概要
東方Projectの登場キャラクターたちが歌を歌うなどしている様子を描いた作品に用いられるタグ。
タグ名称は東方Projectに登場する語である「少女祈祷中」が由来。
東方Projectにおいては「歌で人を狂わせる程度の能力」を持ち自らも歌うことを好むミスティア・ローレライやミスティアとロックバンドである「鳥獣伎楽」を結成した幽谷響子などをはじめ、その生活の一つに歌を歌うことが自然に込めらてれるわかさぎ姫などについて、作中でも歌にまつわる要素と共に語られている。
博麗霊夢や霧雨魔理沙も鼻歌や歌を楽しむこともある(『東方三月精』他 / 『東方鈴奈庵』他)他、人間妖怪問わず機嫌が良い時や元々陽気な気質の者が、例えば登場時に鼻歌と共に現れたりする様子が描かれることもあるなど、個々のパーソナリティや生活の中にも「歌」が見られる。
また一般に「歌唱」のシーンにともに描かれることのある「マイク」については、その技術ないしは情報もあるようで、実際の効力の程度は不明ながらレミリア・スカーレットが紅魔館における多数の存在を招待したパーティにおいて、壇上でこれを使用している(『東方儚月抄』)。
ただし東方Projectにはその機能を備えつつも「マイク」にとどまらない多様な要素を持ったマジックアイテムや通信機器もまた登場している(『東方地霊殿』他)。
また実際に本人の歌唱があるかは不明であるが、スペルカードなどにおいてそれぞれの形での歌唱的要素も含まれる文化・芸能・演劇等(例えば琵琶法師の弾き語りや浄瑠璃、能など)をモチーフとしたものを表現するキャラクターもある。
例えば九十九弁々や九十九八橋にみる平家物語や秦こころにみる能楽などに各種モチーフを見ることができる。能楽とも関連して、芸能の神としての側面も持つ摩多羅隠岐奈もあるなど今日の幻想郷らしい、それ自体を司るという存在もみられている。
同時にそういった多様な芸を披露する場としてライブステージ・ライブ会場が設定されることもあり、時には作中で実際に舞台が描かれることもある。
時には音楽ユニットの解散や再結成に人々が鋭く一喜一憂したりする様子もみられており、音楽芸能が幻想郷でも愛好され心を動かしている様子も見ることができる(『東方文果真報』)。
この他、広く「歌唱」にみる「詠む」という点では茨木華扇が歌を詠む様子(『東方茨歌仙』)が描かれており、宮古芳香についても霍青娥からの制御から離れたと思われる場面で歌を詠む様子が見られたとの報告がなされている(『東方求聞口授』)。
西行寺幽々子にまつわる「幽雅に咲かせ、墨染の桜」もまた複数の和歌に由来しているなど、本人の詠んだもの以外でもそのバックボーンのモチーフとして関連を持つものもある。
このように、東方Projectにおいても「歌」は多様な関わりを持って様々な場面で、時に東方Projectならではの要素も加味しつつ描かれている。
加えて、東方Projectのファン活動として盛んである二次創作では、原作で登場した音楽のアレンジもまた多様に生み出されている。アレンジには原曲にのインストゥメンタルアレンジをはじめ独自の歌詞を付すなどして言葉を伴った歌唱を可能とした創作も多数生み出されており、二次創作においては、原曲に由来する音楽のアレンジについて旋律を口ずさむ「歌唱」と歌詞を伴った「歌唱」の両者の有り方も見出されている。
東方Project及びそのファンフィクション全般において、「音楽」と「歌」、「歌唱」(ハミング的なものも含む)は一つの文化として醸成され、また新しく生み出され続けている。
「少女演奏中」
「少女歌唱中」と同様に東方Projectと「音楽」にまつわる二次創作タグとして「少女演奏中」がある。こちらはpixivにおいてはユーザー企画として提案されたものを発祥としており、楽器を携えたり複数人によるバンド演奏の様子を描いたりと様々なキャラクター達による多様な演奏の様子が想像されている。
「演奏」は広く歌を歌う「歌唱」を含むものであるため両者は同種の属性を備えている。
一方「歌唱」のイメージにより近いものとして楽器を使用しない、自身の声を主とした「歌」というあり方もあり、この点は「演奏」よりも「歌唱」により近いものと言えるだろう。
例えば先述のミスティアは『東方永夜抄』や『東方文花帖』では楽器演奏を伴わず自らの声による歌を歌うことを楽しんでいるが、「鳥獣伎楽」としての活動ではギターを演奏する様子も描かれている(『求聞口授』、文々。新聞)。
ミスティアは作中において広く「演奏」の要素と「歌唱」の両方を披露していると言えるだろう。
逆にルナサ・プリズムリバー、メルラン・プリズムリバー、リリカ・プリズムリバーの三名によるプリズムリバー楽団は楽器演奏を主とした活動である様子であるなど、「歌唱」の要素よりも楽器の「演奏」の要素で語られている。これは九十九姉妹の活動(例えば「九十九プラス1夜行」ライブ。「女子二楽坊」)やプリズムリバーウィズH(プリズムリバー三姉妹と堀川雷鼓のユニット)でも同様。
pixivにおける「少女歌唱中」においても弾き語りをはじめバンドなどの形で演奏と歌唱が並行しているものもあるため、「少女演奏中」との両者の要素が共に描かれている作品もまた多い。
広く「音楽」という視点では、「演奏」と「歌唱」に関わるものとして先の「鳥獣伎楽」や「プリズムリバー楽団」、九十九姉妹なども含む、東方Projectにおける音楽関連キャラクターたちに関する二次創作グループとして「幻想郷音楽隊」が見出されている。
「少女演奏中」にもみる「楽器」という要素の点では、類似する創作アプローチとして「東方楽器娘」があり、こちらは「演奏」というアクションに限らず広く楽器を携えている様子を描いた作品にも用いられているなど、pixivにおいても東方Projectと音楽について多様な創作アプローチによる作品が発表されている。