翔太郎「そう警戒すんなよ、キャットウーマン」
フィリップ「今、君を助ける!」
概要
第3話「cは何処に」で登場。
結婚詐欺の被害にあいヤケを起こしていた女性・蝶野麻友がネコ科の動物「カラカル」の記憶を宿すカラカルメモリで変身するドーパント。
カラカルの特徴である長い耳に狐の面を思わせる顔つきをしている。
どこか女性的な体付きをしているが、変身者の身体特徴が反映されたのか、性別に関わらずこのような姿なのかは現状不明。
後述の状況から戦闘描写はなく、能力の詳細は謎に包まれているが、
劇中では鋭い爪を長く伸ばすような描写があった事から、猫科動物特有の素早い動きで相手を翻弄しながら、鋭い爪で引き裂く戦法を得意としているのかもしれない。
初めてドーパントに変身したことと、メモリが不良品だったことが重なり、体に不調が生じてドーパント態のまま下水道で動けなくなり、街中の猫に助けを求める。
忽然と風都から無数の猫が消えたのは、彼女の悲痛な叫びを聞いて猫が心配してやってきたか怯えて隠れていたからであった。
事情を察した翔太郎とフィリップは、随伴している猫達を攻撃に巻き込まないようルナトリガーに変身して相対。2人の意図を知らないカラカルは威嚇しながらも交戦せず逃走を選び、その間に猫の群れが壁として立ち塞がるが、ルナトリガーが放ったトリガーフルバーストはその隙間をすり抜けてメモリブレイクに成功、無事に人間へと戻れた。
事件解決後に、ドーパントとして苦しんでいた時にそばにいてくれた猫のチャオと病院で再会し、涙ながらに罪を償うことを誓った。
真相
この事件は元々、中条巌という資産家の葬儀中に失踪した猫のチャオを捜してほしいという依頼から始まった。
だが、この案件を調べる内に風都では大半の猫がいなくなっているという謎の事件が起きており、その経緯で遭遇することになった。
更に依頼人である中条朱美や巌の遺族が捜しているのは、チャオの首輪に付けられていた「マリーナ・エメラルド」と呼ばれる宝石の方だった。
朱美が言うには18億円もする代物らしく、チャオの本来の飼い主である巌の事実上の遺産であり、
朱美やその家族はそれを独占する事が真の目的で、チャオの事自体はどうでもよかったのである。
意図したかは不明だが、亜樹子ら鳴海探偵事務所の面々がチャオのことを基本的に名前で呼んでいたのに対して、
朱美ら中条家の人間は一貫して単に「猫」としか呼んでおらず、(朱美が依頼の説明をした際には流石に呼んだのだろうが、描写がない)チャオへの愛情など皆無だったことが察せられる。
巌は家族に厳しいと説明されていたが、実際は自分が生きている頃から遺産の分配をめぐって争い続ける親族に辟易していただけで、
チャオに宝石付きの首輪をあげたのも「ただ喜んでほしい」という一心からの行動であった。
それは裏を返せば、「そう思える相手がチャオ以外にはいない」という程に、彼が家族に失望し、また孤独感を募らせていた事に他ならない。
フィリップによって真相を突き付けられつつも、なお醜く争い続ける中条家の人間に激怒した亜樹子は、
普段ならがめつく取る探偵料も今回ばかりは受け取らず、これ以上人間の醜い争いに巻き込むまいと『チャオはあなたたちには渡さない』と言い放つ。
そして事件の元凶である宝石付きの首輪は外に走っていたゴミ処理トラックに投げ捨ててしまい、
それを追う中条家の面々を尻目に彼女はチャオを引き取る。
深い悲しみとともに晩節を生きた巌老人の唯一の心の拠り所となり、
彼の死後もまた、一人苦しむ麻友のそばに寄り添い続けたチャオ。
退院する彼女と再会した彼は、パートナーとして彼女の心を支えてゆき、社会復帰への一助となるだろう……。
余談
ドーパントとしては珍しく、カラカルと非常に括りが狭い動物をモチーフとしている。(ガイアメモリのモチーフは縛りがないため、音楽、野獣、宝石など括りが大きいモチーフが採用されることも少なくない)そのため、初見では「キャット・ドーパント」と勘違いした読者も多いことだろう。
コミックスの説明では、足回りなどが実写では表現できないデザインと称されている。
ファンからは本編に登場した結婚詐欺師湯島則之の被害者では?という声がある。
宝石の種類についてはフィリップがジュエル・ドーパントの事件の際に調べていることが語られた。この時は姉に妨害され本に触れなくなっていたため、見開き1ページ分しか閲覧できなかったはずであるが、後に再検索し全て読んでいたと考えて良いだろう。
なお、アニメでは実写では表現できないデザインに加えて敵組織が目立った活動を見せることを考慮してか閉ざされたkが繰り上がった形でカットされている。
関連タグ
関連・類似キャラクター
- マスター・シャーフー…モチーフが同じくカラカル。
- バイラス・ドーパント…カラカルと同じく、結婚詐欺の被害に遭ったのが原因でドーパントと化したつながり。あちらは殺人をはじめとした悪事に手を染めており、変身者も昏睡状態だったためよっぽど悲惨なものだった。カラカルの場合はメモリの不調で人間に戻れなくなってしまっていたが、精神が安定していたため悪事を働かなかったこと、容態が回復したこと、ドーパントへの変身中に自分を心配してくれた存在に出会えたことで救われたため、バイラスより幾分かマシだったといえる。