「オイ、オ前!面白イ話ヲシロォ!」
「面白イ話ヲシテクレェェッ!」
データ
身長/189cm
体重/224kg
スキン/デジタルサーファー
概要
大富豪・豪田健太郎の「退屈を紛らわせる面白い話が聞きたい」という欲望を叶えるために誕生した、電磁モデルのヒトツ鬼。
シソツ鬼が、体のドーム部分(浮袋)に電子部品が納められた電気クラゲ(カツオノエボシ)のようなスキン・“デジタルサーファー”を身に纏った姿。
顔の黄色い眼は正面含めてドームの縁へ360度にくまなく配されており、まるで面白い話をするかもしれない人々を1人たりとも見流さないためにあるように見える。また、胸部分は波立ったクラゲの触手が複雑に絡まって構成されているように見えるが、左肩からはサーフボードの先端が飛び出ていて、波の間を潜るサーフィンのイメージも複合されている様子。
変貌時には「3・3・5」の変身音声と共に「髮サ逎∵姶髫」(電磁戦隊)の文字化けと、電磁戦隊メガレンジャーのクレストが浮かび上がる。
頭部のコンピュータにインストールされた、電子機器の機能を再現するメガトン級の技を行使することが可能で、使用の際は頭部の電子部品に再現した電子機器のシグナルが浮かぶ。
これを悪用し、適当な人を捕まえて退屈とはおさらばするために面白い話をするよう強制してくる。一般人にとっては怪物に話なんて恐怖のあまりできるはずもないのだが、そんなことはお構いなしに面白くないと判断するや「失格!」と掃除機の機能を発現し自身の体内に吸収してしまう。
一方で話が面白かったら「合格!」とその人を素直に解放する、ドンモモタロウの銃撃から捕まえていた人をかばう等、電磁鬼当人に人命を脅かす意識は一切存在しない。
また、戦闘では宙に浮くサーフボードを呼び出して、サーフィンしながら熱闘の波をくぐる縦横無尽の動きで高速滑走して相手を翻弄する。一方で宿主に戦闘をしている意識がほぼないので、反撃を許せば後はなし崩しに倒されてしまう程度の実力しかない。
活躍
とある日、シロクマ宅配便に荷物の宅配を頼んでいた豪田は、配達に訪れたタロウから「これで俺とあんたは縁ができた。何か困ったことがあれば相談に乗るが?」と言われたことに彼に興味を持ち、豪邸に招いて食事を振る舞った。
そして、望むものを全て手に入れた事で退屈な日々を過ごしていると打ち明けた上で、退屈を紛らわせる面白い話をして欲しいと要求するが、「俺は芸人じゃない。だいたい退屈なのは豪田さん、あんたがつまらない人間だからだ」とタロウに馬鹿正直な正論をぶつけられてしまう。
豪邸を後にするタロウを見届けながらも言われたことを気にしていた豪田は、執事に「何か面白い話をしろ」と命令するが、執事はまごまごした様子を見せる。すると面白い話を聞けない鬱憤やどうしても面白い話を聞きたい気持ちが混ざり合い、一気に欲望が加速した事で電磁鬼へ変貌。
人を超えた無茶振りの鬼と化して、自ら本社に乗り込んで社員にどんどん面白い話を要求しまくり、面白くなければ吸収したりと社内をパニックに陥れるが、そこにソノザに攫われて『初恋ヒーロー』の続編の執筆に取り掛かっていたはるか/オニシスターが出現。
「面白イ話ヲシロォッ!」
社員「てっ、天国の話をします……あっ、あの世〜…」
「……合格!行ッテイイ」
はるか「えぇ……良いのかいっ!」
しかし、後から続いてソノザが現れてシスターを攻撃をし始めたので、そっちのけで社員や無茶振りを強要したがドンモモタロウ等残りのドンブラザーズが参上。ドンブラスターをぶっ放すドンモモから社員をかばいながら逃げおおせた。
その後、とある浜辺で無茶振りしながら観光客を襲っていたが、再度ドンブラザーズと遭遇。
真一「ここで一句。『カキ氷 キンとこめかみ 初デート』」
「合格ゥッ!!」
はるか「俳句もアリかい!」
そのまま電磁鬼は襲い掛かるも、ドンブラザーズはアバタロウギアを使ってファイブマンへとアバターチェンジ。電磁鬼はファイブラスターの放つレーザーで怯んでしまうも、すぐさま召喚したサーフボードに乗って高速で翻弄しながら反撃するが、ファイブレッドにチェンジしたドンモモにサーフボードをVサーベルで真っ二つに斬られて頭から大転倒。
最期は起き上がったところに、ロボタロウにアバターチェンジしたドンブラザーズの「前人未桃・打ち上げロボタロウ」を受けて敗北・爆散した。
すると、暴走した欲望で電磁鬼ングとして復活。ドンブラザーズも負けじとドンオニタイジンを繰り出す。
豪田健太郎
電子機器を扱う企業・豪田デジタルホールディングスの社長。
豪邸に住んでおり、事業を成功させて全てを手に入れた結果暇を持て余し、面白い話を求めるために電磁鬼と化した。
自宅の大広間には今までに受賞した賞状やトロフィーの数々が飾られている他、趣味はサーフィン。手料理も得意らしい。
企業家として大成功を納めて燻ってはいたが、一方でそうした自分の経歴や功績に奢らず、いきなり手伝えることはないかと聞いて来たタロウを煙たがらず家に上げて料理を振舞う等、他者に対する敬意を出世しても忘れていない、人としての器量が大きい立派な人物。
それ故に、“自分が暇になった=これから進むべき道がわからなくなっていた”現状はとても耐えがたい感覚だったらしく、それを思い詰めた挙句退屈しのぎの面白い話に傾倒してヒトツ鬼を引き寄せることになったと推測される。
その内実と背景はある意味、30分前で主人公三兄妹が述べた「間違いを犯してしまう人間」の実例とも評せるだろう。
ドンブラザーズと戦っていた時の記憶は夢と認識する形で覚えていたらしく、解放後は「何か、面白い夢をみたような…」と豪邸前で静かに呟くのだった。
余談
- モデルは電磁戦隊メガレンジャー。スキンの「デジタルサーファー」はメガレンジャーが使う移動用アイテムサイバースライダーと主題歌の歌詞の一部と考えられ頭の部分はおそらくメガレンジャーの頭部についているエンブレムに、邪電王国ネジレジアの前線基地である要塞・デスネジロのイメージを複合させた物と考えられる。また、シソツ鬼ベースなのは、同作に登場した悪の戦隊及びこのうち1人を倒すため追加戦士の変身者が変装した姿を意識している物と思われる。
- 変貌する際の機械音声は、元ネタの変身グッズであるデジタイザーの物をそのまま使用している。
- この怪人が現れた回で鬼頭はるかが描いていた『初恋ヒーロー』は高校生の物語だが、この怪人の原典であるメガレンジャーも高校生達のお話であるという共通点がある。またそれを意識したのか、ドンブラザーズはメンバー全員が教師で構成されている地球戦隊ファイブマンにアバターチェンジしている(その際何故かドンブラスターまでファイブラスターに変わってる)。
- また、ファイブマンもメガレンジャーも共に初期メンバーのカラーと性別が『男性が赤青黒、女性が黄と桃』と一緒であり(ドンブラザーズとは1人だけ違う)。、アバターチェンジでは珍しく5人全員でチェンジを行っている。さらに初期メンバーがゴーカイジャー以前のレジェンド戦隊にアバターチェンジにしたのも今回が初である。
- 4人目の「タロウが原因/遠因で生まれたヒトツ鬼」である。
- 機械と動物が合わさったような見た目はネジレ獣と似ている。更にクラゲをモチーフにしたネジレ獣もいる。
- 一方全てを手に入れて退屈する豪田は、全てを失いメガレンジャーに牙を向けるDr.ヒネラーへのアンチテーゼともとれる。
- 「退屈を紛らわせたい」という欲望は、メガレンジャーの主題歌「退屈とはおさらばさ」という歌詞からか。
- クラゲと波の意匠はサーフィン→海→クラゲ、電磁→電磁波→波の連想から。
関連タグ
獣電鬼:元ネタの変身アイテムのSEが使われたヒトツ鬼の前例。
烈車鬼、超力鬼、手裏剣鬼:タロウがきっかけでヒトツ鬼化した前例。
宇宙鬼:同じ宇宙由来のスーパー戦隊モチーフのヒトツ鬼。ベースがシソツ鬼なのも一緒。
クラゲウニ怪人、クラゲカンス、氷度笠、溶解液サイマ獣ジェルーダ、クラーン星人ジェリフィス、海の拳魔ラゲク、ザイエン:歴代クラゲモチーフの戦隊怪人。
仮面ライダーゼロワン:電子機器を扱う企業の社長が、“夢に向かって飛ぶ”べく変身する仮面ライダー。
アナザーゼロワン:↑を歪めた存在。
アナザーフォーゼ:学園ヒーローを歪めたデザインとしたライダー怪人。
アナザーオーズ:一応社長(現王様)が変身するヒーローを歪めたライダー怪人。また行動理由が退屈しのぎだった点も共通する。
ネンドール:頭部の見た目が似ている。また、こいつが登場するゲームのアニメ版はメガレンジャーと同時期に始まった。
剛田武:宿主と名前が似ている(大富豪なのはつるんでいる方だが)。なお、中の人は30分前の世界で悪魔のヒーローを演じている。ドンブラザーズでは豪田がタロウに「どうだ、うまいか?」と言うシーンがあるが、彼を意識したのだろうか?
アカシック:部下たちを無茶振りに巻き込む秘密結社の首領。また、このキャラクターが出ている作品に出演している声優は特撮番組への出演経験があり、メガレンジャーの関係者もいる。