禁忌の力の守り手
世界崩壊の際に大地が引き裂かれ、その底から蘇った8匹のドラゴン。本ソフトに登場する8種類の魔法属性を1つずつ身に付けている。
三闘神を召喚できる魔石『ジハード』を封印されており、8匹全てを倒すことで入手できるが、いずれもシンボルエンカウントだったり特定の場所にこちらから出向く必要があるため、実質的に戦闘は強制ではなく任意。
各地のダンジョンに散らばっているが、人気の無い場所に引き籠っていたり、ストーリーの本筋と関係ない場所に居座っていたり、酷いものは宝箱の中に閉じ込められていたりと生活態度がよくわからない連中ばかりで、こちらが近付かない限りは戦闘にならない。
セリフも一切喋らない上に、前述の通り大半がダンジョンの深部などの人気の無い場所に引き籠っているので人々の暮らしを脅かしている様子もさして感じられない(唯一アースドラゴンのみ、明確に人様の迷惑になっている)為、ぶっちゃけ何をしたいのか不明である。
「伝説の」と冠されているだけあって、いずれのドラゴンも高いHPと強力な攻撃を有しており、まともに戦うと苦戦は必至であるが、ホーリードラゴン以外は自らの属性と対になる属性を弱点として持っているため、よほど極端な縛りプレイなどをしていない限り、属性付きの装備で防御を固めた上で弱点を突けばさほど労せず倒せるケースがほとんどである。
またボスであるにもかかわらずステータス異常への耐性が乏しく、1ターン目どころか戦闘前の仕込みで勝ち確になる個体も。誰が呼んだか「伝説のガバ竜」。
ゲームボーイアドバンス版では追加要素である隠しダンジョン『竜の巣』では8体揃ってパワーアップして再登場する。
原作での不甲斐なさの反動か揃いも揃って異常なまでに強化されており、中には能力値が激変していて「一定時間で勝手に自滅するが、その間超強力な攻撃にひたすら耐え続けなければならない」「HPではなくMPをゼロにしなければ死なない」といった特殊すぎる戦闘を強いられる者もおり、実質的に外見以外はほぼ別物と思って差し支えない。
原作の頃とは異なり、武器や魔法の威力に頼った力押しはもちろん、状態異常や仕様の穴を突いた搦め手を使って倒すのも困難な者が大半なので、どれだけ事前に対処法を覚えた上で実質的な対策を打てるかどうかが重要になってくる(逆を言えば、対処法を充分に憶えておけばそれほど苦戦しない者も多い)。
加えて、この『竜の巣』の最奥には更に彼らの支配者(?)である「カイザードラゴン」も出現する。
隠しダンジョンの大トリを飾るに相応しい凄まじいまでの強敵だが、こいつを一度倒して脱出した後、もう一度同じ場所を訪れると…??
このカイザードラゴンは企画段階では存在していたがSFC製品版でオミットされたモンスターであり、ROM内にはボツセリフも存在している。
当初は八竜の最後の一匹を倒した時点で登場するこいつを倒すことでジハードが入手できる予定だったようである。
レッドドラゴン
ダンジョン『フェニックスの洞窟』に出現。炎攻撃を吸収する。弱点は冷気と水。
様々な火炎攻撃技を使うが毒や混乱が通るという致命的かついささか間抜けな一面も。
外見は胴体に手足と翼が生えており、オーソドックスな「西洋のドラゴン」の見た目。
竜の巣で出現する時は全ての攻撃を受け付けないという性質を身に着けている代わりに、一定時間経つと死んでしまう。
その為、積極的に攻撃するのではなく一定時間相手の猛攻を耐え抜くことが求められるが、『ブラスター』や『アルテマ』などの強力な攻撃を使ってくるので、生半可な強さのパーティでは凌ぎ切るのは困難である。
ブルードラゴン
ダンジョン『古代城』の隠し部屋内部に出現。水攻撃を吸収する。弱点は雷。
青魔法『大海嘯』『波紋』を使うためラーニングが可能だが、後者は味方のシャドウが食らうとインターセプターの反撃能力を永久に失うというバグがある(波紋とインターセプターの仕様によるもの、ブルードラゴン以外から喰らった場合も同様)。
外見は蛇のような長大な胴体が特徴。
竜の巣で出現する時も性質はそれ程変わらないが、毒、スリップ、暗闇などを付与した上で波紋を使ってくる。
そういう意味では通常版と殆ど行動パターンは変わっていないうえ、上記の波紋攻撃もエスナを使えばまとめて解除可能なため、強化版八竜の中では与しやすい(対処法を知ってさえいればおそらく最弱の)相手である。
イエロードラゴン
ラストダンジョン『がれきの塔』に出現。雷攻撃を吸収する。弱点は水。
雷魔法で攻撃をしてくるが威力は低く、また魔法生物なのでMPが無くなると死ぬ。そして雷無効や吸収の装備はここまでにいくつか手に入る。
外見は恐竜のブラキオサウルスそのもの(当時「かみなり竜」と分類されていた恐竜)。
竜の巣で出現する時は常時セリスの魔封剣のような状態となっている。
その性質上、アルテマなどの魔法は効かない上、回復魔法も下手に使うと吸収されてしまうので青魔法やアイテムでないと対処は難しい。また、普通の魔法でもメテオが魔封剣の対象外であることに気づけば攻撃面ではそこそこ戦える。
青魔法は大抵通用するので、パーティ内にストラゴスがいるかいないかで難易度が大きく変わってくる。ゴゴに青魔法をセットしてホワイトウインドを使わせたり、ラストエリクサーのガブ飲みで乗り切る手も。
その他、実はGBA版追加魔法の『フラッド』は魔封剣が効かないので便利。フラッドはその微妙な性能のせいでよくいらない子扱いされるので、せめてここで大いに活躍させてあげよう。
スカルドラゴン
同じく『がれきの塔』に出現。毒攻撃を吸収する。弱点は炎と聖なる攻撃。ステータス異常技を複数身に付けている。
外見はその名の通り竜の骸骨だが、データ上はアンデッドではない。また、魔法生物なためかマジックポイント(MP)が0になると死ぬ。
竜の巣で出現する強化版はHPを0にしても完全復活する体質になっており、MPを0にする以外の撃破手段は無い。
アンデッドではないため『アスピル』も効くが、MPは15,000と膨大なのでMPにダメージを与える『ラスピル』を使って削っていくと良いだろう。ティナをトランス状態にさせれば、ラスピルでごっそりとMPを奪うことができる。
魔力次第では長期戦になるおそれがあるほか、ゾンビ化の追加効果がある物理攻撃『フィアー』や毒に侵される『バイオ』を連発してくるため、状態異常への対策は必須である。
大半の状態異常をまとめて防いでくれるアクセサリの『リボン』が人数分あればだいぶ楽になる。
フリーズドラゴン
炭鉱都市ナルシェの雪原を高速で徘徊している。冷気攻撃を吸収する。弱点は炎。
冷凍攻撃が得意でこちらを氷漬けにし、動きを封じてくる。しかしバーサクや毒など大体のステータス異常が通る。
トカゲのような外見をしており、グラフィックは八竜の中で最も小さい。
竜の巣では最初に登場する。状態異常への耐性が万全となっており、通常版のように混乱させることはできない。
登場時は同様の能力を持つ4体(本体が1体+分身3体)が重なっており、ターゲットを定めにくい上に4体分の攻撃を繰り出してくるため>ベクタリトス]]見た目以上に手数が多い。
死亡時に冷気属性の強力なファイナルアタックを仕掛けては来るが、本作ではアルテマやメルトンなど全体攻撃魔法が強力なので実は案外気付かずに全滅させることも可能。
ただし、一度に全滅させるとファイナルアタックも一度に4体分が飛んでくるので、冷気属性への耐性が無い場合は注意。
ストームドラゴン
ダンジョン『ゾゾ山』の宝箱の中に閉じ込められており、近くにあるスイッチを踏むと宝箱から出てきて戦闘になる。
風攻撃を吸収する。弱点は雷。
登場の間抜けぶりとは裏腹に強力な風攻撃を操る。書籍『ザ・コンプリート』でも「八竜でも一二を争う強さ」と紹介されており、普通にストーリーを進めていると最初に出会う可能性が最も高い八竜であることも相まって印象的な個体である。
竜の巣で登場する際は「風を身に纏い」回避率を大幅にアップさせる。
こうなると回避率の影響を受ける攻撃はほぼ命中しないので、アルテマなどの回避率を無視する攻撃が重要となっている。
強力な風攻撃は健在であるが、原作からして強かったためか強化版八竜の中ではいささか地味な存在となってしまった。
アースドラゴン
『オペラ座』のステージ上に居座っている。地震魔法『クエイク』を唱える。
地震攻撃でダメージを受けないが、吸収はできない(吸収能力を持たない唯一の八竜である)。
弱点は水と雷。
外見は『ティラノサウルス』系統の色替え。
竜の巣で登場する強化版は味方側のレビテトを無効化する『重力50』を使ってくる(さり気なく5で出てくる技より重力が半減している)。
しかしながら、5の利用者と異なり『重力50』→全体攻撃の『マグニチュード8』等を連続でやってくるため、前作のような不用意にレビテトを唱える程度では逆効果。
対策するなら常時レビテト+無効化されないアクセサリの「天使の羽」を使うか、地属性を吸収する大地の衣があるとよい。
ある程度ダメージを与えると「理性を失った!」と表示されて通常攻撃を連続で繰り出してくるが、この攻撃はかなり強力なので要注意。
事前にバニシュを使うなどして透明状態になっておくか、魔石「フェンリル」を召喚して分身回避能力をつけて対策しておこう。
逆を言えば、理性を失った後は通常の物理攻撃しかしてこないため、上記の対策を行っておけば完封もできる。当たらなければどうということはない!
さりげなく、地属性を吸収するようになったため『クエイク』などで回復してくる。
ホーリードラゴン
ダンジョン『狂信者の塔』に出現。聖なる攻撃を吸収する。本作には「闇属性」が無いためか、八竜で唯一弱点を持たない。
名前の通り、聖なる攻撃魔法『ホーリー』を使って攻めてくる。それ以外の攻撃は『デスペル』を唱えるのみ。
「狂信者の塔」が「物理攻撃が行えず、魔法しか使えない」という特殊なダンジョンのため、必然的にこいつとも魔法を駆使して渡り合うこととなる。
…が、魔法しか使えないのに相手の魔法攻撃を封じる魔法『サイレス』が効くという致命的な弱点…というかもはや欠陥があり、そうでなくとも『ホーリー』は魔法を跳ね返す『リフレク』で反射させることが可能なため、常時リフレク状態になるアクセサリの「リフレクトリング」をパーティ全員に装備させていれば、少なくとも敵の魔法で全滅する可能性はほぼ皆無になる。
このように「普通の対策で容易に完封可能」という残念極まる仕様のため、「八竜の中では最も弱い」という不名誉な存在となってしまった(もちろん、上記の対策を一切取らずにやり合えば相応に強いが)。
また八竜で唯一獣ヶ原に出現する為、何度でも戦う事が出来る。おそらくは狂信者の塔の魔法縛りのない通常のバトルで戦えるようにという事なのだろう。
外見はレッドドラゴンの色替え。八竜でグラフィックが被っているのはこの2体のみ。
強化版はおそらく「強化版八竜中最強」。原作のあまりにもあんまりな扱いがよほど腹に据えかねていたのだろう。
従来の『ホーリー』に加え、強力な全体攻撃である『セイントビーム』といった対策が難しい聖属性の攻撃を使う他、通常の3倍の威力を誇る物理攻撃『ヘブンズドライブ』を使ってくるうえ、トドメにカウンターとして『心無い天使(全体のHPを1にする)』を放ってくる。
そのため、最低でも味方1人は常時リレイズ状態にしておく、敵の攻撃まで待ってから直後にこちらが動く(=カウンターの直後に敵の攻撃が重ならないようにする)などの対策が必要不可欠となる。