概要
アニメ『機動戦士ガンダム』に登場するジオン軍のモビルスーツ『ザク』の近接白兵用武器。ザクマシンガンと並ぶザクのトレードマーク。
本来は対艦・対建造物用の至近距離での切り付け攻撃武装だったが、敵モビルスーツの出現に伴い対モビルスーツ用兵装としても転用されるようになった。
使わないときはザクの腰部にマウントするほか、マニピュレーターなどの規格が合いさえすれば、ザク以外のモビルスーツも使用可能。
刃部をプラズマ化させ、金属を超高温で焼き溶かし斬る斧で、直撃さえすればザクマシンガンを受け付けない堅牢なルナ・チタニウム製の装甲を誇るガンダム相手でも致命打を与えることができる。
また、プラズマ化した刃はビームサーベルと切り結ぶことも可能。(演出的な見栄えを優先しての描写。富野氏の書く小説版では瞬時に打ち負けて溶断し、叩き切られる描写がある。後付けの設定では「ビームサーベル側のリミッターが働いた」、とされることがある。)
ただし、ビームそのものを刃として使い、当たりさえすれば対象をどの方向や角度からでも瞬時に溶断できるビームサーベルに比べると、実体の刃を持つが故に、限界温度や攻撃の方向および角度によるダメージの減退が存在するヒートホークの刃はどうしても威力の面でやや劣る(つまり「峰」や「剣脊」がある)ため、装甲の材質によっては対象に十分なダメージを与えるまでに時間がかかってしまう欠点もある。
更に言えば柄の長さや刃渡りの問題で、ビームサーベルに比べるとリーチや攻撃範囲にも劣っている(一部のエース専用機や改良型の中には、ヒートホークそのものを大型化・高出力化することで欠点を補っている機体もある)。
そのため、多くのザクパイロットが「ヒートホークを大上段に構え、勢いをつけて一気に叩き斬る」戦術を用いており、見栄えも良いためか「ヒートホークを頭上に振りかぶるザク」の構図は作中のみならず、様々なイラストやゲームの攻撃モーションに用いられている。
この武装は使い勝手や廉価生産が可能な点が良かったのか、戦後も地球連邦軍のハイザックが刃部が一回り大きくなった本装備を装備している他、ジオン残党軍も両刃になったヒートトマホークを使用している。
また、ネオ・ジオン軍や袖付きにおいてザクの立ち位置に当たるギラ・ドーガとギラ・ズールも本装備と似通った形状のビーム・ソード・アックスとビームホークをそれぞれ標準装備としている。
ちなみに、対するガンダムやジムをはじめとする連邦の汎用型MSの多くは、前述の通り当たりさえすれば方向や角度を問わず大きなダメージを与えられるビームサーベルを装備している関係上、横薙ぎや刺突といった威力よりも当たりやすさに重きを置いた戦術を用いることが多い。
余談
『機動新世紀ガンダムX』においても存在している。作中では旧革命軍系MSが主に装備している他プラモではガンダムレオパルドデストロイにヒートアックスと言うオプション白兵武装が追加されている。