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Kawasakiの編集履歴

2022-01-08 07:37:27 バージョン

Kawasaki

かわさき

複数の意味のある固有名詞。本項目では川崎重工業のバイク部門について述べる。

曖昧さ回避

この項目では日本の二輪メーカー・川崎重工業(略称KHI・二輪部門は社内カンパニーの川崎重工業モーターサイクル&エンジンカンパニー)及び、2021年に分社化して新会社となったカワサキモータースの、特に二輪車関連をメインに記述する。


その他の意味については以下の項目をご参照のこと。

KHI全体について→川崎重工業

KHI以外の「Kawasaki」について→カワサキ


概要

Kawasaki(以下カワサキ)と言えば、日本の機械メーカー川崎重工業(以下KHI)のオートバイブランドで、KHI内で唯一BtoC(Business to Consumer)事業を担っており、一般の消費者に商品を提供する部門でもある。

そのルーツは1870年代に設立された「川崎築地造船所」にまで遡る(1896年に川崎造船所として法人化、1939年に川崎重工業となる)。同社は日本海軍の金剛型超弩級巡洋戦艦「榛名」を建造しており、三菱重工IHIと並ぶ日本三大重工の一角である。


pixiv上では同社製のバイクが取り上げられることが多いが、船舶(含む潜水艦)、飛行機鉄道橋梁・・・も手がけており、早い話が陸・海・空全ての乗り物を手がけるメーカーである。

また建設機械も手がけており、ユーロトンネルを掘削した掘削機11機のうち2機はKHI製である。

ちなみにバイク業界ではライバルである本田技研工業ヤマハ発動機も、多少のジャンルの差異はあれど、手広すぎるほどに様々なエンジン付き機械を手掛けている(当該記事参照)のが興味深い。


バイクメーカーとしてのブランドイメージカラーは(主にライムグリーン)で、全日本ロードレースで長らく鳴らしたディーラー系チームも「チームグリーン」を名乗っている。

日本四大メーカー中唯一MotoGPの最高クラスでのチャンピオン経験はない(中小排気量クラスでならある)が、市販車に近い状態で戦うスーパーバイク世界選手権では2020年まで6連覇という圧倒的な強さを誇っている。


よく知られている「カワサキか…」のコピペから、漢のバイク!すぐ壊れるし直せない!素人は帰れ!というイメージでネタにされたり擬人化されることも多いが、それはすでに過去のお話。

若者にプチ二輪ブームを起こすきっかけとなったNinja250、二輪車としては史上初のスーパーチャージャーを搭載したNinja H2シリーズ(←令和2年度の文部科学大臣表彰・科学技術賞を受賞)、4気筒・250ccの超高回転4ストロークエンジンを現代に復活させたZX-25Rなどはその良い反例で、今は消費者の埋もれているニーズを掘り起こしたり革新的なエンジンを採用することで新たな市場を切り拓く、現代で最もチャレンジングでクールなバイクメーカーの一つとなっている。


歴史

二輪車は1937年にKHIから分離独立した「川崎航空機工業」が戦後飛行機を製造できなくなったことによる民需産業への転換をきっかけに250CC以下のバイク用のエンジンを製作し他社へ供給することから始まる。当初は大日本機械工業という会社へ供給していたが、その当時は2輪車を製造販売する企業が100社以上もあり、大日本機械工業はその競争に敗れ二輪事業から撤退。川崎航空機も65CCエンジンを搭載した「川崎号」という名の、現在で言う原付2種クラスのスクータータイプのオートバイ(2段ミッション車のため厳密に言うとスクーターではない)を販売するも販売網がなく不発に終わった。

のちに大日本機械工業の社員が立ち上げた会社に出資して「明発工業(メイハツ)」を設立(翌年に川崎明発工業に社名変更、現在のカワサキモータースジャパンにあたる)、当初は川崎航空機が製造したエンジンを供給してメイハツ製の車体に搭載し、それをメイハツブランドで販売する形を取っていた。ちなみに「明発」は「明石発動機」の略で、「大阪発動機」を意味するダイハツや「東京発動機」のトーハツと同じ意味合いである。


その後カワサキ内で単車部を立ち上げ一貫生産を開始、1961年に目黒製作所と提携する一方でメイハツを吸収して「カワサキ自動車販売」と社名変更。「自動車」とあるのは当初360㏄の軽自動車も作る計画もあったためで、「KZ360」という試作車も製作していたが、他社に先を越されたことでお蔵入りとなった。

単車部設立後に発売した車種はメイハツ設計のB7とカワサキ完全設計のカワサキPETの2車種で、カワサキPETはホンダのスーパーカブに代表されるモペットタイプの2輪車だった。


1964年に販売不振となっていた目黒製作所を吸収、66年にカワサキ自動車販売が「カワサキオートバイ販売」に社名変更、69年にはKHI・川崎車輌(2021年に川崎車として再分社化)、川崎航空機工業が合併して新たな川崎重工業となる。更に93年にはカワサキオートバイ販売が「カワサキモータースジャパン」に名前を変更した。


3社の合併辺りで現在のKHIグループのコーポレートマーク(CI)となる「フライングK」を二輪部門の新たなシンボルマークとして制定、1978年ごろを境にカワサキのメーカーロゴも大文字タイプからヘルベチカフォントの「Kawasaki」となる。


フライングK及びヘルベチカフォントKawasakiロゴ

Z1000


旧カワサキ大文字ロゴ

kawasaki タンクロゴ


旧川崎航空機時代の単車部からスタートし、様々な事業部名に変更されながら活動してきた二輪部門だが、2001年にKHIでの社内カンパニー制の導入に伴い呼称が「汎用機カンパニー」となり、2010年に「モーターサイクル&エンジンカンパニー」へ変更されている。


分社化、新会社設立

「モーターサイクル&エンジンカンパニー」だった二輪車部門が2021年10月1日をもって分社化、「カワサキモータース株式会社」として新たに出発することとなった。社名については国内の販売会社であるカワサキモータースジャパン(KMJ)や海外法人の社名に合わせたものと思われる。併せて、KMJの株式をKHIから譲渡されてカワサキモータースの完全子会社とし、その代表取締役社長に女性を起用する人事も発表された。


分社化の構想は2020年11月に発表され、当初この時点で赤字に転落していたことからカワサキに対する危機感や二輪車部門を見限ったのかという空気感が漂っていたが、実際はそうではなく、KHI唯一のBtoC事業を担っていることもあり、刻々と変化する消費者ニーズに的確に応えるための分社化だった。


ブランドシンボルマーク(CIマーク)は、古くは1870年代から使われ、2007年頃までKHIグループ全体の社章として使われていた、通称「リバーマーク」(創業者の川崎正蔵が考案した「川」をモチーフとしたシンボル)を採用している。オートバイでは古くは目黒製作所を吸収した後の「若いカワサキ」をキャッチコピーとした頃の川崎航空機時代に発売された車種のタンクエンブレムに、近年ではNinja H2/H2RやZ H2などのフラッグシップモデルのカウル先端にそのエンブレムが装着されていたり、カワサキレーシングチームのマークとして使われているのは記憶に新しい。

それ以前は前述の通り、通称「フライングK」と呼ばれる二輪部門のシンボルマークがあったが、2007年以降はKHI全体のCIマークとして使われている。現在はKHIがフライングK、カワサキがリバーマークを使用するという、ある意味の逆転現象となっている(ただしKHIの一部子会社でもリバーマークを使用している企業はある)。


リバーマーク(Ninja H2ティザー動画より)


分社化で他社との連携を強め、イタリアのビモータや台湾のキムコなどとの関係を強化していくという。特にビモータは休眠状態であったところを2019年に現地法人と合弁会社を設立していた。


ライムグリーン

カワサキの二輪車を語る上で非常に欠かせないものとしてブランドイメージカラーのライムグリーンがあるが、元々は赤がイメージカラーだった(自社一貫生産を開始した際の市販車の不評を払拭させるために参戦したモトクロスレースで1-6位を独占したときの車体とヘルメットの色から)。

初めてライムグリーンのカラーを纏ったマシンが登場したのは1969年の「デイトナ200マイル」に参戦した時で、当時海外では緑は不吉な色と言われてた時代に「目立つため」の目的でライムグリーンを採用、既に他社が赤を採用していたのも要因のひとつでもあった。

しかしこれが意外と好評だったことや、70年代以降のレースでの活躍からいつしか「グリーン・モンスター」と呼ばれるようになっていた。

これがカワサキがライムグリーンをメインに使用している所以で、奇しくも採用から半世紀の2019年には鈴鹿8耐で26年ぶりの優勝を飾っている。


余談だが、ライムグリーンの発案者だった人物は後にヤマハのイエローストロボカラーも手掛けていた。


Let the good times roll.

ライムグリーン程は目立っていないが、もう一つ欠かせないものとして「Let the good times roll.」というフレーズがある。

このフレーズは90年代から現在に至るまで国内外の広告などでカワサキロゴの下に表記されているが、ルーツを辿ると半世紀近く前の1970年代にアメリカ市場への進出した頃まで遡り、アメリカ市場での宣伝コピーのフレーズとして使用されていた。当時は性能・価格・品質を訴求する広告が主流だったが、そこに「さあ、楽しくやろうよ!」と全く違う視点でカワサキのバイクをアピールしていた。

このキャッチコピーは当時900Super4(Z1)の登場と共に流行したが、80年代はほとんど使われなくなっていたところで92年頃に日本市場で再登場。以後20年以上の長きにわたりカタログや広告などのタグラインとして使用されてきた。

しかし、2013年のKHI社長交代の際にグループの新たなタグライン「Powering your potential」が制定され、二輪部門でもこのタグラインを使用することで一時消えてしまうこととなったが、元社員の間から「(Let the good times rollは)長い歴史もあることから二輪車部門内だけでも復活させてほしい」という声があり、その声に応える形で2019年後半ごろから再び使われ始め(この年の東京モーターショーのカワサキブースでも使わていた)、分社化による新会社設立の際に定義された「カワサキに関わる人すべての、よろこびと幸せのために」を表現するタグライン(ブランドミッション)として改めて採用された。

元々はアメリカ向けのキャッチコピーのため日本語訳はなかったが、新会社設立を機に「楽しんじゃえ!」という新たな意訳も設定された(ちなみにGoogle翻訳では「もっと楽しもうぜ」と訳される)。


補足ではあるが、このタグラインを後世に残そうと、賛同する元カワサキの社員の有志が集まって2009年にNPO法人「The Good Times」が設立されている。


当時の海外コマーシャル映像

(当時のフレーズは「Lets the good times roll」であったが、暫くして現在のフレーズに変更されている)


余談

非公式だが、Kawasakiをモチーフにした歌もある。


関連タグ

バイク レーサーレプリカ


Kawasaki

ZXR KR ZX-R KLX/Dトラッカー ZRX VULCAN

ZZR KS/KSR ZEPHYR KDX Z バリオス/

マッハ KH GPZ エリミネーター ザンザス NINJA

目黒製作所


本田技研工業

MVX NS NSR CBR VFR RVF

vtr250 XR マグナ JADE FORZA

スーパーカブ TODAY エイプ モンキー ゴリラ ダックス

ベンリィ モトコンポ BEAT DIO


YAMAHA

RZ TZR FZR YZF-R

JOG BW's パッソル シグナス TW セロー

マジェスティ SR400 ビラーゴ ドラッグスター VMAX TMAXWR250R/X XJ/XJR FJ/FJR FZ DT50

テッセラクト


SUZUKI

GSX-R RG-Γ RGV-Γ ハヤブサ 刀/KATANA アドレス GSR スカイウェイブ GAG チョイノリ

ストリートマジック/IIGS/GSX GS650G バンディット

GT SV

インパルス DR-Z400S/SM レッツ/レッツII


アプリリア

RS RSV


ドゥカティ


BMW


ハーレーダビッドソン


ピアジオ


MVアグスタ


外部リンク

カワサキモータース株式会社

株式会社カワサキモータースジャパン

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