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ケーブルテレビの編集履歴

2015-05-06 17:23:56 バージョン

ケーブルテレビ

けーぶるてれび

区域外放送局を苦労せずに見たいならこれ

ケーブルを用いて行う有線放送のうち有線ラジオ放送を除くもの。広い意味ではこれを中心として高速インターネット接続や電話(固定電話)なども含む複合的なサービスを指す。

主なサービス

テレビ放送の再送信

ケーブルテレビ局のサービスエリア内でアンテナを使って普通に視聴できる地上波テレビ局とBS放送やスカパー!に代表される衛星放送をケーブルテレビ会社が保有する受信点で受信して局が保有するケーブルを通じて加入世帯へ配信するもの。早い話は1本の大きなアンテナを皆で共有してテレビを見ること。

地域やケーブルテレビ局によっては本来その地域では受信できない放送局を再送信している場合があり、それは区域外再放送という。例えば群馬県栃木県茨城県などをサービスエリアとするケーブルテレビ局でのTOKYOMXの再送信や大阪府をサービスエリアとするケーブル局でのサンテレビの再送信などが当てはまる。地方のアニメファンなどはこれで助かっている人も多いのでは?

再送信の方式

テレビ放送の再送信を行う方式にはいくつかの種類がある。

  • パススルー方式

受信した放送信号を何も加工せずにそのままケーブルへ流す方式。加入者は通常のアンテナ受信と同じ感覚でテレビ放送を視聴できる。

このパススルー方式にも2種類あり、放送波に対してまったく加工せず受信した放送波をケーブルを通じて加入者に配信する同一周波数パススルー方式と、一旦ケーブル局側の施設でケーブルテレビ伝送周波数に変換して配信する周波数変換パススルー方式がある。

  • トランスモジュレーション方式

受信した放送波を一旦ケーブル伝送に適した信号に変換し、加入者はセットトップボックスを通じて視聴する方式。略称はトラモジ。以前はケーブルでの伝送に使える周波数が770MHz(UHF62ch)までに限られており、それよりも高い周波数で放送している衛星放送の送信にはこの方式が好んで使われていた。法改正で770MHzよりも高い周波数での伝送も認められるようになったが、設備の更新に莫大な費用がかかるので今も衛星放送だけトラモジで再送信するケーブル局が多い。

この方式には欠点があり、市販のレコーダーが使えない、使えたとしてもハイビジョンで録画できない、各テレビごとに1台ずつセットトップボックスが必要などで、これらは利用者の不満の元になっている。

後述する区域外再放送局だけトランスモジュレーション伝送を行っているケーブル局が多い。

高速インターネット接続

局やプランによって異なるがブロードバンド環境が今まで整っていなかった地域でも快適にYoutubeニコニコ動画を視聴できるレベルの速度を提供してくれる。

一例としてジュピターテレコム傘下のケーブル局では下りで最高160Mbpsを出せる。

共同受信設備

日本初のケーブルテレビは1955年に群馬県の伊香保温泉でNHKが難視対策実験として始めたものが最初とされる。だが実際は1955年以前より共同アンテナの設置は行われていた。その後も都市部や山間地の難視聴地域解消のために各地で共同アンテナとテレビ組合が作られ発展した。

ケーブルテレビのことをCATVと略すことが多いが、これは「共同受信」を意味する英単語「Common(Community) Antenna TeleVision」の略である。お間違い無きよう。

自主放送

ぶっちゃけた話、見たいテレビ局が見れればそれでいいのだが、ケーブルテレビ局によってはサービスエリアの地域密着情報番組を自社が保有するチャンネルで放送している。ちなみにP.A.WORKS製作のオリジナルアニメーション花咲くいろは富山県石川県福井県のケーブルテレビ局の自主放送チャンネルで放送された。ちなみに富山県では北日本放送が放送した。

区域外再放送について

日本のテレビ放送は都道府県単位または広域圏単位で放送エリアが決められている。しかし地方に行くとテレビ局が5局もないような地域が多い。そのような地域では隣接する地域の放送局をケーブルテレビが再送信することがあり、これを区域外再放送または区域外再送信という。地方ではこれ目的でケーブルテレビに加入する例も多い

青森県

青森県の下北半島に位置する風間浦村では県内の放送局(RABATVABA)を受信することが地形的条件から難しく、長年津軽海峡を挟んで30kmほど離れた函館中継局から送信される在北海道局を自力受信、あるいは村営のケーブルテレビで再送信していた。そのため風間浦村の村民の中には「青森県知事は知らないが、北海道知事は知っている」という人が居た。

地デジ化された現在は青森に系列局のないフジテレビ系列のUHBテレビ東京系列のTVhと地元局を村営ケーブルテレビで再送信しており、東北地方で唯一テレビ東京系列をケーブルテレビで視聴できる地域となっている。

また青森県にはフジテレビ系列局がなく、地元局がフジテレビの番組を購入して放送しているが、フジテレビ系列局を望む県民の要望に答える形で青森市や太平洋側の一部地域をサービスエリアとするケーブル局がフジテレビ系列局を再送信している。

広島県

広島県の三原テレビ放送、尾道ケーブルテレビではテレビせとうちの再送信を行っているが、2014年4月に突如「テレビせとうちの再送信は2014年7月までだからねー」と発表した。このように区域外再放送には突然中止となる事があり、やはり区域外局を見たいなら苦労してでもアンテナ受信をする方がいいだろう。(なお三原、尾道ともTSCの再送信が延長された模様)

長野県

長野県では昔から個人で大型アンテナを立てて東京のテレビ局を視聴する習慣があった。それに倣い、ケーブルテレビ局でも在京局を再送信していた。

しかし1998年11月に起きたインフォメーション・ネットワーク・コミュニティでのTBS他在京局の再送信中止は加入者に地元局の信越放送に対する不信感を生ませたり、INCの解約も相次いだ。詳しくは信越放送の記事を参照してほしい。

地上波テレビ放送のデジタル化に伴い「視聴習慣の激変緩和措置」の名のもとで一応長野県で在京局再送信は行われていたが、テレビ東京を除き2014年7月を持って終了した。


なお長野県南部の泰阜村では村営ケーブルテレビの「泰阜村コミュニケーションネットワーク」で愛知県の民放全局(東海テレビ中京テレビCBC名古屋テレビテレビ愛知)を、阿南町でも町営のケーブルテレビでテレビ愛知が再送信されている。当然だが地元局も一緒に再送信されている。

どちらもパススルー方式で再送信中である。

新潟県

上越市と妙高市をサービスエリアとする上越ケーブルビジョンではアナログ放送の頃からテレビ東京の再送信を行っていた。しかし弥彦山親局でのNHK新潟教育テレビアナログがテレビ東京アナログ親局と同じ12ch、UX新潟テレビ21がデジタルで23chを使用しておりチャンネル潰しが効いてしまうので一般家庭では受信できず、視聴習慣の激変緩和措置扱いとなり、2014年7月24日を以って終了となってしまった。

山梨県

山梨県首都圏に含まれるのに民放テレビがYBSUTYの2局しか無い。そのため足りない系列であるフジテレビテレビ朝日テレビ東京に加えてTOKYOMXテレビ埼玉チバテレビ(一部のみ)を再送信している。

自力受信が出来る地域もあるが、多くの地域ではは甲府送信所や富士吉田中継局などの物理チャンネル被せで受信不可能となっている。そのためケーブルテレビの需要は非常に高く、加入率は9割を越える。

県内のケーブルテレビ各社が共同利用する受信点は三つ峠に存在するが日本ネットワークサービスは上野原市の鳥井立に受信点を移転させている。この鳥井立の受信点はテレビ局アナログ放送中継局だった鉄塔を転用して設置している。

徳島県

徳島県は民放が日本テレビ系列の四国放送しかないが、多くの地域で生駒山または御坊中継局からの在阪局のスピルオーバーを受信でき、大型アンテナを各家庭で用意して足りない系列であるJNNANNFNNTXN、独立UHF局(TXNと独Uは一部地域のみ)を視聴してきた。

しかしデジタル放送に完全移行すると個人での受信が難しくなることが予想され、ケーブルテレビ各社はこぞって区域外再放送の同意を在阪局などと取り付けてデジタル再送信を行っており、結果として徳島県はYTVを除く在阪局とサンテレビが映ればの話ではあるが四国で最も深夜アニメに恵まれた地域になっている。

ただし四国放送と同じ日本テレビ系列の読売テレビだけはごくごく一部を除きデジタル再送信を行っていない。

佐賀県

佐賀県も徳島県同様民放テレビが1局しか無い。しかし多くの地域で九千部山にある久留米中継局や甘木山の大牟田中継局などからのスピルオーバーを利用して福岡県のテレビ局を自力受信したり、ケーブルテレビで県外局の再送信などが広く行われていた。また地域によっては長崎県熊本県の民放を見ている世帯もあった。

しかしテレビのデジタル化で「今まで当たり前のように見られていた民放が見られなくなるのではないか」という不安が県民の間で募った。そこで佐賀県と県内のケーブルテレビ事業者が出資して佐賀デジタルネットワークセンター(SDN)を設立。参加している各社はSDNを経由して福岡県の民放再送信を行っている。徳島県の場合と異なり、既に系列局が存在しているテレビ西日本のデジタル再送信もSDNに参加している各社で行われ、テレビ東京系列TVQ九州放送の再送信もSDN参加全社で実施されている。


なおアナログ放送の頃は民放の再送信を行っているケーブルテレビ局もあったが「福岡県の民放をSDNで配信する以上熊本民放をわざわざ再送信する必要性はない」と判断され、アナログ放送の終了と同時に在熊本民放のケーブル再送信は終了した。ただし自力受信できる地域もある。

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