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沙悟浄の編集履歴2024/06/08 16:33:29 版
編集者:土性
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  1. 西遊記』の登場人物。本稿で解説。
  2. 最遊記』の登場人物。→沙悟浄(最遊記)
  3. ゴゴゴ西遊記』の登場人物。→沙悟浄(ゴゴゴ西遊記)

沙悟浄(さ ごじょう)は、中国の冒険小説『西遊記』の登場人物である。

概要

元々は天界に措いて、天帝側近として仕える高位の神将捲簾大将(けんれんたいしょう)」。中国語ではシャー・ウーチン(Sha Wujing)、上古中国語ではスラール・ガースゼンス(Sral Ngaszengs, sraːl ŋaːszeŋs)と呼ぶ。

天界の宴席にて天帝の玻璃のを破壊した罪で下界に落とされ、7日に一回天から降ってくる剣により脇腹を刺されるという罰を受けるはめになった。その後流砂河で水怪と成り果て人畜を食い殺す日々を送っていた。

然し観世音菩薩の教化を受けて、玄奘三蔵法師に弟子入りして取経の旅に同行する。

孫悟空猪八戒と比較すると描写が少ない。戦闘においても兄弟子が妖魔を相手にしている時に、三蔵と荷物の番を任される事が多い。

悟空八戒よりやや真面目な気味もあり、また、悟空八戒ほど目立たないが、初対面の八戒に「刻んで料理してやる」と言ったり、悟空八戒と三清に成りすまして聖水丹薬を妖怪に授けるなど、無頼漢らしい面もある。

武器は降妖杖、或いは降妖真宝杖。兄弟子二人の武器と異なり木製で、月で桂の巨木を永遠に伐る罰を受けている樵「呉剛」が伐った枝を、道教にて神格化された工匠「魯班」が加工し

たという。数多の宝石が嵌め込まれ、また糸で繋がれたものが飾られている。捲簾大将となった時に玉皇から下賜された逸品。

取経が成った後、釈迦如来から「金身羅漢」(こんしんらかん)の称号を授かった。

首飾りについて

数珠繋ぎにした髑髏をかけているが、この髑髏は全て天竺への旅の途上で力尽きた玄奘の前世のものである……のは、沙悟浄のモデルとなった深沙大将の逸話である。

髑髏について、百回本(我々が『西遊記』として認識しているバージョン)では「沢山の人を食って骨は河に放り込んだが、九人の取経僧の髑髏だけは水に沈まないので紐に通して暇なときに弄んでいた」と本人が言うに留まる。

流布しているこの「沙悟浄の髑髏の由来は全て三蔵」という情報は、『西遊記』が現在の形に成型される以前の原型の一つである『楊東来先生批評西遊記(雑劇西遊記)』から引っ張ってきたものだろう。

この作品において、沙悟浄は「那廝九世為僧 被我吃他九遭 九個骷髏尚在我的脖項上(こやつは九世を僧に生まれ、九度もわしに食らわれた。その九個の髑髏がわしの首にかかっておるわ)」と発言している。

余談

日本では悟浄の事を河童の妖怪として表現する事が多いが、河童というのは日本固有の妖怪である。つまり沙悟浄を河童とするのは日本だけである。

百回本での悟浄は「藍色の肌、振り乱した赤い髪、光る眼、鋭く尖った歯を持つ水怪」とされているが、このイメージが日本では河童と繋がったのか、段々と河童扱いが広まっていったらしい。

本場中国では通常、赤い髪(どこかで見たような設定である)をおどろに伸ばした色黒で背の高い屈強な男(おおむねを蓄えた風貌)として描かれており、悟空=猿、八戒=豚のような動物のモチーフが何かとは明言されていない。これまで研究家によってヨウスコウワニ説、ヨウスコウカワイルカ説など様々な「正体」が提案されている。

実在の玄奘の旅の過程をつづった伝記『大唐大慈恩寺三蔵法師伝』では、旅の途中に訪れた「流沙」で仏教の守護神である深沙大将が現れたというエピソードがあり、この深沙大将が沙悟浄の最初のモデルである説がある。

沙悟浄は描写が少ない故にアレンジが出来やすいという強みもあり、日本での翻案作品では様々なキャラクター描写がなされている。中島敦は地味な沙悟浄の視点から西遊記を描いた悟浄歎異」「悟浄出世を執筆している。

イケメン4人の珍道中で知られる『最遊記』では先述した通りの赤毛の長身であるし、『ジャングルの王者ターちゃん』では色黒の巨漢であるアナベベターちゃんが「さしずめ沙悟浄」と茶化しているなど、チビデブというステレオタイプなイメージが先行しがちな悟空・八戒に比べて統一感はあまりない)。

香取慎吾版のドラマでは内村光良が演じ、こちらではを使用している。

武器の降妖杖は、古来から挿画においては鏟(サン)(農業用スコップが原形の実在する武器)として描かれている。さらに言うと、悟浄のものは「月牙」と呼ばれる三日月型の刃の付いた「月牙鏟」と呼ばれるものに相当する。鏟は本来、禅僧が遊行に際して護身用や遺体の埋葬に持ち歩くもので、仏門に入った悟浄のために誂えた武器とも言える。

……が、百回本の文中において、沙悟浄が用いる武器の両端にそのような突起物があるという描写は存在しておらず、ただ前述された通りの宝飾があるとされるのみである。また「月牙鏟」と明確に記述された武器を、道中で遭遇する妖魔(九頭駙馬)が扱っており、西遊記の作者が「宝杖=月牙鏟」と認識していたとは考えづらい。

現代の中国でも「沙悟浄の武器といえば月牙鏟」の認識は一般的ではあるものの、黒い八戒の白化と同じく本来のイメージとは異なっている。

沙悟浄をモデル・由来とする主なキャラクター

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