概要
ここではヒューマンバグ大学に登場する哀しき悪役を大まかに解説していく。詳細については各々のキャラクタープロフィールから確認のこと。
作品の性質上、一概に善悪で測れない部分もあるが、このページでは基本的に各シリーズの主人公、もしくは主人公が属するグループ(天羽組、京極組良識派、毛利グループ、獅子王組眉済派、愛天雄)の敵対者を記載することとする。
解説
ヒューマンバグ大学は「人がバグってしまう」という点をテーマに動画を制作している。そのテーマ自体はシリーズ構成になってからも引き継がれており、その性質上哀しき悪役が多く登場する傾向があり、味方サイドも悪堕ち、狂人化といった災難に見舞われることも少なくない。
その要因については様々であるが、生まれや虐待、いじめや差別、近しいものの死といった誰にでも起こり得る、若しくは起こり得たかもしれない要因が多くを占めている。
「人がバグってしまう」というのは必ずしも珍しいことではなく、どんな人であってもバグる可能性はある。
そういった意味で、「人がバグってしまう」というテーマの体現者ともいえる。
公式は「視点を変えれば正義が変わる」「悪になる人間にも必ず理由がある」というスタンスを取っている。
ただ一面的に悪というだけでなく、一見悪でも彼らにとっては正義だった、悪には誰でも堕ち得るという、現実における単純に一方的な善悪では測れない人間、そして人間社会を描き出しているということでもあるのだろう。
作中において、他の登場人物(特に主人公の陣営)からは「哀しい過去があるのは認めるが、それはそれとして悪に手を染めることは許さない」という態度で挑まれるため、和解・改心に至る例は少なめ。
しかし、それでも思うところはあるのか、死ぬ直前、もしくは死した後に何らかの温情ある対応が取られることも多いほか、特に信念のぶつかり合いによる対立の場合は相手の遺志を汲むことも多い。
視聴者からの評価はキャラによって程度の差はあるが同情的な評価がやや多めになる傾向にある。
しかし、あまりに暴走しすぎてしまった場合はその限りではなく、いくらなんでもやりすぎと評価されることも。
京極組
元は後述の日下、黒澤同様仁義や任侠に熱い侠客だったが、人間の負の一面を目の当たりにしたことで仁義外れになってしまった(ただし後に改心している)。
かつては仁義や任侠に熱い侠客だったが、暴対法とそれに伴う舎弟の死が原因で救いようのない仁義外れな拝金主義者に豹変してしまった。
- 木村達也※微妙なライン
同期の藤宮と同じく同期の一条康明への妬みから歪んだ。詳細は不明だが本人の言動を察するに親(周囲)の愛に恵まれずに育ったことが窺える。
本来は愛妻家な良識派構成員だったが羅威刃が雇用した偽情報屋に騙され、射殺事件を起こしてしまった。事件を起こしたのが村迫と知り久我は驚愕した。
- 田代※微妙なライン
極道から足を洗い真面目に生きようとしたものの、世間的に認められず、仕事も得られず口座や携帯すら作れなかったため、結局羅威刃に流れ着くこととなってしまった。
獅子王組
黒澤派の人物は1名を除き明確に善悪で測れはしないが、敵対者であるため本稿のルールに則り記載
相良や日下と同じく彼もかつては仁義や任侠に熱い侠客だったが、暴対法による資金難とそれに伴う舎弟の死が原因で舎弟にひもじい思いをさせることが強烈なトラウマになり、仁義外れな拝金主義者に豹変した。但し彼に関しては完全に仁義を忘れたわけではなく、金を稼げる者に仁義を教える方針を持つ。
- 青木と木村
黒澤の舎弟だった2人。任侠を重んじていたものの、暴対法による資金難によって食事すらままならなくなり、麻薬販売に手を出してしまう。黒澤は組のケジメとして彼らを射殺したが、彼らのことを想い涙し、後に拝金主義者となってしまう。
愛情を注いでくれた母が集り野郎に理不尽極まりない理由で殺され死別してしまった(のちに改心し眉済派に帰順)。
- 佐島と峰岸※微妙なライン
当初中立の立場をとっていた井上月麦の同期で、元は仲も良く井上の台詞から任侠も持ち合わせていた模様。しかし、黒澤派についたこと、台詞から恐らく貧しかったことなどが影響して、成果を得て出世しようと井上に襲い掛かってしまう。
羅威刃
東雲竜政、秋元詩郎、高城蓮太郎、絢辻雅史など、悪役であるが仲間への思いやりや美学を持つ者も少数ながら存在。
物心がつく前から飲んだくれでろくでなしのクズ親父から凄惨な虐待を受けて育ち、自他共に認める暴力主義の悪魔に豹変した。
生まれつき片腕が原因で理不尽な迫害や差別を受け、唯一の肉親にして理解者である母親もろとも村八分を受け、10歳で母親と死別したことで300人以上の両腕がある人間を殺した救いようのない外道に成り果てた。
伊集院もある程度彼の悲惨な過去を理解したのか、最後の愛情として小湊が抱いていた母の愛への曲解を正してから手にかけた。
天王寺組
- 組織全体
かつては仁義と郷土愛を重んじる任侠極道組織だったが、四代前の関東極道組織による侵攻と大虐殺(犠牲者の中には人格者と慕われた当時の組長も含まれ先代組長が尊敬していた兄貴分も犠牲になった)が原因で関東極道に対して尽きぬ怒りと憎しみを抱いている。
しかし一部を除いて完全な仁義外れとまでは言えず、過去に紹介されたような極道の不文律を守ると言ったような最低限極道としての筋は通しており、下記の人物の他にも岸本隆太郎や馬渕春斗、似鳥正男のような根っからの悪ではない人物も戸狩派を中心に存在している。
そしてなんの偶然か個人で人種差別を受けた人間が多い。
その一方、末端や一部派閥には外道と呼んで差し支えない者も。
かつては日下や黒澤と同じく仁義や任侠に熱い侠客で、同じく侠客である祖父と共に道を極めていたが、四代前の関東極道組織による侵攻と大虐殺で最愛の祖父を失い、怒りと悲しみを引き継いだ。
父親がヤクザ(厳密には準構成員)であることが原因で理不尽な迫害や差別を受けた(ただし城戸の父は城戸にめいいっぱい愛情を注ぐ良き父で、何も知らない外野にとやかく言われるような下衆では無い)。
両親、兄揃って毒親で虚栄心の塊のような人間のクズ共。昨今の毒親問題から浅倉の家族は視聴者から強い殺意を向けられている。
出身を理由に常軌を逸した差別を受けた末、天王寺組以前に転々とした先全てで個人として見られていなかった。故に人種差別をする輩は(大阪を見下す東京含め)ブチギレて攻撃する人格が形成された。
彼の顔には醜い痣があり、幼少期にその痣が原因で差別を受け続けたことで劣等感を抱き、グレてしまった。
具体的な過去は不明だが、戸狩と同じ出身を理由に常軌を逸した差別を受けたとされる。
CODE-EL銀田グループ
かつては正義を重んじる誇り高き熱血漢だったが、2度依頼人に騙され善人を殺してしまい、人間の負の一面や醜悪さを見続けたことで次第に手段を選ばなくなっていった。
ラウ・ル・クルーゼやドルメン大帝と同じく、人間のエゴで人為的に生み出され、人の愛を受けずに育ったことで、極端に視野が狭く人の情が理解できないモンスターに成り果てた。瓜生に敗北して改心。
闇堕ち前から銀田に仕え、銀田の理想のために戦い続けたがその銀田の理想が崩壊した後も良心の呵責に苦しんでいた。後に瓜生と毛利により別人として生きることとなる。
生まれ育った村の貧しさを見て、貧困から抜け出したい、自分の技術が広い世界でどこまで通用するのか見たいという思いがあったため殺しのスキルを義のためだけに使うことに反対。そのまま悪の道へ進んでしまった。
戒炎
2歳で母親と死別し、親や周囲の愛に恵まれなかったが故に愚連隊になった。とはいえ城ヶ崎と違い元々野心は薄かった上に一時は生まれて初めて人の暖かさを教えてくれた恋人の千尋との出会いで更生しようとしていたが一人の外道が起こした強姦殺人で恋人は惨殺され、心のタガが外れてしまった。
物心がつく前に実父と死別し、母親の再婚相手から虐待を受け、金食い虫と罵られ、母親は保身から成凪を守ろうとせず再婚相手のご機嫌取りをした夫婦揃ってクズ親。
自身が半グレ組織でトップを抱えていた時、末期の胃がんしかもステージ4というかなりの重症という事実を思い知らされ、現実に向き合わずに自暴自棄になってしまった。
エルペタス
他の組織と比較した際、完全な悪人と言える人物が少ないことが特徴であり、大丸靖公や世良蓮二郎といった信念の元動く者や、祇園織文、軍鶏、鈴蘭等家族思い、仲間思いの者が多い。
本業で恨みを買った結果、愛する息子を失ってしまい、仇討ちのために殺し屋狩りを始めることになった。葬送曲として童謡を口ずさむのは息子が好きだったからである。
エルペタスでの活動を通し子供など無関係の人を狙うことに抵抗を持つようになったが、強硬的な一族に対しその意見を言い通すことができず結果として従う道を選んでしまった。
桜花会
彼も日下・黒澤・銀田同様正義感溢れる熱血漢だったが付き合っていた女性が自身を逆恨みする不良たちに凌辱され、精神を病んだことが原因で目的の為なら手段を選ばない卑劣漢に豹変した。のち紅林に敗北し改心した。
半グレ
- 上牧
兄貴分である藤代達也と金城の後始末をする形で、おこぼれに預かっていた外道だが、ある時兄貴分達によって自身の幼馴染とその姉が凌辱されるさまを目の当たりにし、良心の呵責に耐えきれず自首しようとしたが藤代に殺害されてしまった。
その他
- 飲食店社長の老人
大型のショッピングモール建設に対して天羽組は地上げをおこなおうとしたが、それに対し立ち退きに応じなかった。その結果、天羽組の沼田に嫌がらせを受けた末に店を破壊されてしまい、その報復として半グレを使って沼田を殺害してしまう。そして最終的に小峠によって射殺されてしまった。
- 難民犯罪者たち
2023年11月4日の動画で登場。日本で上手く生活を送ることができず外道行為に走った者たち。一条は彼らを悪人としつつも境遇やその背景には同情する様子を見せていた。
彼は城ヶ崎や麻生とは違うタイプの毒親に育てられていた。両親は彼を一流企業に就職させようとして勉強に励まさせたものの面接に落ちてニートになり、その結果として精神を歪めてしまい大量殺人を行おうとしたが、最終的に仙石薫に銃殺される。
彼の両親は反省しており、彼に社会復帰を促していたほか、銃殺後止めてくれたことへの感謝だけでなく憎悪を滲ませているなど息子への愛は持ち合わせていた模様。