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堕天使球団

だてんしきゅうだん

『堕天使球団』とは、ロサンジェルス・エンジェルスの別の呼び名。
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概要編集

ロサンジェルス・エンジェルスに纏わるネットスラングであり、エンジェルスの別(蔑)称でもある。昨今のエンジェルスを象徴するなおエとセット扱いされている。


名前の由来と誕生編集

エンジェルス(the angels)はその名の通り元々は天使球団、つまり天使が活躍し、そして優勝するチームである。メジャーリーグ150年の歴史の中で、エンジェルスは拡張球団(エクスパンションチーム)の一つとして1961年に創設された、MLBの中でも歴史が比較的浅いアメリカンリーグの西地区に所属するチームである。


ナショナルリーグの西地区には同じロサンジェルスを本拠地とするロサンジェルス・ドジャースが老舗球団として存在しており、実力・人気共にエンジェルスよりも数枚上手である(両チームの対決は、近隣を走る高速道路に因み、“フリーウェイ・シリーズ「ロサンジェルスダービー」”と呼ばれている)。


しかしながら低迷する昨今のエンジェルスとは俄かに信じがたいが、2000年代のエンジェルスはア・リーグ西地区の強豪チームとしてメジャーにその名を馳せた名門チームであり(その間に同じ西地区のライバル球団であるシアトル・マリナーズイチロー氏を擁しながらも暗黒時代を彷徨っていた)、創設19年目の1979年に初の地区優勝を果たし、2002年ワイルドカードでポストシーズンに進出し、ワールドシリーズ制覇を果たした。2014年時点でエンジェルスはワールドシリーズ初出場初制覇を遂げた最後のチームである。2023年現在までワールドチャンピオン1回、リーグ優勝1回、地区優勝9回、ワイルドカード1回の成績を残している。この実績こそまさに「天使球団」と呼べるに相応しい名門チームだろう。


ところが、そんな天使球団にも暗雲が2010年代から垂れ込んでいった。


天使から堕天使へ急変編集

ウォルトディズニー社がエンジェルス球団を売却し、2003年からエンジェルスオーナーに就任したアルトゥーロ・モレノ氏はアルバート・プホルス氏、ジョシュ・ハミルトン氏、ヴァーノン・ウェルズ氏、アンソニー・レンドン選手などトウが既に立っただけでなく素行面でもひと癖ある大物野手ばかりを自分のツルの一声で補強し、本来補強すべきだったサイ・ヤング賞クラスの投手の補強を疎かにしたツケが、今日のエンジェルス低迷に繋がっていると地元紙が分析している。

モレノ氏は「勝敗は投手の能力が基本」とわかっていながらも、「週に1回しか出ない先発に大金をかけるよりも、毎試合出場可能な野手にそれをかけるほうがビジネス的に大儲けできるだろう」と踏んでいた。ビリー・エップラー氏、トニー・リーギンス氏など当時のGM達は野手最優先主義のモレノ氏のやり方に当然ながら猛反対したが、オーナー命令に従わなければクビにすると恫喝されたために彼の野手一辺倒の補強を渋々強行せざるを得なかったという。


しかし、結果は見ての通りで、「プロは試合に勝ってこそ最大なファンサービスである」と何処ぞのオレ流レジェンドが豪語された通り、チーム編成をホームラン打者に全振りした結果、投手を中心とする守備が崩壊して試合を落としまくるようになり、大金で獲得したプホルス氏やレンドン選手達大物巨砲も思うような結果を残せず、コスパが極めて酷い不良債権化死刑囚扱いされ、シーズン負け越し&プレイオフ未出場は大谷選手がエンジェルスに在籍していた6年連続継続中で(最後にプレイオフ進出した2014年から換算すると9年連続継続中)、大谷選手が出場する試合でも空席が至る処に目立つなど、エンジェルス自体の人気はすっかり低迷してしまうこととなった。

その間に上記のリーギンス氏やエップラー氏などのGMやマイク・ソーシア氏やジョー・マッドン氏などの監督がモレノ氏のスケープゴートとして、責任を全て取らされた格好で次々とクビになってしまったのである。

したがって、モレノ氏主導のビジネス目線でのチー厶補強は大失敗に終わってしまったと言わざるを得ないだろう。

そんな経緯から2010年代以降のエンジェルスは「天使球団」どころか、文字通り堕ちた天使

堕天使球団」と揶揄されるようになってしまった。


掃き溜めに鶴と言うべきなのか、そんなエンジェルスにはMVPを通算3回も獲得したマイク・トラウト選手、二刀流を自由にプレイできるために二刀流に深い理解を示さない強豪チームを敢えて避け、2017年オフから入団し満票MVPをメジャー史上初2回も獲得した大谷翔平選手が存在する。彼らが年間を通じてMVPに匹敵する成績を収めても、彼ら以外の1軍半クラスの選手達が投打で足を引っ張りまくり「なおエ」で試合を落としまくるために、「堕天使球団」の汚名を返上することは遂に叶わなかった。


特にトラウト選手よりも高給取りであるアンソニー・レンドン選手は先述のモレノ氏自ら獲得した大物野手ではあるが、エンジェルスに移籍してから毎年のように長期の故障者リスト入りをやらかすなど「超大型不良債権&エンジェルスの筆頭死刑囚」となってしまっており、エンジェルスのチーム再建のとなってしまっている。


さらに2023年シーズンは投手野手共に故障者リスト入りが軒並み大勢出ており、レンドン選手を筆頭にトラウト選手も長期離脱しており、今季絶望が決定するなど野戦病院化してしまった。

そして事態はいよいよ最悪な展開となり、WBCから出ずっぱりだった大谷翔平選手も右肘靱帯損傷により今シーズンの投手登板は絶望となってしまい、残り試合をDH一本でプレイするつもりであった。しかし、9月4日(日本時間5日)に右脇腹痛を再発し108試合ぶりに急遽スタメン落ち、それから11試合連続スタメン落ちに伴い、エンジェルスの9年連続地区優勝・ワイルドカード獲得・プレイオフ進出も完全消滅し、屈辱的な9年連続シーズン負け越しも決定してしまった。そして、9月16日(日本時間17日)には大谷選手の負傷者リスト入りを公式に発表したことで、事実上の今季終了が決定してしまった


大谷選手がWBCからの勤続疲労で満身創痍にも拘らず11試合連続スタメン落ちの間に、モレノ氏・ミナシアンGM・ネヴィン監督の3者が大谷選手のスタメン出場を仄めかす「大谷翔平出る出る詐欺」を繰り返すなど、現場とフロントのみっともないドタバタ劇が露わとなってしまった。


エンジェルス暗黒時代到来編集

結局、ネヴィン監督はシーズン終了後に契約満了という形で監督を退任(ということになっているが、実態はやはりモレノ氏のスケープゴートにされての事実上のクビとする見方が多い)。大谷選手もFAになると同時に三行半を突きつけるような形で、ナ・リーグ西地区の強豪球団であるドジャースへと移籍してしまった

チームに残されたのは、コスパ最悪な不良債権のレンドン選手や、大谷選手と共にチームの大黒柱として奮闘してきたが、最盛期程の活躍が既にできなくなりつつあるトラウト選手、そしてメジャーの猛者たちと渡り合うには実力も経験もあまりにも不足している若手のマイナー上がりな選手たちばかりという有様であり、チームとしては壊滅的な状態である。


また、2023年12月にパドレスダルビッシュ有投手は、自身のネットラジオ番組の中で大谷選手と山本選手の移籍について触れた際、大谷選手が同地区のライバル球団へと移籍したことに複雑な胸中を明かした一方で、「エンジェルスに関しては選手たちの間でもあまり良い噂を聞かない」とも発言しており、エンジェルスの杜撰とも言える運営体制はMLBの選手たちの間でも広く知れ渡っているらしいことがうかがえる。

退団した大谷選手の穴を埋めるべく、エンジェルスは補強や後進の育成に当然ながら乗り出すだろうが、仮にダルビッシュ投手の言うように悪評が広まってしまっているとすれば、エンジェルスへの移籍や入団に二の足を踏む選手が出てきて、今後のチームの強化に支障が出てくることも考えられる。


いずれにせよ、大谷選手という投打二刀流の大黒柱が抜けてしまった来シーズン以降、ショウタイムの呪いによってエンジェルスはさらなる厳しい戦いを強いられ、MLB30球団最弱と囁かれているアスレティックスとの万年泥沼最下位争いという暗黒時代到来は間違いないだろう


エンジェルス、ショウタイムの呪いでついに最下位確定編集

上記の予想は最悪な意味で的中されてしまい、2024年シーズンのエンジェルスはやはりと言うべきなのか、大谷選手退団とトラウト選手・レンドン選手の長期離脱の影響が非常に大きく響き、球団ワーストを44年ぶりに更新する今季96敗目(63勝)を喫してしまった。球団ワースト記録はカリフォルニア・エンジェルス時代の1968年1980年に記録した「95敗」だったが、44年ぶりに更新してしまった。さらにその相手チームが最悪なことに今季120敗を喫したホワイトソックスであり、しかも屈辱的な泥沼3連敗スウィープ負けを喫してしまい、エンジェルスが10年連続プレイオフ無出場、9年連続シーズン負け越し、1999年以来25年ぶりのアメリカンリーグ西地区最下位がついに確定してしまったのだから、もはや笑えない状況となってしまった。

そして大谷選手に三下り半を突き付けられたエンジェルスとは正反対に、彼が電撃FA移籍したドジャースは現地9月26日に3年連続通算22回目のナショナルリーグ西地区優勝を見事に果たしたというなんとも皮肉な結果となってしまい、同じロサンジェルスの2球団が明暗ハッキリと分かれてしまったのである


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