概要
共に最初期から登場するキャラクターであり、作中で初めて明確に成立したカップリングである一方、残念ながら(主要キャラクターの中では)唯一の破局を迎えたカップリングでもある。
馴れ初め
孫悟空・ウーロンと共に最初のドラゴンボール探しをしていたブルマを、追い剥ぎをしていたヤムチャが襲ったのがきっかけ。
その場は悟空に撃退され、以降ヤムチャはドラゴンボールの横取りを目論んで執拗に一行を追い続けるものの、事情を知らないブルマは初めて会った時から「すてきな人じゃない!」と好印象を抱いていた。
ピラフ一味との激闘を制した後に晴れて成立。ヤムチャは追い剥ぎから足を洗い、ブルマの住む東の都に移り住む。
その後、物語では険悪な関係になっている場面が目立つものの、要所要所では根底の仲の良さを見せており、関係も継続していると思われた。
まさかの結末
……が、フリーザ編のラストにて、2人の関係に暗雲が立ち込めてくる。
数々の死闘の末にフリーザに破れ殺されたものの、ドラゴンボールの力で蘇った、サイヤ人の王子ベジータ。
一時的に共闘したとは言え、まだまだ悪意や敵愾心がくすぶっていた彼を、ブルマが自宅に迎え入れたのである。
当時のベジータはフリーザ軍から離脱したことにより、帰る場所を失っている状態であり、ブルマの誘いにも下心はなかったと思われる(ベジータを誘った時も、「いくらあたしが魅力的だからっていっても悪いことしちゃ駄目よ」と釘を刺している)。
一年後のフリーザとコルド大王の来襲時にも、ベジータはまだ居候していたものの、ヤムチャもブルマの元で暮らしていることがうかがえ、仲は継続していると見られた。
しかし、そんな2人の関係は、余りにも予想外すぎる方向から破局することになる。
フリーザとコルド大王を瞬殺した新たなるサイヤ人、トランクス。
地球に帰ってきた悟空(と盗み聞きしていたピッコロ)は、彼から自身が20年後からやってきたブルマとベジータの息子であると聞かされたのである。
合わせて、ブルマはヤムチャが浮気性だったために頭にきて別れたとも明かされた。
自分が生まれる未来が書き換わらないよう、このことは内密にして欲しいと頼むトランクス。
悟空も予想外の未来に驚愕するものの、彼に従い3人に直接話すことはせず、ただブルマに「丈夫なあかんぼ産めよ!」とだけ言い残した。
その時はブルマも妊娠しておらず、ヤムチャと共に「(自分とヤムチャの)子供を産め」と受け取っていたものの、
結局未来は変わることなく、1年後に産んだのは自分とベジータの子供。
ヤムチャも破局を認めており、ドラゴンボール最初のカップリングは、違う種の子供の登場という、あんまりにもあんまりな展開で終わりを迎えたのであった。
その後
意外すぎる破局を迎えた2人だが、その後も友人としては良好な仲関係を築いている様子。
「超」では、ヤムチャが野球でブルマをブイブイ言わせており、ブルマの娘のブラに熊のぬいぐるみをプレゼントしていた。
ベジータに対してもやっかみが見られる様子はない。
アニメ版
アニメ版では、女が苦手だった頃のヤムチャがブルマの女体を見て発狂するギャグや、ヤムチャがベジータにブルマを寝取られる過程が原作よりも詳しく描かれている。
ヤムチャがブルマとのダンス中(ブーツとサンダルで踊っているのが凄い)にブルマの足を踏みそうになってしまい、ヤムチャが屈んで心配したところをブルマが白い手でヤムチャの後ろ髪に触れて慰めるシーンや、ヤムチャが首元に巻いているスカーフをブルマの捻挫した足に包帯代わりに巻いてあげるシーンや、ブルマがヤムチャのファンのモブ娘たちに切れるシーンや、ヤムチャがレッドリボン軍のスパイの占い師ハスキーの色仕掛けに(被害者の形で)引っかかり、ブルマが大真面目に「ヤムチャなんて大っ嫌い!」と言い放つシーンは原作にはない名シーンである。
これ以外にも、都に来たヤムチャが髪を切るきっかけ、ヤムチャの左足骨折の入院中にブルマと漫才するシーンなどが描かれた。
また、ベジータとブルマが仲良くなっていく過程をヤムチャが始終、テレパシーや背後で疑わしげに眺めている様子や(原作にも似たシーンが出ている)、カプセルコーポレーションの重力室にて、450倍の重力で修業するベジータに対抗して、ヤムチャが300倍の重力で修業しようとするものの、体が耐え切れず、すぐにスイッチを止めてしまう様子、ブルマが赤ん坊のトランクスを連れてきた後、ヤムチャが背後でしょぼくれている様子などが描かれていた。
原作で鳥山明が「ブルマの性格が男っぽい」と言っていた(男の振りは無理だったものの)せいか、EDに白スーツ姿のブルマとドレス姿のヤムチャ(悟空、ウーロン、プーアルも同じ服装)が登場したこともある。
当時発売されていたきせかえの表紙のナウい服のヤムチャとブルマも見ものである。
映画『最強への道』では、最初のヤムチャとブルマのフラグが原作よりもロマンティックに描かれている。
「超」の第70話では人妻のブルマに応援され、赤面して「でへ…」と照れるヤムチャが描かれた。
余談
破局の原因は一貫してヤムチャの浮気性とされているものの、実際の所ブルマもレッドリボン軍編にてブルー将軍に媚を売ったり、成長した悟空にときめいたり(この時ははっきりウーロンから「浮気っぽい女」と言われてしまっている)と、かなり浮気性なキャラクターである。
ベジータとの関係も、トランクスいわく「ついなんとなく」であり、一概にヤムチャだけが悪いとは言えないかも知れない。
とはいえヤムチャの方も、子供の頃のチチを「鬱陶しいガキ」と罵る一方、成人後の彼女には鼻の下を伸ばしていたりと問題があるのは確かである(余談で、ヤムチャはチチと初めて出会った時に「俺はロリコンじゃない」発言をしていて、アニメ版では嘘のプロポーズを覚えていたチチに振られている)。
ヤムチャのテーマソングの「ウルフハリケーン」を聞けば、ヤムチャが意外にも繊細なのが分かるであろう。
ヤムチャと初代ブルマの声を演じた古谷徹と鶴ひろみは『ウルトラマンUSA』ではウルトラマンスコットとウルトラウーマンベス役で共演している。