ツバサ(仮面ライダーフォーゼ)
つばさ
仮面ライダーイカロスに変身する、天ノ川学園高校の制服を着た謎の少女。一人称は「オレ」。
長い前髪に隠れた顔、全身血塗れという異様な外見が特徴。両目からは、まるで深淵の闇を覗き込んだかのように意思を感じられない薄気味悪さを漂わせる。
天高の卒業式とプロム・パーティーを潰そうと企んでおり、屋上から飛び降りたり、血染めのプールの中から現れるなどのホラー映画さながらの演出を交えて神出鬼没に自身が見定めた素質ある生徒の前に出現、彼らの心を見透かしたかのように語り掛けては同志と称してゾディアーツスイッチを手渡し勧誘している。
また、見た目に反して男の声で喋り、少年のような姿にもなる事ができる。
如月弦太朗は「とある知り合いに似ている気がする」と感じたようだが……?
以下、物語の核心に付き閲覧注意‼
「かわいそうに紗理奈ちゃん、君の翼は、神話の中のイカロスのように折れちゃったんだね」
その正体は、『MOVIE大戦MEGAMAX』に登場したなでしこと同じ存在……もう一つのSOLUである。
天高文化祭で仮面ライダーなでしことヴァルゴ・ゾディアーツが戦闘した際に、彼女の体の一部がヴァルゴに付着、その後ヴァルゴと共に宇宙空間のM-BUSへ転送された。
当初は意思を持たないただの細胞片に過ぎなかったが、M-BUSの中で機器類に擬態しながら冷凍睡眠している園田紗理奈、鬼島夏児、杉浦雄太の3人と接触した事により、なでしこと同様……しかし、彼女とは真逆の奇跡を起こす。
元ホロスコープスの一員であった彼らの邪悪なコズミックエナジーの影響下で進化したそれはヴァルゴ=江本州輝の目を盗みながら活動を続け、冷凍睡眠中の3人の知識を得て知能を獲得。
そして園田紗理奈の過去のトラウマから生まれた「無意識下の別人格」を実体化するための人格モデルとして選び、それを吸収して肉体を得た。
なお、常時取っている「血塗れの少女」の姿は夢と希望に溢れていた高校生の頃の園田、声や少年としての姿は幼い頃に事故死した彼女の幼馴染・天野ツバサがモデルとなっている。
かつてツバサのいたずらに腹を立てた園田は、帰り道に彼にそっけない態度を取って彼を置いてさっさと家路についていた。
しかしその際、彼女を追いかけてきたツバサが事故に巻き込まれ、彼女の目の前で死んでしまう。これを目の当たりにした園田は自分を責め続け、その後悔と怒りから無意識下にフォーゼ本編で見せた選民思想の塊のような人格を形成していた。
それを取り込んで誕生したのが、このツバサである。
つまり、ツバサの本質は園田の心の闇そのものと言える。
本来は江本亡き後、永遠にM-BUS内部に閉じ込められるはずであったが、我望光明の野望を打ち砕いた後に彼らを救出しに来たフォーゼ・コズミックステイツがワープゲートを開いた際のドサクサに紛れて誰にも気付かれる事なく地球に辿り着き、究極の生命体へと進化するために行動を開始する。
まず手始めにホロスコープスであった3人にとっての「共通した強敵」である「仮面ライダー」に関する記憶を元にシステムを構築してライダーの力を手に入れ、さらに大量の強いエナジーを得るために、高校生活のクライマックスという事で様々なエナジーが渦巻くプロム・パーティーに着目。
そこに集まった生徒たちを皆殺しにして恐怖と絶望に染まった良質のエナジーを生み出し、それらを吸収しようと目論み、そのために自身の手足となる巨大ゾディアーツ「アルゴ・ゾディアーツ」を生み出すべく素質ある者を見定め、洗脳に近い状態で仲間に引き入れ暗躍していた。
さらに園田から吸収し損ねた負の感情を手に入れ、自身をより完全なものへと昇華するべく彼女に近づくなどの行動を起こしていた。