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低致死性兵器

ていちしせいへいき

低致死性兵器とは、敢えて殺傷能力を抑える設計で作られた兵器や武器の事である。
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概要編集

低致死性兵器とは、敢えて殺傷能力を抑える設計で作られた兵器武器の事である。

殺傷兵器」や「致死性兵器」と表現されることもあるが、敵意を持って向かってくる人間を強制的に行動不能にするにはある程度の威力を伴う以上、使われた側が死なない保証は無いため、断定的な「非」ではなく、曖昧な「低」と言い換えられるようになってきている。

英語だと非致死性はnon-lethal、低致死性less-lethalと書き分ける。


創作で描かれる場合は「相手を無傷のまま気絶させて逮捕し一件落着」といったパターンが多いが、現実ではそんなに簡単にはいかないのである。


と比較した棍棒警棒は相対的に殺傷力が低いと言えるが、これらの武器が低致死性兵器の文脈で登場することは現実でも創作でもあまり見られない。


実例編集

スタンガン編集

創作物でも露出の多い、代表的な低致死性兵器の一つ。高圧電流による電撃の痛みや、筋肉の痙攣で相手の動きを封じる。ものによってはバチバチと音を立てて電気火花も散るため、戦わず相手を追い払う威嚇効果が望めるという意見も。

電極を飛ばして遠距離攻撃できるタイプは有名商品の名前が一般化してテーザー(テイザー)と呼ばれる。

過剰に撃ち込み過ぎて心臓発作などを引き起す危険性のほか、立った相手に撃つと筋肉が痙攣した状態で受け身を取れず転倒することになるため、頭を打ってそれが致命傷に…といった危険がある。


麻酔銃編集

各種の創作ではスタンガン以上にお馴染みかもしれない、潜入が得意な男見た目は子供な名探偵も御用達の、撃ち込んだ相手を眠らせる武器。

なのだが…現実において人間を一瞬かそこらで眠らす麻酔薬というのは毒物スレスレの危険なものであり、二度と目を覚まさないまま死ぬ危険さえあるので、専門的な麻酔科医でもないかぎり安全に扱うことは不可能である。

また、実際には「眠らせる薬」ではなく筋肉の動きを阻害する筋弛緩剤だったりすることも多く、投与量が多いと呼吸なども麻痺して命に関わる。フィクションだと、ガメラ大怪獣空中決戦では、ギャオス捕獲作戦で麻酔銃を使おうという意見に対してこの欠点が言及されている。


スタングレネード編集

破片を飛ばさず、爆発音と閃光を重視した構造の手榴弾。破片が飛ばないので人体を直接傷つけることはないが、至近距離で爆発した場合の衝撃のほか、ショック状態や心臓麻痺などで致命傷になることがある。


催涙剤編集

刺激性のあるガスや液体を浴びせて、涙やクシャミや咳を止まらなくさせ行動不能にする。

スプレー缶に詰めれば個人の護身用にも使え、成分によっては動物にも効くのでなどの危険な野生動物が出没する地域では身を守る道具として販売されていたりもする。

散布すれば広範囲に効果が望めるため暴動鎮圧などに有効ではあるが、呼吸器に悪影響をおよぼしたり、嘔吐したものが気道に詰まって窒息するといったリスクが伴う。また、狭い空間にガスを充満させると酸欠で命に関わったりもする。

実際にこうした事故は2002年のモスクワ劇場占拠事件においてロシア特殊部隊が大規模にやらかしたことがある。

銃やグレネードランチャーから催涙弾を発射する場合、ガスを放出する前に人に当たって怪我や致命傷を負わせてしまうということも。暴力的なデモや暴動が多発する情勢不安な国や地域ではこうした事例が間々見られる。


ちなみに軍隊が暴動鎮圧に使うのは特に禁止されていないが、正規軍どうしの戦争行為だと、この種の兵器や武器は化学兵器とみなされるのでジュネーブ条約で使用が禁止されている。現代モノのミリタリー創作で不殺を標榜するような軍人キャラクターにうっかり「非致死性だから」と戦場で使わせてしまうとそいつが戦争犯罪人になってしまう危険性が高いので要注意。


低威力弾編集

から発射する弾丸をゴムやビーンバッグ(お手玉のような構造の弾)などにしたもの。火薬の量を減らすなどの工夫と合わせて殺傷力を落とす。しかしその威力はヘビー級ボクサーにブン殴られるようなものとも言われ、近距離で当たり所が悪ければ命に関わる。


放水編集

直接当たっても死ぬほどの威力は無いし、水は毒劇物でも無いので暴動鎮圧などではよく使用される。しかし高圧放水で転んで頭を打つといった危険はある。


停電爆弾編集

「ブラックアウト・ボム」とも。破壊用の爆薬を搭載せず、電気を通す炭素繊維の糸を大量に放出する爆弾。送電施設などに落とすことで電気設備をショートさせて破壊し、間接的に都市機能を麻痺させる。

米軍が保有するCBU-94など実在する兵器である。


電磁パルス兵器編集

高出力の電磁波(EMP)を発生させ、電子機器を破壊したり無力化する兵器。基本的に人体に直接的な害は無い。

核兵器を高高度で起爆するとEMPが生じるので電磁パルス兵器として使えるが、核攻撃と区別がつかないのでおいそれとは使えない。爆発発電機を応用するなどEMPの発生だけを目的にした爆弾も研究されてはいるが、いまのところ実用化されていない。

創作においては、「電子機器に頼った現代文明の弱点を突いてくる」ものとして、EMP発生能力を持った怪獣宇宙人が登場したりする。


音響兵器編集

指向性スピーカーから大音量を浴びせて人間の行動を阻害する兵器。暴動鎮圧用のLRADなどが実用化されている。


関連タグ編集

スタンガン テーザー 催涙ガス 麻酔銃

フルメタル・パニック!…主人公の相良宗介は、特にギャグ短編シリーズで電気トラップ、ゴム弾、催涙ガスなどを多用している。

るろうに剣心人斬りだった過去を悔いて不殺(ころさず)を掲げる主人公の緋村剣心は、刀身を逆向きに造って斬り殺す機能を封じた「逆刃刀」を使う。


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