概要
『戦国無双3』から参戦した無双武将(プレイアブルキャラクター)。
史実において、羽柴秀吉(豊臣秀吉)の臣下に加わり軍師として活躍し、竹中半兵衛と共に「両兵衛」と並び称された黒田官兵衛孝高(黒田如水)をモチーフにしたキャラクター。
なおナンバリング5作目『戦国無双5』以降、登場キャラクターたちの設定が再構築され、官兵衛についても多くの変更が加えられた。以降は『戦国無双4』までと、『5』以降で分けて記載する。
戦国無双3〜戦国無双4
播磨出身の武将で、織田信長の上洛を機に羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)に仕える。計略に長けた軍師として活躍し、同じく秀吉配下の竹中半兵衛と共に「両兵衛」と並び称された。信長が本能寺の変で横死して直ぐ「御運が開かれました」と秀吉を焚き付け、天下人へと押し上げる。
生前秀吉から「自分にとって代わるかもしれない」と恐れられたことや、関ヶ原の戦いの際に領地である九州地方で不穏な動きをした…など、どこか二つ心を内包した野心家としての逸話が多かったことから、そうした腹の読めない「不気味さ」が特に強調されている(主に外見において)。
その為か無双演舞(ストーリーモード)においても、他のキャラクターからは狡猾な謀略家として映り、周囲に不信感を植え付けている。特に『3』では関ヶ原の戦い終結後には加藤清正の反感を買い、最期は彼に背後から討たれるという結末を迎えている。
そんな彼の人間性は、半兵衛はじめ同じ価値観を共有する数少ない友人たちとのやり取りで垣間見ることが出来る。
人物
容姿
長身痩躯に頬のこけた面長の顔立ちが特徴。肌は血の気が引いたように色白(というかほぼ灰色)で、目元はクマで黒く変色している。史実において頭部に大きな痣があったという説に倣い、顔の左半分に醜い瘡を患っている。髪は短く、メッシュのように部分的な白髪が目立つ。
その不気味な容貌故か、たびたび周囲からは畏怖され、友人たちからはからかわれ、主君の妻からは食生活を心配され、化粧男子たち?からはメイクと勘違いされ、異世界の病人には「お迎えが来た」と勘違いされたり…などなど、毎度毎度ネタに事欠かず、本人も冷静な態度を崩さぬもののツッコミ役として立ち回るコミカルな場面も。
衣装は、史実の官兵衛がキリシタン大名であったことを意識してか、クリスチャンの祭服のような黒い羽織を着用している。手には同じく黒い手袋をはめており、顔以外の肌を露出しない出で立ちとなっている。初登場した『3』では首から袈裟(威儀細)を下げているなど仏教と混同したデザインがなされていた。
なお『戦国無双4』では初回購入特典DLCとして、発売当時に放送されていたNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』とのコラボ衣装が配布された。岡田准一演じる官兵衛が青年期に着用していた青い袴姿で、腰に刀を携えている(武器としては使用不可)。普段の衣装とは打って変わった爽やかなカラーリングだが、元々の体色がモノクロ調であるためか、寒色による統一感が生まれ意外にマッチしてたりする。
性格
一人称は「私」、二人称として「卿(けい)」という珍しい呼び方をする。
天下の安寧を志し、世を乱す存在を「乱世の火種」と称し、それらを排除することを自身の務めとしている。先見の明があり、その計略を天下泰平の為に役立てようと邁進するが、それ故に人間的な情や倫理的観念は薄く、その手段は問わない徹底した現実主義者としての側面が強い。半兵衛と同じく、秀吉の主君である信長の天下についても長くは続かぬと見透かし、彼が横死した際には「御運が開かれましたな」と囁き、秀吉を天下取りに焚き付けている。かといって主家に対する絶対的な忠誠心を抱いているわけでもなく、秀吉死後に豊臣家が迷走し、徳川家が台頭しはじめるとあっさりと見限りをつけてそちらに加担している。
一方で、史実の人物や他社のゲームの当人のような天下への野心はなく、『3』のEDでは死を目前にして「自身もまた、天下泰平を脅かす火種の1つだった」と呟きながら息を引き取った。
また「自分が死ねばまた代わりを立てるのであろう」と話す秀吉に対し、「死なれては困る」と答えたり、清正らの不満を自身が引き受ければ主である秀吉は恨まれずに済むと考えている旨を病床の半兵衛に語ったりと、豊臣家ではなく秀吉個人の人柄に対しては好感を持っていた様子。
『4』では新たに小早川隆景が参戦したため、竹中半兵衛の他に彼とのやりとりもシナリオの主になっている。性格面でも後半は僅かながら変化があり、先立った友人たちの影響を受けてか、晩年に起こった九州での島津軍との戦いでは、新世代の若者たちから「ご隠居」と呼び慕われるなどかなり丸くなった描写が見られるようになった。
戦闘スタイル
武器は「妖気玉」という、ボーリング玉ほどあろう大きな水晶玉と「鬼の手」。
自身が直接相手を攻撃することはせず、禍々しい妖気を放つ水晶の力で妖気球や亜空間から呼び出した鬼の手を使用したエキセントリックな戦い方をする。妖気球はチャージによってその個数を増やすことが出来、数の分だけ攻撃の威力が上昇する。
戦国無双5
播磨出身の軍師で、若くして開花した軍才を羽柴秀吉に見込まれて仕官する。
軍師として先に秀吉に仕官していた半兵衛を「先輩」と呼んでいる。
人物
容姿
本作ではストーリーが織田信長の青年期に定められた影響で、官兵衛も外見年齢が下げられるとともに、幽閉よりも前と思しき容貌に変更された。肌は色白だがまだ常人寄りの色味に抑えられ、髪は黒髪、顔立ちも特徴的な痣や頬のコケが排除され、人並みの外見となった。
性格
一人称は「俺」。
前作と同じく高塚正也氏が声を務めているが、低く淡々とした不気味な口調から一転し、兼役の直江兼続ともまた違う、晴れやかでハキハキとした若々しい声があてられている。外見や口調だけでなく、精神面でも前作よりも若気を感じさせる部分が見られ、シリアス・コメディ共に淡々とした態度を崩さなかった前作とは対照的に、本作の官兵衛は表向きは冷静に振る舞って見せるも、その実かなりの負けず嫌い。秀吉の傘下に加わって早々中村一氏と、信長を介し同盟関係にある徳川家康家臣の本多忠勝と、それぞれ言い合いを繰り広げている。
一方で、竹中半兵衛のことは同じく秀吉傘下の軍師として敬愛しており、出会い頭から「先輩」と呼び、事あるごとに称賛している。半兵衛のほうもいきなりの先輩呼びに驚きつつも満更ではない様子。後に官兵衛が毛利の策謀により捕まってしまった際、半兵衛は彼を助けるために病体を押して救出に尽力し、終戦間もなくその場で事切れてしまう。秀吉と官兵衛はそれぞれ悲嘆しながら最期を看取ることになる。
戦闘スタイル
武器は白と黒を基調とした「呪符」。
同じ武器の使用者としてお市がいる。
固有チャージ攻撃はチャージ2と6。どちらも全キャラクタートップクラスの広範囲のチャージ攻撃であり、チャージ2は発生も早く使いやすい。
余談
ファンからの反応
OROCHIシリーズを含め、軍師・謀略家といった人物と交流を深めているが、半兵衛や元就のような面倒くさがりに手を焼いており、彼らがサボろうとすると「駄目だ、働け。」ときっぱりと断言する流れがお約束となっており、その保護者っぷりから「おかんべえ」と呼ばれることも。
また、鬼の手を使うことから某漫画の主人公との関連性が指摘され、「地獄軍師かんべ~」とネタにされる例も極稀に存在する。
その他として『銀河英雄伝説』のパウル・フォン・オーベルシュタインとの共通点を見出すファンも多い(本作での毛利元就がヤン・ウェンリーをモデルにしていることも影響しているが)。
一般武将時代
「木材の余りで天梯車を作らせておきましたぞ」(戦国無双2)
CV:高塚正也(2) 武器:刀(1)、槍(2)、薙刀(2empires)
一般武将としては第1作目から登場している。
『1』では石川五右衛門の無双演武において、五右衛門が徳川家康を倒すと世が再び戦国乱世になると予想し敢えて撤退するという野心的な一面を見せた。
『2』では小田原西側の攻城戦で穴太衆を呼んで余った木材で天梯車を作るのを見て天梯車のおっさんと覚えた人もいたとかいないとか…
因みに『1』ではステージによって容姿が若い豪将モデルや壮年の帥将モデルに変わり、『2』シリーズにおいては老年の智将モデルとして登場するなど一般武将の中でも容姿の変遷が激しい。
『2empires』ではプレイヤー武将として操作可能であり、武器は薙刀。
バランス型無双武将に近い「万能晩成」の能力に加え無双ゲージの最大値にボーナスが付くなど能力は優遇されている。
技の面では特殊技に変化の術を持つなどテクニカルな面が強い。
声優について
PC化以降声を担当している高塚正也氏は、上述通り、奇しくも『2』の一般武将時代から官兵衛の声を担当している。また、軍師の先輩にあたる半兵衛役の庄司宇芽香氏とは両兵衛として以外に、兼役として上杉の主従関係としてのやりとりも多く、両コンビでの演技のギャップを楽しめる。
また戦国シリーズから離れるが、無双オリジナルキャストで展開されている『北斗無双』シリーズにおいては、高塚氏がジャッカル、庄司氏が少年期のバットとして出演しており、コチラでは「バットの養母の仇」と、また違った形で庄司氏ボイスのキャラと縁のある役どころとなっている。…あとは謀略に長け、自身の力ではなく悪魔の力に頼るというところでも共通点だろうか?
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