「ホーリーウイング!」
『Confirmed!』
カゲロウ「大二……あばよ」
大二「カゲロウ………」
「変身っ!!」
『Wing to fly! Wing to fly!』
『ウイングアップ!』
大二「うわあぁぁっ!!!」
『ホーリーアップ!』
『Wind!Wing!Winning!』
『ホーリー!ホーリー!ホーリー!ホーリー!ホーリーライブ!』
オルテカ「…なんだ、アレは…!?」
一輝「大二…!」
大二「オルテカ…お前に慈悲は、与えない…!!」
概要
ホーリーウイングバイスタンプをツーサイドライバーに押印し、ライブガンを引き抜くことで変身する仮面ライダーライブの強化形態。第26話より登場。
正式名称は「仮面ライダーホーリーライブ」。
2022年2月26日に「DXホーリーウイングバイスタンプ」の情報が解禁されたことで存在が発覚した。
「聖なるライブ」の名が示す通りどこか気高しさを感じる変身音になっており、よく聴くと鐘の音が入っている。
変身音は意訳すると「飛翔する翼/風よ!翼よ!勝利を!」
音声は今までと同様藤森氏。
初変身時には上述の流れでカゲロウが消滅する際に変化し残した黒い羽根が大二を包み、それらで形成された空間の内部で大二の周りを舞う羽根がホーリーライブの白に変わり、それを纏うように変身するという中々アツい演出となっている。
初登場以降は簡略化され、発砲と同時に背中から出現した翼に包まれ、羽根が弾け飛ぶとともに変身が完了する演出に抑えられた。
外見
ツーサイドライバーと同様のカラー。複眼や胸部パーツにはメタリックホワイトが使われている。
顔は蝙蝠が羽を開いたようなバットゲノムから一転、白鴉が羽ばたいて飛び立とうとしているような形状となっており、大二が成長して自身の心の闇=カゲロウから巣立ちしたとも取れる。
ボディのカラーも総じて、さながら大二の「優しさ」とカゲロウから受け継いだ「非情さ」を併せ持った審判を下す天使ともいえる。
スペック
身長 | 197.9cm |
---|---|
体重 | 108.5kg |
パンチ力 | 66.2t |
キック力 | 121.3t |
ジャンプ力 | 97.5m(ひと跳び) |
走力 | 1.3秒(100m) |
バットゲノムやジャッカルゲノム等の既存の形態から大幅に能力が上昇しており、スペックだけならばほぼ全ての項目でジャックリバイス以上の能力を発揮できる高い性能を誇る(キック力に限っては単純な数値だけならムテキゲーマーや仮面ライダーゼロツーにも匹敵する)。
専用OSであるライブシステムは「ホーリーライブシステム」へとアップデートされ、崇高な意志を凄まじい破壊力に変換・増幅し、身体能力を極限まで引き上げる。
背中に搭載された翼の「イノセンスウイング」は最高速度でマッハ4ものスピードによる移動が可能となっており、翼を展開すれば防御形態として様々な攻撃を防ぐことも。
宿主と悪魔のゴタゴタで様々な問題が見られたジャックリバイスと比較すると、大二らしく堅実なパワーアップとなっており、飛行能力を生かした三次元的な機動力とオールマイティーな攻撃手段で集団の敵をまとめて制圧することをコンセプトに設計されている。
さすがに元始の悪魔であるギフや、ギフと一時的に融合したアノマロカリス・デッドマンには苦戦を強いられるものの、ベイルに強化されたデモンズやギフテリアン(TURE)ではもはや相手にならないレベルの戦闘能力を得ている。
…しかし、カゲロウ=心の"悪"だけを消してしまったことで逆に精神面では弱体化した節が次第に顕著となり、「正義」に目が眩んで冷静な判断ができず、高いスペックや能力を活かせなくなり始める等手放しで「強化形態」とは言い切れない形態として描写されるようになってしまった。
やはり「光と闇」が両方あってこその人間という事なのだろう。
果てに39話で「人類が生き残るためにはギフへの服従の道しかない」「世界を守るために邪魔者を排除する」という結論に至った事で(悪い意味で)精神が安定し、ジャンヌやアギレラ相手にも容赦無く攻撃し圧倒する等、本来のスペックをフルに活かした暴走にも近い活躍を見せるもアルティメットの力を手にしたリバイ&バイス相手にはスペックの差から完敗した他、冷静さを取り戻したジャンヌにも(ベイルと元太/デストリームの戦いで隙を見せてしまっていたとはいえ)真っ向勝負で完敗している。
必殺技
- ホーリージャスティスフィニッシュ
「必殺承認!」
『Wing to fly! Wing to fly!』
『ホーリージャスティスフィニッシュ!』
ボタン必殺技。
背中から翼を展開して、飛び蹴りを放つ。32話ではライブガンで近距離からビームを放つパターン、36話では体を回転させながら斬撃を放つパターンを見せた。
『ガンバライジング』では空中を飛び回りながら銃撃し、飛び蹴りを放つパターンを披露している。
- ウイニングジャスティスフィナーレ
「ウインドチャージ!」
『Wing to fly! Wing to fly!』
『フライングアップ!』
『ウイニングジャスティスフィナーレ!』
ホーリーウイングバイスタンプの羽根を開閉し、トリガーを引くことで発動するウイング必殺技。
背中から翼を展開し飛び蹴りを放ち、バック宙で着地する。36話ではライブガンからビームを放つパターンを見せた。
ホーリーウイングバイスタンプ
「ホーリーウイング!」
本体カラーはツーサイドライバーやホーリーライブと同じ色。
活躍について
名目上は強化フォームであるのだが、作中での扱いが恐ろしく悪い為、その強化フォームとは思えない扱いの悪さから歴代シリーズを観てきた視聴者ですら庇い切れない人が多く、「ここまで扱いの悪い形態を見た事が無い」「歴代強化フォーム(ひいては歴代全強化フォーム)の中でもダントツで不遇」と評する程。
- ①販促期間の活躍の薄さ
初登場時はオルテカデモンズを圧倒する実力を見せ付けたが、その後ギフに敵わず敗北。勿論こればっかりは相手が悪過ぎたとフォロー出来る点もあるのだが、やはり登場した直後に強化形態の強さを魅せる事が出来なかったのは痛い。
更に初登場した次の週に既に作中に登場、(数値的には)スペックも格下であるジャックリバイスに苦戦していたり、その次の週にはオルテカが変身したアノマロカリス・デッドマンに敗北してしまう等ライダーの強さを見せる販促期間での活躍がとんでも無く薄い事が挙げられる。
メタ的な事を言うとオルテカと戦った28話は仮面ライダーリバイスの初登場回でもあったため、そちらを活躍させる必要があった(とは言え、中盤以降の強化形態の登場間隔が恐ろしく短かったのは良くなかったかもしれないが)。
また、必殺技の使い分けが出来ておらずキック技、銃撃技を双方の必殺技で使い、見た目上の違いもほぼ無く2つの必殺技の存在意義が殆ど無かった。
- ②戦績・活躍の悪さ
上記の戦績からも分かる通り、その後の活躍も目覚ましいと呼べる物では無く、
・敗北こそしなかったがフェーズ1であるラフレシア・デッドマンに苦戦し、美味しい部分はリバイスに持って行かれる
・第43話までは撃破がギフジュニアとギフテリアン(TRUE)しか居なかった(この事については大二役の日向亘氏も指摘している)
・生身の赤石英雄に変身した直後に瞬殺される(この時に歴代の強化形態の変身から変身解除までの最短記録=約3秒程を更新してしまった)
・極めて大量に出現したとは言え、雑魚戦闘員のギフジュニアの軍団を倒した後はヘロヘロになってしまっている
・更に追い打ちを掛ける様に現れたヘルギフテリアンにワンパンされる
・アルティメットリバイ・アルティメットバイスには(当然とは言え)スペックの差で大敗
・頭に血が上っていた時とは違い、冷静さを取り戻した基本形態のジャンヌ(ラブコフはクジャクゲノムに変身)にも一度完敗を喫する(しかも、この戦いは大二優勢では無く敗北するまでほぼ終始互角)
・性能差や体の負担により勝利を確信してヒロミを挑発をしたが、「全身全霊」を掛けた事により意地を見せ付けられた末にデモンズに相打ちに持ち込まれる
等が続き、強化形態とは思えない時期が終盤になっても続いてしまった事でホーリーライブの印象の悪化に貢献してしまっている(視聴者の中には「前形態かつ単なるフォームチェンジであるジャッカルゲノムの方が強いのでは」と評する声もあったとか)。
しかし苦戦しながらもリバイスらが合流するまでの時間稼ぎや彼らの不在時に襲撃したギフジュニア、ギフテリアンの軍団を1人で撃破したり、大二の闇堕ち後はジャンヌやアギレラを圧倒している等ある程度の戦果は挙げている(最初から敵ライダーだったらまだしも元々味方側だったのでファンの求めている結果とは掛け離れているが)。
- ③コンセプトの崩壊・存在意義の消失
そもそもこの形態自体がツーサイドライバーのコンセプトを崩壊させてワンサイドと化させている事も指摘される事が多い。
第44話にて遂にカゲロウが復活し、大二とカゲロウ、2人の力が合わさったエビリティライブが誕生したため、以降は全く登場せず最終回を迎えた。
ホーリーライブがスペックは申し分ない反面、変身者の精神を結果的に不安定にさせてしまった事やエビリティライブの変身音がやたら「パーフェクト」を強調していた事から、「“悪魔の力を借りて変身する”コンセプトの観点から見ると不完全なフォーム」の扱いを受けてしまっている(音声的にもホーリーライブは「仮面ライダー」と名乗らず、エビリティライブは「仮面ライダー」と名乗っている事からホーリーライブは不完全である疑惑が持たれていた)。
コレについてはあとがきで当初では「大二はカゲロウを乗り越え、打ち破るゴールを迎える」事になっていたのだが、「悪魔と人間を描く本作に於いて自身の悪魔を消し去る」ゴールは本当に正しいのかと疑問を抱いた製作陣の判断でエビリティライブが誕生したらしく、事実上ホーリーライブは「未完成のフォーム」、「エビリティライブに至るまでの中間フォーム」の扱いになっている。
加えて、フィギュア王No.297では「真っ白な大二は完成では無く未完成=欠陥品=ホーリーライブも欠陥品」なので予定を超えたエビリティライブを出した(要約)とも言われてしまっている。
強化前であるライブ自体の戦績が悪くなかったことも合わさって余計に「戦績の悪さ」と「不完全体さ」が目立つ結果となってしまった。
以上の通り悲しくも報われないまま終わってしまったホーリーライブだったが、デザインや変身シークエンスの美しさ等は一定の評価をする声もあり、客演や後の作品での活躍を期待するファンも居る(但し設定的にこの形態が理由無く登場してしまうとエビリティライブの存在理由や設定等が無くなって色々台無しになってしまうのだが…)。
余談
- 情報がリークされてしまった事もあってか、発売から2週間前とかなり早い段階での情報解禁となった(それまでこの記事は同名会社ネタで騙されないように警告していた)。
- 基本形態や派生形態がエビルと共用のため、強化形態であるホーリーライブがライブの初の専用形態である。
- その神々しい見た目や変身音、「ホーリー」の名から登場して間もない頃、視聴者からは「結婚式場で変身すると良さそう」、リバイス未視聴者からは「クリスマス限定フォームかと思った」と様々な声があった。
- 胸部装甲などがわかりやすいが、「烏天狗」もモチーフに含まれている。
- 更に言えば、仏教には、「天狗の魔縁」という言葉があり、それらは仏教の六道の輪廻から外れた魔界な為か、その魔界の事を「天狗道」という名称が付けられている。それらの様々な天狗の生き様そのものが、下記の37話以降の劇中の行動と似せている為、烏天狗は意図的なデザインだと推測される。
- モチーフになった白いカラスとは実在するカラスの一つ、アルビノのカラスを指す。
- 「白いカラス」は石ノ森作品には縁の深いモチーフであり、ハカイダーの乗るバイクの名前は「白いカラス」である。
- 37話辺りからほぼ大二が闇堕ちの様な状態となってしまい、ホーリーライブが天使のように見える事も含めて視聴者からは「堕天使」と称されている。
- 「holy」には「神聖な、聖なる」というプラスの意味の他に、「手に負えない、ひどい」というマイナスの意味もある。意図したものかは不明だが、第37話辺りからの大二の状態に奇しくも一致している。
- また、同じ読み方をする「holey」の「穴が開いた物」を意味する形容詞があり、「カゲロウ/エビルを失い、心に穴の開いた大二/ライブ」と評している様で、言い得て妙である。
- 因みに、狩崎はクロウバイスタンプの時点でのカゲロウor大二消滅のデメリットを解消しようと苦心していた。しかし赤石がカゲロウに使用を強行させ、結果的にツーサイドライバーのコンセプトが崩壊した形態になってしまった。ホーリーライブの不遇な扱いもそれが原因と考えると納得できる要素はあるだろう。誕生経緯の時点で不遇と言われればそこまでだが…
- ちなみに、ホーリーライブ登場から1度も通常のライブに変身していないが、これはカゲロウが消滅したことで変身出来なくなっているものと思われる。実際登場後のOPクレジットではライブ表記ではなくホーリーライブ表記に変わっており、別ライダーのように扱われている。
- 45話で久々にバットゲノムに変身。いよいよ変身できなかった疑惑が強まったが、その一方でライダー名はエビリティライブ表記となっていた(ついでに大二/カゲロウ表記になっていた)。
- 生物系のライダーで、強化形態でモチーフが丸毎変わるという稀な例の一つ。他にはオーズ/プトティラコンボ、バルキリー/ジャスティスサーバル等が該当する。
- 父である元太の変身するデストリームは悪魔に一切頼らずとも悪魔自身をエンジンにしていたベイル以上のスペックや性能を誇っており、最終盤で登場したジュウガもまた悪魔の力に頼らずして絶大な強さを誇っていたため、大二が真にカゲロウの力を必要としなくなるほどに成長を遂げた場合はホーリーライブも同じように強くなる可能性が大いにある。
関連イラスト
関連タグ
ハブライブ:ホーリーライブの不遇と省かれっぷりについて。
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