概要
『機動戦士ガンダム』アニメ放送当時のスポンサー「クローバー」が発売した超合金玩具『機動戦士ガンダム DX合体セット』、『機動戦士ガンダム ダイカスト』、『機動戦士ガンダム ダイカストDX』のこと。ダブルエックスではない。
ガンダムは前番組の『無敵鋼人ダイターン3』同様にクローバーがスポンサーとして放送されていたが、残念ながら当時のマスコミや広告代理店は「地球圏全部を巻き込んだ戦争のごく一部だけを描き、毎週敵が同じロボットに乗って攻めてきて、主人公が戦うことを好まず、技名を叫ばずに闘うアニメ」など見た事が無かったため、それ以前のロボットアニメ同様に「悪の独裁国家ジオンに正義の怒りをぶつけろぼくらのヒーロー機動戦士ガンダム!」みたいな売り込みを行うほかなく、結果としてなんじゃこりゃ的なオモチャやテレビ絵本があふれる結果となった。かの有名な『冒険王』掲載の漫画版などもその1つである。
この内DX合体セットはその当時一番マトモな部類のガンダムの玩具であり、12月のクリスマス商戦を見越して売り出されたメイン商品であった。後半で登場するGファイターも同封され、上に載せたり、GブルやGスカイにして遊ぶことができる。スケールは1/100(18㎝)。
しかし、この玩具はスポンサーのゴリ押しが御多分に含まれており、TV本編のガンダムRX-78-2とは大きく異なる仕様であった。
本体
- メインカメラが無い。(誤解されがちだがガンダムのメインカメラはツインアイではなく額の赤い所のすぐ上である)
- ツノと額が黄色い。(まあ角に関してはこの玩具に限った話ではないが)
- 鼻の下のチョビヒゲのような部位が無い。
- 顎の赤い部分がリ・ガズィ並みに長い(当時そんなもんなかったが)。
- やけに上半身がいかつくボディビルダーのような逆三体型。
- 左胸に輝くGのエンブレム。
- 腕にウルトラマンのような赤いラインが入っている。
武装
- ビームライフルが真っ赤でガンキャノンのそれに酷似。名前もラッシュ・ライフルとされている。
- シールドが2つある(これに関してはTV版で二枚重ねになっていることがわかるシーンがある)。Gスカイのように両肩に装備可能。まるでスローネドライやディランザ。
- ハイパーバズーカは形状が全く違い、肩に背負うロケットランチャーになっている。
- ジャベリンになぜか斧刃がある。
- ロケットパンチが出る。
- コア・ファイターの機首が分離してミサイルになる。
以下はダイカスト版の特徴。
- 胸にGUNDAMのシールが貼ってある(ダイカストDXではその下に横長の穴が開いている)。
- 腰アーマーのパーツはシール(ダイカストDXでは立体的)。
- 背中と踵に車輪がついており、背面走行が可能。
- 肩と両手、膝から下が超合金。
- ロケットパンチに加え、ビームサーベルを発射可能。ただしジム同様ランドセル左側にしか刺せない上、刃が半分見えている。
- 盾にタイトルロゴのシールがあるが、ほぼ赤一色(ダイカストDXでは色付き)。二の腕にマウント可能。
- 肩のハイパーバズーカは上腕に装着可能。
とまあこのようにツッコミどころ満載であったが当時の玩具としては出来が良く、低視聴率にも拘らず売り上げはよかったという。
その後、ガンダムは劇場版により再ブームとなり、クローバー倒産後にバンダイが商品権を獲得するが同社が開発したガンプラと呼ばれる良品質のプラモデルが登場したことで、国民的アニメとなる。いわばクローバーガンダムはそのガンプラの偉大なる先輩というわけである。
なお、クローバーガンダムも『ガンダム』劇場版公開時に再版され、箱にリアルなイラストへとリニューアルしたものも販売していたという。
また元々のスポンサーを務めていた玩具会社が倒産後するが、他会社が商品権を引き継ぐ事例はバルキリーにも見られたものである。
余談
『機動戦士ガンダムUC』に登場するフルアーマーユニコーンはこのクローバーガンダムがモデルになっていて、斧付きジャベリンは「ハイパー・ビーム・ジャベリン」として公式設定に採用された。
また『SDガンダム外伝』に登場するローバーガンダムと『新SDガンダム外伝』に登場する古代神バロックガンという敵キャラはこのクローバーガンダムが元になっているという説もある。(バロック→逆から読むとクッロバ→クローバー?)
『トニーたけざきのガンダム漫画』ではザクの連隊を突如このクローバーガンダムが襲撃した事がある。名義は「ダイカストガンダム」。
関連イラスト
関連項目
パーフェクトガンダム:似て非なるもの。
コアガンダムⅡ:顔のデザインが似ている。