「今のそれ、とってもいい表情よ。Fii Bucuros(素晴らしいわ)……!」
プロフィール
概要
イ・ウー解散後の残党主戦派の一人でルーマニア出身の吸血鬼。冒頭の台詞の一部もルーマニア語である。
裏世界の組織たちによる戦役『極東戦役』がイ・ウー解散を引き金に開戦、「師団」と「眷属」のどちらの連盟に付くかを決める会議である『宣戦会議』(バンディーレ)に乱入したアリアから逆に緋緋色金の力を抑える殻金七星を強奪し、他の参加者に配り世界に散らばるきっかけを作った少女。
その正体はかつてアリア・キンジ・理子が対峙した吸血鬼ブラドの娘。
父親同様、理子に対して支配欲を持ち、『力ある者が力なき者を支配』と言う考えの下、自身の念で身に着けた人間に毒が回るイヤリングを着けさせ(一時的に)理子がキンジらを裏切るように仕向けさせた。
容姿
金髪縦ロール状のツインテールにゴシック&ロリータの衣装を着込み、外出時は日傘を欠かさない。
多層のフリルに手製のレース、パニエで膨らませた丈の短いスカートで構成されたモノトーン長のドレスが基本衣装。自身の体質や能力に適応した下着と蜘蛛の巣柄のタイツも特徴的。
性格
ドラキュラの一族であることに気高さと強い自負を持ち、弱肉強食・力が全てであることを信条とする。自身のことを「現実主義」と称し、弱者を虐げることに一切の躊躇いを持たない生粋のサディスト。
高等種族であることへの自負からか、自分と弱者を別のものに例えて圧倒的な差を表現する癖がある。やや形式張った貴族的な口調であり、自分の支配下にある者に対してはアメとムチを使いこなす。
変わったところでは商売ごとが苦手であり、貴族であることを苦手な理由としているようだが、商品を取り違えたりする辺り、もっと根本的な理由な気がしないでもない。
竜悴公姫(ドラキュリア)
父と同様に吸血鬼としての性能を持ち、夜行性の生態に吸血、『魔臓』による高速再生能力に加えて蝙蝠のものに似た翼で飛行することも可能。
父が見せた形態変化能力も持ち合わせており、ブラドの見せた鬼の如き『第2態(セコンディ)』の他、神と称する『第3態(テルツァ)』がある。
一方で日光や銀、聖なる加護が付加された物体等、一般に吸血鬼が苦手とするものは概ねそのままであり、これらの効果が伴った攻撃を受けた場合は再生速度が遅くなる。
また、健康には他者の血、特に人間の血が必要らしく、肌荒れ改善の際には東欧系の血を求めることがあった。通常血液型の違いを気にする必要は無いが、重傷の際には人間と同様に同じ型のほうが有効。
吸血によって自分の遺伝子を上書きして進化することができ、ジムナーカス・アロワナのロレンチーニ器官を獲得し、発電することができる。
更に、外部から電気を供給することで自身の発電量を超えた電気を操ることも可能。但し住宅で利用される電気では電圧が合わないため、日常の電化製品と同様に変圧器の類が必要となる。
なお、戦闘をこれらの能力に頼っているがために格闘戦は不得手。
他には古来の催眠術を使用でき、人間の隷属や記憶の忘却が可能。
紫電の魔女
吸血鬼由来の能力に加え、素粒子を操る超能力(ステルス)をも持つ。荷電粒子の雷球を生成した飛び道具や、周囲の物質の粒子化ができる。
中でも凶悪なのが地面を粒子化して分解し、『影』のようになって移動することができる点。この『影』の中は四次元空間のようになっているらしく、自身以外の物質を収納することも可能。その気になれば『影』の中から携帯で通話することもできる。
『影』自体は外側から視認できてしまうため、隠密行動がしたい場合は他の物の陰に紛れることが必要。また、何の意識もしない場合は『影』はヒルダ自身の形をとる。
これらの能力は汎用性に優れる反面、電気の使用燃費が悪く精神的な負担も大きい。そのためか『影』への出入りを攻撃に対する緊急回避の目的で利用した描写は一度も無い。
作中での活躍
イ・ウー解散を引き金に開かれた『宣戦会議』に乱入したアリアに対し、アリアに埋め込まれた緋緋色金の力を抑える殻金七星を強奪。アリアの暴走のきっかけを作る。
原作8巻『極東戦役』開始後、東京の外堀通りでアリアとキンジを襲撃。電撃で二人をあっさりと無力化し、乱入してきた理子でさえも虐げる側としての余裕の表情と言葉で催眠術をかけ、前述のイヤリングを理子につける。
しかし、その場にアリアの婚約者であるエル・ワトソンが駆けつけ、吸血鬼用の武装をした姿を見ると『極東戦役』で敵対する勢力同士であることもあって影に消えて撤退。
その後、キンジとワトソンがアリアを巡ってスカイツリーで衝突しその戦闘が終了する直前でワトソンを雷球で奇襲。敵対かつ相性の悪いワトソンを労せず撃破することに成功する。そもそもこの衝突自体がヒルダが催眠術や当事者たちが抱える事情等を利用して誘導したものであることをキンジに暴露している。
自身のもとに現れたキンジに対してはヒステリアモードの性質を逆利用し、アリアに化かせた理子を仕向けて自分のペースを掴むと、自身に目を奪われかけているところに暗示をかけて無力化・拘束する。
しかし、ワトソンによって事前に無力化されていたアリアを甚振っている時、理子にそれを止められたことで激昂。怒りに任せて理子を調教することを優先したところ、キンジに拘束を脱却され、理子を奪い返される。そして理子はキンジに鼓舞され、束縛から脱却すべく共闘する。
覚悟を決めてヒルダと敵対することを決めた理子のイヤリングを破裂させて毒を付加するが無視される。その理子によって変圧器や予備のバッテリーを破壊されて電力の継続供給を絶たれてしまう。さらに吸血鬼特有の再生能力を有する魔臓4箇所のある場所には目玉状の模様があるため、弱点が露出してしまっていることを明かされてしまう。が、
医者に手術で事前に魔臓の位置を変えさせた上で口を封じた為、実際は模様と急所の位置が合っていない。それゆえ、キンジ、理子、アリアの3人の銃弾3発でヒルダの目玉模様4箇所へ決死の同時攻撃を成功させられたが決まり手にはならなかった。
が、
実はこの方法、急所の場所が分からない ≠ 弱点が無いという落とし穴があり、
『第3態』となって勝利を目前にして気が緩んだ隙に、
ヒルダと対峙したときに備えて理子が事前に用意していたウィンチェスターM1887による散弾による全身への攻撃で魔臓全てが損傷。回復力が低下したことで溜め込んだ電気によって自傷し始め炎上、スカイツリーから転落し敗北する。
理子の毒は救護科の教諭、矢常呂イリンの治療で解毒できたものの、今度は戦いで重症を負ったヒルダの命が危険な状態になる。
実は彼女の一族の血液型はB型クラシーズ・リバー型と呼ばれる希少な血液型。ヒルダの父プラドが理子に対して執着したのも彼女が優秀な遺伝子のみならず吸血鬼と同じ血液型を有すことに起因していたことが判明。
理子は数刻前まで死闘を繰り広げていた相手にもかかわらず輸血を行うという器の大きな面を見せ、ヒルダは九死に一生をえることになる。
その後は極東戦役のルールに従いキンジら師団側の下に付くことになる。
理子とは過去のことを全て水に流したとは言いがたいものの、
ジーフォースの襲撃で理子が入院した際はわざわざナース服を着込んでこっそり見舞いに訪れたりと関係に変化が見られるようになる。
22巻では旧公安0課に目を付けられたキンジの護衛という形で久しぶりに登場。公安の牽制の役目を果たした他、『影』から武力で脅しながら理子の部屋へと連行した。
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