「ええ!?全ての感情を司るデーボ・センキングを知らないとは、沁みるわぁ~……(哀)。どうやらまだブレイブが残っている様だな(怒)!」
データ
身長/203cm
体重/173kg
集める感情/ブレイブ
成分/カオス、ドゴルド、アイガロン、キャンデリラ、ラッキューロ、エンドルフ、獰猛の戦騎D、など
配合/氷結杖、ブレイブキューイン
特記事項/厳密には戦騎だけでなく、実は神官も密偵も混じっている。
概要
第32話「遭遇!キョウリュウ!」に登場する、ダグデドが地球へ送り込んだ兜武神デーボス率いる新たなデーボス軍の、「兜武神デーボスの力を完全復活させる」という考えによって誕生したデーボモンスター。
全ての感情を吸収する事ができるデーボモンスターの王様であり、同時に戦騎(=幹部)でもあるという特殊な立ち位置を持つ。
外見
一言で言うなら「一人デーボス軍の戦騎」。
髭を生やした厳つく白い顔が特徴で、頭部は百面神官カオスを模している。
更に胸部にはドゴルドの顔、右腕にアイガロン、左腕にキャンデリラの上半身、右脚部にエンドルフ、左脚部にラッキューロ、背中に獰猛の戦騎Dと、キマイラの様な禍々しい外見をしている。
この内、キャンデリラとラッキューロは生存・健在な為、恐らくは地球に刻まれた戦騎達の記憶を読み取り製造されたと思われる。しかしキャンデリラ部分は血管が浮き出た心臓の様な生々しくグロテスクなデザイン(笑い顔も鬼気迫った禍々しい雰囲気)、ラッキューロ部分に至ってはあのおとぼけ顔じゃなく帽子部分へ不気味な細目が付いた様な継ぎ接ぎだらけの怪物(パッと見はこの怪獣にそっくり)になっていると、オリジナルを歪めた様なおぞましい造形となっており、創造者である兜武神デーボスの邪悪な偏見と解釈で記憶の一部だけを誇張されたのが見て取れる。
能力
武器である『氷結杖』は、旧デーボス軍の本拠にして暗黒種デーボスの身体その物だった、氷結城内部の床壁=デーボスの体組織をそのまま三叉槍の形状にした代物。穂先部分はかつての戦騎達がデーボスの意識を復活させる為に集めた、人間の感情を蓄積する柱型装置の小型版となっており、これで人間より感情の力=ブレイブを引き出しては収奪する能力『ブレイブキューイン』を行使。これで世界中の人間からブレイブを吸い上げ、兜武神デーボスに送り続けていた。そしてブレイブを奪われた人間は感情を失い無気力化、誰かの命令に従うのみの生きた屍も同然な状態となり、デーボス軍の下僕として完全に支配されてしまう。
総じて、一度で多数の人々を精神的に無力化、感情エネルギーと従順な労働力を同時に確保出来る、戦略面で大変有用な力を持ったデーボモンスターと言え、これに自分達の力の源である獣電竜らを一斉捕縛される二段作戦をかまされた結果、旧デーボス軍を打ち負かしたキョウリュウジャーを完封し敗走させた上で、短期間で地球のほぼ全てを兜武神デーボスの手中に収めさせたと推測される。
性格
かつてキョウリュウジャーを苦しめた全ての戦騎のパワーを持つ物の、詰め込まれた喜怒哀楽の感情がコントロールできていないのか、突然「沁みるわぁ~…」と哀しんだかと思えば「腹立たしいぜ!」と怒りを露にした口調になり、またある時には「頭が痛てえ……」と相手への恨みが強すぎて気だるそうに頭を悩ませたり、挙句に「キープスマイリング♡」と言わんばかりに甲高い声で喜びを表現する等まるで全ての戦騎の個性をゴチャ混ぜにした様な言動を取る。
その感情が代わる代わるに表出する様は、まさに史上最強の気分屋でもあり、原典のキョウリュウジャー終盤で自らの身体に移植したデーボスの心を圧縮解凍する為に濃い感情エネルギーを自身へ注いだ時のカオスの精神状態を再現したともいえる性格で、頭部がカオスを模しているのもこれに因んでいると考えられる。
そう解釈するなら、その外見は旧デーボス軍主要陣の集合体に見せかけて、カオスが戦騎達を継ぎ接ぎして作成した鎧もしくは身体を無理矢理動かしている様でもあり(※胸部のドゴルド部分が鎧の前垂風の造形なのは、文字通りの『生きた鎧』だった彼を揶揄っているのだろう)、原典終盤で見せたカオスの戦騎達に対する身勝手な仕打ちを思い起こさせる。
活躍
前回、ダグデドによってキョウリュウジャーの地球へ放逐されてしまったキングオージャー一同。カグラギもまた一人逸れて飛ばされてしまい途方に暮れるもたまたま知り合った農家のおじさん(その正体は、アミィ結月の元執事のジェントル(演:島津健太郎))と意気投合し葡萄をご馳走されていたが、そこにデーボ・センキングが襲撃。
自分を知らなかったカグラギに問われて悲しみに暮れるも、すぐさま怒りを露にしてジェントルからブレイブを奪い無気力化。カグラギが立ち向かおうとするもシュゴットがいなかったため王鎧武装できず、満足に戦うことができない。だがそこにノブハルが駆けつけどうにか退避することに。
レジスタンスのの避難所に集められた王たち6人はキョウリュウジャーたちからこの星が追い詰められた経緯を聞かされる。2年前、ダグデドの手によってデーボス軍が復活しそれに立ち向かうキョウリュウジャー。そしてレッドとゴールドは元凶を追ってプレズオンと共に宇宙に旅立って今は不在であること。そんな中、自身らもブレイブを奪われ変身不能に陥ってしまうも、未来の時空からやって来た新世代戦士としての素養を持つプリンスと共に地球を守って戦っていることを聞かされる。
翌日。新たなデーボス完全復活のため、最後のブレイブを略奪すべくデーボ・センキングが襲来。
だがそこに王たち一同とプリンスが立ち塞がる。
実は獣電竜と共に戦うキョウリュウジャーと同様にシュゴットと共に戦うキングオージャーの共通点を見出したギラはあえてプリンスと戦い、自身に一撃入れさせたことで獣電竜の代わりにシュゴットの力を込めたアイテムを作り出したことで彼を戦士として覚醒させることに成功。これによりキングオージャーの力を併せ持つ新世代のキョウリュジャーであるキングキョウリュウレッドが誕生。
更にギラもクワガタオージャーへと王鎧武装、二大レッドの凄まじい猛攻の前に追い詰められてしまい敗北・爆散した。
「このキングたち強すぎ~(笑)!頭が、痛ぇ……(敗北)!」
人間から感情を搾取していた寄せ集めの王は撃破されたが、既にデーボスは十分な力を身につけており……
余談
- 名前の由来はそのまま「戦騎+キング」から。
- 公式サイトでは宇宙害虫記に記載されているが、所属はおろか成り立ちも違う為、デーボモンスターや戦騎たちのフォーマットを意識した文面となっている。
- 三人の神官の内、出番がデーボモンスターと同程度の雑魚神官と閃光の勇者になった欠陥品の裏切り者神官は含まれていない。ぼっち神官カオス…。
- しかし裏切者の方は言わずもがな、もう一方は実質カオスに従順な傀儡でしかない、そして原典のカオスはひたすらデーボス復活を優先し戦騎との繋がりも最低限にしか築かず挙句は冷淡に切り捨てる、最後は裏切者の弟と同じ道を選んだキャンデリラに躊躇無く討たれた結果を迎えると、結局は孤立した立場となり誰にも顧みられず散ってしまった。
- センキングの中核部分がカオスな事、一人デーボス軍とも呼べるポジションなのはこうした、カオスの主君に忠実だがそれ以外の同胞へ酷薄だった本性の再現とも評せる。
- 更に言うと戦騎も全員含まれている訳でもなく、新•喜びの戦騎キルボレロと新•哀しみの戦騎アイスロンド、後悔の戦騎アースレバンもハブられている。
- ただしキルボレロとアイスロンドは、原典終盤でカオスが実行した戦騎の大幅なリストラを行う布石として秘密裏に産み出して暗躍させていた事、センキングの右腕になったアイガロンが原典のストーリー中盤でカオスに動く死体として蘇生されていた事実から、この両名はセンキングの両腕にモチーフを統合されているとの解釈が可能である。
- 一方、かつてキョウリュウジャーと争った方とは別個体であるデーボスが産み出したので、そちらの怨念の化身ともいえるアースレバンの意匠は無いと考えられる(※あちらは100年越しに行動を開始するので、まだこの時点では誕生してない可能性もある)。
- 声を演じる武内氏は『魔進戦隊キラメイジャーvsリュウソウジャー』のムービー邪面以来、2年ぶりのスーパー戦隊シリーズ出演となった。こちらも戦隊のコラボ作品で登場した怪人である。
- ちなみに氏は今回、実質的に複数の役を演じていた為、X内で「大変だった」と呟いている。
- デザインはデーボス軍のデザイン原案者その人であるK-SuKe氏。戦隊怪人デザイナーとしてその頭角を一気に現した作品のセルフリメイクに相応しく、デーボス軍の主要怪人らとその本拠をお得意のジオラマ構成で各々の特徴を押さえつつ一人の怪人に再構成した、大変秀逸かつ氏の怪人デザインワークキャリアの足跡を象徴した一体となった。
関連タグ
ヤラネーダ:2年前のプリキュアに登場した人間のやる気を奪う怪物。
アキャチューガ:6年前の敵幹部のキマイラ怪人繋がり。デザイナーも一致しており、合成元やモチーフ等の配置とそれを上手く人型に纏めたジオラマ構成の秀逸さはこちらも劣らない。
ドン・アルマゲ最終形態:こちらは宇宙一つ分の住人を体内に取り込み、苦しめ嘆かせて捻出させたマイナス感情をエネルギーとして蓄積・使用した。こちらもデザイナーが一致しており、インドの宇宙観(天動説)を外見全体に落とし込んでいる。
ヒトツ鬼:前作の一般怪人枠で、歴代戦隊の要素をディスペクトした上で再構成したデザインアプローチが酷似する。なおキョウリュウジャーモチーフのヒトツ鬼とヒトツ鬼ングとして、獣電鬼と獣電鬼ングが登場している。
ガニマ・ノシアガルダ:ある戦隊のモチーフを継ぎ接ぎにしたキマイラの如き姿を持った戦隊怪人で、コンセプト的には先輩に当たる。