本項では一作目『MOTHER』について記述する。
シリーズにおいては『MOTHERシリーズ』
続編については『MOTHER2』及び『MOTHER3』を参照。
タグを付ける上注意
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続編の場合、タグを付ける場合は本タグを付けずにMOTHER2もしくはMOTHER3タグを付けてください。
概要
1989年7月27日 6,500円(税別)にて発売された。
糸井重里プロデュース、作曲にムーンライダーズの鈴木慶一を起用。
キャラクター原画は南伸坊。
未発売に終わった国外版の流出ROMデータを元に、海外のファンがタイトルを『Earth Bound Zero』に変更したハック版を制作した。が、2015年についに・・・(後述)
キャッチコピーは『エンディングまで、泣くんじゃない』『名作保障』。
続編『2』と共にゲームボーイアドバンスに移植されている。
ストーリー
1900ねんだいの はじめ
アメリカのいなかまちに くろくものようなかげがおち
ひとくみの ふうふが
ゆくえふめいに なりました。
おっとのなは ジョージ。 つまのなは マリア。
2ねんほどして ジョージは いえにもどりましたが
どこにいっていたのか なにをしていたのかについて
だれに はなすこともなく
ふしぎなけんきゅうにぼっとうするようになりました。
つまの マリアのほうは
とうとう かえっては きませんでした。
1988年・アメリカの田舎町『マザーズデイ』。ここが平和だったのは、きのうまでのこと。
墓場からよみがえったゾンビや、狂った動物たちが、この町の住民を襲い始めたのです。まるで、何者かに操られているかのように。
このままでは、町が危ない!地球はどうなってしまう?大切な人達は・・・。
少年は決心し、家を出ます。
そして、いっしょに戦ってくれる友達を見つけながら冒険の旅はつづきます。
メインキャラクター
主人公
(デフォルト名:ぼく。小説版:ケン、ゲームブック:ダグラス、取扱説明書のステータス画面画像及び公式攻略本『マザー百科』での名称:ニンテン)
マザーズディに住むPSIの力を持つ少年。12歳。
赤い帽子に縞々の服という『MOTHER』の主人公スタイル。
(イラストによってはスカーフを巻いているものもある。)
小児喘息もちであり、排気ガスを吸うと咳が止まらなくなってしまい『ぜんそくスプレー』を使うまで動けなくなる。家族はパパ(名前不明)、ママ(キャロル)、妹(ミニーとミミーのふたり)の4人と犬(ミック)である。
攻撃、補助、回復と万能にこなせるまさに主人公。
しかし攻撃系PSIを一切覚えず、MOTHER2、MOTHER3の主人公が使える『主人公だけの特別なPSI』もない。バットなりで殴りましょう。
ただ『じげんスリップ』や『クイックアップ』などは彼専用PSIである。
(主人公だけの特別なPSI、じげんスリップ、クイックアップについての詳細はMOTHERシリーズのPK一覧を参照下さい)
正確なデフォルト名は存在しないが、発売元が任天堂のため『ニンテン』という超適当な名前を付けられていた。そのため『大乱闘スマッシュブラザーズ』ではこの名前で呼ばれ、『ネス』とは区別されている。
ちなみに、当時のゲーム界隈ではRPGのように主人公に自由に名前をつけることができるゲームにおいては、便宜上の名称をメーカー名のもじりにすることはわりかし多いことであった。
なお、名前の初出は公式攻略本『マザー百科』と言われているが、厳密には、FC版の取扱い説明書のステータス画面画像で、この際は『にんてん』とひらがな表記だった。(カタカナ表記になったのがマザー百科から)
ロイド
銀ぶちのロイドメガネを付けた銀髪のひ弱な少年。11歳。
サンクスビギングのティンクル小学校の生徒。
臆病ものでいじめられっ子であるが、幼き日にアインシュタインの相対性理論の本を読んで科学に目覚めたらしい。おかげで天才的に頭が良く、多くの発明をしており、機械に強い。そのため爆弾や銃、レーザーガンにロケットは彼にお任せ。
PSIは使えないが、前述した爆弾やレーザーガンは彼にしか使えない強力なアイテムである。
又、機械の類は彼がいないと話にならない。
また、一部のイベントをこなすために彼の存在が必要になる箇所もある。
アナ
金髪のツインテール(普段はピンク色の帽子をかぶっている)で、争いを好まない優しい女の子。学校で蛙の解剖の授業があった際、超能力でこっそり逃がすなど主な例。
年齢は12歳で仲間のロイドや続編のMOTHER2のポーラより年上である。
スノーマンの町はずれの教会に父と母と住んでいたが、突如いなくなった母を探すために主人公と共に旅に出る。強力なPSIの持ち主であり、回復・補助系そして攻撃系と、全て系統のPSIが使える。最後のほうに覚えるPSIの威力はとんでもないもので、敵を一瞬で屠ることができる。
(余談だが、彼女は自分の放ったPSIで敵が次々と倒れていく様を見たくはないと発言するなど彼女の優しさがわかる。)
彼女が居なくてもゲームクリアはできるが、ラストダンジョンがキツくなるほか、イベントを見逃す、グッズの持ち運べる量が減るなどのデメリットがあり、初回プレイでは仲間にしておくことをお勧めする。
バレンタインの町に住む不良少年で、リーゼントとサングラスの似合うブラックブラッド団(BB団)のリーダー。
子供のころに、両親を『ホーリーローリーマウンテン』の怪物に殺され、トラウマから荒れた生活を送り何度も警察の御厄介になる。
ある日町を訪れた主人公との戦いに敗れ、その強さを見込んだテディは『ホーリーローリーマウンテン』の怪物を倒すのを手伝ってほしいと頼み、主人公と共に旅する。
次回作のプーと異なり、一時的に仲間になるスポット参戦キャラクターである。
「本名はテディざえもん」という噂が町中で流れている。
サブキャラクター
キーワード&キーキャラクター
- PSI
MOTHERの世界においての魔法に代わる能力。
いわゆる超能力のことで、テレパシーやテレポートなどを使うことができる。
PSIの効果の詳細についてはMOTHERシリーズのPK一覧へ。
女王であるクイーンマリーが治める不思議な異国(異世界)である。
防具はここでしか手に入れられない。
旅の途中で覚えるのできる8つのメロディをつなげると出来るメロディ。
- クイーンマリー
マジカント国の女王で、大切な歌を思い出そうとしているが思い出せない。
毎夜うなされており、体調もすぐれないようだ。(主人公と似た顔立ちらしい)
- フランクリンバッヂ
危険なPSIであるPKビームγ(単体攻撃PKで、当たれば体力に関係なく即KO)を撃った相手に跳ね返せる。ただ、γ以外のPKビームには効果がなく、MOTHER2、MOTHER3のように雷やPKサンダーを跳ね返せる機能もない。名前の由来は、ベンジャミン・フランクリン(雷は電気だと言うことを発見・証明した人物)と思われる。
- きぼうのオカリナ
旅先で覚えたメロディを奏でることのできるオカリナ。
- ペンシルロケット
敵全体にダメージを与えられる小さいロケットで、日本で作られたモノをもとにして作られた米国製と思われる。ロイドにお任せ。
- KATANA
ジャパニーズKA☆TA☆NA…である。流石は日本刀と言える攻撃力で、その威力は全武器中最高。テディ専用。
- 帽子
アナの帽子。特別な時にだけかぶるらしいので、この旅はとても特別なもののようだ。
小説版『MOTHER』
正式名称『MOTHER-The Original Story-』。久美沙織作。
開発途中の資料とゲームROMを元に書かれた本であり、ゲーム本編と設定が結構違う。
いくつか例を挙げると、
など。
ロイドは意外と変わっていなかったりする。
特に終盤あたりにはダークな表現が多く、人によってはグロく感じてしまう人も多い。
だが、それらをくぐり抜いて、たどり着いたエンディングを是非とも読んでいただきたい。
本には様々の映画や雑誌のパロディも隠れており、見つけながら読み進んでいくのも一つの楽しみ方だろう。
その他事項
- 『MOTHER1』はエンカウント処理が移動の処理の前に行われるので、一歩も動いていないのに戦闘になる、ということが多々ある。エンカウント率自体も中々に高く、特に終盤は敵の強さがインフレを起こすこともあってかなりの難易度となっている。また、ドラクエ等における街から外に出たらフィールド画面に切り替わるものではなく、今でいうオープンワールドのように街から街への移動は道を歩くというもので、その広さはファミコンのRPGとしても結構広大。
- GBAの『MOTHER1+2』収録の『MOTHER』は実はファミコン版そのものではない。これは未発売に終わった海外版のROMの移植である説が有力。当初この海外版は非公式に出回っており『日本語版を改造したもの』と思われていたが、海外でこの海外版のプロトタイプカートリッジなるものが発見され、後に1+2版とほぼ同じだった事が判明する。オリジナル版との違いは『一部イベントが異なる』『オリジナル版にはないエピローグがある』『ラスボスの前に追加された通路がある』等。スタッフロールのBGMも実は『オリジナル』・『海外版』・『1+2』で全く異なる。海外版だと遊覧飛行のBGM、1+2版はパラダイス鉄道のテーマに変更されている。ただし、1+2版は公式でも内容に関しては言及しておらず、ゲームセレクト画面ではあくまでも国内版の赤カートリッジを模したものになっている。
- 他にもGBA版は『まちのちずがアイテムではない』、『エンカウント時が暗転ではなくモザイクがかかる』『ボタンを押しながら移動すると早く歩ける』といったものに変更されている。
- ファミコン版では一度も出てこなかったパパは海外版・1+2版のエンディングの最後にコートと帽子を着用した後ろ姿の男性がどこかで主人公に電話をかけているグラフィックが表示され、いわゆる「To Be Countinued...」にあたる会話をするシーンが追加されている。
- 糸井重里によると、任天堂にRPGのアイディアを熱弁したもののその時はこれといった反応はされずに終わってガッカリしながら東京に帰っていったが、しばらくした後にMOTHER開発の話が来たという。
関連イラスト
関連タグ
ギーグ イヴ(MOTHER) クイーンマリー エイトメロディーズ
(影響を受けた) スタンドバイミー
(影響を与えた) ポケモン ゆめにっき(フリーゲーム)Undertale
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そして...
2015年6月14日、シリーズ唯一、海外で発売された『Earthbound』(海外版MOTHER2)の発売20周年を記念し、ついに本作の公式海外版となる『EarthboundBeginnings』(非公式版名称『Earthbound Zero』)がWiiUのバーチャルコンソールとして配信スタートした。
- WiiU 公式サイト内 紹介<任天堂(日本)>
- WiiU 公式サイト内 紹介<米任天堂>