最も弱きものよ、剣を鍛えよ。
その命が育んだ、己の価値を示すために。
概要
2010年7月22日に発売されたPSP用ゲーム(当初の発売予定日は同年3月18日)。開発はTYPE-MOONとイメージエポック、発売はマーベラスエンターテイメント。ジャンルは「対戦型ダンジョンRPG」。
『Fate/stay night』を下敷きとしていながらも、設定の全く異なるパラレルワールドで進行する「聖杯戦争」を題材にしている。シナリオ担当の奈須きのこ曰く「FateシリーズにおけるGガンダム」。
記念すべき『Fate/EXTRAシリーズ』第1作目であり、続編や派生作品については個別記事参照。
2020年に発売10周年を記念して、リメイク作品「Fate/EXTRA-Record」の制作が発表された。
ストーリー
西暦2030年代の近未来。
「西欧財閥」と呼ばれる巨大組織によって徹底した管理社会が築かれ、安定しつつも停滞した世界。
ある時月面で発見された「ムーンセル・オートマトン」と呼ばれる願望器にアクセスするため、自らの魂を霊子化した「霊子ハッカー」と呼ばれる魔術師(ウィザード)たちが集まる。
そこで行われるのは「聖杯」たるムーンセルが用意した電脳空間内での戦い――すなわち「聖杯戦争」。
魔術師たちは「サーヴァント」と呼ばれる存在を従えるマスターとなり、サーヴァント同士を戦わせて勝ち抜くことを要求される。
かくして128人のマスターとそのサーヴァントが最後の一組になるまで「負ければ死ぬ」ことを約束された一対一の戦いを繰り返すのであった。
月の聖杯戦争
この聖杯戦争の仕組みは冬木で行われたものとは大きく異なっている。
従来のサバイバル形式ではなくトーナメント形式となっており、マスター同士の対戦は7日に一度行われ、そこで勝利することで聖杯へと近づくことができる。敗北した場合、戦いの中で命を落とさなかったとしてもシステムによるデリートが行われ、敗者は生き残ることが出来ない。
対戦までの間は舞台となる「月海原学園」や併設されている「アリーナ」と呼ばれるダンジョンを探索し、鍛錬や決戦に臨むのに必要なキーの回収、敵マスター及びサーヴァントの情報収集を行う。ルール上許されてはいないが、準備期間の間に小手調べとして敵マスターと戦闘することもある。また逆に、他のマスターと交渉を行ったり協力関係を結ぶこともある。
全部で7回の対戦が行われ、それに勝ち残ったマスターとサーヴァントのみが聖杯へと至ることができる。
ストーリー中盤で主人公はある選択を迫られ、その結果によって2つのルートに分岐する。分岐すると4回戦と6回戦の対戦相手が変わる(それ以外は変わらない)。
登場人物
主人公
サーヴァント
敵マスター
遠坂凛(CV:植田佳奈) | ラニ=Ⅷ(CV:真田アサミ) | 間桐シンジ(CV:神谷浩史) |
---|---|---|
凄腕の霊子ハッカー。西欧財閥と敵対するレジスタンスの一人。 | 眼鏡と褐色の肌が特徴のアトラス院のホムンクルス。 | アジア屈指のゲームチャンプにしてクラッカー。 |
ダン・ブラックモア(CV:麦人) | ありす(CV:野中藍) | 臥藤門司(CV:伊藤健太郎) |
既に老境にある白髪白髭の狙撃兵。 | 白いドレスの幼い少女。 | 近寄りがたい雰囲気を纏った巨漢。通称ガトー。 |
ランルーくん(CV:小林ゆう) | ユリウス(CV:羽多野渉) | レオ(CV:朴璐美) |
道化師の衣装を纏った女性。 | 西欧財閥に所属する暗殺者。 | 赤い制服を着た少年。西欧財閥の次期総帥。 |
敵サーヴァント
ランサー(CV:神奈延年) | バーサーカー(CV:安井邦彦) | ライダー(CV:高乃麗) |
---|---|---|
青い装束に身を包み、呪いの朱槍を操る槍兵。 | 中華風の鎧に身を包んだ、巨躯の武人。 | クラシックな二丁拳銃を持ち、顔に大きな傷のある海賊。 |
アーチャー(CV:鳥海浩輔) | キャスター(CV:野中藍) | バーサーカー(CV:柚木涼香) |
緑の衣装に身を包んだ痩躯の男。 | ありすとそっくりの外見をした黒い少女。 | 至って普通の女性の姿をした英霊。左右で瞳の色が違う。 |
ランサー(CV:江川央生) | アサシン(CV:安井邦彦) | セイバー(CV:水島大宙) |
血のついた黒い鎧を着た男。 | 中華の武術家然とした服装の男。なぜか常時姿が見えない。 | 白銀の甲冑を身に付けた白騎士。 |
NPC
間桐サクラ(CV:下屋則子)※1 | 言峰神父(CV:中田譲治)※1 |
---|---|
保健室でマスター達の健康管理を司る上級AI。 | 月の聖杯戦争の監督役。NPC。 |
藤村大河(CV:伊藤美紀)※2 | 柳洞一成(CV:真殿光昭)※2 |
月海原学園教師の上級AI。 | 主人公の友人で生徒会長。NPC。 |
ゲスト
???
トワイス・H・ピースマン(CV:東地宏樹) | セイヴァー(CV:田中秀幸)※2 |
---|---|
学園にて、授業の中で語られる過去の偉人。 | 基本の7クラスには該当しない、特殊クラス。 |
※1 ドラマCD版及び続編「Fate/EXTRA-CCC」での担当。ゲーム本編ではCVなし。
※2 ドラマCD版での担当。ゲーム本編ではCVなし。
その他
- アリシア・ビスタリオ・ハーウェイ(CV:山村響)
レオの母親にして、レオの異母兄であるユリウスの義理の母親にあたる女性。作中では既に故人。
ゲームシステム
戦闘
戦闘はコマンドバトル形式で、ATTACK、BREAK、GUARDの三つのコマンドが三すくみとなっており、それらを1ターン6セット選択することで行われる。
コマンドの三すくみはATTACK>BREAK>GUARD>ATTACKとなっており、相手より有利な手を選択すると攻撃が成立する。三手連続で攻撃が成立すると追加攻撃が発生する。
また、この三手の他にサーヴァントや一部のエネミーはスキルと呼ばれる特殊技能を持っている。スキルは相手の手に関係なく発動し、また両者が同じ手でスキルを選択した場合には敏捷・魔力等スキル発動速度の速い方から順に発動する。ただしこのスキルはMPを消費するため使いすぎないように注意。
アリーナ内のエネミーはそれぞれ特定の数種類の攻撃パターンを持ち、同タイプと戦闘を繰り返すことで徐々に相手の手が開示されるようになる(最大6手開示)。この開示パターンは周回プレイで別のサーヴァントでも引き継がれる。
敵サーヴァントは決戦までに揃えた情報マトリクスのレベルによって開示される手の数が決まる(最大3手開示)。
サーヴァントはそれぞれ「宝具」を所有しており、発動タイミングはそれぞれ異なるがいずれも戦況を一変させる効果を発揮する。
魂の改竄
サーヴァントのレベルが上がるとスキルポイントを獲得し、校内にある教会でサーヴァントを自由に強化することができる。
ステータスは筋力・耐久・敏捷・魔力・幸運の5つがありどれか一つに特化させることも可能。一定のスキルポイントを振り分けるとサーヴァントが新たなスキルを取得することがある。
このシステムは続編『CCC』では廃止され、レベルごとに決まった上昇をするようになっている。
礼装・コードキャスト
礼装はマスターの装備品で二つまで装備できる。効果は最大MP値増加や様々なコードキャストが使えるようなる。
コードキャストとはマスターが戦闘で使用できるコマンドで1ターンで1度のみ行使できる。効果はサーヴァントのHP・MPの回復や能力上昇、敵への補助攻撃など多岐に亘る。またコードキャストの代わりにアイテムを使用することもできる。
サーヴァントは自力では回復できないため、敵サーヴァント戦ではマスターの回復タイミングが勝敗を左右する。
マイルーム
サーヴァントと過ごすことができる個室。
シナリオの進行によって様々な会話イベントが発生し、アイテムをもらえたりスキルを獲得することもある。
最初はやや殺風景だが、各試合期間中に藤村大河からの依頼(タイガークエスト)をクリアすると様々なインテリアが飾られていく。
情報マトリクス
各マスターに与えられた情報端末の機能で、対戦相手の情報が記録されている。試合までの7日間で相手サーヴァントの情報を集めていくと戦闘時の開示パターンが増え、戦闘が有利になる。
また味方サーヴァントにもそれぞれ項目があり、最初は真名も伏せられているがストーリーを進めていくと徐々に開示されていく。
メディアミックス
コミカライズ
角川コミックス・エースより漫画化。作者はろび~な氏。全6巻。
サウンドドラマCD
マーベラスAQLより発売。脚本は九条ケント氏。全4巻。
基本は原作ゲームを元にしているが、一部コミカライズ版の要素を踏襲した部分もある。
TVアニメ
作品の正式名称は『Fate/EXTRA Last Encore』。
詳細は該当記事参照。
関連項目
TYPE-MOON Fateシリーズ Fate/EXTRAシリーズ
Fate/EXTRA100users入り Fate/EXTRA500users入り
Fate/EXTRA1000users入り Fate/EXTRA5000users入り