「俺は山内春樹。小学生の時は卓球で全国に、中学時代は野球部でエースで背番号は4番だった。けどインターハイで怪我をして今はリハビリ中だ。よろしくう」
プロフィール
学籍番号 | S01T004706 |
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誕生日 | 5月30日(双子座) |
身長 | 168cm |
所属 | 1年Dクラス |
学力 | E+ |
知性 | D- |
判断力 | D+ |
身体能力 | C- |
同調性 | C- |
一人称 | 「俺」 |
CV | 岩中睦樹 |
概要
序盤の主要人物の一人。
1年Dクラスに所属している。
ウケを狙おうとあることないこと話すお調子者。
学習能力、運動能力、共に平均以下の男子生徒。池、須藤とよく行動を共にしており、一部では『Dクラスの3バカ』と呼ばれている。
彼女を作って学園生活を謳歌したいという、ある意味真っ当な欲望を持ち、その欲望に忠実。自己を誇張して見せたがる性質があり、自分の経歴をウソで装飾して話す癖がある。
人物
上記の通り、基本的には嘘つきのお調子者タイプで自身を大きく見せたがる性格の持ち主。
良くも悪くも一般的な男子高校生らしく、欲望に忠実で注意力も散漫。おまけにTPOを弁えようともしない為に、普通なら許されない行動も平気で取ってしまう傾向がある。
それ故に、日本のエリートたちを育成する高度育成高等学校では池達とクラスの足を何度も引っ張る事が多い。
学生データベースによると、教員に対して嘘をつく癖があると担任直々に評価されている。
また大の巨乳好きで、櫛田に下心丸出しで話しかけたり、ほとんどクラスでは空気のような存在だった佐倉がFカップである事を早々に気付いたりと変なところで目利きが良い。
しかし、可愛ければ相手が誰でも良いといったような態度も取っており、作中では櫛田や佐倉の他にも坂柳に対して好意を寄せていた。
実力
落ちこぼれのDクラス、ひいては学年全体でみても最底辺である。
同じ3バカの須藤はクラスどころか全校でもトップクラスの身体能力を誇り、池も多彩なコミュニケーション能力とアウトドア経験があったりと双方強い取り柄を持っているのだが、山内の強みはほとんど皆無で実力という意味での取り柄は特にない。
役に立つどころか、後述するように何かと迷惑をかけている上、この二人と異なり成長も見られない。
佐倉や佐藤、本堂などのクラスメイトもほぼ変わらない実力の生徒であるが、赤点を取ったり、無人島試験で失態を犯すなどの迷惑はかけていない。
しかし、1年生編中盤で高度育成高等学校は実は学校側から推薦された生徒しか入学できないということが理事長の口から明らかになっており、少なくとも他の志願者よりも入試時点で高校側に評価される実力があったということである。
高度育成高等学校は坂柳有栖を始めとして堀北学、南雲雅、高円寺六助など錚々たる顔ぶれが揃っており、加えてホワイトルーム最高傑作である綾小路清隆が通う学校である。
一応、この学校は作中でもかなりの倍率を誇ると明言されており、更に上記の天才たちと同じ学校に受かっている事実だけを見ても、山内は一般的な男子高校生よりも余程勝ち組であると言える。噓をつくという点に関しても、社会では時に誇張して話すことが一定の効果をもたらすことがあるため、場を見極める力を身に着けるよう期待すると面接官にコメントされている。
読者からは「裏口入学じゃね」など「坂柳理事長の靴舐めたんだろ」など散々な言われ様だが、山内がこの高校に受かっているのは紛れもない事実である。
そう考えると、山内にも上記の天才たちと同じように日本の未来を背負う可能性が秘められていたのかもしれない。
1年生の3月までは。
動向
記念すべき1巻では、須藤や池と共にテストの赤点組となってしまう。結果的に退学の危機になってしまい、堀北からは「どうしようもない人」という評価を受けている。しかし、櫛田と綾小路が上級生から毎年1年生の1学期の中間テストの出題された問題と全く同じ過去問を入手したことで難を逃れた。
2巻では、暴力事件を起こした須藤のために櫛田に頼まれて仕方なく池と共に目撃者探しに動いている。
また、この一件の際にクラスメイトの佐倉が元グラビアアイドルの雫(よう実)だという事を知り好意を持つ。これ以降下心満載のアプローチを彼女に仕掛ける様になる。
今までこれと言って見せ場がなかったが、3巻では大役を担った。綾小路と佐倉と共に、無人島を探索している最中に龍園に殴られた伊吹を発見し、彼女の身を案じて親切心(話の流れ的に、「佐倉に良いところを見せるため」というのもありそうだが)でクラスのベースキャンプまで案内する。
しかし、伊吹は龍園から送られたスパイで終盤にキーカードを盗まれている為、かなりの失態を犯しているものの本人は気付いていない。
また3巻終盤で、綾小路に佐倉のメアドと引き換えに堀北を汚すように頼まれる。原作では多少は綾小路を非難したが結局メアドの誘惑に負けて泥を被せた。
しかし、アニメ版では一切躊躇いなく「泥だらけだぞ、泥北」と言って泥を頭から被せるという行動に出る。
綾小路の作戦に必要な事で頼まれたとはいえ、突然のこの行動にはその場にいた櫛田たちだけではなく、テレビの前の視聴者の度肝も抜き、ある意味山内が最もアニメ内で目立った瞬間だったのかもしれない。ちなみに上記のセリフは声優の岩中氏の渾身のアドリブである。
その後は、報復として堀北に背負い投げされ、頭蓋骨を割られかけている。
4巻では、綾小路が佐倉の身を案じて、結局メアドを渡さなかったため発狂している。
これには読者も山内に同情する声が挙がったらしい。
4.5巻では、無人島の借りを返してもらうために綾小路に無理矢理協力させ、佐倉に告白するもあえなく撃沈する。
その際にあまりショックを受けなかったことから、心の底から好きだった訳じゃ無かったことに気が付き「もう適当な恋はしない」と心に決め、本当に好きになれる女の子を探すと一回り成長した。
成長したはずだったのだが、僅か14ページ後に池たちと共にプールの女子更衣室の盗撮の作戦を練っていることが発覚し、実際は口だけであまり成長していない模様。
なお、この盗撮作戦は綾小路と軽井沢(アニメ版では堀北)の手によって未然に防がれた。
5巻以降では体育祭で綾小路が堀北学と互角以上のリレーを繰り広げたことで、彼を自分達と同じイケてない生徒だと思っていたために、劣等感からか池たちと共に彼を意図的に遠ざけ疎遠になる。
ちなみにこれ以降は長らく出番らしい出番はなく、この間に綾小路は別の生徒たちと新しい友人グループを築き上げている。
しばらく目立った出番は無かったものの、8巻の混合合宿では前方不注意で坂柳有栖とぶつかってしまい、先天性疾患の彼女を転ばせてしまう。一応は謝罪をするものの誠意がこもった謝罪とは言い難く、全く反省する様子が無かった。
山内にとって、坂柳との出会いが後の高校人生に大きな影響が出ることなど、この時の彼には知る由もなかった。
9巻では、その坂柳に放課後デートに誘われるという異常事態が発生する。長谷部も佐倉も、恋愛に疎い堀北すらも坂柳の罠だと考えていたが、山内はお構いなしに彼女との親交を深めていく。
その後、一之瀬を助ける為に綾小路と桐山によって、1年生の間でAクラスの仕業に見せ掛けた様々な生徒の誹謗中傷が流れる。大半はこの噂に興味を持ちつつも触れないスタンスでいたが、山内は噂を流された篠原に対し必要以上に弄ってしまい、彼女と親密になっていた池を本気で怒らせた。
10巻では、退学者を各クラスから強制的に1名決めるという、よう実1年生編最大の鬼畜試験「クラス内投票」が行われる。
あまりクラスでも評価が高くない山内は、クラスメイトからの批判票を恐れたため最近親交を深め、尚且つAクラスのリーダーである坂柳に助けを求めるようになる。
ネタバレ
試験発表から3日目、なんと既にクラスの半数以上は綾小路に批判票を入れて退学させるという流れになっており、退学候補筆頭だった山内は九死に一生を得る。
一方で綾小路はクラス1の人脈を持つ櫛田に、自身に批判票を集めている首謀者は誰か教えてほしいと頼み込んでいた。
綾小路がどのように退学を回避するか、高みの見物を決め込んでいた櫛田は気まぐれで暫定首謀者の名前を口にする。
「山内くんだよ」
何と綾小路をクラス内投票で退学させようと動いていた黒幕が山内だということが発覚。そして、櫛田が批判票集めで山内に協力せざるを得なかったのも彼の背後に坂柳がいたからであった。
そして、山内は坂柳から自身との交際をチラつかされ、それを条件に綾小路を退学にさせようと水面下で動いていたのだった。
つまり、山内は自分の退学回避だけではなく坂柳と付き合うという理由の為に、彼女が指定したクラスメイトを裏切り生贄にするというとんでもない手段を取ったのだった。
綾小路はこれを聞いて、堀北学に電話。
ちなみにクラス内投票で綾小路がやったのはこれだけである。その後、学は妹の鈴音にその事を直接伝達し、鈴音によってクラス中にその行動を暴露され、一気に批判対象の的になってしまう。
幸い、他クラスへの賞賛票をAクラスの生徒全員を山内に入れると坂柳と約束していた為、どう足掻いても退学にはならない筈だった。
「そして批判票の1位は、33票獲得した生徒。残念ながらおまえだ、山内春樹」
「さ、さんじゅうさんひょう!?」
そう。
最初から坂柳は山内を助けるつもりなどさらさら無く、裏切る算段でいたのだ。
結局、Aクラスのからの賞賛票は山内がターゲットにしていた筈の綾小路に全て入り、賞賛票1位となりプロテクトポイントを獲得し、山内はこうして退学処分を受けることになったのだ。
この際、往生際が悪く喚いていたものの高円寺に煽られまくって発狂し、彼に八つ当たりから暴力を振るおうとするも、難なく受け止められ殺意を正面から受けて怯む等、色々な意味でかなり悲惨すぎる退場になった。
ちなみに、山内が自分と組んで綾小路を狙っていたことを堀北にクラス全員の前で糾弾される事は既に坂柳の中で想定済みだったらしく、最初から山内を陥れるつもりだったらしい。
何故、山内がそのターゲットに選ばれたのかというと「合宿で自分を転ばせたから」という非常に小さな理由である。人間、些細な恨みでここまで人生が変わってしまうのだから怖いものである。
総評
ただし、坂柳の画策が無かったとしても、山内が退学者となっていた可能性は、これまでの彼の行動から見ても十分あったと言える。
ちなみに、これまで山内が行った所業をまとめると‥‥。
- 佐倉のメールアドレスを餌に釣られ堀北に泥を被せる(3巻)。
- 防がれたとはいえ女子更衣室の盗撮を計画(4.5巻)。
- 坂柳を前方不注意で転ばせ、一方的に彼女が悪いと決めつける不誠実ぶりを見せる。しかも転倒させた直後に「いやさ、坂柳ちゃんって可愛いけど鈍臭いよな」と本人の前で発言する(一緒にいた池からも「引っかけといてそりゃないだろ…」とツッコまれている)(8巻)。
- 上記の誹謗中傷が流れた際、噂が流されている当事者達を面白がって弄りまくり、しかもそれで池を本気で怒らせ須藤に言動を嗜められても全く悪びれない(9巻)
- ホワイトルーム最高傑作の綾小路に批判票を集めるという愚行を行う(10巻)。
- そんな綾小路と肩を並べる身体能力を持つ高円寺に椅子で殴りかかる(10巻)。
意外に洒落じゃ済まない事を何度もやらかしており、たった1巻で坂柳だけでなく綾小路・堀北・高円寺という学年屈指の実力者達を一気に敵に回したのは後にも先にも山内だけであった。
そして何よりも山内が退学になった決定的な理由…それは、裏切り云々以前に、山内がクラス内でも最低の問題児だったからである。
その問題行為はと言うと…
- 学力・能力共にドべ同然。
- 授業態度が非常に悪い。
- 自分を大きく見せる為に教員にまでつまらない嘘を吐く。
- 欲望に忠実で犯罪行為も軽い気持ちで手に染める。
- 場の空気を読もうとせず浅慮かつ軽率な行動でトラブルを起こす。
- 綾小路への裏切りからもクラスメイトへの仲間意識は殆ど皆無。
- 自分を客観的に見れない為、上記の問題行動の数々を殆ど省みれない。
他のクラスメイトの中にも性格や能力に問題のある人物は多かれ少なかれいたものの、彼等にはそれに目を瞑って良いと言える「要素」があったのは確かで(性格は悪くても能力は優秀、能力は見劣りしても善良さや協調性がある等)、対して山内に関しては客観的に見て性格・能力共に酷く、他のクラスメイトからの信頼も乏しかった。
しかも、その事に関して当の山内本人はクラス内投票の時期あたりまで無自覚に等しく、同じ3バカとされた須藤や池が精神的な成長を見せても、山内だけは入学時より何一つ変わらないままで、悉くトラブルを起こして一度反省したとしてもまたすぐにトラブルを起こす学習能力の無さを露呈させていた。
この為、クラス内の評価は、クラス内投票が行われる以前より既に「論外」の域に達していたのである。
たとえクラス内投票が実行されなかったり高度育成高等学校以外の教育機関の生徒であったとしても、遅かれ早かれ退学処分されておかしくない普通に問題的な人物であった事も踏まえれば、もはや山内の退学は起こるべくした起きた事でしかなかったとも言えるだろう。
こうして、よう実で堀北クラス初の退学者となり、今まで空気だった彼が一気に読者たちからの認知度を上げてクラス内投票は幕を閉じた。
ただ、山内はあくまでも退学処分になっただけであり、警察に逮捕される等といった形で人生自体が完全に終わった訳では無い。
山内も今回の退学処分を機に、嘘で塗り固めようとしていた自分自身を見つめ直して生きて欲しいものである。
人間関係
クラスの3バカと呼ばれており、3人とも早い段階でお互いのことを名前で呼び合っていたりと仲良くしている。池とは9巻で喧嘩になりかけたが須藤が止めに入り、次の10巻では関係が修復されていたが、結局山内の退学処分に伴い関係は終わりを迎えることに。
入学当初に狙っていたクラスのアイドル。ただ、あまりにも高嶺の花で狙っている男子も学年問わず多いので諦めた模様。クラス内投票で綾小路に批判票を入れるように脅し半分で泣きついたが、結局彼女の気まぐれで裏切られ、最終的に悲惨な末路を迎えた。彼女からしてみれば、綾小路よりもはるかに目障りな人物であったのが容易に推察出来る。
元グラビアアイドルだと気付いてからは、下心丸出しで一方的な好意を寄せていたがきっぱり振られた。成長の兆しを一応は見せていたが、何の役にも立たなかった模様。
当初は仲良くしており、互いに友人という認識だったはずと思われたのだが、山内が綾小路に馴れ馴れしく察していたのは「自分と同じイケてない生徒」という同族意識の偏見からで、後に彼が堀北学とリレーで接戦する姿を見てからは池たち共に劣等感から掌返しする形で避ける様になった。挙句、坂柳に綾小路との親交を聞かれた際は「そりゃ、全然!ただのクラスメイト!」と薄情な回答までしている。
綾小路も平気で無人島試験の時に利用したり、クラス内投票で山内に狙われていると分かっても全く悲しんだりはしてなかったので、実はお互いに他人以下の関係でしかなかった。
入学から数か月経ってるのに「池と間違えることがある」と言われており、その程度の存在と思われていたことが明らかになっている。綾小路からの指示とはいえ、無人島で一方的に泥をかけたので彼女からは大いに恨まれている。一応、この一件で認知されるようにはなった。
クラス内投票では綾小路を守るために立ち上がった彼女に、クラス全員の前で自身の裏切り行為を糾弾される。
クラスの大半と同じように厄介者として見ており、自分と同じ退学候補だと考えていたが結果的に綾小路同様に堀北に庇われる。最終的に彼に必要以上に煽られ暴力を振るおうとするも難なく受け止められ、報復されかける。
混合合宿で転ばせた事で接点が生まれる。彼はこの出会いをラブコメの王道だとポジティブに考えていたが、実際は好意を持たれるどころか彼女に悪い意味でしっかり根に持たれていた。色々巡り巡って、最終的に彼女に捨て駒にされて退学に追い込まれる。
そして当の坂柳の最大の興味と好意は、自分が狙った綾小路という山内にとって最大限の屈辱を与えている。
余談
自業自得とは言えあまりにも悲惨すぎた退場の為か、読者の印象や記憶にはかなり強く根付いており、何かある度に名前が挙げられている。作中でも、彼の退学は平田を始めとして多くの生徒たちに心の傷を与えるなど、何気に影響力はあったのかもしれない。
ちなみに読者の中ではアルベルトや南雲、月城などと同じネタキャラとして扱われており、数多くの雑コラ画像が作られたり、一部では「ホワイトルームからの刺客になって再登場して欲しい」と願う読者もいるという、ある意味愛されキャラになってしまった。
また、作中の実力者達を次々と敵に回す行動をしでかしていた事実から、読者には逆に勇者扱いされている等、とことんネタにされまくっている。
そういった部分もあってか、一部の読者からは「今後、ホワイトルーム側の使者として綾小路や堀北、櫛田へ復讐しに現れるのではないか?」といった考察までされている。
仮にそうなったとしても、自業自得の末の逆恨みにしかならないが…。
ちなみにアニメでは演者の岩中氏の怪演もあってか、よう実が週を連続してXのトレンド入りする事態が発生している。特に山内が退学する第3期8話は、国内外問わず視聴者から神回扱いされており、エンディングのクレジットでも大御所枠かのように最後に山内の名前が流れるという珍事が発生した。