概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具の一つ。初登場エピソードはTC7巻収録「エスパーぼうし」。
帽子型の道具で、これを被ると三つの超能力を使用出来るようになる。ただしドラえもんは「練習しないと使いこなせない」と述べており、実際に作中ではのび太がこの道具を使いこなすことに苦労している。
その一方で、作中では野良猫が偶然この道具を被った際、焼き魚を操り自分の手元まで引き寄せている。また、派生作品を含めれば、2006年版「エスパースネ夫」(水田わさび版アニメ)の作中では、ドラえもんが「これを使えば誰でも簡単にエスパーに…」と述べている。
使用出来る超能力
- 念力(テレキネシス)
手で触れずに物体を浮かばせて操る能力。のび太は当初、軽い物(作中では灰皿と座布団)しか浮かばせることが出来なかったが、最終的にはジャイアンとスネ夫を宙に浮かばせ、自由に操れるようになった。
- 透視(クレヤボヤンス)
遠く離れた場所や物陰等の向こう側を見る能力。のび太はすぐにこの能力を使用出来るようになっており、家の屋根からしずか、ジャイアン、スネ夫の家の中を透視するだけでなく、スネ夫が練習していた手品の仕掛けまで見抜いている。
- 瞬間移動(テレポーテーション)
離れた場所へ瞬時に移動する能力。上記の能力とは違い、のび太は最後までこの能力を使いこなすことが出来なかった。
作中ではトイレへ瞬間移動しようとした際、逆に便器を手元まで引き寄せてしまったり、しずか達が集まっている部屋の中へ移動しようとした際は、服だけが室内へ瞬間移動してしまった(2016年版「エスパーぼうし」では逆に服だけがその場に残り、全裸ののび太が室内へ瞬間移動してしまった)。
派生作品
スピンオフ作品『ザ・ドラえもんズスペシャル ロボット養成学校編』1巻収録「世界最強の男」では、この道具を被った4人組をドラリーニョが連れて来た際(彼曰く「何でもありのエスパー超能力者軍団。ほとんど宇宙最強!」)、ティラノサウルスを倒したスーパーロボット相手に対し、超能力者軍団が勝利する様子が描かれている(ただしその後は巨大化したドラメッドⅢ世に敗北しているが)。
『決定版ドラえもん大事典』では、のび太が「スペアポケット」からこの道具を取り出し、部屋中に散らかっているゴミを「タイムマシン」が保管されている時空間へ瞬間移動させる様子が描かれている。
『ミニドラにおまかせ!』では、ミニドラがこの道具を取り出したのだが、ミニサイズ故に重い物は動かせない様子が描かれている。その一方で、のび太やミニドラはこの道具を上手く使いこなしており、原作版では失敗続きだった瞬間移動も、特に大きなミスをすることなくまともに発動させる様子が描かれている。
『月面探査記』では、超能力に憧れたのび太の為にドラえもんがこの道具を取り出したのだが、原作版と同様にのび太はこの道具を使いこなすことが出来ず失敗してしまう様子が描かれている。
関連道具
- 念力目薬
目薬型のひみつ道具。
これを目にさすと、凝視した物体を自由に操ることが出来るようになる。さす量を増やせば重い物を操れるようになるが、さし過ぎると効果が過剰に表れてしまい、目で見ただけで物が空中へ吹き飛んでしまう。
『ワンニャン時空伝』では、逃走するチーコを足止めする為にドラえもんがこの道具を使用したのだが、映画版では目を充血させながら「染みる~!」と言っている(大長編版ではそのような描写はない)。
- E・S・P訓練ボックス(えすぱーくんれんぼっくす)
上記の「エスパーぼうし」と同じ超能力を育てることが出来る道具。ドラえもん曰く「一人前になる為には、毎日3時間ずつ訓練して3年かかる」とのことだが、作中ではのび太が短時間だけ訓練した際、効果が10分遅れて発動してしまうものの、一応超能力を身に付けることに成功している。