概要
インド亜大陸を主な領域とする連邦制共和国。1947年にイギリスより独立。
人口14億1717万人(2022年)、面積328万7469平方km(2011年)。
国名は「インダス川の対岸」という意味で古代ペルシア人が用いた「ヒンドゥシュ(𐏃𐎡𐎯𐎢𐏁, hindūš)」という名に由来する外名であり、現地のヒンディー語では古代インドを統一したとされるバラタ族にちなむ「バーラト(भारत, bhārat)」を国名としている。
地震国という印象が強いが震央が多いのは一部の地域でそもそもインド自体、面積が広く地震が多い地域と少ない地域に分かれており、日本やインドネシアほどではない。(他国ではアメリカがこれに当てはまる)しかし、干ばつや熱波など気温に起因する自然災害はかなり多い。
首都はデリー首都直轄領ニューデリー行政区。もともとあった街の南側に1911年イギリスが建設、もともとの街はオールドデリーと呼ばれるように。
このため日本の文部科学省の学習指導要領ではデリーを首都としているものの、インド政府はニューデリーを首都としているため、日本の外務省、国連はニューデリーとしている。
歴史
⇒インド史を参照
国民
多数の民族から構成される。多数派のヒンドゥー教の教義に根ざしたカースト制度という身分制度による差別が酷かったが、現在カースト差別は憲法で禁止され、都市部ではカーストの意識も曖昧になってきており、ヒンドゥー教徒ながらも自分の属するカーストを知らない人すらもいる。
しかし、農村部(とくに南部)ではまだカーストの意識が根強く残っているため、アチュート(不可触民)の人々に、ヒンドゥー教から抜け出したり、他の宗教に改宗(仏教などへ)を勧める運動も行われている。
言語
少数言語まで含めると2000以上の言語が存在している。
政府認定の公用語はヒンディー語で、旧宗主国の公用語である英語も共通語(連邦準公用語)として機能しているほか、憲法では22の指定言語が定められている。
ヒンディー語は話者数では国内最多であるものの、それでも14億人以上の人口のうち5億人程度(第三言語まで含めれば8億人程度)で、主に北部~中部でしか通じない。英語も話者数としては2億人未満、全人口の10%程度と言われる。
このように、どこでもヒンディー語か英語なら通じるということは決してないので、インドを訪れる際には州ごとの公用語をきちんと調べていく必要がある。
ちなみに、どの地域であってもエリート層は必ず英語を身に着けるため、ビジネスシーンにおいては英語が共通語となっているという。
インド憲法第8附則における21の指定言語
ヒンディー語(中央行政府・連邦政府認定公用語)
産業
最近はIT産業が急成長しているが、これもインド人が数理的才能に秀でているという理由と(現在に於いてもいわゆる九九のような掛け算の暗唱は9×9ではなく20×20までやっている)事実上の共通語として今も英語が通用しITへの親和性が非常に高かったこと、ITは新しい産業なのでカースト制度の影響を受けないということから。国内の貧富格差や、人口増加に伴う環境破壊も大問題となっている。
映画産業も盛んで、制作本数はアメリカを抜いて世界一と言われている。詳細はインド映画へ。
渡航
60日以内の短期滞在であれば空港でも査証取得可能。
日本の外務省は少数民族の権利を訴える過激派がテロ活動を展開しているため要注意。パキスタン国境は係争中につき非常に危険なので絶対に近づかないようにとのこと。
関連人物
インド人を参照
関連項目
チベット(ダライ・ラマの亡命政府が国内にある)