ひかわ博一
ひかわひろかず
昭和62年に樋川博一名義で『快晴!!青空教室』で第14回藤子不二雄賞佳作を受賞。同期受賞者は同じく佳作のむぎわらしんたろうと、同賞入選の谷沢直。師匠はのむらしんぼ。
代表作は『星のカービィ デデデでプププなものがたり』(以下デデププ)で長年に渡ってコロコロ誌上で連載していた。
2006年に『デデププ』の連載を終了してからは漫画家としては休止状態であった。
2017年12月に刊行された『コロコロアニキ』2018年冬号で復帰し、以降はペースこそ緩やかではあるものの活動を続けている。
「傑作選 デデデ編」にて、好きな番組は『吉本新喜劇』、『ザ・ドリフターズ』の主演のバラエティーで、好きなアニメは『トムとジェリー』とコメントしている。作品にはこれらのパロディーや小ネタが盛り込まれることがあり、5巻ではデデデ大王が8時だョ!全員集合を視聴するシーンがある。
のむらしんぼからの愛称は「ピカリン」。趣味に野球と株取引を挙げていた。
『デデププ』の連載末期から、キラキラしたハイライトが減ったカービィの瞳や真っ白な(描き込みが少ない)背景など描写の簡略化、線の歪みやスクリーントーンの貼り忘れなどのミスが目立つようになり、単行本23巻以降の表紙絵などでも既刊との描き込みの差、絵柄の変化が見られた。
読者の間では連載終了が噂されるようになり、某掲示板では小学館との間のトラブル説、担当編集から心無い言葉を浴びせられ、うつ病になったなどの説が囁かれた。ただし、これらは「メディアミックスを手がけたH先生」とひかわ本人を特定するような書き方ではなく、また雷句誠の移籍騒動が話題になっていた時期でもあったため、別の作者についての噂を小学館に不信感を持つ読者が過剰に煽り立てた可能性もある。
しかし、絵の変化が話題になってから1年ほどで連載終了に至り、その後ひかわの漫画家としての活動が長期に渡りなかったことから、これらの説が信憑性を高めることとなった。
他にも、元アシスタントを名乗る人物が「うつ病ではなく、株で儲かって執筆のやる気が無くなった」「自分が作画の大半を手がけていたが、辞めた後もひかわのやる気が戻らなかったようだ」という発言をブログで行った事からこちらの説も噂として広まっていた。とくに、2016年ごろにある書籍で事実のように取り上げられたことでも話題となった。
なお、このブログに「ピカりん」を名乗るある人物が、「(元アシスタントの発言にショックを受け)ギクシャクした関係になったのは事実」「連載を続けられたのは元アシスタントのおかげ、本心から感謝している」という旨のコメントを寄せている。
2017年夏、漫画家のカメントツが小学館の雑誌「ゲッサン」で連載しているルポ漫画「カメントツの漫画ならず道」において、ひかわ本人へのインタビューを元にしたエピソードが掲載され、一連の噂の真相が明らかとなった。
ここで、「編集の横暴による鬱」という説はきっぱりと否定された(むしろ小学館のサポートなくしてカービィは描けなかった、と語っている)ものの、明かされた真相はやはりというべきか非常に重苦しい物であった。
…………ある意味では、漫画家など「創作物を創る人間」の現実の一端が現れているともいえる。
詳細は伏せるものの、上記の元アシスタントを名乗る人物がブログに書き込んだ内容と一致する点が少なからず存在する。特にひかわや彼の作品のファンにとっては非常に衝撃的、かつ陰鬱な内容であるため、このエピソードを閲覧する際には十分に注意すること。
なお、『漫画ならず道』以前に上記の噂を真に受けて拡散及び小学館への非難を行った人たちがいるが、ひかわ側は小学館とのトラブルを明確に否定しており、攻撃を止めるようにと呼びかけている。
センセーショナルな情報に影響され、感情的になって誰かを傷つけてしまうのは大変愚かなことである。
詳細についてはこちらを……。
2017年冬、『コロコロアニキ』で『星のカービィ デデデでプププなものがたり』の新作が掲載。
これに伴い師匠・のむらしんぼとの対談ならびにコロコロ創刊伝説における、「デデププ」打ち切りの顛末が語られた。なお、ここで描かれているひかわの発言も、先述の「カメントツの~」とほぼ同一であり、読む際には注意が必要。
そして2018年夏から正式に連載となった。
復帰後はアシスタントを置かず一人で制作を行なっており、先述の断筆に至るまでの経緯やアシスタント関係のことをネタにするなど、ある意味たくましい姿勢を見せている。
また、かつてはアナログでの作業に加えPhotoshopなどデジタルで作業を行なっていたようだが、完全アナログに移行している。
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