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テペウの編集履歴

2023-08-25 18:37:15 バージョン

テペウ

ほしよみのてぺう

『Fate/Grand Order』に登場するキャラクター。

曖昧さ回避

  1. マヤ神話における生命を創造した神の一柱。
  2. 『1』をモチーフとした『Fate/Grand Order』に登場するキャラクター。当記事で説明する。

概要

改めて自己紹介を。

私はテペウ。星詠みのテペウ。


Fate/Grand Order第二部第七章、『黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン』にて登場する現地人枠のNPC

ただし人間ではなく、恐竜人類(ディノス)と呼ばれる存在の一人。

大統領の見立てでは、人間換算で約90歳程度。実年齢は約1000歳。

ただし、ディノスは老いないので、身体能力面で高齢による不都合はない。


カルデアの者と事前に接触しており、自分達の世界が剪定される「ありえない世界」である事を知らされる。

しかし汎人類史と相容れない事を理解した上で、カルデア一行を外敵ではなく友人として迎え、そのまま知的好奇心と親切心から地下世界のガイド役を買って出た。


かつてデイノニクス11兄弟達のマスター(?)として彼らと関わっていた事や、姿形、そして非常に高い知能を持つ事からモチーフはデイノニコサウルス類の恐竜、デイノニクストロオドンではないかと思われる(ただ、彼の全体像をよく見ると、デイノニコサウルス類特有の後脚の巨大な鉤爪が見当たらない。一応鉤爪らしいものは見受けられるが、デイノニコサウルス類が第二指(人差し指)に鉤爪を持つのに対し、テペウは第一指(親指)にそれらしい爪がある。親指にも鉤爪を持つバラウルという恐竜もいるが、可能性は低いだろう)。


キャラクターデザインを担当したのは中央東口氏。また、他のディノスのデザインも担当している。


人物像

異聞帯の人類に相当する存在の一個体であり、見た目は恐竜そのまんま。

だがあまり知識欲が無いディノスの中では珍しく好奇心旺盛な変わり者で、着用している眼鏡が似合う非常に穏やかで理知的な人柄。

汎人類史の話を少し聞いただけで深く理解し、ミクトランには存在しないを聞いたイメージだけで写真のようなスケッチを描き上げる等、普通の人間よりも高い知能を有している。


汎人類史が持つ数多の歪みを積み重ねてきた「負」の面を理解し危惧しつつも、一方で様々な研究と発展による「正」の面も評価する等、偏見も無く視野も広い。


ディノス特有の思考なのか「世界とは滅びるもの」と認識しており、「自分が死ぬと世界が滅ぶ」という関係でも状況でもないから、(結果的に)世界を滅ぼすカルデアの行動も応援する」(要約)と発言しており、いわく「私たちとは前提が違う」というだけで敵対する素振りも見せない。


彼が知識を重ねたのは、元より我が強く「分からない事」に対して我慢できない性分だったため。昔はその知性から統一神の神官を務めていた事もあるエリートだが、それ故他のディノス達と考えが合わなくなり、その座を辞退。それ以降はミクトラン第一層の洞窟に居を構え、星詠み等の気ままな研究生活を送っていた。


基本的に非戦主義なため、主人公達に協力して以降エネミーとのドンパチなどの危険が増えた事には「やっぱやめとけば良かったかな」と後悔する等、わりと愉快でマイペースな性格でもある。


その一方で、思考と行動は合理的すぎるところがあり、とある理由で主人公一行がサッカ(ディノスの球技)の試合をする事になると、『決勝戦はどちらが勝っても目的を達成できる為、わさわざ戦う必要もない』という理由で棄権してしまい、観客やマリーンU-オルガマリーの不興を買った。

本人としては怒られた理由は分からないが、それでも自分の行動が原因である事は理解している。

なお、この思想はテペウに限ったものではなく、無駄なことにエネルギーを使うのを良しとしないディノス共通の思想である。


冥界線を越えた経験からガイド役として活躍する、かに思われたが、テペウの頃より変質した冥界線の魔境に唖然とするカルデア一行に、「ね?」と言ってごまかす、あるいは一瞬思考放棄しており、特に第三冥界の惨状を目の当たりにした際の反応は必見。


「ははは。どうなってんだいこりゃ。」


能力

カメレオンのように保護色を使って風景に同化できる体質を持つが、根っからのインテリゆえ戦闘能力は他のディノスより劣るらしく、本人いわく碌に戦った経験も無いとのこと。加えてカナヅチ。


しかしそもそもディノス自体の身体能力がかなり高いため、スペックで言えばサーヴァント並。生命体としてのレベルは消化器以外人間を遥かに凌駕しており、本人は積極的に戦いはしないが防衛においては無類の強さを誇る。


何より特筆すべきはディノス達の特徴の一つ、人類を優に超える明晰な頭脳(ダ・ヴィンチ曰くディノスは全員スパコン並の頭脳を持つ)を活かす事ができる知識欲。

他のディノス達は「無駄な事をしない」「生命として満たされている」という特性上、「特別」という概念が希薄。

しかしテペウは分からない事をそのままにできなかったため、他のディノスよりも頭脳明晰に見え、事実好奇心の有無から他ディノスとの印象は大きく異なる。


それまで無縁だった汎人類史の様々な仕組みや歴史を、基本的な情報を聴いただけで瞬く間に理解する様は、マシュから「一を聞いて十を知る」と称された。

サッカも選手より監督としての適性が強く、彼の考えた戦術でさほど強豪とは言えないチームを優勝させた経験もある。

世が世なら、間違いなく「賢人」と呼ぶに相応しい器の持ち主と言えよう。


この理解応用力は魔術においても発揮され、短時間レクチャーを受けただけでネモの復活施術に成功しているうえ、この時ぶっつけ本番にもかかわらず、術式の精度は単独でサーヴァント召喚に成功したに等しく、割とトンデモな事をやってのけていたりする。


関連イラスト

テペウとマリーンミクトランで野球

ジャングルの冒険


関連タグ

黄金樹海紀行ナウイ・ミクトラン


恐竜 インテリ


恐竜人レプティリアン:恐竜・爬虫類系の亜人種。見た目は恐竜そのままなディノスとは異なり体の構造も人間に近いとされる事が多い。
































この先ネタバレ

















カルデアが第七層の天文台に辿り着いた事で彼の過去が判明。


かつて『太陽の教え』に従う神官であったが、同時に天文台に勤めるディノスだった事も判明。

ククルカンが神として顕現した場にいたディノスでもあり、羞恥心を覚えた彼女から服を剥ぎ取られたらしい。


しかしとある理由から自分の無力さを痛感し、「自分が幸福なディノス」である事を許さず、第一層に引きこもって『ある研究』を続けていた。


そして意外な能力を保有している事実も明かされる。

ラスプーチンによると、「汎人類史の所持者たちと比べるとその力は微弱なためメリットが少ないが、同時に彼らよりデメリットも少ない状態」であるらしい。



















異聞帯の賢者の最期












ついに目覚めたORTや同時に放たれる空想樹の種子により異聞帯は蹂躙されていく。

第七異聞帯を観測し続けたイシュキックもORTの侵攻によって命を落とし、メヒコシティはオセロトルや都市神の決死の抵抗も空しく、僅かな時間を足止めしたのみで陥落。

街


僅かに稼がれた時間を使って、ORTの心臓であるミクトランの太陽をチチェン・イツァーに持ち去って隠匿する等死力を尽くし、カルデアも既に召喚されて冥界線に待機していたサーヴァントたちをはじめ、サーヴァントを大量投入し、あらゆる犠牲を払いながら決死の防戦を続けていた。


その頃生き残ったディノス達は、何となくチチェン・イツァーに集まっていた。

その高い精神性ゆえに戦っても戦わなくても滅びるのならと行動しようとしないディノスたち(曰く「戦う理由が見いだせない、見いだせない以上行動するのは間違っている、なにもならない事にエネルギーは使えない」)だったが、恐竜王の言葉でカルデアを助ける為、『もっと大きなもの』とって意味を残す為、何よりも自分と皆がこの異聞帯で確かに生きていたという『証』を残す為に命を投げ出す事を決意。

それまで存在意義を感じなかった武器商人の持ち込んだ武器をほんの僅かな時間で改良し、ORTに挑むことを決めた。

センシティブな作品


テペウは当初、カルデアの旅についていく事を願っていた。

しかし、同胞たちの奮起を悟ると彼らと共に戦う事を決め、シャドウ・ボーダー内で緊急時用のサブマシンガン(本人はナイフを所望していた)を譲り受けてORTへの特攻に向かおうとする。

しかし、汎人類史の人間が目指すべき理想の人類と言えるディノス達が命を捨てる事に抵抗感のあるマシュは、誰の目から見ても勝ち目の無い戦いに『なぜ希望も意義もない戦いで命を落とそうとするのか』と投げ掛ける。


それを聞いたテペウは、マシュにそう言わせる程これまでの戦いが過酷だった事を察し、一つの答えを伝える。


それはマシュがイシュキックとの会話で、平等の命、誰もが尊いという言葉に感銘すると同時に、それなら人の死すら平等、つまり「親しい人の死と無関係の人の死も平等に扱わなければならない」「誰の死も悲しむべきだし、また悲しむべきではない」、「差別をしない、比較をしない」という矛盾に対する答えでもあった。


差はあって然るべき、できて然るべきもの。倫理道徳の話ではなく、命の価値は同じではない。自分は好きなものに差をつけてしまった(嘘が見える彼女でさえ、「生きてれば優劣はできるものだし、優劣ができる以上、特別なものは発生する」と認めている)マシュはマシュに近しい人の不幸を、遠い人の不幸より悲しんでいいのだと。


人間は自身に繋がるもの、自身を輝かせるものを求めた、だからこそ人類は繁栄した。


残酷だが平等である事が本当の意味で平和であるとは限らない、特別を認めず、特別に気づかず、助けたかった友人すら救えず、変化が生じなかった自分達の異聞。

そんな世界にやってきた主人公達との交流は、テペウに『新しい世界』を感じさせるものだった。


人間は『間違い』を犯し『正解』を選べない生き物。

だが、元々知性を持つものである限り、絶対的な正解などない。

ディノスにはそれが分からなかった。

ディノスは、確かに6600万年もの間存続することができた、この地球においてこれほど長く繁栄した人類はいないだろう。

しかしそれは正解を選んだからではなく間違いを犯さなかっただけ。

結果としてディノスは何の成果もなく、何一つ変わらず、素朴なままただ存続する事のみを続けてしまった。

それは知性持つものとして正しい営みではなく、恐竜王の言葉を借りるならば「物語の片隅にも載らない『その他大勢の一人』」であるだけだった。

そんなディノスが今、自己と友人達のために『最初で最後の我儘』という間違いを選択できた事は、彼らが命を賭けるに値するだけの答えとなった。


『はじめて友人達と同じ彼方(ソラ)を目指せる人類になれた』


確かに、汎人類史の人類にも、ディノスに学ぶべき、目指すべき点は多い。

だが、両方のいいとこ取りを目指したところで、何もおかしなことはない。

こうして別れを済ませたテペウは、命を懸けられるだけの理由を胸に、マシュへの感謝と汎人類史と自分たちの行動を悪しきものだと背負わないようにと励ましの言葉を伝え戦場へと駆け出した。

ディノス達の総力をもってORTにダメージを与えた後、他のディノス達と同様に命を落とす。

この時、マップ上のORTのゲージが自動でブレイクされる演出を見る事ができ、テペウ達の行動が無駄ではなかった事実に涙を流すマスターが続出した。


最期の最後にククルカンと言葉を交わし、彼女の正体に薄々気付いていた事と、「時には自分に正直になってもいいのだ」と伝えて背中を押した。

その言葉が真の脅威からカルデアを守り、テペウは今度こそ友人を救い、そして仲間と共にひとつの神話という、何よりも輝く物語を生み出したのであった。









あまりにも長かった年月。『あまり』さえ残らない空虚な歴史。


・・・・・・それでも。私たちの人生であり、美しいものでした。











…ORTのゲージがブレイクされる時、「MELTY BLOOD:TYPE LUMINA」における彼と同じ特性の所持者のラストアーク発動時と同じ効果音が流れるという演出となっている。アドベンチャーパートの地の文と合わせてそのまま受け取れば、テペウがORTの命を一つ殺したということになる。


のちにTYPE-MOONエースの特集インタビューで開発スタッフが語ったところによると、渡されたシナリオのト書きに「テペウが最後に捨て身の突進をして、ブレイクゲージが一つ削れます」、注釈に「『直死の魔眼』を持っているテペウは、その力でORTの命を一つ『殺した』」と記されていたとのことで、メルブラのSEはテペウの攻撃を表現するため意図して使ったという。


その特性に加えて、紅閻魔・オルタによってORTに死の概念が付与されていたこと、プロフェッサーから魔術を学んだこと、ドゥムジの飛行を見て魔術を応用した飛行再現という着想を得ていたこと、そもそもディノスという種が肉体的・魔術的に非常に優れた強靭な生命であること…そのすべてが合わさって始めて可能とした奇跡的な一撃だったと言える。

センシティブな作品


そんな彼が死の間際に抱いた想い、それは『彼女にこんな痛みを与えなくてよかった』。

誰よりも「死」と向き合い考え続け、そして挫折した賢者は、過ちを犯す事も後悔する事もなく、安堵してその人生に幕を下ろしたのであった。









真の関連タグ


???








全ての異聞帯を切除したマスターにはのちに、シナリオクリア報酬として「彼ら」が描かれた概念礼装「あの遠い夜の日に」が送られる。


【お仕事】Fate/Grand Order『あの遠い夜の日に』


わたしのトモダチはテペウ兄と、いつも見守ってくれた太陽(アナタ)だけだったけど。

他のどんな人類より、波瀾万丈で、愛に満ちた人生でした。


6600万年かけて、あなたたちと同じ彼方(ソラ)を目指す、人類になったのです。


———これは在りし日の絵画。

すべてを平等に扱い誰もが尊い樹海の中で、小さな特別が生まれた、かつての星降る夜の姿。

そして君は思い描く。

誰かと同じであることを、誰をも同じに扱うことを忘れて、いくつもの過ちを繰り返しながらも自由な旅に身を躍らせる、彼らの冒険譚を。

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