概要
「侵攻阻止!島嶼防衛強化作戦」とは、合同会社EXNOA(DMM GAMES)のオンラインSLG『艦隊これくしょん』の期間限定イベントである。
- 2017年にDMM.comから分社されたDMM GAMESは本イベント開始の2か月前に「EXNOA」へ社名変更している。
2020年6月26日より前段作戦が開始し、翌月7月11日より後段作戦も開始となった。8月27日に終了し、作戦期間はほぼ二ヶ月にわたっている。
運営からは梅雨イベ&夏イベとアナウンスされており、艦これ史上初めて季節を跨ぐことを運営が最初から認めたイベントとなる。なお、運営の発表内容を見る限り、前段作戦が梅雨イベ、後段作戦が夏イベという扱いになっている。
2020年6月10日発売のコンプティーク2020年6・7月合併号によると本来夏イベントは例年通り欧州遠征となる予定だったが、新型コロナウイルスに伴う情勢の影響により2020年の春イベントは中止されたため、欧州遠征は2020年秋以降に延期として別途梅雨・夏イベントを実施する事になったと説明されている。その関係で春イベに実装予定だった艦娘が今回実装されている。
なお、本イベント終了は当初26日と告知されていたが、急遽27日に変更する一日延長を行った。理由としては、関係者の一人が後少しでクリアできると報告したことに配慮した、という説と護衛艦かがの進水日に合わせた、という説があるものの、いずれも推測の域を出ない。
なおこの延長に対しては『時間を守れていない』といった観点からの批判も散見される。ただし、延長のおかげでクリアできたという声もあるためあながち悪いことばかりでもない。
ちなみにこのイベント終了と同時にある大型艦の改二が実装されている。
仕様
全7海域。出撃制限札は史上最多となる驚きの9種。
札名称 | 出撃可能海域 |
---|---|
千島方面部隊 | E-1/E-2丙・丁/E-3丙・丁/E-4丙・丁/E-5丙・丁/E-6丙・丁/E-7乙・丙・丁 |
沖縄方面部隊 | E-1丙・丁/E-2/E-3丙・丁/E-4丙・丁/E-5丙・丁/E-6丙・丁/E-7乙・丙・丁 |
第二遊撃部隊 | E-1丙・丁/E-2丙・丁/E-3/E-4丙・丁/E-5丙・丁/E-6丙・丁/E-7乙・丙・丁 |
小笠原方面部隊 | E-1丙・丁/E-2丙・丁/E-3丙・丁/E-4/E-5丙・丁/E-6丙・丁/E-7乙・丙・丁 |
南東方面部隊 | E-1丙・丁/E-2丙・丁/E-3丙・丁/E-4丙・丁/E-5/E-6丙・丁/E-7乙・丙・丁 |
第二艦隊 | E-1丙・丁/E-2丙・丁/E-3丙・丁/E-4丙・丁/E-5丙・丁/E-6/E-7乙・丙・丁 |
前進部隊/機動部隊前衛/機動部隊 ※ | E-1丙・丁/E-2丙・丁/E-3丙・丁/E-4丙・丁/E-5丙・丁/E-6丙・丁/E-7※ |
※出撃する艦隊編成によって札の種類(と出撃地点)が変わる。通常艦隊は「前進部隊」、輸送護衛部隊/水上打撃部隊では「機動部隊前衛」、空母機動部隊なら「機動部隊」札となる。
新システム
ステージ
前段4海域、後段3海域。
前段作戦
ステージ | 海域 | 作戦名 | 難易度 |
---|---|---|---|
E-1 | 千島列島沖 | 鎮魂、キ504船団 | ☆7 |
E-2 | 南西諸島沖 | 瀬底島、その先へ―― | ☆9 |
E-3 | 四国沖/九州西方五島列島沖 | 五島列島沖海底の祈り | ☆12 |
E-4 | 小笠原諸島沖 | 反転!敵任務部隊を撃て! | ☆14 |
後段作戦
ステージ | 海域 | 作戦名 | 難易度 |
---|---|---|---|
E-5 | ニューブリテン島沖/ソロモン諸島西部沖 | 南方戦線 島嶼海上輸送作戦 | ☆13 |
E-6 | ソロモン諸島沖 | 鉄底海峡の死闘 | ☆15 |
E-7 | ソロモン諸島沖 | 決戦!南太平洋海戦 | ☆17 |
新艦娘
一つのイベントでは史上最多となる10隻が実装される。前段、後段ともに5隻ずつの実装であり、報酬・ドロップもそれぞれ5隻ずつの配分となっている。
前段作戦
突破報酬3隻、ドロップ2隻。
- 吹雪型駆逐艦7番艦「薄雲」:E-1の突破報酬として入手可能。
- 松型駆逐艦1番艦「松」:E-4の突破報酬として入手可能
- 巡潜丙型7番艦「伊47」:E-3の突破報酬として入手可能。
- 迅鯨型潜水母艦1番艦「迅鯨」:E-2で邂逅可能。
- 丁型海防艦2番艦「第四号海防艦」:E-4で邂逅可能。
後段作戦
突破報酬2隻、ドロップ3隻。
- 初春型駆逐艦5番艦「有明」:E-5で邂逅可能。
- St.Louis級軽巡洋艦2番艦「Helena」:E-5・E-6で邂逅可能。
- 御蔵型海防艦6番艦「屋代」:E-6で邂逅可能。
- South Dakota級戦艦1番艦「South Dakota」:E-6の突破報酬として入手可能。
- Yorktown級航空母艦3番艦「Hornet」:E-7の突破報酬(全作戦クリア報酬)として入手可能。
新敵勢力
新アイテム
報酬
- 小口径主砲 12.7cm単装高角砲改二:E-4甲・乙作戦突破報酬
- 中口径主砲 6inch三連装速射砲Mk.16:E-5甲・乙作戦突破報酬/Helena初期装備
- 中口径主砲 6inch三連装速射砲Mk.16 mod.2:E-6甲(★+2)作戦突破報酬/Helena改初期装備
- 大口径主砲 16inch三連装主砲Mk.6 mod.2:E-6甲(★+2)・乙作戦突破報酬/South Dakota改初期装備
- 潜水艦魚雷 後期型53cm艦首魚雷(8門):E-2甲・乙作戦突破報酬
- 潜水艦装備 後期型潜水艦搭載電探&逆探:E-3甲作戦突破報酬
- 艦上偵察機 彩雲(偵四):E-3甲(★+2)・乙(★+1)・丙作戦突破報酬
- 艦上戦闘機 XF5U:E-7甲作戦突破報酬
- 家具 小笠原要塞掛け軸:E-4甲・乙・丙作戦突破報酬
- 家具 父島の木格子窓:E-4甲作戦突破報酬
初期装備
- 小口径主砲 12.7cm単装高角砲E型:屋代および海防艦改(※)初期装備
- 大口径主砲 16inch三連装主砲Mk.6:South Dakota初期装備
※12.7cm単装高角砲(後期型)より差し替え
新規BGM
全7曲。作曲担当はおなじみ大越香里氏。
提督たちが最初に耳にするのは6(もしくは12)拍子の「島嶼防衛作戦」「輸送護衛船団の戦い」。確かな足取りで進もうと心がけるような「島嶼防衛作戦」に対し「輸送護衛船団の戦い」では駆け足に近い速さとなっているが、どちらも曲名通りに「守り抜く」決意を感じさせる曲調となっている。
E-1~E-3ボス曲がこれと裏腹にロックな4拍子(一部で3拍子)で勢いのある曲調だったのに対し、E-4ボスで代わって流れだす曲は「島嶼防衛作戦」「輸送護衛船団の戦い」の延長線上のようなシリアスさや悲壮感のある3拍子となっている。
これを受ける後段道中曲は、語りかけるようなギターから始まって抑えがちながらも熱を感じさせるビートと、情感あるピアノの組み合わせ。E-5・E-6ボス曲はこの発展形で、5拍子という少し珍しいリズムが挑みかかるような果敢さを感じさせる。最終海域はおなじみのいわゆる「沈メタル」ながら絶叫の色は薄く、ピアノとあいまって何かを訴えかけるような曲調となっている。
#でリンク先へ転送
- 前段作戦海域BGM「島嶼防衛作戦」 #
- E-1~E-3道中BGM「輸送護衛船団の戦い」 #
- E-1~E-3ボス/E-4道中BGM #
- E-4ボス/E-5・E-6道中BGM #
- 後段作戦海域BGM #
- E-5・E-6ボス/E-7道中BGM #
- E-7ボスBGM #
その他
佐世保鎮守府最大の危機?
E-3のボスマスは五島列島沖となっている。五島列島は長崎の西方沖に位置する島々であり、つまりは佐世保鎮守府の目の前にいきなり姫級の深海棲艦が湧いて出たことになる。大丈夫か日本(もっとも17年冬イベでも日本海奥深くまで潜水棲姫に侵入されていたりするので何を今更という声もある)。
しかも海域バナーでは今まで何度も見てきた謎の大穴が映っている上、海域に出てみれば19春イベE-5でも登場した「黒い影」が五島列島のすぐ東に居座っている。
出撃前に表示される作戦要綱(フレーバーテキスト)での「尋常ではない海流の動きと謎の発光現象」という説明からして不穏であり、提督たちはこの異変に呼応するかのように接近する敵機動部隊を蹴散らして、謎のボスに向き合うことになる。
余談ながら、今回の作戦要綱では19春E-5と違って「異常な暗雲」は報告されていない。やはりこの黒い影は「穴」の表現なのだろうか。
恐怖、駆逐ナ級後期型Ⅱ
今回乙以上において初実装された駆逐ナ級後期型Ⅱだが、此方に出来る対策がほとんどなく、上振れを待つしかなく戦っていてつまらない理不尽の塊と言われる程猛威を振るう事になった。
理由は多数あるが、要約すると以下の通り。
- 高対空で基地航空隊が極めて刺さりにくく、一巡全部が全滅なんて事もままある。それでいて撃墜耐性を持つ基地航空隊の機種はかなり希少かつ貴重(甲報酬限定の野中隊や上位ランカー限定の銀河江草隊を持つ提督でもなければ、節分の時期に手に入る銀河のみである)
- 連合艦隊で12隻の艦隊に混ざって出てくるため、最大でも6隻にしか攻撃できない支援艦隊の標的になり辛い。
- あくまで「駆逐艦」なので回避がかなり高く、ターゲットになっても滅多に当たらない。当たっても耐久・装甲が巡洋艦並にあるので生半可な火力では耐える。
- 高雷装の先制雷撃は大和型や長門型の改二でもワンパンがあり得る。ゆえに装甲で「耐える」という対策はほぼ取れない。よしんば耐えても、大半は此方に戦況が不利な反航戦かT字不利だった場合である。
- 高命中補正の装備を満載しており、攻撃を回避する事も困難
- 砲撃戦の火力も巡洋艦並にあるため、綾波改二や夕立改二ですらも正面から戦えば返り討ちに遭う事がある=同格では打撃力が違いすぎて話にならない
- 出てくる場所は上述の通り連合艦隊戦で、此方側の第2艦隊は軽巡1・駆逐2が必須、打撃力で対応し得る重巡・戦艦級が最大3隻までしか入れられない以上、この問題が避けられない。しかも「高装甲のボス旗艦の撃沈」を要求される場所であり、必然的に魚雷を多く積むことになる。結果、砲撃戦火力が取れないケースが多く撃ち漏らしかねない。それでいて砲撃戦をやりすごされるとあの高威力の雷撃が再び飛んでくる。
- そして何よりも第2艦隊にいるただの随伴駆逐艦の一種に過ぎないため、これだけの性能ながらなんと複数(最大で4隻)出てくる。この第2艦隊に一定のダメージを与えなければそもそも夜戦でボスに挑むことすら不可能。
- あげくグラフィックも既存の後期型と全く同じでキャラクターとしての新鮮味もない
・・・など、ゲームシステムの穴と此方の性能限界を突いたような戦い方をしてくるのである。
「護衛随伴艦として『駆逐レ級』が複数出てくる」と言えば、その恐ろしさがお分かりいただけるだろう。
研究が進めば進むほど取れる対策が「支援艦隊に火力と命中を両立しやすい大和型(より踏み込めば武蔵改二)や赤城改二を採用する」「基地航空隊に落とされやすい陸攻ではなく、数少ないネームド陸攻やより落とされにくいネームド艦上攻撃機・艦上爆撃機も採用する」等、悉くコストパフォーマンスがかなり悪く現実的でない事、対策できる部分自体がかなり狭い事も明らかになっていき、結果プレイヤーからのヘイトや怨嗟の声を買うようになっていったのである。
さすがに運営としても事態を重く見たのか、後段作戦開始から1週間ほどという異例とも言えるかなり早い時期からE-4/E-7(最終ゲージ)に対して友軍艦隊によるテコ入れが行われており、(昼戦を耐え凌げれば)ボスにある程度太刀打ちできるようにはなっている。もっとも上述の通りナ級後期型Ⅱの恐ろしさはあくまで昼戦にあるため、昼戦の後に来る友軍では根本的な解決には至っていない。
これにはゲームシステムの限界も大きく影響している為、今後再登場した場合でもかなり対策が困難な事が予想される。
とはいえ傍若無人に暴れまわるままでは、今後も強くなるであろう敵に手が付けられなくなる事は明白で、何らかの対策が望まれるところではある。
結果、E-7での史実の南太平洋海戦で散華された村田重治隊長と空母ホーネットの最期を歌ったかのようなBGMが、ナ級後期型Ⅱに叩き落とされ無残に散華していく陸攻隊を皮肉ったものに聞こえるなんて声もあったほどであった…。
こうした影響もあってか、当初「後段作戦開放から1か月程度」としていた作戦期間は延びに延び、終了したのは当初予定から半月以上経過した8月27日となっている。
ついに漢字が使えるようになった深海棲艦
今までボス級深海棲艦の台詞表記は全て片仮名だったが、E-6・E-7のボスで初めて漢字を用いてのテキスト表記がなされるようになった。
深海棲艦の知能や知性が上昇した結果なのか、それとも…。
7年越しのホーネット
今回実装された新たな正規空母・Yorktown級Hornetだが、以前から巻雲の図鑑でその存在については言及されていた。
巻雲の実装は2013年10月で、実に7年越しの『艦これ』実装である。
関連イラスト
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