ヴェーネス(FF14)
ゔぇーねす
かつて十四人委員会のアゼムだった女性。
旅先で会った弟子に座を譲った後は、各地を旅している。
座を退任した者の殆どが星海に還っている(=役目を果たし、満ち足りたとして安らかな死を選ぶ)のに対し、彼女は活動を続けている例外。
その証としてエリディブスと同じく「調停者として何者にも染まらない」白いローブと仮面を着用している。
世界を実際に見聞きしているため知識や経験は誰よりも豊富であり、創造魔法を使った仕事のみならず様々な分野において素晴らしい功績を上げている。
アゼムの座にある者として世界中を回り、解決すべき問題があればこれを集め、対処してきた。旅を続け、人と出会い、冒険を愛するその性質は自らの後継者にも顕れている。
初登場はパッチ5.55のラスト。
銀泪湖の湖畔で地脈のエーテルが弱まっている事を知った光の戦士が立ち去ろうとした時、他者には見えない幻として登場した。
事前情報では「光に佇む淑女(Lady of the Light)」と仮称。
キービジュアルにも描かれており、手にした仮面や出で立ちから、ある程度予測を立てるヒカセンは多かった。
「暁月のフィナーレ」冒頭、オールド・シャーレアンへと向かう船の甲板で再登場。
光の戦士は彼女を「ハイデリン」と認識するが、明確にその意図は示されないまま、再び彼女は姿を消してしまった。
クルルの助力によってたびたび交信するも、本格的に出会うのはメインクエスト中盤以降となる。
ある方法を使って一万二千年前のエルピスに転移した光の戦士と、成り行きで同道したエメトセルク・ヒュトロダエウスの危機(二足歩行するサメの襲撃)を救う。
光の戦士を一目見て、過去にかけた覚えがない自分の魔法(エーテル変質を防ぐ加護)がかかっている事から「未来からやってきた」と判断。これから訪れる終末の災厄という「到底信じられない話」にも真摯に耳を傾けた。
そして、ある考えから光の戦士に手合わせを挑み、いざ相対すると多彩な攻撃を仕掛けてくる。猛攻に耐え抜くと光の戦士を称賛し、自分の後継者と同じ魂を持つ者だと再確認した。
インスタンスダンジョン「ヒュペルボレア造物院」では、エメトセルク、ヒュトロダエウスと共にフェイスメンバーとして編成できる。
ジョブは水晶公(グ・ラハ・ティア)と同じく「オールラウンダー」で、編成したロールに応じてナイト(タンク)、踊り子(DPS)、白魔道士(ヒーラー)にジョブが変化する。
DPSの場合、リミットブレイクは専用技の「テレーマ」となるが、発動時には「キック?いいえ、これで十分!」と発言しており、この頃からキックが得意技だったようである。
その後、様々な悶着の末にヒュペルボレア造物院にてエメトセルクとヒュトロダエウス、ヘルメスの記憶改変が行われ、光の戦士がもたらした情報を知るのはヴェーネスただ一人となる。
「終末の厄災」の解決方法は未来にしか存在しない事を悟り、為すべきことはヘルメスを糾弾することでも、エメトセルクたちに追い縋ることでもなく、記憶改変により失われた日々が「なかった」わけではないというのを自分と光の戦士で証明をする事だと語る。
光の戦士との未来での再会を約束し、エルピスで知ったことを頼りに、未来で終末に抗い、これを止める。
その希望を光の戦士に託し、自らはこれから必ず訪れる終末を前に、絶望に抗い、踏み越える術を見出す事を決意した。
彼女は先んじたあらゆる星々の生命が絶望して滅びを迎えたことから「すべての生命は絶望する」と断定。終末の災厄の根本が「絶望」にあることを知る彼女は、ゾディアーク召喚による対処では根本的な解決にはならず、いずれ何かしらのかたちで古代人達は絶望すると予見。
一方、終末の災厄に対しゾディアークの召喚(創造)によって辛うじて世界は滅びを回避したものの、そのあまりにも大きすぎる被害と犠牲に古代人達は骨の髄まで打ちのめされ、「苦しみも悲しみもなかったあの頃」に還ろうという楽園回帰願望に取り憑かれて、あろうことか地上を生命で満たし、それらを捧げてゾディアークの生贄となった同胞たちを取り戻そうという計画にまでたどり着いてしまう。
彼女は終末に絶望した古代人達を説得するが、痛みに耐え、絶望に立ち向かうべきという言葉は届かず、絶望から逃げるかのようにゾディアークに身を捧げようとしていた。
「私は、あなたたちを分かつ。
よすがの神ごと、二度と戻れぬ形に変えよう。」
「楽園へ至る翼、仮初の全能は失われた。」
「人はここから歩き出すのだ。」
ヴェーネスはゾディアークの「枷」となる蛮神ハイデリンを創造し、自らがその核となった。
かくしてゾディアークは封印され、世界は十四に引き裂かれて以後一万年を超える時を「神」として生き続けることとなる。
魂まで分断されたヒトは生きることさえ覚束ない脆弱な生命と成り果ててしまうが、逆にそれゆえに「必死に生きようとする」強い意志を育みうるという可能性に賭け、星の中心、星海の底でその時を待ち続けていた。
しかし真なる世界を取り戻そうとするエメトセルク達…アシエンによって霊災が引き起こされるたびに世界の再統合が進み、そのつど力を取り戻していくゾディアークの封印へ力を割かれることになり、徐々に世界への介入や加護が弱まり続けてしまう。7度の霊災を迎えた現在ではその声は光の戦士にすら届かなくなりつつあった。
再来した終末の災厄に対抗すべく赴いた星海観測施設「アイティオン星晶鏡」を超えたその先にて、彼女は光の戦士の来訪を待ち続ける。
ゾディアークを召喚した古代人でさえ根本的な問題解決に至らなかった「真なる絶望」に挑まんとする「子」に与える、最後の試練を課す為に。
聞いて……
星の彼方より届く唄を……
感じて……
生命の果てにある絶望を……
考えて……
闇の中を進むすべを……
試練の末、遂に光の戦士と暁の一行はハイデリンなりしヴェーネスを打ち破る。
人が遂に自分を超える事が出来た事を歓び、静かに消滅してゆく中で、ヴェーネスは自らの持つ最後の加護を光の戦士の、アゼムのクリスタルに与えた。
「存在を固定する」事に特化したハイデリンの力により、肉体なき者でさえ召喚し得る術が組み込まれたクリスタルは、終盤で大きな役割を果たす事となる。
「最果ての地」の座標を託し、そこへ至るまでのリソースとして、年月をかけて蓄積された巨大なエネルギー──マザークリスタルを使うよう告げると、ヴェーネスはようやく安堵を覚え、静かに散ってゆく。
本来であればヒトは肉体を失った後は星海で魂を洗われ、純粋な状態で生まれ変わるとされている。しかし彼女は最後の試練のためにその魂の核までも使い尽くして未来へと捧げたのだ。
お願い、どうか……約束を……
あらゆる時代を超え、積み重ねてきた、人の答えを……
私たちは終わるものかと……
終焉を謳うものに、叩きつけて……!
最早魂すらも残らないであろうその最期に向かい、光の戦士はこう告げる。
「人はもう大丈夫だ、ヴェーネス」
ええ……ええ……!
よく知っているわ、たくさん見せてもらったもの……!
- ハイデリンとなった彼女が光の戦士に与える「光の加護」は本来、旅人に与える御守り程度の魔法であった。そのため、それがテンパード化に対して有効な事は全くの偶然であった様子。
- 第一世界でも量産された超える力の覚醒者に声をかけていたが、かけられたものとそうでないものが存在しており、その基準は不明。また第一世界に出現したハイデリンが、彼女自身であったかも疑わしい。
- また、暁月編が始まった直後は漆黒編での動きから、「本当の元凶はハイデリンの核たるヴェーネスなのでは?」という疑念が深まり、当初はプレイヤーからの評価が割れていた。しかし、暁月編のストーリーが進むに連れて、そこに至るまでの壮絶な過程が明らかとなり、現在の「紛れもなく、未来のためにその全てを尽くした『母』」という評価となっていった。
- 実はヴェーネス役の井上喜久子は、セリフの全編をほぼ2回収録している。最後のシーンを演じた後で「最初のほうの演技を振り返ると、強さや知性がまだ足りない。もう一度録りなおさせてもらえないか」と井上氏から提案があり、頭に戻ってもう1度収録をしたとの事。(→参照)
コメント
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