オーブトリニティ
おーぶとりにてぃ
「ギンガさん!」
『ウルトラマンギンガ!』 『フッ!』
「ビクトリーさん!」
『ウルトラマンビクトリー!』 『セヤッ!』
「エックスさん!」
『ウルトラマンエックス!』 『イィィィーッ! サーーーッ!』
『トリニティフュージョン!!』
「3つの光の力、お借りします!! オーブトリニティ!!!」
『ドラッ!』『スェッ!』『デュアッ!』
「俺はオーブトリニティ。3つの光と絆を結び、今、立ち上がる!!」
データ
身長 | 50m |
---|---|
体重 | 5万トン |
飛行速度 | 計測不能 |
走行速度 | マッハ20 |
ジャンプ力 | 5000m |
水中潜行速度 | マッハ18 |
地中潜行速度 | マッハ10 |
腕力 | 24万トン |
握力 | 18万トン |
概要
2017年3月11日公開の劇場版『ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!』に登場するオーブの形態。
いわゆる劇場版限定タイプに相当する。
ウルトラマンギンガ+ウルトラマンビクトリー+ウルトラマンエックスのトリニティフュージョンで変身。オーブでは異色の3人でのフュージョンである。トリニティフュージョンの存在は玩具『DXオーブリング』で早くから判明してはいた。
SSPの面々の思いに呼応したギンガ達から直接授かった光がウルトラフュージョンカードに変化し変身可能となった。
なお、オーブの形態では唯一変身時に形態名を自分で叫ぶ(オーブリングから発声される音声は「トリニティフュージョン」である)。
変身メロディはエレキギターにドラムが加わったロック調。
また、他のフュージョンアップ形態への変身時では強い光に包まれて見えなかったオーブオリジンの姿が変身バンクではっきりと見られる。
なお、劇場版『ウルトラマンジード つなぐぜ!願い!!』ではバーンマイトに3人のイメージが重なる形で変身している。
外見はギンガ・ビクトリー・エックスの特徴が上半身に集中しており、下半身はオーブオリジンの面影を残したシンプルなデザインになっている。額のクリスタルの色は青。
右肩に装備する専用武器:オーブスラッシャーを駆使して敵と戦うほか、ウルトランスの使用やモンスアーマーの装着も可能。モンスアーマーを装着した際にはエックスのデータ化によるサイバー空間への干渉能力も見せた。
『ウルトラマンフュージョンファイト!』においては、ギンガとエックスの力を借りるライトニングアタッカーの完全上位互換という指摘もあるが、属性がオーブトリニティは「光」(青属性)なのに対しライトニングアタッカーは「武」(スペシウムゼペリオンと同じ紫属性)であるなど、能力は異なる。
スペックは全フュージョンアップの中でも最高である(腕力はライトニングアタッカーとエメリウムスラッガーの方が高い)。他のウルトラマンの最強形態と比べてもスペックが異常に高く、あのウルトラマンレジェンドを握力以外で、さらに自らを合体の構成に含むウルトラマンレイガに至ってはすべての数値で上回っている。
劇中では数の差や人質を取られて苦戦することもあったが、ギンガ、ビクトリー、エックス、セブンとの連係プレーでムルナウ一味を撃破した(これ以降の作品でも他のウルトラマンとの共闘する際にこの姿になることが多いため、文字通り絆の力で闘う戦士といえよう)。
必殺技
- トリニティウムシュート
オーブスラッシャーのスライドタッチ2回で発動。
オーブスラッシャーから放つV字型の光線。
溜めポーズはビクトリウムシュートのものに似ている。
- トリニティウムブレイク
オーブスラッシャーのスライドタッチ3回で発動。
カッター光線を連射した後、オーブスラッシャーで一刀両断する。
溜めポーズはギンガクロスシュートのものに似ている。
- トリニティウム光輪
オーブスラッシャーのスライドタッチ3回+ブーストスイッチで発動する究極技。
ギンガ・ビクトリー・エックス・オーブのマークをモチーフにした巨大な光輪をオーブスラッシャーから放つ。
溜めポーズはザナディウム光線のものに似ており、発射前のポーズはギンガサンダーボルトに似ている。
- トリニティウムシールド
虹色のバリア。
- EXレッドキングナックル
劇中で唯一使用したウルトランス。
- ビクトリウムスラッシュ
ビクトリーの技。
『ウルトラファイトオーブ』にて使用し、メカゴモラを攻撃した。
劇中で唯一使用したモンスアーマー。
腕部分のみ使用するがアーマー全体を装着することも可能。
- トリニティウムファイナル
『フュージョンファイト』ルーブノキズナ4弾にて追加された、ジード・ウルティメイトファイナルとの合体技。
オーブトリニティが放ったトリニティウム光輪を追いかける形でジードが突撃し、トリニティウム光輪命中と同時にクレセントファイナルジードを浴びせ、相手を十字に切り裂く。
一部の視聴者からの扱い
「オーブ究極の姿」扱いされているにもかかわらず、初変身してすぐのそれらしからぬ活躍から不遇扱いされる事が多い。
具体的には、
・登場して間もなくガピヤ星人サデスをトリニティウムブレイクで撃破するも、その後はガッツ星人ドッペルにSSPの面々を人質にされて動きを封じられ、2人の宇宙人とデアボリックの3人がかりでリンチに遭う
・先輩達が復活してからはようやく互角……と思いきやサデスが復活。デアボリックと合体し発射したデアボリックキャノンをトリニティウムシールドで防ごうとしたが破られ大ダメージを受けダウン、カラータイマーが点滅すると苦戦が目立ち、通りすがりの風来坊が現れるまではイマイチしまらない活躍だった(とどめの刺し方も彼の攻撃からヒントを得たきらいがある)。
このような描写になってしまった理由としては、『絆の力、おかりします!』自体がウルトラマンフェスティバルのようなヒーローショーを意識した作品であるためと思われる(ヒーローショーでは、チートラマンとして名高いウルトラマンノアやウルトラマンキングでさえ並の怪獣・宇宙人に圧倒されてしまうこともしばしばである)。
また、従来の映画ではクライマックスに融合形態が登場することが多かったが、本作では中盤に登場させることで活躍シーンを増やしており、それが結果として苦戦を増やすことになってしまったとも見れる。
さらに、後に登場したライトニングアタッカーやエメリウムスラッガーには、部分的にオーブトリニティを上回るスペックを持ち、劇中無敗であることも、本タイプが不遇といわれる要因となっている(特にライトニングアタッカーは、パワフルな戦い方をするビクトリー以外の2人の力で変身するのにもかかわらずである。)
とはいえ補足しておくと、これはオーブトリニティが弱いというよりは本作の敵が(コンビ込みもあるが)強すぎるというだけであり、その弊害をたまたま食ってしまっただけであるといえる。
そもそも本作の場合は敵味方問わず能力面よりも仲間との共闘面が重視されていたところもあるので、一人の強力な戦士が登場するよりは丁度良い強さなのかもしれない。
例えどんなに能力や力が強い戦士でも、一人きりでは戦えないときもあるのだ。
さらに言うと、直後に登場したセブンの存在が、撃破に貢献したとはいえ活躍を食ってしまったという指摘も存在する。戦闘系作品では新キャラを目立たせるために旧キャラが噛ませ犬と化すという問題が起こりがちで、無論昭和時代と平成以降の一部作品もその例に漏れていないが、『メビウス』以降の作品ではそれとは逆に一部例外を除いて歴戦の戦士(特にウルトラ兄弟を中心とした昭和ウルトラマン全般)が最新ヒーローを食うような活躍をする傾向が強く、それが顕著に出たともとれる。
総合的にみると、攻撃力は凄まじいが防御力がガタ落ちしている印象を受ける。
実際、オーブトリニティのなかでも突出して高いのがジャンプ力・飛行速度・水中潜航速度・地中移動速度であり、ジャンプ力は2位のハリケーンスラッシュが1100mなのに対しこちらは5000m、飛行速度は測定不能、水中潜航速度はライトニングアタッカーを引き離してマッハ18、地中移動速度に至っては次点のバーンマイトがマッハ3なのにこちらはマッハ10である。当たり前の話だが、いくら攻撃力が高くても防御や守備が疎かでは勝てないのだ。
どうやら、ニュージェネレーションズの力を借りたことによるパワーアップは主に移動速度に反映された模様。
もっとも本編中ではガイ自身が死にかけた状態で変身したこと、さらに劇的なパワーアップではなくあくまで通常のフュージョンアップの延長であることなど、理由は色々とあるが。
ただ、それでも不遇扱いが続いているのは、その後の登場で万全な状態で変身してもイマイチ活躍に恵まれていないからでもある。
このため、後の客演作品での活躍を願う声も上がっている。
他作品での登場
ウルティメイトゼロとともにメカゴモラ、ジュダ・スペクターを撃破するも、レイバトスとの戦闘ではトリニティウム光輪が彼の持つ不滅の力で効果がなく、反撃を受け変身解除してしまいオーブオリジンに戻ってしまった。
今回は「親子の力、おかりします!」という副題から、結果的にセブン&ゼロ親子の力を借りた新フュージョンアップ形態であるエメリウムスラッガーに活躍の場を譲ることになってしまったが、今回の敵であるレイバトスの不滅の力が半端ない事を裏付ける描写にもなっており、決してオーブトリニティが弱いわけではないといえよう。
サイバー空間に捕らわれたジードをエックスの力であるゴモラアーマーで救い、その後トリニティウム光輪でギャラクトロン1体を撃破するも、ギルバリス戦では苦戦を強いられ、ゼロビヨンドがダメージで変身解除されたのに合わせてオーブオリジンに変身し直した。
トリニティウム光輪は瞬間的な破壊力はフュージョンアップ形態でもトップクラスの威力を誇るが、オーブスプリームカリバーなどの光線と違い持続してダメージを与え続けることができないという弱点があり、ただでさえ装甲が硬いギルバリスとは非常に相性が悪い(現にゼロビヨンドのツインギガブレイクでは殆どダメージを受けていなかった)ためだと思われる。
また、新録での変身シーンが撮られている。
エックスの方に気が向いていたウルトラダークキラーに、ゼロ距離でトリニティウムブレイクをぶち当てた後、距離を取ってトリニティウム光輪を放つも弾かれる。その後の一斉攻撃ではトリニティウムシュートを使用し、ダメージを与えた。
今作では他のニュージェネレーションズ達と同時にトリニティに変身し、ナイトファングを含めた怪獣軍団をトリニティウム光輪で撃破、揃って5人でポーズを決めたが何気に最初に初登場したギンガビクトリーを差し置いてセンターに立っていた。
直後のグリムド戦では空中でトリニティウム光輪を命中させたものの、それを物ともしないグリムドの圧倒的な反撃の前に撃墜されてしまう。その後はタロウの指示に従いタイガのウルトラホーンにエネルギーを集め、ウルトラマンレイガへの変身に貢献した。
エックスと共にレイバトスに追い詰められていたボーイ・ナイス・ゼアスの3人を攻撃から守り、これ以上敵を増やされないためにエックスと共にレイバトスの相手をボーイたちから引き継ぎ、グリージョの元へと行かせエックスの加勢もあったとはいえ、レイバトスを追い詰めるもそれを見兼ねたアブソリュートタルタロスのアブソリュートデストラクションを食らった。その直後に、かつてエックスがギンガとビクトリーと共に倒したグア・スペクターが顕現し追い詰められたが、グリージョの不本意な形でグアにされたギナを救いたいという思いに同意してレイガに合身しトドメを譲った。
余談
デザイン検討稿では、赤や銀の配色部分が多いものも描かれていた。また、当初はモミアゲ部分はビクトリーと同じ黒だったが、主張が強すぎるため銀色に変更された。
デザインを担当した後藤正行はオーブスラッシャーの取り付け位置に苦慮したが、「(初代ウルトラマンの)八つ裂き光輪をやりたい」という監督の田口清隆の意見を受け、八つ裂き光輪を投げる構えのイメージから右肩に取り付ける形とした。頭部は、額はギンガ、耳はエックス、眉間はビクトリーをそれぞれモチーフとし、ボディの配色はオーブオリジンを踏襲しており、手足のリングはオーブリングをイメージしている。
造型では、オーブスラッシャーの取り外しを再現することが難しいため、右肩のパーツは差し替え式とされた。