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復活のF(フローラ)

ふっかつのふろーら

アニメ『Go!プリンセスプリキュア』の登場キャラクター、春野はるかに関するタグの1つ。
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解説

第38話のラストで記憶喪失状態のカナタ王子を否定され、絶望のあまりプリキュアへの変身能力を失った春野はるか。 ⇒はるカナショック


彼女の絶望をきっかけにして、クローズが街中に蒔いた絶望の種がついに発芽。夢ヶ浜の街に突如として絶望の森が広がり、人々は無数のツタに飲み込まれ、次々とゼツボーグの素体にされていく。パニックになる街中で、今のはるかを巻き込むまいとマーメイドトゥインクルスカーレットは果敢に戦う。

一方のはるかもプリキュアとしての使命感に駆られ、街に向かいながら何度もプリンセスパフュームを起動させようとするが、やはり全く反応しない。足を縺れさせて転び、起き上がることもできないはるかは、もはや自分には何の力も残されていないことを理解してしまった。

どうしてプリンセスなんかに憧れていたんだろう――苦悩の元凶と化した自身の夢に対して素朴な疑問を抱きながら、もう何も見たくないという思いが外界の喧騒を閉め出していく。


混濁する意識の中で、はるかは古い記憶に行き当たる。


小さい頃に『花のプリンセス』という絵本に感動したこと。両親に向かって自慢気に、「プリンセスになる」と宣言したあの日の自分の姿。優しく理由を尋ねる母に、あの日の自分は 「キラキラ可愛いから」 と笑顔で答えた。


「……それだけ?」


幼い自分の無邪気な姿に、中学生のはるかはショックを受ける。

自分がプリンセスプリキュアになることを受け入れたのは、プリキュアの「強く、優しく、美しく、みんなを守る」という大義が、『花のプリンセス』のテーマに通じていると直感したからだ。

「キラキラ可愛い」だなんて、どうしようもないほどに幼稚で、俗っぽい。カナタが望むような高潔なプリンセスプリキュアのあり方とはかけ離れた、そんな思いが自分の始まりだったなんて……。


幼いはるかの夢を聞いた両親は少々呆れながらも、娘のくだらない夢想を否定しなかった。

努力し願えば叶うような夢ではないし、「プリンセス」になるための道を示すことなんてできない。もっと現実的な夢を持てるよう仕向けてやった方が本人のためかもしれない。だが、両親ははるかの無邪気な夢を大切にしてあげようと考えた。


「それではるかが元気でいてくれるなら、それでいいじゃない」


それこそが、はるかの夢の種。

母・もえは、夢を語ってくれた娘を祝福する形で、花を象ったヘアピンを作ってくれた。はるかはそれを今でも欠かさず身に着けているというのに――カナタがドレスアップキーを与えてくれた思い出は鮮烈なまでに残っていたというのに、きっと同じくらい大切だったはずの出来事を、どうして今になって思い出すのか……。

それだけ当たり前の光景だったのだ。小さい子供が絵本のプリンセスに憧れることも、その夢を敢えて尊重した両親の思いも。はるかのささやかな夢を強く育んだのは、どこにでもあるような家族の日常だった。


どうすれば「おとぎ話のプリンセス」になれるかなんて、誰も教えてくれない。周囲に言っても笑われるだけ。だが、はるかはカナタと出会い、「夢をあきらめない」という約束をした。夢想を捨てずに、現実と折り合いをつけることを望み続けた。

小学生になったはるかは「花のプリンセス」になるということ、「どのような女性になるのか」ということを考え抜くが、答えは出ない。それでも諦めず、「夢を見つけ、それを叶える」という理念を掲げるノーブル学園への入学に一縷の望みを託したのだ。そこでなら、「これこそが花のプリンセスだ」と納得できる、現実的な未来像を掴めるかもしれない――。

両親を説得し、必死に受験勉強を重ねた末に、はるかはノーブル学園に入学した。そこで彼女はプリンセスプリキュアとして選ばれ、「強く、優しく、美しく、みんなを守る」というあり方が、自分の望んだ「花のプリンセス」の体現であると信じるようになったのである。


彼女がプリキュアになれたのは、カナタと出会ったから。だからこそカナタははるかにとって特別な存在だ。

だが、はるかはプリキュアのことを知る以前からプリンセスに憧れている。ドレスアップキーはその夢に反応してカナタとはるかを邂逅させたのだ。

記憶を辿る中で、はるかは自分の夢の原点をはっきりと理解する。


「思い出した?」


 あの日の自分が語りかける。

 はるかはもう迷わない。答えは既に決まっている。


意識をはっきりと取り戻したはるかの前にはカナタが立っていた。はるかを守ろうとした自分の言葉が取り返しのつかない傷を与えてしまったことを知り、何か言わなければと駆けつけたのだ。

どうすればはるかを本当の意味で傷つけずに済むのかわからないままに、ただ許しを請うように詫びることしかできないカナタに、はるかは支えになってくれたことを感謝する。そのうえで、カナタが何を望もうとも、プリンセスを目指すことを諦めないと宣言する。

自分の夢はカナタと出会う前から持っていたもの。プリキュアになるずっと前から、一度だって諦めずに持ち続けていたものなのだから。


しっかりとした足取りで立ち上がったはるかは目を閉じ、自分を励ましてくれた無邪気な女の子に最後の言葉を語りかける。


「ありがとう……。あなたが夢見てくれたから、


Go!プリ39話 レッツゴー プリンセス


 わたしは今、こんなにも幸せだよ」


ドレスアップキーを手にし、迷いなくプリンセスパフュームに挿し入れる。すべての始まりとともにあった花のヘアピンを新たな気持ちで付け直す。みんなの夢を守る、高潔なるプリンセスとして戦うために。キラキラ可愛いプリンセスになりたかった、わたしの夢を叶えるために。

強く、優しく、美しく――「咲き誇る花のプリンセス」は、もう絶望しない。


「レッツゴー……プリンセス」

プリンセスの帰還


絶望を乗り越えたキュアフローラの輝かしい姿を見たカナタは、はるかの夢ははるかそのものであること、過去の自分が与えたものではなかったことを直感的に理解する。それほどの強い夢を、今の自分が奪えるはずもなかったのだ。

はるかの夢を守りたい――それは記憶を失ったカナタが初めて持った、自分自身の「夢」。

ホープキングダムの民の存在そのものを支える力を自分の中に生み出したカナタは、失われた記憶を取り戻す。カナタの夢からはロイヤルドレスアップキーが生み出され、プリキュアたちはドレスアップ・ロイヤルという新たな力を得たのだった。


自分を見失った時こそ初心に返れた春野はるか

それまでの『プリキュア』シリーズを顧みても、絶望の淵から「自分で」這い上がるという展開はかなり珍しいものであった。これは第1作の頃から「仲間との絆を描く」という強いテーマが通底してきたことの裏返しである。

いくつかのスタッフインタビュー等を見る限りは、「ピンチを自力で跳ね除けられるなら、仲間なんていなくてもいいと思われてしまう」という懸念が歴代製作陣に強く共有されているようで、「主人公が絶望に陥りかけた時には、仲間が手を差し伸べ、それによって主人公が再起する」という展開がある種のお約束として存在し続けていた。

本当に大きな壁にぶち当たった時、人間は一人では決して乗り越えられない。だからこそ、支え合う大切な仲間が必要――という大きなテーマがシリーズを通して繰り返し語られてきたのだ。


プリキュア屈指のイケメンプリンスとまで呼ばれる相田マナ(『ドキドキ!プリキュア』)でさえレジーナショックという絶望に際して、円亜久里叱咤激励のおかげでやっと復活に至っている。対して、今回のはるかが見せた自力での復活劇は歴代ピンク主人公及び全プリキュアの中でも、シリーズ11年の歴史において初めての大快挙であったと言っても過言ではないだろう。


仲間の助けを借りずに立ち上がるという展開を敢えて描いたのは、『Go!プリンセスプリキュア』という作品の骨子である「自分の夢は自分の力で叶える」というテーマを貫徹したためと思われる。本作ではこの39話に限らず、以前から「自分の問題はなるべく自力で解決する」という要素が散見されている。

ただ、作中でははるかが自身の記憶に向き合う中で「みんなの支えがあってこそ今の自分がいる」とも思い至っており、決して仲間なんていなくてもいいという解釈にならないように注意深く演出されている。

プロデューサーの神木優は本作の(『プリキュア』シリーズ全体における)位置付けとして「プリキュアは子供達に安心して見せられるように様々な配慮がされているシリーズだが、その配慮のありかたについて根本的なところから見直したい」と明かしていた。


仲間との絆を重要視するあまり、自分ひとりの力で試練に立ち向かえるかという問題提起が疎かになってしまうことが、果たして子供達のための配慮になっているのだろうかということである。


はるかに課せられた試練は、彼女の核とも言える譲れない夢を、理解者だったはずの人物に否定されてしまうというものだった。受けた強い衝撃も葛藤も、変身できなくなってしまった無力感も、仲間と共有できるものではないし、解決するためにだれかの手を借りられるような問題でもない。立ち直るためには、誰に何を言われようと夢を貫きとおすための確固たる動機を、彼女自身がいま一度獲得しなくてはならなかった。

はるかは自分の未熟さと稚拙さを客観的に認める素直さを持った、努力家の女の子である。プリンセスという見果てぬ理想像を追い求める身には必須の素養だったのだろう。翻って見れば、それは「何かにつまずいても、つまずいたままにはしない」という強い向上心でもある。夢が揺らぐという人生の一大事に際して、失意の中にあってももがき続けたのは、彼女のこれまでを形作ってきた「諦めない」という習性が発揮されたからに他ならない。


そして己に対する問いかけの末に、はるかは夢の原点にまで立ち返った。

とらえどころのない夢を慈しんでくれた家族。ずっと自分の支えになってくれていた幼い日の約束。出来ることがひとつひとつ増えていく学園生活。プリキュアとしての使命は、夢に確かな形を与えてくれた。一緒に歩んでくれる、その背中を追うことのできる仲間もいる。夢を諦めなかったからこそ得られたたくさんのものが、彼女のすべてになって、前に進む力をくれる。

押し潰されそうになった絶望さえも糧にして、自分の足で立ち上がる。はるかが目指す「プリンセス」になれるのは、はるかしかいないのだ。

夢を叶えるために、痛み・苦しみ・辛さ・厳しさ・悲しみをすべて素直に受け止め、夢に対する責任をすべて負う覚悟を決めた春野はるかの姿は、『Go!プリンセスプリキュア』主人公の面目躍如というべき、力強くも美しいものだった。

エンディングマイナーアップ



はるかの復活にまつわる一連の流れは、『ボーカルアルバム1~つよく、やさしく、美しく。~』に収録されているキュアフローラのキャラクターソング『Dreaamin' Bloomn'』の歌詞にインスパイアされたもの。

歌詞に感動したシリーズディレクター・田中裕太がシリーズ構成・脚本の田中仁にも歌詞を渡し、脚本化されたものに、田中裕太がさらにコンテ段階で歌の要素を盛り込んだものである。39話で使われた台詞の中には、当該曲の歌詞から引用されたものがいくつかある。ただし、39話でこの楽曲が挿入歌として流れたわけではない(歌詞はともかく、ポップな曲調が話のノリには合わなかったのだ)。

代わりというわけではないだろうが、戦闘シーンでは後期ED曲『夢は未来への道』シングルCDのカップリング曲プリンセスの条件が流れている。こちらは勇猛なヒーローソング調だったので大いに演出を盛り上げた。この楽曲はボーカルアルバム第2弾にも収録されている。



映像面では

作画監督を大田和寛が担当、絵コンテをシリーズディレクターの田中裕太が自ら担当したこの39話では、映像面でもかなりインパクトのある演出が多用されており、復活したフローラのバトルシーンはそれはもう大暴れの極致であった。

特に、いつもの変身バンクを使わず、はるかのヘアピン装着が変身のキーになるという独自の解釈で特殊変身が描き下ろされたこと、クリスタルプリンセスロッド二本持ちしてローズトルビヨン&リリィトルビヨンを同時に発動させたことについては多くの視聴者の印象に残ったようで、このタグでも幾つかイラストが投稿されている。

復活のはるか復活の



関連タグ

復活の「F」:本タグの由来であろう『ドラゴンボールZ劇場版19作目のサブタイトル。こちらの「F」ことフリーザ中の人は、『映画Go!プリンセスプリキュア』で描かれたエピソードの1本悪役で出演しており、それ以前にも『スイートプリキュア』でラスボス役を演じている。


プリキュアオールスターズF:プリキュア映画。「F」が付くが関係ないと思われる。


春野はるか キュアフローラ はるカナショック

ドレスアップ・ロイヤル プリンセスの条件

キュアはるか

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