「あ~もうっ!最近は邪魔が入るわ、ヒトプレスにしろとかうるせぇからっ!!昔はシンプルに、人間とっ捕まえるだけで良かったのによぉっ!?」(第13話)
人間態の演者:兼任
データ
- 身長:201.4cm
- 体重:103.9kg
- 特色/力:装甲/逃げ足/横歩き/泡
概要
ストマック社に雇われ、グラニュート界から人間界に現れたグラニュートの一体。
人間界では、「可児(かに)」と言う名前の路上ミュージシャンの男性の人間態で潜伏・暗躍しており、人間態では見た目に釣り合う綺麗な声質をしているが、本来の姿はダミ声のようなハイテンションな声色となっている。
両腕に鋏のようなものを生やした蟹を思わせる見た目で、モチーフ通り上半身は超硬質で重厚感のある青く刺々しい外殻に覆われており、その隙間から頭部を覗かせている。
ハエの意匠は左腕。下半身はハウンド等と同じ獣毛で覆われたような造形となっている。
本人の気質から荒事や戦闘に関しては非常に不得手だが、高い防御力を誇る装甲(その下には蟹の腹部みたいな胸部が見られる)に加えて、その鈍重そうな見た目に反して動きはとても俊敏(=逃げ足が速い)であり、防御力の高さと泡を吐く能力による目眩しも合わさって非常に優れた生存率を誇っている。
反面攻撃手段はせいぜいハサミを振り回す程度と貧弱で、戦闘力はお世辞にも高いとはいえない。
一応奥の手として、体が赤熱化するほど力を溜めたのち、反復横跳びならぬ反復横歩きをしたのち前方突進する、「必殺横歩き」なる技を持つ。
ヒトプレスが導入される以前から20年以上人間を誘拐・納品している一応のベテランバイトではあるが、上記のミュージシャンへの擬態による活動は「狭い範囲の縄張りを巡回」・「路上ライブなのに人気のない場所で待機」と明らかに不審かつ存在を察知されればすぐバレてしまう杜撰な手口であり、ランゴ社長就任後の「質」重視の業務方針になっても、結局手段を変えずに「数で稼ぐ」と言わんばかりの態度で開き直るなど楽観的かつ能天気。一方で自分の実力不足を自覚してか無謀な戦いはなるべく避けて念入りに有利な状況をつくるなど意外にも地頭は悪く無く、時には情けなく相手に泣き縋るヘタレな演技をして信用を得ようとするなど狡い悪知恵を働かせる一面もある。
更に「20年前から人間を攫っている」「昔は人間をヒトプレスに変えていなかった」「ストマック社が雇用主」といった内情を攻撃してきた人間にベラベラ話してしまうなど、裏社会のバイトとしては情報セキュリティの意識も低いと言わざるを得ないほど口が軽い。
活躍
既に何人もの人間をヒトプレスに変えて捕まえていたが、社長交代の煽りを受けてより高い品質を求める業務方針に溜め息をついていた。
「は〜あ、どれも品質はイマイチかぁ……社長がランゴ様になってから、余計注文がうるさくなったな?まぁ良いか。俺は昔ながらの数で勝負だ」
結局、試行錯誤もせずに我流の昔ながらの方法で路上ミュージシャンに成り済ましてギターを鳴らしていたが、SNSから失踪情報を見つけた辛木田絆斗の調査によって居場所と行動範囲を特定されてしまい、その視線に耐えられずヒトプレスにしようと自ら〈ガヴ〉を晒すという失態を犯す。
完全に正体を見られたことで擬態を解除しながら仮面ライダーヴァレンから逃走を図ろうとするも失敗してしまう。
近くにあった噴水の水を掛けて目眩ましをしようとするも所詮はこけおどしだったため、ロマンス物のワンシーンかのような光景を繰り広げつつも追いかけるのをやめたヴァレンの銃撃を受けるが、頑丈な甲殻によって銃弾を跳ね返すことに成功。
しかし、それを更に蹴飛ばして跳弾させてヒトプレスの入ったケースを倒され、動揺した隙をついたヴァレンにヒトプレスを奪還されてしまう。
地団駄を踏みながら今のストマック社に対して大きな声で記事冒頭の不満と文句を叫び、ヴァレンから「お前、いつから人間攫ってるんだ?」という問いに、「ざっと!20年前からやってるよぉーーっ!!」と自棄になって答える。矢継ぎ早に絆斗の母親、辛木田早恵を拐ったグラニュートについても問い詰められたが、「知るか!」と再び噴水の水を巻き上げて姿を消した。
その後は再び人気の無い広場で弾き語りしているところを絆斗と遭遇し、突っ走ってくる彼に気付き「嫌だ!嫌だ!嫌だ…!嫌だ…!」と情けない声をあげて押し倒される。
絆斗に詰め寄られる中「なあ見逃してくれ…!見逃してくれ!俺はただの下っ端なんだ。使われてるだけなんだ!」と自分を見逃すように懇願し、「使われてる?誰に!?」と言う問いに対して「ストマック社だよ!闇菓子作って売ってんのはやつらなんだ!」とまたしても機密情報を暴露してしまう。
絆斗はそれを知って唖然としたが、その隙をついて彼を突き飛ばし再び逃走した。
二度も危機を乗り越えたロジョーだったが、ランゴのエージェントから「数も少なく質も悪い」と指摘を受けて報酬すらもまともに受け取れなくなり、昔ながらの方法では闇菓子稼業も限界に近づいていた。
「ランゴ様が仕切るようになってから渋すぎるぜえ…。チマチマチマチマやってても埒が明かねえ…なんかデッケえこと考えねえとなぁ…」
何か一発逆転できるような「デカいこと」を考えながら歩いていると、商店街のクリスマスセールの手伝いをするショウマと絆斗を発見。そこで邪魔になる仮面ライダー2人をストマック社に献上すれば闇菓子を大量に手に入るかもしれないと思い立ち、作戦を実行。
店の近くで路上ライブを開きわざと2人に気づかせるように仕向け、案の定気付いた所でギターを置いてその場を逃走、行方を探すショウマに接触。彼がガヴに変身して掛けてきたいつもの問いに対して「はいぃ!もう闇菓子には関わりませーん!!」と情けなく命乞いをして「ストマック社を抜けたい」意思を示す。
そしてショウマに対し川辺で先程の意思に加え自身の過去を明かし、協力を取り付けるフリをしつつ思いがけずに対面したジープの協力を取り付けてエージェントを数体借り受け、自身が襲われるフリをして彼らを誘き寄せた。
そして隙を見せたガヴに変身を解いて背後から不意打ちを仕掛けるが、改めて討伐する覚悟を決めたガヴがケーキングフォームに変身したことで旗振りが悪くなりエージェントに任せてその場を逃亡。
しかし、追跡してきたヴァレンに投げ技を決められ交戦を開始するも、予めヴァレンも捕獲対象にしていたため配備した別のエージェントに襲わせ、ブシュエルフォームにチェンジしようとしたところをエージェントにヴァレンバスターの操作を妨害させるとブシュエルゴチゾウを奪い、「必殺横歩き」で変身解除に追い込み踏みつけて気絶させた。
絆斗を捕えることに成功したので上機嫌に泡を噴いて撤退。近くの工場にジープを案内して闇菓子を受け取ろうとするが、そもそも解雇された身分+目的のショウマではなかったため結局貰えずに終わり、ならばと今度はランゴのエージェントに直談判するもやはり拒否されてしまう。
闇菓子を食えない状況に苛立ちを募らせていたが、逃げてきたブシュエルゴチゾウから居場所を特定して駆け付けたショウマと対峙。絆斗を人質に変身を躊躇わせていたぶるも、それを逆手に取った彼の一芝居に騙されてしまう。
ショウマも捕えた後は調子に乗ってその場を離れたが既に目覚めて拘束を解いていた二人を見て愕然。ようやく自分が一泡噴かされていた事実に怒りを露にし、擬態を解除してショウマと絆人の変身するガヴとヴァレンとの戦闘を開始。自慢の防御力で攻撃を歯牙にも掛けなかったがガヴはケーキングフォームに、ヴァレンはブシュエルフォームにチェンジ。コンビネーションも交えた一撃で甲殻が砕けたことで命の危機を悟り、情けない悲鳴をあげて逃げ出そうとするも逃走経路に召喚されたホイップ兵の妨害を受けて失敗。
それでも闇菓子と自分の手柄を諦め切れずに破れかぶれで突貫するもダブルライダーの必殺技を真正面から叩き込まれて爆散。ショウマの優しさに突け込んだ代償を過剰に支払う羽目となった。
余談
- ロジョーの名は人間態の表向きの顔である路上ミュージャンに因み「路上」からと思われる。可児の名前についてはモチーフそのまま「カニ」から。
- 何気にカニモチーフの怪人はキャンサー・ゾディアーツ以来13年振りとなる(TV以外ならカニアマゾン、映像作品以外ならクラブ・ドーパント以来)。
- 人間態を演じた岸氏はかつて『宇宙戦隊キュウレンジャー』のサソリオレンジ/スティンガー役で出演している。さらに、岸氏は当時の中の人を担当した今井氏と8年ぶりのタッグであり(岸氏いわく、キュウレンジャーの出演中のほとんどは代役の伊藤茂騎氏が担当したとのこと)、今井氏自身も『仮面ライダーガッチャード』でヴァルバラドを数話だけ担当して以来1年ぶりとなり、怪人役としてはマンティスマルガム以来となる。
- スーツは下半身がハウンドと同一で、ラーゲ9と併用されている。
- 奇しくも、ラーゲ9の演者もオレンジが入った戦隊戦士の変身者を演じている。
- 演者の岸氏が実際にミュージシャンと言う事もあり、劇中歌『愛して』の歌唱・作詞・作曲も担当しており、ゲスト怪人ポジションでありながら、ガヴ本編初の劇中歌歌唱も担う事となった。それと関連しているかは不明だが、今週の怪人枠でありながら4話(次回含め)に渡って登場している。怪人は特殊なポジションでない限りは1〜2話で倒される事が多いので、これには驚きの声が多く上がった。
- ちなみに、初登場である13話は30分前の番組でも蟹の怪物が登場している他、30分後の番組でも蟹の要素を含む怪人が登場している。これにより、放送日のニチアサキッズタイムは連続して蟹の意匠を持った怪物が登場したことになった。
- なお、13話で「噴水で目くらましをした」と前述したが途中から明らかに遊んでるようにしか見えず(「愛して」が流れているのも相まってさながらロマンス物のワンシーンのようにも見え)、視聴者からツッコミの声が上がった(この後ガヴとシータ&ジープとの戦いが激しくシリアスだったので余計にシュールである)。
- ガヴの問いである「二度と闇菓子に関わらないか…この場でオレに倒されるか!」に対し「いつかは闇菓子に関わらないと誓うふりを見せて見逃してもらった後、約束を破ってショウマが曇る展開があるのでは」と序盤から視聴者感で予想が飛び交っていたが、本編で実現と相成った。
- 15話のラストの「必殺横歩き」が威力こそ強力だが絵面がどこかシュールな為、ピンチな場面にもかかわらず思わず笑ってしまった視聴者もいる模様。
関連タグ
裏ボス…大ボスのシータ・ストマック&ジープ・ストマック戦後に本格的に戦い、尚且つ長期間生存していた&その時披露されたライダーの強化形態の犠牲になったためある意味これ。
「ガヴ」大ボス