概要
パターンとしては、実際より高く詐称する場合と、低く詐称する場合がある。
高く詐称する場合は、主に合コンやお見合い(マッチングアプリ含む)といった高スペックが求められるシーンで見栄を張るために行われる。
例えば、本当は低偏差値の大学卒なのに国立大学や難関大学卒であると自称するなど。
就活においては新卒でこれを行うことはほぼ出来ないが、中途採用の場合は隠し通せてしまうこともある。
また、(アメリカ合衆国や韓国ほど極端ではないが)学歴社会である日本では学歴は威厳に直結するため、暗黙的にそれが求められる政治家や芸能人でも発覚した例があった。
メイン画像は、2016年に壮大な学歴詐称が発覚したショーンK。
逆学歴詐称
低く詐称することは「逆学歴詐称」と通称され、一見するとメリットがないように思われるが、実は平成初期の就職氷河期には全国で盛んに行われた。
この時代は中堅レベルの大学ですら就職が難しかったため、実際には大卒または大学中退なのに高卒と偽り、大卒枠よりレベルの低い高卒枠の入社試験を受験する者がいたのである。
同時に、民間企業での採用が軒並み渋かったこともあり、このような者は地方公務員試験に駆け込んだ。(中には国家公務員でもかつてのIII種、現在の高卒程度の一般職を受ける者もいた。)
ただし、これは年齢・経歴を偽ることにもなるため、職種によっては隠し通すことに限界があり、2000年以降全国で相次いで発覚し、社会問題に発展。
例として、大阪市では965人、横浜市では507人が逆学歴詐称による懲戒停職処分を受けた他、一部では懲戒免職となった者もいる(神戸市など)。
これらは氷山の一角であり、今なお叩けば叩くほど埃が出るような状態なため、正確な逆学歴詐称者の人数は把握できていない。
何が問題か
大卒とはいえ途中で高校を卒業しているので問題ないという主張もあるが、以下の点で逆学歴詐称は問題となる。
- 条件によっては刑法における詐欺罪や私文書偽造罪に該当する。
- 公務員の場合は官僚制(ヒエラルキー)維持のために学歴区分を設けている実情があり、それを脅かすことになる。
- 大前提として、本来受かるべき高卒者の採用枠を強奪したという倫理的問題がある。