概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具の一つ。初登場回はTC23巻収録「大あばれ、手作り巨大ロボ」。
22世紀で販売されているスーパーロボットのプラモデル(全16箱)であり、16個全てを完成させ組み上げると、身長10mの巨大ロボットになる。動力源は単三乾電池4本で、10時間以上稼働させることが可能。また、飛行機能も有する。
搭乗操縦式で、内部に二人乗りのコックピットも設置されている。
作中での活躍
スネ夫がラジコンマニアのいとこに、ラジコンロボ「グランロボ」を作ってもらう。そのロボットに攻撃されたのび太から「僕も凄いロボットが欲しい」と頼まれたドラえもんは「タイタニックロボのプラモ」を取り出す。しかしあまりにも巨大だった為、ドラえもんとのび太は「どこでもドア」で山奥へ行き、そこに運び込んで組み立てを始める。
宿題が疎かになり居残りをさせられ、その帰り道にグランロボに攻撃されるも、3日後、ドラえもんの留守中に1人でタイタニックロボを完成させたのび太はグランロボを踏みつけてペラペラにした。だがコントロール装置を作り間違えてしまったことで暴走してしまう。
電池が切れる10時間後まで、ドラえもんとのび太はタイタニックロボを操縦し続けなければならない事態に陥ってしまった。
ドラえもんとのび太は一先ず吹雪の中を飛行し続けていたが、山の中で行き倒れている子供を発見し、救助する。彼らの話によると、山奥に住んでいる為に登下校には毎日3時間かかるという。そこでドラえもん達は子供達の為にトンネルを掘ることを思いつき、タイタニックロボのエネルギーが尽きるまで山を掘り続けた。
最終的にトンネルを掘り終えたところで電池が切れ、ドラえもんとのび太が何とか家に帰り着いた時には既に夜。ママに叱られたのび太は、宿題をしながら「電池がある内に学校を壊しておけばよかった」とぼやき、それを聞いたドラえもんが「無茶言うな」と驚くオチで終わる。
余談
上記の通り、タイタニックロボはのび太がコントロール装置を作り間違えてしまったことが原因で暴走してしまい、ドラえもんは「電池が切れる10時間後まで操縦しないと止まらない」と明言している。
ところが、吹雪の中で子供達を救出するシーンでは、どういう訳かこのロボをしっかりと停止させ、尚且つドラえもん達がロボから降りて子供達を救出している。暴走とは何だったのか…
※一時的に停止させる装置があったのかもしれないが、そのあたりの説明は無く、詳細は不明。
なお、のび太がコントロール装置を作り間違えた理由は、スネ夫のグランロボと一日でも早く対決させたいがために、完成を急いだため。大急ぎで作ったため、その時に作り間違えを起こし、結果コントロールを受け付けなくなってしまった。
※これは、スネ夫も毎回グランロボに新機能を付けては、毎日のび太にそれを試していたため、のび太が頭にきていた事も原因の一つ。
スネ夫はのび太に対し、グランロボに一日目はパンチさせ、二日目はいとこに追加させたキック機能を試したりしている。更に三日目には、いとこに新たに装備してもらった「ハンドミサイル」とやらものび太で試そうとしていた(のび太が下校時に聞いて、遠回りして帰宅したために、これは未遂に終わっている)。
ちなみに原作マンガでは、グランロボはタイタニックロボに踏まれ、ぺちゃんこにされていた。
また、上記のエピソードは旧版および水田わさび版アニメでも映像化されている。
わさび版では、以下のアレンジが施されている。
- のび太だけでなく、ドラえもんもグランロボの被害に遭う。
- のび太がタイタニックロボでおつかいに行ったり、飛行機に挨拶したりして、周囲から顰蹙を買う。
- オチが変更されており、トンネル作業の疲れからのび太は授業中に寝ている場面が描かれ、その一方で雪山の子供達がトンネルが出来たことを喜ぶシーンが描かれた。
映画ドラえもんシリーズのどれかに投入されていれば、ザンダクロスやのび太の宇宙小戦争の戦車のように活躍できたと思われるが、映画や大長編には登場していない。
おそらく、登場できなかったのは廃棄、または新しいのを購入する暇が無かったからと思われる。ただし、劇場版「のび太のひみつ道具博物館」では、劇中のひみつ道具のミュージアムにて、僅かだがタイタニックロボも登場している。
タイタニックの名前は単純に考えると巨大ロボとして神話から引いてきたとも考えられるが、作者は処女航海で沈没したタイタニック号と同じく、一回限りの登場のつもりであったとも考えられる。よく見てみると、ドラえもんでは大長編のようなガチの戦いでも敵のボスに特攻した海底鬼岩城の水中バギーや、鉄人兵団やザンダクロスのような人格を持ったロボット(キャラクター)は激闘したりしているが、非自律型ロボット(人格を持たず、有人操縦や遠隔操縦のロボット)の戦闘投入は乏しく、日常においてスネ夫やジャイアンに対抗したり仕返ししたりするためにロボットを使ったりはしているものの、「ロボット兵器」の作中登場には抑制的だったという考察もある。
また、タイタニックロボのひみつ道具としての分類は、あくまでも「玩具」「プラモデル」であるため(劇中でもドラえもんが、のび太が組み立てる際「オモチャ」と言っている)、実戦に使用できるほど、耐久性や安全性などはあまり高くなかったのかもしれない。
実際、水田わさび版アニメでは、トンネルを掘り終えた頃には指が取れ、全身がボロボロになっていた(のび太の宇宙小戦争では戦車のプラモデルを改造強化して実戦投入しているので、同じ方法で改造して防御力や強度を上げることは可能と思われるが)。
この他、暴走時にドラえもんは「宇宙怪獣とでも戦わせれば、すぐにエネルギーが切れるんだけど」とも言っていた。これがタイタニックロボと戦わせ遊ぶためのオプション製品なのか、あるいは本物の宇宙怪獣の類なのか、単にドラえもんが思いついて口走っただけなのかは不明。
グランロボ
スネ夫が劇中で操っていたラジコンロボット。いとこに作ってもらったとの事だが、身長約2m、歩行およびパンチ、キックも可能という、素人が作ったにしては破格の機能・性能を有する。劇中未登場だが、「ハンドミサイル」という装備も追加された。
スネ夫はジャイアンとともに、これらを使ってのび太を攻撃。のちにタイタニックロボに乗ったのび太に反撃され、体格差からそのまま踏みつぶされてペラペラにされた。
旧版アニメでは(後の「鉄人兵団」に登場したミクロスのように)、舌を伸ばしアカンベーをする機能が追加されていた。
また、下記の通り「エスパー魔美」にも劇中劇のロボットアニメ、および玩具として「グランロボ」が登場している。
魔美のエピソード「グランロボが飛んだ」劇中にて。劇中でTV放送されているロボットアニメの画面、および玩具が登場。同作中のゲストキャラクターである少年は本作のファンで、劇中でTV番組を見ており、玩具で遊んでいた。
登場した玩具の大きさは約15センチ。アニメでは約30cm。さらに関節部から分解し合体させるという、(鋼鉄ジーグのような)ギミックを有している。
この劇中劇のグランロボとドラ劇中のそれとは、同一か否かは不明だが、原作においては両者のデザインはほぼ同じである。
しかし旧アニメ版ドラ劇中では、ややデザインは変えられており、とくに頭部および顔面が変更。口元はアカンベーできるように人の口らしき造形にされている。ボディカラーはライトグリーン。
わさび版アニメ劇中では、原作にほぼ忠実なデザインに改められた。ボディカラーはパープルにされている。
魔美劇中では、原作マンガ版のメインカラーは青。
アニメ版魔美劇中でも、原作にほぼ忠実なデザインで登場している。しかし、ボディのメインカラーは赤で、原作とは反転したような色合いにされている。
関連項目
ザンダクロス:『鉄人兵団』に登場した巨大ロボット。こちらもドラえもんとのび太が組み立てた。
ファイタースーツ:のび太がドラミのひみつ道具『ハツメイカー』を用いて作った、搭乗式のロボット。土管を破壊するほどのパワーを有する。原作では身長3~4m程度の大きさだが、アニメでは身長10mほどの巨大ロボとして描かれている。
グランドロボ:藤子・F・不二雄作品「キテレツ大百科」劇中に登場。グランロボと一文字違いだが、こちらは劇中のTV番組に登場した巨大ロボット。コロ助が夢中になって見ており、「我々ロボットの誇りナリ、希望の星ナリ」と言っている。そのデザインはグランロボやタイタニックロボとは異なるもので、背中にマントを装備している。
エスパー魔美:藤子・F・不二雄作品。アニメ化もされた原作のエピソード「グランロボが飛んだ」の劇中に登場。登場するグランロボは劇中劇のロボットアニメのタイトル及び主役ロボットで、玩具も出てきた。