当記事は「ゼルダ姫」から分離・独立させています。
記事の肥大化を防ぐため、先方に当記事の内容を追加しないようお願い致します。
概要
第2作『大乱闘スマッシュブラザーズDX』から参戦。
ファイター番号は17、通り名はハイラルの王女。
純粋な女性ファイターとしてはピーチと並んで初。厳密には『初代』から出ているサムスがいるが、パワードスーツを着込んでいてパッと見は男性的であり、本人も女子供扱いされることを嫌う。
特徴
スピードファイターのシークに対して、「動きは遅いが魔法で強化した攻撃で闘う」という対になる性能が付けられており、華奢な見た目に反してパワーファイターとなっている(スマブラでの設定上、その威力は骨にまで到達する程らしい)。
攻撃の発生が軒並み早く、下必殺ワザ「ファントムアタック」(『for』以降)と相まって迎撃が強い。横スマッシュや上空中攻撃には相殺判定がないため打ち勝ち易いのも拍車をかけている。
反面、自分から攻めるのは少々苦手。武器判定などリーチのあるファイター相手だとこの欠点が顕著に表れる。
また、『DX』以外では軽量級に属しており、ふっとばされやすい。
横スマッシュ攻撃「シャイニングパームショット」は撃墜力、リーチ、持続がトップクラスの上に相殺判定無しと非常に優秀で、メイン撃墜択になり得る。2フレームおきではあるものの実質的に持続も長いため、引き横スマや崖上がりに置くだけでもかなりの脅威となる。
前 / 後空中攻撃の「稲妻キック」(通称:姫キック)は、発生が早い上に出始めで靴周辺を当てれば並みのスマッシュ攻撃すら超える強烈なふっとばしをお見舞いするが、それ以外だと極端に弱いカス当たりになる。
空前・空後で性能にまったく違いはない。OP相殺も別々となる。
当て加減はかなり微妙で、靴の先端(射程ギリギリ)でも密着しすぎてもカス当たりになる。その中間くらいで胴体に靴の部分をめり込ませるつもりで撃つとヒットさせやすい。
相手の大きさにもよるが下投げ→空後や空N→空前で割と簡単に稲妻を発生させられるのでコンボパーツにもなる。同じく下強で浮かせてから狙うのも可。
身も蓋もない言い方をすれば当たれば強いということ。これをどれだけ当てられるかが勝敗を分けると言っても過言ではない。
キャプテン・ファルコンの「膝」こと前空中攻撃「ストライキングニー」に匹敵するハイリスク・ハイリターンなワザと言える。
他の空中攻撃も撃墜力が高く、上空中攻撃「コンデンスブラスト」や下空中攻撃「マイルドメテオヒール」の吹っ飛ばし力は随一。
しかしどちらも発生が遅い上に、後者はカス当たりになりやすいなどお世辞にも使い勝手は良くない。
つかみは伸ばした両手より若干前に判定があり、そこから下投げ→空後(空N)コンボで火力を稼ぐのがメイン。弱攻撃を当てて即掴みも可能。ダッシュ掴みの範囲も広い。
低%なら台を使ったコンボもあり、台の下で下投げ→ジャンプして台の上で空下→上Bなどがある。
また、見た目からは想像できないが、後ろ投げでも崖端のマリオを100%程度から撃墜できる。戦場などなら土台の上での上投げでも撃墜可能。
必殺ワザ
通常・横・上必殺ワザは、『時のオカリナ』でリンクが使った魔法が由来。
ゲーム的には『DX』がゼルダ姫の初プレイアブル化となる。このため戦闘スタイルは本作独自のものとなっている。同じお祭りゲームでもゼルダ無双や厄災の黙示録とは大分異なる。
- 通常必殺ワザ:ネールの愛
水晶をまとって回転。攻撃と反射を兼ねたワザ。リンクの飛び道具は殆ど封殺できる。
出始め(4F)から発生直後まで長い全身無敵が付く上に、攻撃判定と反射判定も長く続く万能ワザ。
代わりに反射倍率は1.2倍と低め。
相手によりけりだがコンボを決められている時にこれで脱出することもできる。
しかしそれ以上に恐ろしいのはワザの威力。およそ13%ほどのダメージを与えるため緊急回避の代わりに擦っているだけでもかなり強い。ただしモーション直後は隙が生じるので読まれると手痛い反撃を受けることになる。
各種効果の発生がそれぞれ分かれており、無敵は4F-13F、攻撃は11F-22F、反射は5F-41Fとなる。実は復帰阻止にもかなり有効で、ルキナのような「無敵判定の付いた復帰ワザ」にも勝つことができる。コツは相手よりも一瞬早くネールを出すこと。成功すれば崖メテオになる上に、多段ヒットのため受け身のタイミングが取りにくい。崖メテオにならなくても外側に弾き飛ばすのでジャンプがなければもう帰って来れない。
名前は時のオカリナから。表現と無敵効果については未将崎雄著「リンクの冒険」と思われる。
この作品の初代ゼルダは封印術を使っており、全身をクリスタルに包んでガードしているため誰も手が出せなくなっていた。また強力な光で邪悪な存在を寄せ付けない。
- 横必殺ワザ:ディンの炎
火の玉を飛ばして爆発を発生させる。シリーズによって性能が異なるため動画を参照のこと。
最新作である『SP』においては起爆するタイミングは4つあり「最短距離を進む(19F保持)」「最大距離を進む(47F保持)」「19F~47Fの間でボタンを放す」「壁、床、天井などに接触する」ことで発生する。基本的にはボタンを放して任意のタイミングで起爆させることになるが、この場合は19F~47Fの間でしか任意起爆ができない(ボタンを即放しても最短距離まで進まないと起爆しない。つまり目の前の敵には当たらない)。
上下入力で軌道を変えられる。相手と距離が離れているほどダメージが増し、上下の移動の際は弾速が若干増す。
起爆前の状態なら反射されるのだが、その状況ならすぐに起爆するのでこちらにダメージが来ることはない。
復帰阻止に使うのが一般的だが、普通に撃っても躱されることが多い。コツとしては相手が空中横回避をしたら落下先を狙って起爆するべし。相手は硬直で何もできない(復帰距離を稼ぐために横回避をしており、ガノンドロフなどがよく使う)。また、相手にジャンプで避ける癖がある場合は、相手の少し上を狙うとよい。
復帰阻止向けかというとそれほどでもなく、空Nや空下、NBなどで直接阻止に行った方が勝率は上がるだろう。
『for』まででは空中で使うとしりもち落下になってしまうが、『SP』では何度でも使用できる。
ゼル伝とこの漫画は共通点が多く、刊行されたのも未将崎のコミカライズ版と同じく89年である。
- 上必殺ワザ:フロルの風
風の力で入力した方向にワープする。テレポート系の復帰ワザの中では唯一ワープ前後の瞬間に攻撃判定が発生する。尚且つガーキャンから繰り出せば70%ほどで撃墜も可能と破格の性能を誇る(下投げ→ジャンプして密着フロルも可)。ガノンドロフを78%から撃墜できる(クッパなら88%)。
特にワープ直後の攻撃はスマッシュ攻撃並みのパワーを誇る。ふっとびずらし次第だが、相手のダメージによっては1段目から2段目につながり、そのまま撃墜まで持っていける。
更に飛び道具に対するカウンターとして強襲も可能。また崖に追い詰められた時に裏をかいて中央まで逃げることもできる(大抵は後隙を狩られるのでお勧めしない)。
崖に対して普通に入力して飛ぶと崖掴まりになるが、移動時(出現時)に下方向に入力していると崖を掴まらずに攻撃判定を出す。このためネスの下スマで崖を掴めなくされても反撃することができる(崖掴まりの2Fがないため)。
- 下必殺ワザ(DX・X):シークチェンジ
謎解き音と共にシークに変身する。
元ネタは時のオカリナだが、乱丸著「リンクの冒険」に登場するゼルダは、変身魔法の使い手という独自設定がある。
- 下必殺ワザ(for・SP):ファントムアタック
ファントムを召喚し、自動で近くにいる相手を攻撃する。ゼルダの立ち回りの要と言うべきワザ。
ためた時間に応じて横薙ぎ→縦斬り→突進からの斬り上げと攻撃方法が変わっていく。
『SP』では脚→腕→剣→肩→胴→盾→頭の順にファントムを組み立てていき、ほとんどためなかった場合はキックやパンチで攻撃する。ただし、組み立て中にゼルダが怯む(攻撃を受ける)とその時点で崩れて消滅する。
崖を掴んでいる相手にこれを使うとかなり強力で、崖掴まりにも命中する。またファントム生成後すぐには突撃させず、ゼルダがジャンプして空後を置き、そこへファントムを突撃させるというやり方をすればジャンプ上がりも狩れる。
少し難しいが「めり込みファントム(フロントファントム)」なるテクニックもあり、これはファントム生成と同時にゼルダがファントムの後ろに隠れるというもの。これを使えば正面からの攻撃をファントムが庇ってくれるので被弾率が下がる。ファントムがアタックだけではなくガードもしてくれるという、姫に相応しい技と化す。
やり方は少々複雑なので解説動画など参照。
ただし足の速いキャラなら中距離の間合いを保ち、ファントム生成を読んで突撃して咎めて来るので、こちらもファントムに対する対応をしっかり見極める必要がある。
ファントムの体力は『for』では13%固定、『SP』ではためた時間に応じて3%~18%まで変化する。
意外かもしれないが飛び道具扱いのため、反射されたりむらびと(しずえ)にしまわれたりすることに注意。マホカンタをした勇者にも容赦なく反射される。
この作品のゼルダは魔族に肉体を奪われており、ファントムに憑依して戦うという設定である。
ちなみに未将崎の漫画版に登場する初代ゼルダは、魂だけの存在になっているため子犬の体を借りてリンクたちの冒険に加わっている。
- 最後の切りふだ(X・for):光の弓矢
一瞬で画面外まで届く矢を放つ。
シークとはダメージやベクトルなど細かい部分が異なり、ゼルダの場合は斜め上にふっとばす。
元ネタは時のオカリナに登場した武器・光の矢から。これをより強力にしたのが本作の切りふだである。
同じくお祭りゲームであるゼルダ無双にも輸入され、少し表現を変えているが厄災の黙示録でも使用している。
ちなみに「ゼルダが強力な光の力で戦う」という表現は、未将崎雄の漫画でも描かれている。
- 最後の切りふだ(SP):知恵のトライフォース
トライフォースの中に相手を吸い込んでダメージを与える。
1体しか巻き込めないが吸引範囲がかなり広く、終点ならわざと外そうとしない限りはまず外さない。
更に相手のダメージが100%を超えると即撃墜させる。ただし最後の爆発で100%を超えても撃墜にならないため注意。また吹っ飛ばしも弱い。
スマッシュボール版なら42.6%、チャージ切りふだ版なら64.4%を超えていれば撃墜できる。
際立った欠点がなく命中率も効果も高いという、紛れもなくスマブラでも最強クラスの切りふだである。
ちなみに元ネタは小説『暗黒トライフォース伝承』と思われる。この作品では邪のトライフォースなるものが登場し、リンクを吸い込んで封印している。
またワザの演出もブレスオブザワイルドのゼルダが使った厄災ガノンの封印とよく似ている。
変遷
リンクたちと同様、『DX』では『時のオカリナ』、『X』と『for』では『トワイライトプリンセス』のデザインを採用。
声の担当がどちらも水沢潤のためか、3作通して『DX』で収録されたものを使用している。
『DX』と『X』ではシークと切り替えて戦うファイターで、下必殺ワザ「シークチェンジ」を使うことでシークに変身する。シークも「ゼルダチェンジ」でゼルダに戻ることが可能。
『for』では3DSのスペックの都合で「シークチェンジ」と「ゼルダチェンジ」が廃止され、完全に独立したファイターとなった。
それに伴い、ゼルダには新たな下必殺ワザとして「ファントムアタック」が習得された。
『SP』ではなんと『神々のトライフォース』および『2』をベースとしたデザインに変更され、声の担当も『神トラ2』の藤村歩に。
更にこれまでの麗人ぶりから一転、「元気があってかわいい仕上がり」になった。
新たに百裂攻撃と百裂フィニッシュが追加された他、「ファントムアタック」の性能が大きく変わっている。
切りふだも、ゼルダとシークでそれぞれ異なるものになっている。
対戦におけるゼルダ
主な撃墜択は横強(先端が強い)、各種スマッシュ、空前/空後/空上、ガーキャン上B「フロルの風」、下B「ファントムアタック」(『for』以降)など。復帰阻止は基本的には横B「ディンの炎」で行い、行けそうなら空下でメテオを狙う。
外れるとリスクも大きいが下投げ→ジャンプ密着上Bという強力な壊し技もある。簡易版として下投げ→最速空上もある。これはリスクが少なくガノンドロフも100%から撃墜できるという優れもの。
ただし高%だと外側(ゼルダだとは逆側)にずらされる(ベクトル変更)と当たらないため、ゼルダ側もそれを読んで上Bや空後などを通す必要がある。
このように、火力稼ぎから早期撃墜、投げ撃墜まで持っているため、相手ファイターはゼルダには絶対に掴まれてはならない。
軽量級でありながら機動力が低いため長期戦は不利。相手に壊し要素を押し付け、復帰阻止をきっちり決めることが勝利の要となる。
崖狩りも強く、下Bでファントム待機→ゼルダはジャンプ上がり読みで空上という風に横と縦のラインから攻めることもできる。回避上がり読み、もしくはその場上がり読みで横スマを置いておくと持続に引っかかってくれる場合もある。
と、このように書くと撃墜力の高い火力キャラのように思えるが欠点も多い。
運動性能が低いため接近戦が弱く、キャラも大きいため密着されるといいようにコンボを決められてしまう。払い除けようにも空前/空後はカス当たりだと一瞬怯むだけで反撃されてしまい、空Nも同じような現象が起きやすい。
また打ち上げられたらふわふわ挙動のため着地を狩られやすい。急降下空Nで着地、裏をかいて上Bで突撃着地(失敗するとスマッシュの餌食になるのでお勧めはできない)、あるいは崖に向かってテレポート、もしくは落下しながらファントムを生成するなど自衛は必須(2段ジャンプの頂点くらいの高さからファントムを作ると崖に向かって突進してくれる。また崖より少し下でも最後まで生成すれば崖上まで攻撃判定が伸びる)。
足の速いファイターや飛び道具を持つファイターにはファントム生成の隙を突かれやすく、反射持ちに至ってはファントムは悪手でしかなくなる。ただし、反射が一瞬のみの技には、反射効果を持つNBの持続がかなり長いため、反射し返すこともできる。
撃墜力が高いと言ってもゼルダは足が遅い上に武器判定持ちにはリーチで負けており、攻撃を当てるのも大変である。
総評すると、
- 攻撃面は強く、掴みコンボやガーキャンなど強力
- 自分から攻めるより、攻めて来た相手を迎撃する方が得意
- 下Bのファントムアタックは、当てるためというより相手がどう対応するかを見てそこを狩る
- 全体的にワザは前隙・後隙があるものが多く、適当に使っていると差し替えしされやすい
- キャラが大きい上に足が遅く、空中でもふわふ挙動のため差し込まれやすい
- やられ判定が大きいのでいいようにコンボを決められやすい(コンボキャラの接近を許してはならない)
- 逆に飛び道具が主体のファイターには反射があるため有利
- ゼルダのBワザも二つが飛び道具なので反射持ちには不利
- 軽量級なので吹っ飛びやすい反面、上Bでの復帰力が高い
- 長期戦は不利なので復帰阻止や崖狩りを確実に決めないと体力負けする(特に重量級相手だと押し切られやすい)
- 切りふだの強さはトップクラス(ちょっとアレに思うかもしれないが、切りふだありかつタイマンならゼルダの勝率はかなり上がる)
これらのことからゼルダは、相手の動きをしっかり見て慎重な立ち回りを心掛ける必要がある玄人向けのファイターと言える。
そして軽量級と重量級の短所を詰め込んでしまったために、1on1のキャラランクでは『DX』から『SP』に至るまで常に下位に甘んじている唯一のファイターである。
スマブラを始めたばかりの人が見た目から選ぶこともあるだろうが、使う場合は辛抱強くテクニックを磨く必要がある。
幸いにもゼルダ使いの動画はYouTubeなどに多数投稿されているので、そちらを見て参考にするのもよい。
その他
勝ちあがり乱闘「狙われたトライフォース」
ROUND | 敵 | 備考 |
---|---|---|
1 | ワリオ | 初登場作品ではマリオの城を乗っ取った |
2 | クッパ | 初登場作品では国を支配した |
3 | Mii 剣術タイプ×5 | 軍団戦(3体ずつ)。全員イーガ団の衣装を着用 |
4 | キングクルール(ジャイアント) | 64のゲームではコングファミリーをダンジョンに幽閉した |
5 | ダークサムス | 吸収能力の持ち主 |
6 | リンク×4 | 全てダークリンクカラー |
BOSS | ガノンドロフ→魔王ガノン | ハイラル城を乗っ取ったり、ゼルダ姫や賢者たちを拉致した魔盗賊 |
トライフォースを狙う盗賊をイメージとした、または何かを盗んだことがあるファイターが登場する。ちなみにダークリンクは、原作のコミカライズ版にてトライフォースを狙ったり、ゼルダ姫に恋慕しているという独自設定がある。
デデデも食べ物を奪ったことがあるが、なぜかこの面子の中には含まれていない。
『時のオカリナ』を意識したのか、ラストバトルはガノンドロフ→魔王ガノンとの連戦。
何気にボス戦がガノンドロフ→魔王ガノンの連戦になっている唯一のルートである。
ガノン戦のBGMは「デスマウンテンBGM(新アレンジ)」で、本来流れる「厄災ガノン・第二形態」はガノンドロフ戦に回されている。初代ゼル伝のラスダンがデスマウンテンだからだろうか?
灯火の星
『ブレス オブ ザ ワイルド』でゼルダが声付きのセリフを発するようになった影響か、冒頭のムービーで一瞬だが明確に喋る場面が存在する。
ちなみに『スマブラ』で『ゼルダの伝説』出身ファイターが言葉を喋るのは初ではなく、『DX』ではシークが勝利演出で喋っていた。
ゲーム中では「闇の世界」のサブマップ「聖地」で必ず仲間にすることになる。
余談
実は初報時はシークのみ参戦が発表され、ゼルダは発売約2週間前のタイミングでサプライズ的に参戦が発表されたという経緯があり、『SP』のファイター番号にも反映されている。
…集合絵でバレバレだったとか言うな。