概要
モンスターバースシリーズに登場する怪獣(タイタン)の一種で、学名はタイタヌス・アバドン(Titanus Abaddon)。
初登場は第3作『キング・オブ・モンスターズ』だが、公開時は名前のみの登場で正体不明の怪獣だった。
2024年発売予定のゲーム作品で、第4作『GODZILLAvsKONG』の後日談を描いた『コング:生存者の本能』にて敵怪獣として登場し、コングと激突する。
名前の由来である天使・アバドンがイナゴ(バッタ)と深い関わりを持つことから、昆虫など節足動物に似た姿ではないかと、ファンの間では推測されていた。
外見と能力
全体的な外見は普通の蜘蛛を相似拡大させたような見た目(腹部はシリキレグモのようになっている)をしているが、口は蜘蛛などの持つ鋏角ではなく脊椎動物のような上下に開閉する顎となっている。更に頭胸部には眼窩を彷彿とさせる一対の巨大な窪みがあり、正面図は人間の髑髏のように見える。
能力は蜘蛛らしく糸を張って狩りや戦闘に利用する。
また、体内に「疫病の織り手」を意味する人間大のサイズの蜘蛛の超種「プレイグ・ウィーバーズ(Plague Weavers)」の卵嚢を有している。孵化したプレイグ・ウィーバーズは前述した頭胸部の窪みから出てくると、女王に仕える働きアリのように使役される。
MONARCHによれば、アバドンは全ての蛛形類(クモ、サソリ、ダニなど)の祖であり、プレイグ・ウィーバーズを含めた蛛形類に命令をくだせる可能性があるという。小型の蜘蛛を使役することで、死者の体内に蜘蛛を忍ばせ、ゾンビのように自在に動かすといった芸当すら可能。
固有能力は「生体掘削」(bio-fossorial)で、地中にトンネルを掘ることができる。数百年規模で地中に潜むことができるだけでなく、トンネルを世界に張り巡らせ世界中を旅することも可能。この力で各地を渡り歩き、人々を弄んだり眷属を生み出してほかの怪獣と戦ったりしていた。
前述の通り卵を有するが、メスであるかは不明で、ゲーム中では常に代名詞に「it」が使われている。(過去にゴジラシリーズに登場したエメゴジは「卵を産むがオス」だと設定されているので、怪獣においては出産能力による性別の直接的な判断は困難)
また、ゴジラ、ギドラ、コングと並ぶアルファタイタンで、他のアルファタイタンもアバドンを避けるのだという。また、モナークによれば性質はデストロイヤーとされる。
活躍
元々はアメリカ・ワイオミング州にあるデビルスタワーで休眠していたところをMONARCHに発見され、監視のために第77前哨基地が設置された。だが『キング・オブ・モンスターズ』にて偽りの王・ギドラの呼びかけによって世界中で休眠していた怪獣達と共に覚醒、前哨基地から脱走すると、周辺都市を破壊した。
ゴジラの王即位後は目立った問題を起こさずアルファコールに従い再休眠していたものと思われるが、『コング:生存者の本能』でコングが地表に出現したことを察知し彼のいるアメリカ東部の都市を襲撃。怪獣ではなく人間が主人公である都合上、決着・生死不明のままフェードアウトしたが、以降のコングの登場からコングの勝利が示唆されており、制作に携わったKaxi氏はアバドンは生存していることを明かした(ソース)。
余談
- 休眠場所だった第77前哨基地の由来は、デビルスタワーをロケ地の一つとした映画『未知との遭遇』の公開された1977年からとされている。
- 同年に公開された東宝映画『惑星大戦争』や『極底探検船ポーラボーラ』も候補に上がっている。
- KOMでモスラの紹介に引用された聖書の一節は、本来アバドンに関連する文だった。しかしモスラとの関連性は今の所不明。
- KOMでは、非常に分かりにくいがモスラ寺院の壁面に巨大な蜘蛛が巣を作っているのがわかる。前述の通りアバドンは全ての蜘蛛を従えることができ、モスラとの関係が示唆されているため、彼らはアバドンによってモスラの巣を保護する役割を与えられている可能性がある。
- 原典でのアバドンは、サタンあるいはルシファーを封じ見張る役割であるとされる。『ゴジラxコング:新たなる帝国』のノベライズ版ではスカーキングが最初に引き起こした地上侵攻がサタン反乱の元ネタではないかと言及されており、ゲームでもコング地表出現に伴って現れたことから、ゴジラまたはモスラからグレイトエイプ達の地表侵攻を監視・阻止する役割を命じられていた可能性が示唆される。