概要
てんとう虫コミックス35巻及び、藤子・F・不二雄大全集15巻に収録。
鶏を象ったアイテムで、これに自分の欲しい物を見せながら嘴を押すと卵を産み、それを割ると中からサイズが縮小されたレプリカとして出てくる。
見せるものはイラストや写真、映像媒体でも可能であり、映像や動物をコピーした場合はその通りに動く。
ストーリー
空地で皆が漫画を楽しく読んでいる中、のび太はこれを見せてもらえず悔しい思いをした。そこで帰ってドラえもんに泣き付いたが、「見るな、そんなもの」や「何だ、漫画くらいでめそめそして、みっともない」と言われてしまう。だが漫画が『アバレちゃん』の新刊だったと聞くと、ドラえもんも読みたいと騒ぎ出し「レプリコッコ」を取り出した。
さっそく空地に向かい、スネ夫に漫画は見せないと言われたが、レプリコッコに漫画を見せ卵を産ませるとすぐに帰宅する。そして部屋で卵を割ると、中から小さな『アバレちゃん』の漫画が入っており、2人は虫眼鏡を使ってこれを読み楽しんだ。更に1つしかなかったおやつのプリンもこれで増やして平等に味わい、何でも卵になると分かると、2人は本屋に向かった。
店主にまた立ち読みかと疑われたものの、漫画をレプリコッコに見せて5個卵を産ませ、その後もおもちゃ屋でゲームや玩具の卵を産ませた。空地でこれらを割って中身を取り出し、しずかにはぬいぐるみをプレゼントしたが、いつものように羨ましがったジャイアンとスネ夫にレプリコッコを貸すことになってしまった。
2人はさっそくこれを本屋で使おうとしたが店主に怪しまれて断られた。その後テレビCMに出ていたロボットの玩具の卵を産ませようと考えたが、ジャイアンが操作に手間取ったために間違って火を吐く怪獣の卵を産ませてしまった。結果、2人はサイズこそ小さいがその怪獣が吐いた炎によって丸焦げになり、この様子にドラえもんとのび太も唖然としていた。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1987年5月1日に、水田版は2019年8月30日にそれぞれ放送している。
1987年版
- 冒頭には、のび太が店の男性に漫画の立ち読みをしてはいけないと注意される中、ジャイアンとスネ夫がその漫画を購入する下りが追加されていて、空地にはジャイアンとスネ夫しかおらず、ジャイアンは漫画を読ませてもらおうと近寄って来たのび太の顔面に手を押し当てて跳ね除けている。ちなみにその漫画のタイトルは『エスパーユミ』だった。
- のび太は卵から出て来た漫画が小さいことを指摘したが、ドラえもんから「文句言わないの。小さくても本物なんだから」と言われ、原作通り2人でこれを読んだ。
- プリンの下りでは、当初ママが笑って誤魔化しながらプリンを持ってきていた。のび太はプリンを食べたいかドラえもんに尋ね、食べたいと返され原作同様の案(コッコでプリンを複製する)ことを閃いたが、ドラえもんは「ジャンケンの勝敗でどちらが食べるか決める」と邪推し「自分はグーしか出せないからジャンケンはダメ」と文句を言った。
- ドラえもん達が去った後、本屋の男性は落ちた本を拾いあげてホコリを払いながら2人が何か怪しいと睨んでいた。またおもちゃ屋でコピーした品物は具体的に何だったのかは言及されていないが、しずかやミィちゃんへのプレゼントも含まれていた。そして2人はこれらを直接本人達のもとへ持って行き、これらを空地で遊ばせようと思っていたところ、漫画を読み終わり退屈していたジャイアンとスネ夫がレプリコッコを借りて行った。
- コピーしようと思った巨大ロボットには、映画『のび太と鉄人兵団』で活躍したザンダクロスと同じ名前が付けられていたが、見た目には多少違いがあり、部位の配色も初代ガンダムと同じようなものだった。
- スネ夫のママも怪獣によって黒焦げにされる被害に遭い、ジャイアンとスネ夫は野比家付近まで逃げて来たため、ドラえもん達は2階の窓からこの光景を見ている。また最初ドラえもんはのび太と一緒になって自業自得だとジャイアンとスネ夫を笑っていたが、最終的には助けてあげることにした。
2019年版
- サブタイトルが「レプリコッコ花火」に変更され、それに伴い原作の扉絵をオマージュしたサブタイトル画面も背景に花火が描かれていた。
- ドラえもんがレプリコッコでコピーした漫画のタイトルは『少年探偵クナン』で、元ネタは『ドラえもん』と同じ小学館発行の漫画『名探偵コナン』。なおその主役の中の人はスネ夫のママと同じ人である。ちなみに先生の中の人はその主役の友達と刑事と同じ人である。
- プリンをコピーする下りはカットされ、おもちゃ屋でコピーしたのはプラモデル、ゲーム、リモコンカーだった。ちなみにコピーしたおもちゃの中には、「わたがし雲メーカー」に登場したデッカーマンも含まれており、この後スネ夫がコピーしようと思った漫画も同キャラの物だった。
- ドラえもんとのび太が空地で、コピーしたおもちゃを広げるところに来たのはスネ夫だけで、この後3人は一緒に漫画をコピーしようと再度本屋を訪れるも怪しんだ店主に追い払われる下りが追加されている。
- 原作であったジャイアンとスネ夫が怪獣に黒焦げにされる下りは、ドラえもん達がミニチュアの町及び戦車、ヘリコプター、大怪獣を作って特撮を撮影しようとするも、怪獣がミニチュアセットから花壇に侵入しスネ夫のママの花壇を燃やしてしまう下りに変更されている。
- ジャイアンは花火大会の特等席が抽選で当たり、それに間に合わせるためのび太たちに絡まず家業の商品配達を優先していたが、急ぐあまり飛び出してきたネコに驚いて転倒し足を怪我してしまい、大事をとって家族を送り出し独り留守番をすることになった。
- そのことを知り不憫に思ったドラえもんたちは、レプリコッコでコピーした打ち上げ花火を剛田家の庭に持ち込み小さな花火大会を行うが、その中には骨川家で起こったアクシデントにより人知れず産まれた「ネズミの卵」が混ざっており、その卵を割ったドラえもんは驚いて花火の卵の上で尻もちをつき、そのまま花火と共に打ち上がってしまう、という形でオチが着いた。
- なお、このエピソードには滅多に登場しないジャイアンの父ちゃんも姿だけ出演している。
余談
類似した道具に、「タマゴ産ませ燈」や映画『のび太のねじ巻き都市冒険記』の「タマゴコピーミラー」などが存在する。
その性能から、界隈では「フエルミラー」と並び「海賊版製造機」と表現されることがある。