2人は戦う。少女は"涙"と共に。少年は"死"と共に。
概要
原作:安里アサト、イラスト:しらび、メカニックデザイン:I-Ⅳ(アイフォー)によるライトノベル。
第23回電撃小説大賞の大賞受賞作の他、「このライトノベルがすごい!2018」の文庫部門にて新作1位及び総合2位を獲得した。既刊は2021年6月時点で10巻。
フラグメンタル・ネオテニー
派生作品その1。原作者自身の手によるカクヨム連載作品。
スピアヘッド戦隊転属前の幼き日のシンの戦いの日々を描く。
電撃大賞受賞作品の大先輩とは「第1巻(応募作)がクライマックスで、そこに至るまでの物語」「第2巻以降は(良くも悪くも)作風が別物」という点が共通している。そのため、やはり同様に見方によってはこちらこそが真のエイティシックスと言えるかもしれない。
下記の通り、第10巻として書籍化された。
オペレーション・ハイスクール
派生作品その2。学園パロディ、以上。
…と言いたいところだが、カクヨムで原作者自ら執筆した公式作品(のコミカライズ)である。
各巻サブタイトル一覧
- (無し)
- ラン・スルー・ザ・バトルフロント〈上〉
- ラン・スルー・ザ・バトルフロント〈下〉
- アンダー・プレッシャー
- 死よ、驕るなかれ
- 明けねばこそ夜は永く
- ミスト
- ガンスモーク・オン・ザ・ウォーター
- ヴァルキリィ・ハズ・ランデッド
- フラグメンタル・ネオテニー
- ディエス・パシオニス
あらすじ
サンマグノリア共和国、そこは帝国の兵器『レギオン』による侵略を受けていた。しかし、それに対して共和国も同型兵器を開発、かろうじて犠牲を出す事無く、脅威を退けていた。
……それは、あくまでも表向きである。
実際は共和国全85区画の外に『86区』が存在、そこで『エイティシックス』の烙印を押された少年少女たちが日夜《有人の無人機》として戦っていた。
(※電撃公式より引用。ピクシブ百科事典用に調整)
主な登場人物
- ヴラディレーナ・ミリーゼ(CV:長谷川育美)
通称はレーナ。スピアヘッド戦隊のハンドラーを務める白銀種の少女。生真面目な性格で共和国の現状や腐敗した軍部に反発している。優れた指揮管制能力を持つ。情報の分析や洞察力にも長けており、特に4巻以降ではごく限られた情報からレギオンの進軍経路を寸分の狂いなく予測してのける(1つ2つ外したなどのレベルではなく文字通り完璧に)など、知能が異常発達する異能者をして「化け物」とまで評された。階級は少佐。1巻終盤のある作戦での規律違反の責任をとり、2,3巻では大尉に降格するが4巻以降は大佐に昇格している。
通称シン。旧スピアヘッド戦隊戦隊長兼元第一小隊長。当時の階級は大尉。
<アンダーテイカー>は共和国時代からのパーソナルネーム。
夜黒種と焰紅種の混血の少年で、仲間には「鉄面皮」と言われるほどの冷静沈着な性格。
死神の異名を持ち、致命傷を負った隊員の介錯と戦死した隊員の名をその機体の欠片に刻み弔う役目を背負っている。
類い稀な操縦技術を持ち、「どうせオワタ式なんだから攻撃力を高めよう(意訳」と言う理由で高周波ブレードを用いた近接戦闘を主軸に生き延びてきたが、XM2に乗り換えても相変わらずである。
かつて元軍人の白系種の神父に匿われるも当局に捕縛されるのは時間の問題であったため、神父によりせめて生き残るための知識とあらゆる戦闘技術を徹底的に叩き込まれた。操縦技術もその賜物で、生身でも自分より大柄なダイヤやライデン、正規軍人すら瞬殺する強さ。加えて同世代の86よりも高い教養を有している。
第86独立機動打撃群
<>内はパーソナルネーム。旧スピアヘッド小隊出身者は共和国時代から引き続き同じパーソナルネームを使用する。
旧スピアヘッド戦隊副隊長元第二小隊長。黒鉄種の少年で当時は中尉。シンとは腐れ縁のような間柄で長い付き合い。よく気が利く戦隊の兄貴分。作中の描写からかなりの料理の腕を持つ模様。
戦闘では火力拘束での支援を得意とし、XM2乗り換え後は主砲にも機銃を装備している。
旧スピアヘッド戦隊元第三小隊長。翠緑種の少年で当時は少尉。通称セオ。少々口が悪い皮肉屋。絵を趣味にしており、戦隊員のパーソナルマークは彼が描いている。
戦闘ではワイヤーアンカーを用いた三次元機動戦を得意とする。そのためかXM2は標準仕様。
旧スピアヘッド戦隊元第五小隊員。月白種と天青種の混血の少女で当時は准尉。淑やかな性格でライデンと並んで料理上手。戦闘ではミサイルを用いた面制圧が得意。
…が、当然共和国時代はミサイルなど支給されないので本領発揮はXM2に乗り換えてから。
旧スピアヘッド戦隊元第六小隊長。瑪瑙種と金晶種の混血の少女で当時は少尉。シンに対して淡い恋心を抱いている。実は作者曰くバストは作中No.2。
戦闘では狙撃に長け長距離砲撃仕様の機体を駆る。そのためアニメ版ではシン同様XM2乗り換え後も機体アセンが変わらないが、ちゃんとコクピットにHMDが用意された。
- ダスティン・イェーガー<サギタリウス>
後に機動打撃群に加わる元共和国市民。レーナと同い年。
多くの86の同級生が死ぬのを座視していた側だとして、その汚名を雪ぐために自ら志願した。アンジュに気を寄せている。
- アンリエッタ・ペンローズ(CV:杉山里穂)
レーナの親友で知覚同調(パラレイド)の研究主任を務める白系種の少女。技術大尉、のち少佐。
理想を語るレーナに対し露悪的に振る舞うが、内心では幼い頃に周囲の圧力に負けた結果、エイティシックスの幼馴染一家や父親を破滅に追い込んだトラウマに苛まれている。
- フレデリカ・ローゼンフォルト(CV:久野美咲)
とある事情からエルンストに養子として匿われている少女。
10歳でありながら老成した喋り方と達観した価値観を持つが、根は年相応の子供。
シン達にあるレギオンの破壊を頼み、自身もマスコットという形で従軍する。
- ファイド
後述のスカベンジャーの1機。旧スピアヘッド戦隊以前からシンに付き従っている。例外的に高い知能を持ち、部隊の皆にも可愛がられている。
特別偵察任務の途中でシンを庇って大破したが、ギアーデ連邦によって回収された際にコアユニットの無事が確認された事から新ボディに載せ替えて復活する。
旧スピアヘッド戦隊
1巻にてシン達と共に戦ったメンバー。以下の面々は全員死亡している。
- カイエ・タニヤ<キルシュブリューテ>(CV:白石晴香)
第四小隊長を務める極東黒種の少女。階級は少尉。少年のような口調で話し、気さくな性格。戦隊で一番小柄だが、実はシンより年上。生身での戦闘力も持ち合わせており、原作4巻にて、ステゴロ大会で隊で一番大柄なクジョーを蹴り1発でKOし小隊長に就任した、というエピソードが明かされた。レーナが着任してから初の戦死者であり、物語のターニングポイントとなっている。
- ダイヤ・イルマ<ブラックドッグ>(CV:石谷春貴)
第五小隊長を務める青玉種の少年。階級は少尉。ややお調子者で状況のしわ寄せを食らうことが多い。上記のステゴロ大会でかは不明だが、かつてシンに挑み瞬殺された事がある。レッカ救援に向かう途中、自走地雷型の特攻により戦死。
- レッカ・リン<バーントテイル>(CV:石上静香)
第六小隊員。ダイヤの救援が失敗したため、脳を刈り取られる前に自決する。
- クジョー・ニコ<シリウス>(CV:村田太志)
第三小隊員。レーナ着任直前に戦死。
- ハルト・キーツ<ファルケ>(CV:山下大輝)
第一小隊員。緋鋼種の少年で隊のムードメーカー。特別偵察任務の直前に戦死、最後の死者となった。
その他の戦隊員
- 第二小隊
- マシュー・ナナキ<ワルプルギス>
- チセ・オーセン<グリフィン>(CV:小野将夢)
- クロト・ヒニエ<マンティコレ>
- 第三小隊
- ミナ・シロカ<アルテミス>
- ハリズ・センヤ<キャタナイン>
- マイナ・ヤトミカ<マーチヘア>(CV:風間万裕子)
- 第五小隊
- カリヤ・ロウガ<ラ・ベート>
- シュリ・ジリス<デンドロアスピス>
- 第六小隊
- オーチ・アントン<グラディアトル>
- イオ・ドーダンセー<アルゴス>
その他の主要人物
サンマグノリア共和国
- レフ・アルドレヒト(CV:楠大典)
スピアヘッド戦隊の整備班長を務める壮年の男性。階級は中尉。
整備兵として、長年エイティシックスを見守っているが、無茶な駆動を繰り返し機体を壊しまくるシンをいつもどやしつけている。実は出自にある秘密があるようだが…
- ジェローム・カールシュタール(CV:三上哲)
レーナの上官。数少ない正規軍人の生き残りであり、レーナの父親とは友人であった。
共和国の腐敗を憂いつつも、絶望と諦観に心折れて現状を受け入れている。
- ショーレイ・ノウゼン<デュラハン>(CV:古川慎)
シンの兄で、通称レイ。年の離れた弟のシンを溺愛していたが、両親の死と戦時下の極限状態からシンを絞め殺しかけてしまい、そのまま和解することなく従軍する。
その中で視察中に乗機を撃墜されて戦地に残されていたレーナを救出しており、この出来事が彼女の原点となっている。
5年前に既に死亡しているが、シンは今も彼の事を追い続けており…
ギアーデ連邦
先に言おう。上層部は頭のおかしい人ばっかである。革命家とその手足だったから是非もなしか。
- エルンスト・ツィマーマン(CV:内田夕夜)
連邦成立以来10年の間暫定大統領を務め続けている男性。
特別偵察任務の末に連邦に保護されたシン達を引き取る。
表向きは温和だが、普遍的な正義や平等を実現できない国(人類)なら滅んでしまえと本気で言い切れる理想主義の革命家であり、いわば「火龍」。要するに狂人。
しかし10年善政を敷いてきただけあって現実を見据える眼は持ち合わせており、モルフォ討伐作戦では部下に凄まじい気迫で釘を刺しつつも、シンたちを敵中枢への鉄砲玉とすることを苦渋の末認めている。
- グレーテ・ヴェンツェル(CV:植田佳奈)
シン達が連邦で最初に所属した一〇二八試験部隊の部隊長を務める女性軍人。階級は中佐。
本作では…というか二次元では珍しく女性兵士らしい髪型の色気の欠片もないお方。
レギンレイヴの設計・開発者で本人もレギンレイヴを乗りこなせる。要するにこの人も狂人。
擁護しておくと人外に空を奪われた元空軍なので足のついた戦闘機を、CV植田佳奈なのでうっかり開発してしまっただけかもしれない。テストパイロットを務めた元86たちに機体の不平不満を述べる概念が欠如していたこともつけ加えておく。
連邦におけるシン達の理解者であるが、その上で彼らに日常に帰ってほしいという自身の正義を彼らに押し付けることもいとわない。
どちらも「自身がシンたちと同じ世代の頃に恋人がレギオンとの戦いで戦死」して「もっと早いフェルドレスがあれば」と思ったことが原因と思われる。
しかしてその実態は恋人の出身は戦闘属領の叩き上げ…つまり被差別民族上がりの少年兵であった。つまり、シンとレーナが恋愛的な意味で辿りかねない最悪(は今では《羊飼い》化なのでその一歩手前)の未来を辿ってしまった女性である。
- ヴィレム・エーレンフリート(CV:興津和幸)
連邦軍西方方面軍参謀長。グレーテとリヒャルトの同期で階級は准将。
口の悪いリアリストだが、「連邦には代えの効かない人間はいない。良くも悪くも」と彼もまた彼なりにシン達を気にかけている。むしろモルフォ討伐作戦が一度失敗した際には上層部の責任としてシンたちの撤退を提案したほどである。
かつて戦死したグレーテの元恋人とは彼女をめぐる恋敵にして友人だった。
とここまで書くと冷酷だが常識ある将官、キレ者の頭脳派に見えるが、若い頃はどっかのお人好しの死神さん同様の白兵戦キチ○イで、通称“人斬り蟷螂”あるいは“エーレンフリートの人斬り庖丁”。というか、歩兵用装甲服で近接猟兵型とキャッキャウフフしていたので死神さん以上である。
シンが職業キャリア的な意味で辿れるかもしれない最高の未来…かもしれない。
共和国製ジャガーノートのレギオン側戦力評価が装甲歩兵扱いなので、名無しの86が乗ったジャガーノートと全盛期の准将なら多分准将のほうが強い。
- リヒャルト・アルトナー(CV:山本兼平)
連邦西方方面軍第177機甲師団師団長。隻眼。階級は少将。
グレーテとは陸軍大学の同期だが、軍歴は一回り上なので「先輩」と呼ばれている。
シン達を「哀れな子ら」と呼ぶ一方で「戦場が産んだ化け物」として危険視しており、分散して運用した結果一般兵の悪評を生む原因を作った。
…のも事実ではあるのだが、その長い軍歴と将官としての立場から「兵士として完成され、戦場を忘れられなくなった者」の末路を幾度も見てきた、グレーテとは全く違うベクトルでのシン達の理解者でもある。
その方向性の違いはシン達の社会復帰を諦観している点に表れており、彼らを分散運用したのも無茶な作戦に投入されて使い潰されるのを避けるため、敢えて分不相応な評価を与えるのが目的であった。
実際に彼らに特攻同然の任務を命じなければならなくなった際には彼らにそれを命じる役を引き受けるなど苦労人かつ汚れ役な人。
というかキチ○イしかいない連邦軍上層部名前付きキャラクター唯一の常識人。
だったのだが…
- ユージン・ランツ(CV:田丸篤志)
連邦で妹共に暮らす白銀種の少年。元帝国貴族だが、両親を亡くしている事もあって家庭の金銭事情は苦しいため、従軍を希望している。
シンとは特別士官学校の同級生として親しくしていたが、激化する前線で長距離砲兵型の砲撃を受けて戦死。
ロア=グレキア連合王国
王家に異能を引き継ぐ北の大国。国の上層部は(絶対王政ゆえの前時代的な部分はあれど)連邦に比べてかなりまとも。だが1人の王子がその印象すべてをぶっ壊す勢いの狂人。
- ヴィークトル・イディナローク
ロア=グレキア連合王国第5王子。愛称はヴィーカ。18歳の若さで南方方面軍総司令官を務める。機動打撃群の連合王国での作戦に際し中佐としてレーナの指揮下に入り、以後エイティシックス達と行動を共にすることが多くなった。
知能が異常発達するが、代わりに倫理観を失う異能「紫晶」の継承者。亡くなった母に会うために、母の遺体から(勝手に)取り出した脳の構造を元にして人工知能マリアーナ・モデルを開発した。この人工知能はレギオン制御システムの原型となっており、エイティシックス迫害の遠因となった人物の一人(シン達もレーナも、本人もそのことは微塵も気にしていないが)。またこれにより、王族の遺体を損壊したとして王位継承権を剥奪されている。
これだけだとただのサイコパスのようだが、一般的な倫理観について理解はできずとも逸脱しないよう気を遣ったり、自身の部下たるシリン達や臣下に対する王族としての責任感は相当しっかりしていたり、幼馴染を大事にしたりと完全に外道というわけでも無い。
戦闘では専用にカスタムされたバルシュカ・マトゥシュカを駆り、自ら最前線まで赴く。AI補助が前提の多重ロックオンシステムをすべて手動で、しかもAIより速く正確に操るというシンとは別ベクトルのバケモノ。パーソナルネームはガデューカ。
- レルヒェ
ヴィーカに付き従う少女。常に軍服姿で帯剣までしている。彼女を含め、ヴィーカの指揮する部隊にはシリンと呼ばれる少女兵が数多く所属しているがその正体は…
- ザイシャ
ヴィーカの副官。野暮ったい眼鏡をかけた小柄なドジっ子。日常生活では全く頼りにならないが、任務は何故か完遂する。情報の処理・解析を得意としているような描写がある。
ちなみに「ザイシャ」はヴィーカがつけた「子ウサギちゃん」という意味のあだ名であり、登場からそこそこ経過しているにも関わらず11巻現在でも本名不明のまま。
ヴァルト盟約同盟
- オリヴィア・アイギス
MX2用の新装備「アルメ・フュリウーズ」の教官を務める軍人。階級は大尉。艶やかな長い黒髪と碧い瞳をもち、戦死した婚約者と同じ香水をつけている。パーソナルネームはアンナマリア。
混血だが青玉種の異能の血統であり、「3秒先までの未来を見る」異能を有する。シンと渡り合うほどの技量を持つ白兵戦特化のオペレーターで、国土の地形の関係で防衛戦が多いレギオンとの戦闘を「喰い足りない」とか言っちゃうヒト。要するにこの人も狂人。
フェルドレス
個別記事が存在する機体は、詳細をそちらで参照のこと。
本作の主役メカで、ヴァルト盟約同盟が初めて開発し実戦投入した有人多脚装甲兵器。
「戦闘車両と歩兵の複合」がコンセプトの汎用型陸戦兵器である。
同盟が旧ギアーデ帝国軍の15個戦車師団を撃退したことで脚光を浴び、各国で開発・運用が始まる。だが実際には従来型戦闘車両と比べ機動力と運動性勝り火力と装甲に劣る中途半端な存在であった。
しかしレギオンとの戦争によって各国の物的・人的被害が膨大となっていった結果、そのコンセプトが必要な人員と戦線に投入する資源を削減したい各国の思惑と合致、航空戦力の無効化もあり戦場の主役となった。
有人機であるがゆえに個々の性能ではレギオンに劣るため、戦術と物量で辛うじて対抗できている状態にある。
ギアーデ連邦にとっては、「フェルドレス」の名はレギオンら無人多脚装甲兵器と区別する意味合いもある。
ネーミングは英語の「バトルドレス」のドイツ語読み。
サンマグノリア共和国工廠開発の欠陥兵器。動く棺桶未満なアルミの棺桶。
ギアーデ連邦開発。M1A4をベースに機動性に特化した実質的な後継機で、“使いこなせれば”強力な最新鋭機。
ただし、搭乗者の安全が二の次なのは変わらず、元エイティシックス達もジャガーノートと呼んでいる。
スカベンジャー(M101バーレット)
フェルドレスではなくジャガーノートの補給支援機。正真正銘の無人機だが、搭載されているAIは単純な命令しかこなせない。
しかし戦場で残骸を漁る姿からスカベンジャー呼ばわりされている。
その他のフェルドレス
兵器そのものの説明は主役機の節を参照。こちらは主に各国の主力機体を記載する。
ギアーデ連邦
M4A3ヴァナルガンド
連邦軍の主力。全長6.5m、全高2.9m。複座式で第3世代。フェルスインゼル陸軍工廠開発。
120 mm滑腔砲と12.7 mm重機関銃2丁を装備し前面装甲は600mm圧延鋼板相当、八脚による巡航速度も時速100キロ近く、斥候型や近接猟兵型であれば充分に圧倒可能な人類最高峰の機体である。重装甲ゆえの鈍重さと有人機であることそのものが弱点となって総合力は戦車型レギオンにやや劣るが、統制をとった連携と人海戦術で戦線を維持している。シンたちの入隊前の時点で第三期改修型が最新モデル。
ロア=グレキア連合王国
バルシュカ・マトゥシュカ
主力の有人式フェルドレス。全長7.0m、全高2.7m。王属技術院第六工廠製開発。主戦場は氷雪地帯。
雪原似合わせて五対十脚の太く短い鉤爪の脚部をもち、安定した姿勢から一撃必殺を狙う。
また、環境のせいで本来軽量型レギオンを露払いすべき歩兵の運用が困難なため、フェルドレスとしては規格外の重武装と多重ロックオンシステムを擁している。
そんな武装は長砲身125mm砲、7.92 mm同軸機銃、14 mm旋回機銃、40 mm擲弾発射機×8。
ヴィーカ専用機「ガデューカ」は主砲を155mm砲、同軸副砲を7.62mmに変更している。
アルカノスト
無人半自律式フェルドレス。全長4.2m、全高1.8m。王属技術院第六工廠開発。
華奢な胴体に五対十脚の長い脚部をもつ。
武装は短砲身105mmガンランチャー、14mm重機関銃。
小型軽量を突き詰めてレギンレイヴ以上の運動性を得た一方、装甲はお察しであり生存性は極めて低い。制御用コアユニット「人造妖精〈シリン〉」はレギオンと一部似通った手法で作られている。
行動不能になったバルシュカ・マトゥシュカの搭乗者を保護するため、〈シリン〉が機体を譲渡し操縦を交代する場合がある。
ヴァルト盟約同盟
Mk6ストレンヴルム
全長4.5m、全高3.5m。ヤーセン第三工廠開発。主戦場は山岳地帯。
山岳地帯での機動性を確保すべく四脚に胴部の折りたたみ式補助脚、さらにグリフォンの翼と尾のようなスタビライザーを搭載している。
加えて一対の滑空翼によって極低空飛行を可能とし、迅速な戦線展開からの機動防御を行う熟練者なら滑空翼を用いた跳躍や急制動によるトリッキーな戦闘機動を行える。
武装も取り回しを重視した短砲身105mm散弾砲or40mmガトリング砲、両肩のパイロンに高周波ランスorワイヤーアンカーを選択式で装備する。
一方で山岳地帯で軽い機体で激しい機動を行うためにパイロットは装甲強化外骨格を着用祖なければならない。居住性も悪く、光学スクリーンではなく網膜投影で視覚を確保している。
ノイリャナルセ聖教国
機甲五式ファ=マラス
聖教国軍制式フェルドレス。全長7.0m、全高2.9m。聖教宮鍛治殿兵杖塔開発。
主戦場が白紙地帯(火山灰が降りしきる死の大地)と言う特殊な環境なため、火山灰に足を取られないことを優先して接地面積の広い鳥の翼のような八脚を採用している。
武装は120mmライフル砲、主砲同軸12.7 mm機銃、旋回式12.7 mm機銃。
重装甲高火力のコンセプトは連邦のヴァナルガンドに近いが、技術力の問題で総合性能は一段階劣る。
また、兵員不足が深刻な聖教国の事情により生存性を重視した設計となっており正面装甲の増加に加えて、主砲の機関部や弾倉すらコクピット前方に配置している。
機甲七式リャノ=シュ
機甲五式が管制する無人機。親機同様の接地面積の広い四脚。全長3.2m、全高1.6m。
武装は106 mm無反動砲×6、照準用12.7mmスポッティングライフル。
前方投影面積と装甲材の削減を図った急造品で、機動性・運動性は劣悪。
実質的な小型自走砲で、待ち伏せ射撃を主とした運用がなされる。
と、思われていたが…
レギオン
ギアーデ帝国が開発した生産から戦闘まで全自動で執り行う完全自立無人戦闘機械。
帝国は既に滅亡したが、それでも止まることなく全世界への侵攻を続けている。
詳細はレギオン(86)を参照。
コミカライズ
86-エイティシックス-
本編1巻のコミカライズ版で、ヤングガンガンにて連載中。作画は吉原基が担当。既刊は2021年6月時点で3巻。
86―エイティシックス― ―ラン・スルー・ザ・バトルフロント―
本編2巻からのコミカライズ版で、マンガUPにて連載中。作画は山﨑博也が担当。既刊は2021年6月時点で1巻。
86-エイティシックス- オペレーション・ハイスクール
作者が番外編としてカクヨムに不定期連載している「学園86(86-エイティシックス- オペレーション・ハイスクール)」のコミカライズ版。月刊コミックアライブにて連載中。作画は染宮すずめが担当。既刊は2021年9月時点で2巻。
86―エイティシックス― フラグメンタルネオテニー
本編10巻のコミカライズ版で、月刊コミックアライブにて連載中。作画はシンジョウタクヤが担当。既刊は2021年9月時点で1巻。
テレビアニメ
2020年3月23日にテレビアニメ化決定を発表。同年12月22日には放送時期が発表されている。
また、2021年3月27日のAnimeJapan2021内において、分割2クールでの放送であることが発表・判明されている。
第1期は2021年4月から同年6月までTOKYOMX、とちぎテレビ、群馬テレビ、AT-Xに加えてBS11とか日本テレビ系列局のごく一部などにて放送された。
第2期は2021年10月から上記の同局にて放送されたが、後半は制作遅れから特番や総集編を挟むこととなり、最後2話(第22・23話)は2022年3月の放送となる予定。
アニメーション制作は『SAO』シリーズ等を担当したA-1Picturesが、音楽は『進撃の巨人』シリーズなどを担当した澤野弘之・KOHTA YAMAMOTOが担当する。
制作スタッフ
監督 | 石井俊匡 |
---|---|
キャラクターデザイン | 川上哲也 |
シリーズ構成 | 大野敏哉 |
音楽 | 澤野弘之・KOHTA YAMAMOTO |
CG制作 | 白組 |
CG監督 | 吉田裕行 |
美術監督 | 野村正信・堀越由美 |
背景 | 美峰 |
色彩設計 | 安部なぎさ |
撮影監督 | 岡﨑正春 |
編集 | 三嶋章紀 |
音響監督 | 明田川仁 |
アニメーション制作 | A-1 Pictures |
主題歌
オープニングテーマ
「3分29秒」〈1−11話〉
「境界線」〈12話-〉
歌:amazarashi 作詞・作曲:秋田ひろむ
エンディングテーマ
「Avid」〈2−11話〉
SawanoHiroyuki[nZk]:mizuki 作詞:cAnON./作曲・編曲:澤野弘之/歌:mizuki
「Hands Up to the Sky」〈4、6、8、10話〉
SawanoHiroyuki[nZk]:Laco 作詞:cAnON./作曲・編曲:澤野弘之/歌:Laco
「アルケミラ」〈13話-〉
その他
AnimeJapan2021内において、TOYOTA86に本作品のラッピングを行った、「86」繋がりの痛車「エイティシックス号」が発表された。
エイティシックス号は、2021年3月28日から3月31日までアニメイト池袋本店にて展示された。
商品展開の一つとして、バンダイからは異例ともいえるキャラクタープラモデルがリリースされることになった。ジャガーノートおよびレギンレイヴといった作中のメカだけでなく、フィギュアライズというレーベルからレーナも立体化されたりしている。
関連動画
アニメ化決定映像
第一弾PV
第二弾PV
第三弾PV
関連項目
電撃文庫 少年兵 ミリタリーアクション 2021年春アニメ 2021年秋アニメ
電撃文庫関連
- キラプリおじさんと幼女先輩:同じ回の電撃小説大賞で受賞した同期作品。
- ソードアート・オンライン:電撃文庫のエースの先輩かつ展開繋がり。上記の通り「第1巻がクライマックスで第2巻以降は良くも悪くも作風が別物」、「第1巻以前の物語がネット小説として後に連載され書籍化」という商業展開が共通している。
同時期の作品
- 幼なじみが絶対に負けないラブコメ:前半クールと同時期にアニメが放送された電撃文庫刊行作品繋がり。
- ガールガンレディ:同時期に放送開始された特撮ドラマ。バンダイからプラモデルが展開されている点で共通している。
- サクガン / 境界戦機:本作の第2期と同時期に始まったロボットアニメ。両作ともバンダイからプラモデルが展開されているのも共通。ただし後者は2022年発売予定のプラモデルと並べることは可能。
- 逆転世界ノ電池少女:またも本作の第2期と同時期に始まったロボットアニメ。こちらは一部放送局の大半が共通されている。
作風・展開
- フロントミッション(フロントミッションファースト):非人道的な兵器が運用された戦争という点で共通する。
- コードギアス亡国のアキト:特定民族に対する隔離政策が行われている、死神と呼ばれる寡黙な少年兵と現状を憂う少女の指揮官が主人公などの共通点がある。
- 機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ:敵の無人機に苦労する、主人公の感情が薄い上に悪魔・死神と呼ばれる、ヒロインがメンタル面で成長するなどという共通要素が多く存在されている。
- Vivy-FluoriteEye'sSong-:やはり規模は違えどAIとの戦争などの共通箇所がある。本作の前期と近い時間に放送された。
航空戦力封殺繋がり
- 超攻速ガルビオン:人類同士の戦争に愛想をつかした異星人がバリアで地球封印。
- マブラヴオルタネイティヴ:超高精度の超長距離レーザーで地平線を超えた瞬間即撃墜。ちなみにテレビアニメは第2期と同時期に放送。
- 白銀の意思アルジェヴォルン:過去の大戦で暴走しポールシフトを引き起こした戦略マイクロマシン兵器が上空で休眠。再起動の条件がわからず接触厳禁状態。