CV:池水通洋
概要
『仮面ライダー正義の系譜』で鍵を握る人物で、結城丈二がデストロンに在籍する前に育ての親として面倒を見ていた遺伝子工学の専門家。
結城がデストロンに行くまで身を寄せており、そこで科学者としてだけでなく人間として大切な事や愛などを教えたという。(本作の結城はなんとショッカー時代の田所博士の助手を務めており、デストロン所属になってからも連絡をし続けていた事からかなり人柄が良かったことが窺える)
表向きは葛義発電所の所長を勤めているが、彼自身は、ショッカーとその壊滅後に結成されたゲルショッカーにも所属しており、研究の最終目標は複数の生物の遺伝子を合成した究極の生命体の創造であった。
ショッカー首領からの指令で、秘密基地建設現場で発掘された5万年前のオーパーツTIEERAの調査を前述の研究と並行して行っていた。この5万年前の情報を元に自身の科学技術と併せ怪人製造技術を大きく向上させた。(当然だが本作独自の設定)ゲルショッカー壊滅後はその研究を独自にやっていたようである。
ヘルメットのように頭部に装着できるオーパーツから流れてくる古代の情報を用いて研究を進めていたものの、まるで逆にオーパーツに支配されるかのように30年近くも研究に没頭し続けていた。
その姿に、助手だった二宮はかなり危機感を抱いていたようで結城に博士を止めるように頼む手紙を出そうとしたほどだった。
そして、1987年にオーパーツに直結する実験による爆発で、残っていた助手も死亡するが、生命体の遺伝子設計図の完成に、世紀王のもつキングストーンが必要であると何かに取り憑かれたように狂喜した。
しかし2001年1月(全てを理解した年)に「究極の生命体」の完成に更に30年の月日を要する事が判明し(単純計算で2031年となってしまう)途方に暮れる。
その後どこかのタイミングで現時点の研究成果を30年前に転送する時空転移装置の発想に行き着いた様である。
2003年に闇の力の復活に伴い、オーパーツの本体であり仮面ライダーBLACKとシャドームーンの前の世紀王の片割れであった邪眼がオーパーツから精神エネルギーの状態で復活し、洗脳されてしまう。4つの時代を同調させる変異空間を制御する時空転移装置を作り、オーパーツ諸共そのコアにされてしまう。(しかも全ての時代の博士の脳波を使ってコントロールしている)
最期は、1974年 1月にて1988年 8月へ仮面ライダー1号、仮面ライダーV3、仮面ライダーアギトの三人を転送すべく、時空転移装置を起動させて死亡した。
その時に、装置の操作を行っていたのは自らの息子ともいえるライダーマンこと結城丈二であるが、彼とV3に自分のやってきたこと全てが間違いだとは思わないが、夢の実現を焦るばかりに科学者としての自分を歪ませてしまったと、悔いていた。
その際に語っている所によれば研究の最終目的は人工生命体と人類を融合させ、人類を更なる進化に導き、発展させる事にあったようである。
結城に同じ過ちを犯すなという最後の言葉を残したが……声だけでしか認識できなかったため彼がライダーマンとして来たことも知らず、過ちを犯してしまったことに気づいた後であった。(皮肉にもオーパーツを頭からヘルメットのように被った姿はライダーマンとソックリだった)
その死に、結城は闇に囚われた科学者は悪だろうかと苦悩した。そしてV3は…
余談
ショッカーがショッカー首領により解散を明言され、ゲルショッカーに再編成される際に元ショッカーの戦闘員や科学者らがゲルショッカーの構成員の手で殺害されていた。
しかし、この田所博士は元ショッカーにもかかわらず始末されていなかったどころか、そのままゲルショッカーに加えられていた。それほどゲルショッカーにとっては利用価値があるほどに彼は優秀だったようである(本作におけるゲルショッカー怪人の2種類の生命体の合成技術は元々が田所博士の研究による遺伝子実験がもとになっているという研究メモもあり、それを更に押し進めたのが数十種類の生物の遺伝子を合成させた究極の生命体=現代の邪眼の肉体である)。
ゲルショッカー瓦解後にデストロンに身を置かなかったのはデストロンの機械合成怪人が自身のあくまで生物同士の合成に拘った研究と相いれなかったからだと思われる。(教え子である結城は逆にデストロン式の機械合成怪人に早い段階から着手しており、これが両者の袂を分つ決定打となったのだろう)
またゲーム中の資料であるショッカー科学員の名簿では、緑川弘博士、ハインリッヒ博士、綾小路博士、ディー博士など歴代の科学者キャラの中にその名を連ねている(ディー博士の映像での初出はゲルショッカーなのだが、どうやら本作ではショッカー時代から在籍していた設定らしい)。面識があるかは不明だが、かなり以前から組織に属して研究を続けていたようであり、ゲーム中の資料「ショッカー科学員の日誌」では多大な功績からあの死神博士も一目置いていたという記述がある。
名前の由来は日本沈没の同名の博士からと思われる。本作は他にも「結城」や映画版に出演していた藤岡弘、氏。地獄大使の計画名がその物ズバリの「日本列島沈没計画」であるなど、同作に因んだネタが散見される
ちなみにゲームの舞台となった葛義発電所の葛義(かつよし)は実は反対から読むとショッカーになると言うテレビ版でも見られたネタである。(別の作品では、勝良表記も見られた)
ゲーム終盤でのV3との会話で、「君が噂に聞いた仮面ライダーだな?」と何も知らないような素振りを見せている。生物合成に拘った博士にとって、改造人間=仮面ライダーは自身の研究目標でなかったと思われる。(この「噂に聞く」とか「噂ほどもでもない」というのは大元のTV本編における怪人やライダーの会話で鉄板のフレーズである)
田所博士の研究チーム(助手として結城丈二が在籍していた時代)が生物の遺伝子合成の要である酵素「HS-184」を発見したのは1971年1月で、本郷猛の改造・脱走(同年4月)よりも早い。
その後1971年9月にオーパーツが発掘・研究部署に移送され、そこから得られる情報を素に研究を進めていく。
以上の時系列からわかるのだが、実は生物合成のノウハウ自体は独力で発見している。そこから古代の怪人などの情報や、研究を更に発展させ3種類以上の遺伝子の合成などを可能になるように後押ししたのがオーパーツ、という順序である
関連項目
マクロファンガス、ヒドラーゲン、ペトレスク神父(大コウモリ怪人)、呪博士、千堂院:田所博士と同じくゲルショッカー出現後とその消滅後も生き残っていた元ショッカー関係者達。なお、呪博士は後に後継組織の総司令になっている。
百瀬龍之介:同じくショッカーの科学者であり、ある意味似た者同士。