概要
タイ王国の映像制作会社チャイヨー・プロダクションが円谷プロダクションに無許可で中国と合作し、2006年6月より放送を目指していた作品。
週2回放映全52話を予定し、キャストも香港、タイ王国、日本と各国の俳優が集まる予定だった。
チャイヨーの、ウルトラシリーズ著作権問題に関する裁判勝訴を受けて企画されたものだったが、現地では「裁判所側は新作の制作権を否定はしていないが肯定もしていない」という状態で、少なくとも判断を待つ必要があった。
にもかかわらず円谷プロに無許可で勝手に制作を始めたため、2005年に円谷プロにタイと中国で提訴されて放映中止になる。そして2009年にタイと中国での裁判で円谷プロ側が勝訴したため、今後の制作続行は不可能となった。
結構大々的に金をかけて宣伝しており、ウルトラマンフェスティバルのようなイベントや玩具の販売、現地でのヒーローショーをしたり、日本でも無許可のウルトラマンとしてニュースで取り上げられたため、「なんか知ってる」という人もいるかもしれない。
すでに全話完成しており、タイのテレビ局に収録分が眠っているらしい。
当初の予定では映画版も公開する予定だったとか...
キャラクター
この作品に登場するウルトラ戦士は全員M78星雲・光の国出身であるが、当然円谷プロによる映像作品への登場は無い。
ウルトラマンミレニアム
ムエタイを駆使して戦う青い目のウルトラマン。
かつて地球で発生した「次元の墓」事件を解決した功績により他のウルトラ戦士からも一目置かれる存在で、必殺技はウルトラセブンに師事して習得した「エクストリームワイドショット」。
平和を愛し、どんな争いも死や破壊を伴わずに解決できると信じ、そのためには自分の命が危険にさらされることも厭わないという。
遊園地の従業員ニールとの偶然の出会いにより、眠りから覚めたミレニアムは、平和のために怪獣たちと戦いながら、謎の組織“S”の秘密を解き明かしていく。
グレイタイプのエイリアンがモチーフになっているデザイン自体は成田亨氏からのお墨付きも得ているとの話もあるが実際の所は不明。実際に成田はチャイヨー側に付いておりミレニアムのイラストを持っている写真も撮られているが……この写真を見てどんな印象を持ったかは、個人の判断にお任せする。
ダークウルトラマン
黒い体と赤い目を持つウルトラマン。本名は「ウルトラマンズール」。
昔はウルトラの父からも信頼されるほど立派な戦士であったが、その後宇宙に混乱をもたらす邪悪な存在となった。
その一方で本質的には善の存在であり、善と悪の二つの心をコントロールできないだけに過ぎないともされている。
ウルトラマンエリート
ミレニアムと同じく青い目を持つウルトラマン。ウルトラマン顔にしては珍しくレッド族。
まだルーキーであるため経験値は低いが一般的なウルトラ戦士の倍の能力を誇り、次元を超えた移動速度は最速。
ウルトラマンエースによる鍛錬で秘めた才能を引き出した。
エルボー星人
母星が破壊されたことを光の国の仕業だと誤解し侵攻する。
「次元の墓」事件の詳細
Ultraman Millennium Live Show in Bangkok
今から4万年前、ウルトラの父が最も信頼していた親友であり、かつてウルトラ大戦争で一緒に戦ったウルトラマンズールは、邪悪な宇宙人バルタン星人の侵略から古代の地球を守った。
その後、彼は未知の方法で闇の存在・ダークウルトラマンとなり、銀河系に破壊をもたらした。ウルトラの父は、究極の力でダークウルトラマンを「次元の墓」に封じ込め、いつの日か再び光の戦士として戻ってくることを願って、宇宙の奥深くに送り込んだ。
10年前に宇宙警備隊が予言した通り、果てしない年月をかけて次元の墓は地球に接近した。
次元の墓は大気圏内でバラバラになり、7つの破片となって地球に不時着。攻撃隊AETと地球軍は、ウルトラ兄弟の協力を得て、墓から生まれた怪獣たちへの攻撃を開始する。
その最後の相手がダークウルトラマンで、ウルトラ兄弟は苦戦を強いられた。苦悩の末、正義の味方だった彼を倒し、あの世に送り出そうとする兄弟たち。
しかし、ズールの魂を蝕み、闇に堕ちた原因となった宇宙人──バルタン星人が巨大な体となってズールの体から現れ、ウルトラ兄弟を瞬く間に倒してしまう。
バルタン星人が墓の破片を使って彼らを磔にし、「お前たちは永遠に宇宙を漂う」と脅したその時、ミレニアムが現れて彼を倒した。
驚くべきことに、バルタン星人はダークウルトラマンの言いなりで動いており、ダークウルトラマンこそが真の黒幕であったことが明らかになる。
ダークウルトラマンは、最終的にはミレニアムとの戦いに敗れたが、「次元の墓」を失ったことで再び自由の身となり、未知の世界へと旅立っていくのだった。
Ultraman Live Show 4D
『Ultraman Millennium Live Show in Bangkok』の続編。ダークウルトラマンがヒーローとして復活し、エルボー星人による人類滅亡を阻止するため、ウルトラの父とウルトラの母の指揮のもと、ウルトラ兄弟とともに地球へ向かう。
ミレニアムが強化されたエルボー星人に倒された直後、ダークウルトラマンが現れ、復活したミレニアムとともに、ウルトラ戦士の純粋な魂のエネルギーとエルボー星人の魂のエネルギーを融合することで新しい生命体を作るという計画を実行することになる。危機一髪、怪獣を抑えることに成功した2人は、ウルトラ兄弟の魂のエネルギーをエルボー星人に注ぎ込み、新たなウルトラ戦士を誕生させるのだった。
その戦士こそがウルトラマンエリートである。
対等な立場になったエルボー星人は、3人のウルトラマンの力に圧倒され、「人類はこの試練から学んだ」という理由で軍を呼び戻すよう説得される。人類が同じ過ちを繰り返したら戻ってくると約束してエルボー星人は去り、ダークウルトラマンは他のウルトラ戦士たちと一緒にM78星雲へと帰還した。
PROJECT ULTRAMAN
近未来、超巨大宇宙生物マリーウェイが地球に向かっていた。宇宙警備隊の若きエリート戦士・ウルトラマンミレニアムは、地球衝突を防ぐためマリーウェイにタックルを試みるが失敗。マリーウェイもろとも日本海に不時着し、その衝撃で発生した大津波が日本列島や中国沿岸の一部の都市を壊滅させてしまう。
そればかりか、この衝突によって地軸が大きくずれ、極端な気候変動が起こり、地表の3分の1が不毛の地となり、人類は絶滅の危機に瀕することとなった。
それからしばらくして、ゴビ砂漠で事故に遭ったニールという男は、疲労困憊で気を失いそうになっていたところをウルトラの母に助けられ、瀕死の状態で眠っているミレニアムへと導かれる。
ニールは自らを犠牲にしてミレニアムを蘇らせ、2人は一体となる。しかし、ニールはその時の記憶を失ってしまう。
15年後、ニールは成都遊園地の従業員となっていた。彼はまだ自分の中に眠る力に気づいていなかった。
ある日、彼は遠くから見知らぬ男が自分を見つめていることに気づく。そして突然、遊園地に巨大なエイリアンが現れ、破壊を開始した。この未曾有の襲撃をきっかけに、ニールはミレニアムに変身する。
人々は最初はミレニアムのことを怪獣と思っていたが、すぐに彼が人類の味方であることに気づいた。やがて、ミレニアムの存在は現在の人類を指導する組織“S”の目に留まり、Sはニールに防衛チーム「BASE」への参加を持ちかける。
これを皮切りに、一連の事件が動きだした。ダークウルトラマンはミレニアムへの恨みを晴らすためにノーランという人間に化けて地球防衛軍に潜入。
ニールは脅威とみなされて軟禁され、BASEは“S”が企む邪悪な計画を阻止するために背を向けることになる。ウルトラマンエリートはBASEのメンバーであるエキンと合体し、3人のウルトラマンが力を合わせて“S”と13体の怪獣たちを阻止する。
やがて「次元の墓」が地球に向かって移動を始める。何百万光年も離れた場所で、ウルトラ戦士たちは集まり、地球への衝突の影響をできるだけ軽減するための選択肢について話し合った。彼らの解決策は、光の国の科学技術と10年後の墓の到着を告げる警告メッセージを人類に送ることであり、ウルトラ戦士たちが間に合わなかった場合に地球を守るのは人類の義務であると考えていた。
バンコクのウルトラマンミレニアムショー
今から4万年前、地球上で邪悪な異星人と対立したことで、勇敢な戦士が味方に反旗を翻した。不幸なことに、ウルトラの父はその仲間をたくさんの怪獣たちと一緒に「次元の墓」に封印しなければならず、「次元の墓」は宇宙の奥深くへと送られていった。
それからしばらくして、「次元の墓」が地球に向かって移動を始める。何百万光年も離れた場所で、ウルトラ戦士たちは集まり、地球への衝突の影響をできるだけ軽減するための選択肢について話し合った。彼らの解決策は、光の国の科学技術と10年後の墓の到着を告げる警告メッセージを人類に送ることであり、ウルトラ戦士たちが間に合わなかった場合に地球を守るのは人類の義務であると考えていた。
ミレニアムは、かつてのウルトラ大戦争の最前線であり、現在は悪名高いエイリアンや凶暴な怪獣を収容する銀河刑務所となっているM78星雲外縁部の月のひとつに駐留する宇宙警備隊の青年将校である。ナックル星人を追って太陽系を横断し、木星にたどり着いた彼は、防衛チーム「AET」のシュウ隊長と出会い、命がけでナックル星人を逮捕する。
ミレニアムはシュウを救うために、自分の生命力の一部をシュウに託し、故郷の地球に戻すが、まだ地球での行動を命じられていなかったため、地球には残らなかった。
それから10年後(2010年頃)、予想通り「次元の墓」は到着し、壊滅的な衝突によって墓の破片が地球上に散らばった。その破片の中から7体の怪獣が現れ、その信号をウルトラテクノロジーをリバースエンジニアリングして作られた量子コンピューターが拾った。人類とAETが新たな脅威に立ち向かう中、間一髪のところでウルトラ兄弟が到着し、7体のうち6体を倒した。
7体目の怪獣こそが、かつて宇宙警備隊に反旗を翻し闇に堕ちた男・ダークウルトラマンであった。ダークウルトラマンはウルトラ兄弟の心を揺さぶるが、激闘の末ウルトラ兄弟に倒される。
しかし、倒されたダーク・ウルトラマンの体内から巨大な実体のバルタン星人が出現し、この大惨事を引き起こしたのがバルタン星人であることが明らかになった。
エネルギーを使い果たしたウルトラ兄弟はバルタン星人に敗れ、墓の破片で磔にされてしまう。この悲劇を目の当たりにしたシュウは、数年前に託された隠された力を解き放ち、ウルトラマンミレニアムに変身すると、バルタン星人を難なく倒し、兄弟を救って次元の墓の脅威に終止符を打つのだった。
関連動画
Youtubeといった動画サイトで宣伝映像が確認できる。映像は3~5分。
円谷プロ抜きで作られてはいたが、そこそこ高いクオリティであることが窺える。