ムラホシ隊長「破砕されたネオメガスの細胞片から肉体を再現……何でもありですね、スフィアは」
データ
別名 | 新創合成獣 |
---|---|
身長 | 65m |
体重 | 3万t |
スーツアクター | 梶川賢司 |
概要
『ウルトラマンデッカー』第12話「ネオメガスの逆襲」に登場した怪獣。
第10話でデッカーに倒され爆散したネオメガスの棘の破片に残された遺伝子を、宇宙浮遊物体スフィアが利用して生み出したスフィア合成獣。
皮肉にも、第10話で設計者のシゲナガ・マキ博士が目論んだ「私の生み出したネオメガスが世界を救う」という野望と相反する結果となった。
劇中ではスフィアの中ではかなり重要度の高い怪獣であったらしく、スフィアソルジャーの護衛や傷の補填と他のスフィア合成獣よりも比較的優遇された扱いを受けており、スフィアザウルス同様にスフィアソルジャーへの指揮権を有していた(劇中でも、スフィアネオメガスがデッカーへの一斉攻撃を指示する場面もあった)。
外見
元の姿に比べ、スフィアゴモラやスフィアレッドキング程大きな変化を遂げてはいないが、新たに両肩と頭にスフィアが変形した棘や角が生えており、胸部のクリスタル状の部位もスフィアになっている。
顔や棘以外はほぼ身体中スフィアソルジャーのみで構成されている事を踏まえると、ビジュアルはオリジナルのネオメガスの外面のみをコピーしたというだけで、これまでの合成獣よりもスフィアの割合は圧倒的に多いと思われる。
追加で複数のスフィアソルジャーと更に融合すれば、両手をスフィアザウルスの前脚のように肥大化させたり、鎌のような一対の鉤爪状に変形させたりと、アタッチメントの如く腕の武装を変化させる事が出来る。
能力
オリジナルのネオメガスを倒して見せたデッカー・ストロングタイプと互角以上のパワーに加えて、スフィアの波動を含んだ緑色の熱線、テラフェイザーのTRメガバスターをマトモに食らってもなお20秒以上耐える程の防御力と、全体的な戦闘力が遥かに向上している。
反面、体重がオリジナルよりも5千トン増加しているためか動きはやや鈍重となっており、攻撃を当てる事自体はあまり難しくないのが救いか。
しかし、多少のダメージ程度ならば護衛のスフィアソルジャーが融合合体して肉体を再生する事が可能なため、腕や目立つ角を持つこの手の怪獣では珍しく部位破壊が事実上意味をなさない上にスフィアソルジャーがいる限り何度でも再生可能という厄介な特性を持つ。よって、倒すには護衛のスフィアソルジャーを分断した上で体内のスフィアごと全身を爆発させなければならない。
劇中では、肥大化させた両腕を地面に押し付けて根を伸ばし、前回のスフィアザウルスとは逆に地中にエネルギーを注ぎ込むという行動を取っていた。後に第14話にてこの行動は、かつてデッカーに倒され、細胞が残存していたスフィアザウルスを強化復活させるためだった事が判明する。
活躍
第12話
第10話で棘一本を残して撃破されたネオメガスだったが、TPUの迎撃を突破したスフィアソルジャーが棘に纏わり付き体部分を再生、スフィアネオメガスとなって復活し、地中へと姿を消す。
その後突如として街中に出現し、一年前にスフィアザウルスが出現した宇宙港を目指して進撃を開始。GUTSグリフォンからのハイパーソーンレーザーで角を破壊されるも、すぐさまスフィアソルジャーが破損場所に集結し再生、更に大量のスフィアソルジャーを展開し、GUTSグリフォンを窮地に陥れる。
この危機にハネジローはカナタにデッカーへの変身を指示(というか緊急変身させるべく空中に放り出す)。そうして現れたデッカーと交戦するも、ストロングタイプをも上回る怪力に加え、スフィアソルジャーからの包囲攻撃で圧倒。更に援護しようとしたイチカとリュウモンへ向けた光線を庇ったデッカーを変身解除させ、敗北へと追い込む(怪獣との戦いでは、これがデッカーの初黒星である)。
邪魔者がいなくなった中、大量のスフィアソルジャーと融合して、かつてのスフィアザウルス同様の巨腕を形成、目的の宇宙港付近に根を張って謎のエネルギーを地中へと送り込む。
一方、敗北した悔しさをバネにトレーニングに励むカナタ・リュウモン・イチカの三人に感化されたハネジローは、テラフェイザーのTRメガバスターを使用する事を提案。最終調整がまだで他にも幾つかのロックが掛かっており、エネルギー逆流による大爆発のリスクがあるものの、ハネジローは「私の努力で補います」と豪語する。
そして遂にテラフェイザーが出撃、これを迎え撃つべくスフィアネオメガスは巨腕を形成していたスフィアソルジャーの合体を解除し、包囲攻撃を仕掛けようとするものの、カイザキ副隊長の指揮の元、カナタ・リュウモン・イチカの三人他TPUの精鋭隊員達が地上から援護、スフィアソルジャー達を撃墜していく。
一方のテラフェイザーだが、スフィアネオメガスの猛攻の前に、TRメガバスターを撃つチャンスが作れず苦戦する。そこでハネジローは、またもやカナタに変身を指示(そのためにわざと後ろに倒れ、部隊を混乱させて無理やり変身チャンスを作る)し、再びデッカーが登場、テラフェイザーとの共闘となる。
デッカー達の息の合った連携により生まれた隙を突く形でTRメガバスターが発射され、スフィアネオメガスも光線で発射妨害を図る。だが、デュアルミラクルスカイスクラムで生み出したバリアで防がれて失敗、主砲の直撃を受けてようやく撃破された(テラフェイザーも無事であった)。
尚、今回の一件でよりテラフェイザーも完成に近付けるデータが集まり、アサカゲ博士はハネジローの戦闘データを持ち帰り解析を行う。しかし、その中に厳重にロックがかかったデータを発見し解除・閲覧、それはカナタとハネジローによるウルトラマンに関する会話データであり、博士は偶然にも誰がデッカーに変身していたか知ってしまうのであった…。
第14話
スフィアネオメガスが撃破された宇宙港より、スフィアザウルスが復活。カイザキはスフィアネオメガスが地下にエネルギーを送り込んでいた理由が、かつて倒されたスフィアザウルスを復活させるためだったと気付く。
第23話
余談
ネオメガスは『ウルトラマンダイナ』に登場したネオザルスのオマージュ怪獣だが、元となったネオザルスはあちらではスフィアには寄生されていない。
『デッカー』初出の怪獣を素体とした初のスフィア合成獣にして、一話の内ではなく話数を跨いでの再登場はこれが初めてとなる。
第12話で出現してロケ地になった場所は、平成ウルトラマンシリーズで数多くの舞台になったお台場である。また、デッカーとの戦いでビックカメラ京王調布店が破壊されているが、このビックカメラは前々作『ウルトラマンZ』第1話でゴメスが出現した場所と同じである。壊したのはスフィアネオメガスではなくデッカーで、今回は「壊しても良い」と許可が出た為に喜んで壊したとの事。
登場した第12話のサブタイトルの「○○の逆襲」という形式は、『ウルトラQ』第16話「ガラモンの逆襲」、『ウルトラマンティガ』第18話「ゴルザの逆襲」に続いて三度目である。後者はスフィアネオメガスと同様、以前戦った怪獣と同一個体の強化版が登場した。
また、「○○の逆襲」と聞いて別会社の特撮作品を連想した視聴者もいたらしい。
スーツは恐らくネオメガスの改造。このスーツは以前グルジオボーン→グルジオキング→グルジオライデン→ネオメガスと改造されてきた経緯があり、グルジオボーンから通算4回目の改造となる。
また、途中で肥大化した両腕はスフィアザウルスの流用で、「着けてみたくなった」と同話を担当した越監督がツイートしている。
関連タグ
ネオダランビア、ネオジオモス、ネオガイガレード:『ダイナ』に登場した、名前に「ネオ」が入っているスフィア合成獣。この内、ネオガイガレードはスフィアネオメガス同様、怪獣がスフィアに寄生されて生まれたスフィア合成獣であり、鎌状の腕を持つ点も共通している。
怪獣兵器:スフィアネオメガス同様、怪獣がスフィアと融合して誕生した生物兵器。
ゼルガノイド:人間によって作られた兵器がスフィアに寄生されて利用されるという経緯が、スフィアネオメガスと類似しているスフィア合成獣。
スフィアメガロゾーア:同作に登場した、元の姿から変異した部分が少ないスフィア合成獣。
カオスエリガル:こちらも普通の腕をしたオリジナルの怪獣が、メインヴィランに寄生されて鎌状の腕に変異した怪獣。
グルジオライデン:スーツの改造元の改造元。第12話に登場し、前話から登場している防衛チームのロボットに倒されたという共通点がある。