概要
エマーソン・レイク・アンド・パーマー(Emerson, Lake & Palmer)
略称としては「ELP」が一般的。
pixivではセカンド・アルバム「タルカス」のジャケットをネタにしたイラストが多い。
1970年に3つの人気バンドの出身者により結成された「スーパー・グループ」で、其々を尊重するという意味でメンバー3人の名字から取られたバンド名となった。
ムソルグスキーの「展覧会の絵」などクラシックのアレンジやモチーフの取り込み、シンセサイザーを導入し画期的な音楽スタイルを確立。また、メンバーもイケメンぞろいで、女性に人気があった。
日本ではキング・クリムゾン、イエス、ピンク・フロイドと並べて「プログレ四天王」と言われる。また、一部のファンからは「エンタメ系プログレバンド」と言われており、派手なパフォーマンスやユニークな音楽性が特徴。
1980年の最初の解散は、日本の一般紙でも報道される「事件」であった。
1990年に再結成し、1996年まで活動するも自然消滅の形で長らく休止状態にあった。
2010年7月25日、ロンドンで開催された「ハイ・ボルテージ・フェスティバル」のメイン・アクトとして一夜限りの再結成ライヴが実現。カール・パーマーはエイジアとしても出演し、「今後ELPとしての活動は行なわない」旨の声明を出している。
メンバー
キース・エマーソン(Keith Emerson)
「ザ・ナイス」というバンドに所属していたが、他のメンバーの技術や力量に限界を感じ脱退した(但し、ライブ等で当時の曲をアレンジして演奏する事もある)。
とにかく「型破り」かつユニークな演奏スタイルが特徴である。
- ハモンドオルガンにナイフを突き刺す(鍵盤を固定し、音を鳴らしっぱなしにするため。来日公演の際は日本刀を突き刺した)
- それだけにおさまらず、ハモンドオルガンの下敷きになったり、上に乗っかって激しく揺さぶる(内部のホイールの回転を不安定にさせ、独特の音を出そうとしていたから)
- ピアノを「縦」回転させる
- ソロアルバムのミュージックビデオで潮が満ちていく浜辺でハモンドを弾き、結局オルガンごと海に浮く
……というように、色々と凄いことをやっている人。
20分に及ぶ大作「タルカス」や「悪の教典♯9」での天才的な演奏は様々なキーボーディストや作曲家に影響を及ぼしている。
映画音楽の分野でも活躍しており、「幻魔大戦」や「ゴジラFINALWARS」など日本映画の劇判も手掛けている。
2016年3月10日、逝去。拳銃自殺であったとされる。晩年は右手の故障によりまともな演奏ができなくなっていた。享年71歳。
グレッグ・レイク(Greg Lake)
元「キング・クリムゾン」。当時ザ・ナイスと共演する機会があり、その時にキースへ結成の話を持ち掛けた。抒情溢れるボーカルが特徴で、ギターの弾き語りがシングルカットされ人気を博したこともあった。晩年はかつての美少年の面影はないほどに太っt(ry
プロデューサーを兼任(キース曰く「あいつがこだわったから譲っただけ」らしい)していた。キースとは意見が合わない事が多く、「タルカス」についても「ソロでやれば?」と冷たくあしらったという。
オリジナル曲の殆どの作詞を手掛けているが、『恐怖の頭脳改革』や『ラブ・ビーチ』等には元キング・クリムゾンのピート・シンフィールドが参加。
2016年12月7日、癌で闘病の末に逝去。享年69歳。キース・エマーソンと同じ年の事だった。
カール・パーマー(Carl Palmer)
ドラム及びパーカッション。かつては、ELPと同じキーボード・トリオ編成の「アトミック・ルースター」というロックバンドに所属していた。
「不器用」、「リズム感が無い」、「センスが無い」などとも言われるが、走るように前のめりになってドラムを叩くスタイルがアグレッシブで、ライブではドラムソロ中に後に釣り下げた銅鑼を叩きながら、ドラムセットごと回転したり、バスドラを連打しながら上半身裸になる等、キースに負けない派手なパフォーマンスをする。
ELPの解散後、キング・クリムゾン、イエス、ELPの元メンバーで結成されたスーパー・グループ「エイジア」に加入し、商業的に成功する(脱退、再加入を経て現在もエイジアとしての活動は続行中)。
派生バンド
エマーソン・レイク・アンド・パウエル
1980年代半ば、ELPの再結成の話が持ち上がるが、エイジアでの活動に集中していたパーマーはこれを固辞。
代わりに同じ「P」のイニシャルを持つコージー・パウエル(Cozy Powell、RAINBOWの記事も参照)が加入し、「エマーソン、レイク&パウエル」として活動を始める。しかし、以前と同じ「ELP」の略称使用に対するパーマーの差し止め請求が認められ、公式にはフル表記しか認められない事となった。
同名のアルバムリリースと一度のライヴツアーの後、パウエルの離脱に伴い解散。
新日本プロレス会場での試合開始直前・全試合終了後と、中継番組『ワールドプロレスリング』のOPにこの時期の曲『The Score』が使用されており、お茶の間的な意味では何気に最も馴染みのあるラインナップかも知れない。
3(スリー)
「エマーソン・レイク・アンド・パウエル」解散後、パーマーがエイジアから離脱した事を受け、改めて三人が合流。再結成に向けてリハーサルを開始するも、今度はレイクが離脱してしまう。
残されたエマーソンとパーマーは、ブライアン・レーン(エイジアのマネージャー)から紹介されたロバート・ベリーを迎えて、新バンド「3(スリー)」を結成。
1988年にアルバム『スリー・トゥ・ザ・パワー』を出すが、ライヴツアー後に解散となった。
余談
エイジアの1983年日本公演にジョン・ウェットンの代理でレイクが参加。パーマーと共演しており、上二例と併せて持ち回りで「オリジナルメンバーの誰か一人がいない」プロジェクトが三度実現している。
代表作とされる「恐怖の頭脳改革(Brain Salad Surgery)」はフェラチオを意味するスラングであり、もとはドクター・ジョンの曲で歌われていたワンフレーズである。LPアルバムのジャケットには観音開きのような構造で開くと女性の様なキャラクターがあらわになるというギミックが仕掛けられている。実は陰茎というか亀頭っぽいものがうっすら描かれており、そのすぐ上には女性と思しきキャラクターの口があるため、今にも陰茎に吸い付こうとしているように見える。