概要
「地中海」とは、複数の大陸、または大陸の一部(半島)によって他の海洋から区切られた海をさす。比較的深く、出入り口が海全体の深さに比して浅いため、海水がほかの海へ出入りしにくいという特徴を持つ。
一般的には、ヨーロッパ大陸とアフリカ大陸に挟まれたヨーロッパ地中海を指す。また、北米大陸と南米大陸に挟まれた海(カリブ海)を「アメリカ地中海」と呼ぶ事もある。大陸と島、又は島同士で挟まれた海を「縁海」という。縁海は地中海とは異なり、外部からの海流で海水が循環するのが特徴である。
様々な地中海
海名の後の陸地は、各地中海を挟む大陸や半島である。
- ヨーロッパ地中海:ヨーロッパ大陸とアフリカ大陸。一般的に言われる「地中海」。
- アメリカ地中海:北アメリ北米大陸と南米大陸。カリブ海とメキシコ湾で構成される。
- 紅海:アフリカ大陸とアラビア半島。
- ペルシア湾:ユーラシア大陸とアラビア半島。
- バルト海:ユーラシア大陸とスカンジナビア半島。
- 黒海・アゾフ海:ユーラシア大陸と小アジア半島(トルコ)。
- バフィン湾:北アメリカ大陸とグリーンランド。同名の湾がテキサス州に存在するので留意。
- ハドソン湾:北アメリカ大陸とラブラドル半島。
- 北極海:ユーラシア大陸と北アメリカ大陸。
- テチス海:ユーラシア大陸とゴンドワナ大陸。クジラ目やジュゴン・マナティ・ゾウ・デスモスチルス等の故郷。現存しない。ヨーロッパ地中海や現在のカスピ海やアラル海の元になったとされる。名前はテティスに由来。
ヨーロッパ地中海(いわゆる地中海)
概要
広義では黒海・アゾフ海・マルマラ海も含めるが、
一般にはトルコのボスポラス海峡(マルマラ海の西端)より南側を指す。
「地中海性気候」と言われる様に、沿岸の気候は独特であり、冬は温暖で夏は暑く乾燥しやすい。オリーブやオレンジ等の果樹が育ちやすい。
日本とほぼ同じ緯度である。南端のシドラ湾は屋久島や種子島と同緯度、北端のアドリア海の湾奥は稚内と同緯度にあたる。
沿岸の社会
時期を捉えれば航海がしやすく、古代からフェニキア人、ギリシャ人などが各地を結んできた。ローマ帝国が一時沿岸の全域を支配したが、その後は大きく東西に分かれ、さらに8世紀以降はヨーロッパのキリスト教圏とイスラームの境目になった。ただしこの期間も交易は行われ続け、イタリア諸都市やオスマン帝国、エジプトといった周辺諸国の発展の原動力となった。
かつて栄えた文明
周辺の国々
・モロッコ
・スペイン
・フランス
・モナコ
・イタリア
・マルタ
・リビア
・ギリシア
・トルコ
・エジプト
・キプロス
・レバノン
・シリア
思想・信仰
・大乗仏教
・マニ教
地中海と接する海・湾
・大西洋:地中海の西側。
・リグリア海:イタリア半島の北西側。
・チレニア海:イタリア半島の西側。
・アドリア海:イタリア半島の東側。
・イオニア海:イタリア半島の南側。
・エーゲ海:ギリシアとトルコの間。
・マルマラ海:トルコのアジア側とヨーロッパ側に挟まれる。
・黒海:マルマラ海を介してエーゲ海とつながる。
・アゾフ海:黒海の一部。
島および周辺の主要地形
・ローヌ川
・リビエラ
・ポー川
・クレタ島
・ナイル川
・死海
関連タグ
瀬戸内海 - 地中海ではないが地中海と似た縁海の例。