋歌』でも回想のみ登場している)。
額の左側の絆創膏については『紺青の拳』見どころの一つである。
実家は静岡県で「瓦屋旅館」を経営、夏休みは実家に戻って手伝いをする孝行息子。
本人の台詞から妹がいることが判明しているが、未だ作中には登場していない。
イケメンで言葉遣いも丁寧なので女子ファンが特に多い。
公式人気投票では8位にランクインしており、出番が不定期のキャラとしてはかなりの人気を持つ。
キャラクター名は、苗字は小説家の京極夏彦、名前は日本空手流派・極真会館「真」に因む。
京極のアピールポイントは担当声優の檜山修之氏曰く「無敵」である。また、園子役の松井菜桜子女史のお気に入りキャラクター。
登場回数はキッドや安室といった人気キャラに比べて決して多くは無いが、登場エピソードの際はそのインパクトで読者の視線を釘付けにしている。
人物
かなり古風な価値観を持っており、園子が肌を露出した服を着たり短いスカートをはいたりしていると注意するのがお決まりとなっている。園子いわく、イメージ的には「生傷だらけの侍」。
試合で蘭をひたすら応援する園子の姿を見たことをきっかけに彼女に想いを寄せるようになり、知りあうキッカケとなった事件では「ストーカー呼ばわりを覚悟の上」で犯人から園子を守るために行動していた。しかし、自身を除く杯戸高校の面々からは逆に園子が「お金持ちのストーカー」扱いされてしまっている。
実力に今一つ自信が持てていない部分もあり、空手の大会があっても園子には「負けるところを見られるくらいなら切腹する」と言って自分の試合日程を教えないようにしている。尤も後述の戦闘力なら負けることは無いだろうが、言い方を変えれば己の実力に驕ることは無い武士道精神を持っていると言える。
やきもち焼きな一面も見られ、初登場時には園子をナンパした男に辛辣な態度を取ったり、園子に言いよる不良と誤解した世良真純に手をあげようとし、『おもしれえ、ぶちのめしてやる!』と売られたケンカを買う気満々な世良と、あわや乱闘になりかけたことがある(TV第744・745話『容疑者か京極真』/原作第81巻:File9「截拳道vs.空手」~File11「まるで魔法のように」)。現実では帯持ちが一般人に技をしかけたら一発で破門である。なお、世良には直後彼女の性別が女性且つ園子の友人と知ってからは謝罪しており、世良も「男に間違われるのは慣れているから」と笑って許していた。
また園子が一方的に熱を上げている怪盗キッドに対抗心を抱いたりしている。
園子の両親とはキッドとの対決の時に顔を合わせている。父親である鈴木史郎からは当初から友好的であったが、母親の朋子からは身分の違いもあってあまりいい目で見られていなかったようだが、下記する戦歴のおかげで見事家族の信頼を得ることになった(朋子には、やや歪な形で気に入られているようだが……)。
鈴木財閥相談役の鈴木次郎吉からは、「世界最強の防犯システム」と評される。
そもそも彼がいなかったら園子の命が危うかった事態が何度も存在しているので、むしろ感謝されても良いはずだが、その事実は知らないのかもしれない。
2017年に放送された『消えた黒帯の謎』では、幼い頃に出会った恩人であり天神流空手八代目当主の高見達人が登場。やはり師匠も強かった。「戦わずして勝つ」という考えを持ち、その教えは今の京極に繋がっている。
第1話のリメイク版に当たる『エピソード“ONE”小さくなった名探偵』にも(少しではあるが)登場。前述の蘭を応援する園子を目撃し、周りの部員達が大笑いする中、頬を赤らめて彼女に一目惚れする瞬間が描かれている。
本編初登場時はミスリード要員としての登場だったためか、目元がメガネのレンズの反射ではっきり描かれておらず無愛想に接していたこともあって、正直サブタイトル通りアブない雰囲気であり、初対面時の園子達からはやや悪印象を持たれていた。シロであることが明確になってからは強く礼儀正しい頼り甲斐のある好青年として描かれるようになったが、その後の事件でも容疑者扱いされた(されかかった)事が数回ある。
戦歴
日本国内の高校生選手権大会を含む空手の全世界公式戦で400戦連勝無敗を誇り、「蹴撃の貴公子」「孤高の拳聖」の異名で有名である。その戦闘力は凄まじいもので、これはそんな彼の高校生……というか人間とは思えない活躍の軌跡である。
- 腕にナイフが刺さったままの状態で犯人を倒す。なお、ナイフで刺されたことをさして気にしておらず、指摘されても「ああ、これですか」と軽い感じの反応であった。そして、刺さったナイフを抜いた後も出血は微々たるもの。(なお、現実でナイフが腕に刺さった場合、抜こうとせずそのまま病院に行くように。京極さんは京極さんだから何事もなく済んでいるだけである)
- 銃口の向きと引き金の動きを見て至近距離で発射されたライフルの弾をよける。
- 武器を持った50人以上のヤクザを毛利蘭と共闘して全滅させる(しかも素手で)。なお、その際に蹴込で日本刀を折っている。その後、蘭は一人一人には圧勝だったものの大人数を短時間で集中して倒したために疲れて木にもたれかかっていたが、彼はまるで疲れた様子を見せていなかった。ちなみにこの回のFile名(タイトル)は「スーパーマン」である。
- 上述の世良とは、世良の突きを初見で回避し、しかも繰り出された一撃を見ただけで何の武道の使い手かということまで即座に見抜いている。さらに彼女がガードしたにもかかわらず蹴り一発で10m近く吹っ飛ばしている。なお、膝蹴りが届かないと見るやすかさず前蹴りもしくは三日月蹴りに切り替えており、確実に技を極めていた。
- 園子の応援に動揺してボウリングのボールを投げそこない、レーン上の壁にめり込ませる。ちなみにボールの重さは書かれていないが、彼に適していると思われるボールの重さは一般男子の砲丸投のボールと同じ16ポンド(約7.2kg)。ファールラインから一番手前のピンまでおよそ18.3mも離れており、砲丸投でこの距離まで届くと日本男子歴代10傑に並ぶ実力があることになる。彼はそれをボウリングの球で、しかもアンダースローでやってのけている。
- 鈴木財閥のボディーガード「達」に対して傷一つ負わず、かつ手加減をした状態で蹴散らす。(このことで実力を鈴木次郎吉に認められ、「世界最強の防犯システム」として怪盗キッドと対決する)
- 視界をガスマスクで塞いだうえで全方位を1m位の超至近距離でぐるりと囲んだエアガンから放たれる無数のBB弾を一発残らず掴み取る。そしてそのまま一歩も動くことなく相手を1人残らずK.O.させる。
- 対戦相手の身体的特徴を瞬時に見抜く。指先の特徴だけで怪盗キッドの変装を見抜いた(キッドの変装はコナンですら見破るのに大きく時間がかかっているほどのものである)。
- 徒手の打撃で分厚い柱(石あるいはコンクリート製)を破壊、それらをシーソーとして利用し天窓1枚を狙ってジャンプ、蹴破って屋根の上へ。
- 走っている自動車を腕力だけで持ち上げて止める。
初の銀幕デビュー作となった『紺青の拳』では更に拍車がかかっており、
- 煙の中で高速移動をしつつ、コンクリートの壁に突き刺さり、ガラスなども簡単に破壊できるトランプ銃のトランプを近距離で掴み取りながらキッドに攻撃を仕掛ける。
- (遠距離からとはいえ)江戸川コナンがキック力増強シューズで蹴り込んだ電撃ボール(飛んできた物体をちゃんとサッカーボールと認識している)を一撃で破壊している。ちなみにこのボールは、威力次第では前述の分厚い柱を一撃で倒せるほどのものである。なお、電撃サッカーボールを破壊した余波で中庭の東屋のような建築物が吹き飛んだが、その衝撃波を京極は二本の腕でブロック。そして無傷であった。なおこのボールはゴールネットを破り大木を倒した時の威力と同じとすると、柳田理科雄氏によれば、速度はマッハ9.6。着弾まで0.01秒も無いであろう最中にサッカーボールと視認し、なおかつカウンターを放った上段逆突きだが、後ろ足の踵が上がっており、威力は半減した、伝えきれていないものと考えられる。つまり、威力はさらに跳ね上がる可能性を秘めているといえよう。
- 試合が始まって数秒で相手をワンパンでぶっ飛ばしている。終盤では、レオンの最強ボディガードであるヘッズリ・ジャマルッディンを園子を背負った状態で相手取り、某ゴリラ廻戦風の赤黒いエフェクト付きの腹パンで倒している。
どう考えても探偵漫画よりバトル漫画の方が適任である。何せ素手でこんなすごい実力を発揮できるのだから。こう言われるくらいの圧倒的な戦闘力であるレベル故、作中最強キャラの呼び声も高い。
毛利蘭(空手)、毛利小五郎(柔道と射撃)、服部平次(剣道)、遠山和葉(合気道)、世良真純(截拳道)、佐藤美和子(射撃と格闘能力)など、江戸川コナンの周辺には腕に覚えのある人もそこそこいる(コナンも本来の工藤新一としてはサッカー練習を応用した独自の鍛錬で戦闘能力は低くない)。おそらく上記のメンバー以外でも、描写的に素手でも作中トップクラスであろうと思われる赤井秀一(截拳道)や安室透(ボクシング)をも凌駕し、また、あの黒の組織の幹部メンバーでも武器を持たずに一対一で勝負すれば、誰も彼には敵わないと思われる。
ファンからも「あんた出る漫画間違えてるだろ」とか「『YAIBA』世界の住人だろ」というツッコミもしばしばあがっている。
公式コメント
サンデーSにコナンの登場人物強さランク相関図によると、京極は特A、沖田はA+、赤井と安室はA、平次はB+、キッドとコナンが未知数であるとのこと。
ちなみに作者によれば、「出る漫画を間違えてるぐらい強い」キャラが彼と沖田以外にもう一人いるようだ(つまり素手なら鬼丸猛(人間時)や鉄刃より強いか?)。
更なる強さを極めるべく、修行と試合の日々であるが、作中において素手の強さでは弱点らしきものは既に見当たらない域に達しており、強いて弱点と言えば、普段は眼鏡を掛けている事から視力の悪さが指摘されそうだが、それでも上記のように眼鏡なしで人間離れしたレベルの動体視力なので、視力で戦闘面への影響は殆ど無しと見るべきだろう。
総じて言ってしまえば、フィジカル面ではほぼ無敵に近い。こんな超人にどうやって勝てと…。
ただ、彼もまた一介の高校生であるが故に精神的揺さぶりをかけられたり園子との関係で一悶着あった場合(『紺青の拳』ではレオン・ローがその点を見抜きあえてそのように仕向けていた)には動揺を隠せなかったり精神的に不安定になったりすることも少なからずある(ただし、『紺青の拳』は劇場版作品であり、メタ的に言えば京極のような強キャラが登場する場合は普通に野放しにしてしまうと話がすぐに終わる為、一時的に弱体化された後に強化されるのがお約束となっている)。
しかし、彼の場合それを乗り越えるだけでなくそれを糧に更なる力を発揮するため、結局のところ彼が超人であることには変わりないのである。
余談
アニメオリジナルエピソードである『水中の鍵密室事件』にも「真」という名前の人物が登場していたが、役回りが被害者となった大学生である。
なお、このエピソードは『園子のアブない夏物語』の次に放送された為、アニメ版では同じ下の名前の人物が連続で登場した事になった。
関連イラスト
関連項目
MURCIELAGO:よしむらかな原作の漫画。同姓同名のキャラクターが登場している。
服部平次、安室透/降谷零:共演したことはないが同作に登場する褐色な男性レギュラー達。
赤井秀一:同じく共演したことはないがチートレベルの強さ&初登場時があからさまに怪しかったミスリード要員繋がり。
旋風寺舞人:中の人繋がり。「高校生にして犯罪者や怪盗とも渡り合える程の戦闘力を持つ」「他校に1歳年下のガールフレンドがいる」という共通点もある。ただし、こちらは家が超お金持ち。